JPS6364975B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はトイレツトペーパーホルダに関し、特
に紙の引出端が上蓋の端縁より常にせり出してい
るようにしたものである。

トイレツトペーパーホルダはトイレツト用ロー
ルペーパーを支持すると共に、その紙を所望量づ
つ引き出して使える様になつているものであつ
て、概略は第１図に示した様に基板１に支持棒２
と覆蓋３とが備えられている。支持棒２は基板１
の両側又は片側に形成された側板４に取付けられ
ており、一方ロールペーパー５は紙管を巻芯にし
てこれに巻きつけられていて中心部分が空洞にな
つているところから、これを支持棒２に挿着する
ことによつて取付けるのである。覆蓋３は取付け
られたロールペーパー５の上部を覆つて保護する
と共に、紙を引き出したときの切断刃として機能
するものであつて、端縁６には刃が形成されてい
る。紙を使用するときは、云うまでもなく、紙の
端部をつまんで矢印の方向に所望量だけ引き出
し、次いでこれを上方に向つて引き上げて、紙を
覆蓋３の端縁に接衝させて切断するのである。

ところでこの場合、紙の新たな切断端は覆蓋３
の端縁５と一致するから、見掛け上覆蓋３の下に
隠されるので、次にこれを引き出すのが面当であ
つた。

本発明は上記した従来のトイレツトペーパーホ
ルダの不具合を改正して、紙を引き出し易くした
ものであつて、紙を引き出して切断するとロール
ペーパーが自動的に逆転してロールペーパーの新
たな切断端が覆蓋の端縁よりやゝせりだした状態
で垂れ下るようにしたものである。

更に詳しく云えば本発明はロールペーパーから
紙を引き出すと支持棒がロールペーパーと一体的
に無限に回転し、この紙を覆蓋の端縁で切断して
引き出し力を除去すると直ちに一定量だけ逆転し
て、紙の切断端がロールペーパーより垂れ下るよ
うにしたものである。

以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的に
説明する。

図中符号１１は基板、１２は支持棒、１３は覆
蓋、１４は側板である。これらは支持棒１２がロ
ールペーパー１５と共に前方へは無限に回転し、
後方へは一定量だけ回転するものである以外は通
常のこの種のものと変るところはない。即ち、支
持棒１２には中心線上に回転軸１７が突設されて
いて、この回転軸１７によつて側板１４に回転自
在に取付けられている。そして回転軸１７にはゼ
ンマイバネ１８が取付けられており、一方側板１
４には上記ゼンマイバネ１８を包んで円筒１９が
形成されている。このゼンマイバネ１８と円筒１
９は一種のラチエツト機能を有する逆転機構であ
つて、ゼンマイバネ１８の一端は回転軸１７に固
着されており、他端は円筒１９の内壁面に圧接し
ている（第４図イ参照）。従つて回転軸１７を図
中反時計方向に回転させると、ゼンマイバネ１８
は回転軸１７に対する巻付き量が増加する（第４
図ロ参照）。巻付量が一定量に達してゼンマイバ
ネ１８の後端に伝えられる回転力Ｐが円筒１９の
内壁面と後端との間に生じる摩擦抵抗より大きく
なるとゼンマイバネ１８は回転軸１７の回転する
に従つて回転するようになる。そしてこの状態で
回転軸１７を回転させようとする力を取除くと、
回転軸１７はゼンマイバネ１８の原形に復しよう
とする力によつて逆転する。勿論、この場合、ゼ
ンマイバネ１８は回転軸１７の回転数が増加して
も回転軸１７に対する巻付量は一定に保たれるか
ら、回転軸１７が逆転しようとする力とその回数
は一定となるのである。

符号２０はラチエツト歯車、２１はラチエツト
刃である。両者は回転軸１７の逆転量を規制する
ものであつて、ラチエツト歯車２０は回転軸１７
に固着されて回転軸と一体的に回転するものであ
り、一方ラチエツト刃２１は回転軸１７に遊嵌さ
れると共に、刃先は適宜な弾性をもつてラチエツ
ト歯車２０に接していて、ラチエツト歯車２０が
前方回転（図中反時計方向）するときはこれとの
摩擦によつて一体的に回転し、ラチエツト歯車２
０が逆転するときはこれと噛み合つて一体的に逆
転する様になつている。このラチエツト刃２１の
前進回転軌道上と逆転軌道上にはそれぞれストツ
パ２２，２３が設けられていてこれによつてラチ
エツト刃２１の逆転量が180〜330度程度に規制さ
れる。

尚、第２図は支持棒の逆転機構を側板１４の外
側に取付けた一例を示したが、もとよりこの方式
に限定されるものではない。第３図はその一例で
あつて、逆転機構を側板１４の内側に取付けたも
のであり、且つ支持棒１２内に納めたものであ
り、第２図に示したものとは形状が異なる以外は
何ら変るところはない。また、支持棒１２はロー
ルペーパー１５の巻芯の内面との間に適宜な摺動
抵抗があり、且つ、その抵抗には方向性があつ
て、支持棒１２の軸方向についてはロールペーパ
ーの抜き挿しが容易で、しかも一旦挿し込んだロ
ールペーパーは使用中に自然には抜け落ちること
がなく、又回転方向についてはロールペーパー１
５を回転させるとそれに伴なつて支持棒１２も回
転する程度の摺動抵抗を与えるものとする。一例
として支持棒１２は巻芯の内径より僅かに細い筒
体とすると共にその表面に軸方向に並行して巻芯
の内壁面に接する数条の係合突条２４を突設する
のである。

続いて上記の如く構成したトイレツトペーパー
ホルダの機能について説明する。

先ず、支持棒１２にトイレツトペーパー１５の
巻芯を挿し込んでこれを取付ける。そこでロール
ペーパー１５から紙を引き出すと、ロールペーパ
ー１５はそのトルクによつて回転し、その回転は
巻芯を径て支持棒１２に伝えられ、更に回転軸１
７に伝えられる。すると回転軸１７に固着された
ラチエツト歯車２０が回転するのでそれと同時に
これに圧接しているラチエツト刃２１がストツパ
２２に接する位置にまで回転する。また、それと
同時にゼンマイバネ１８にも回転力が加えられて
回転軸１７に対するゼンマイバネ１８の巻付き量
が増加し、これが一定の巻付き量に達した以降は
回転軸１７と共に回転する。

この状態で紙を切断すると、ロールペーパー１
５は回転トルクが除去されて自由回転状態となる
ので、回転軸１７がゼンマイバネ１８の復帰力に
よつて逆転し、同時にラチエツト歯車２０と噛み
合つて逆転するラチエツト刃２１がストツパ２３
に接衝した時点で停止する。従つてロールペーパ
ー１５は紙の引出量の多少に拘わらず、常に紙を
切断すると直ちに一定角度だけ逆転することとな
るのである。即ち、ロールペーパーの紙を切断す
ると切断端はロールペーパー１５が逆転すること
によつてａ点からｂ点にまで回動し、更にｃ点に
まで垂れ下るのである。

以上詳述した様に本発明はロールペーパーから
紙を引き出してこれを切断すると、直ちにロール
ペーパーが一定角度だけ逆転する様にしたもので
あつて、これによつて紙の切断端が覆蓋の端縁１
６よりせり出した状態で垂れ下るから、次に紙を
引き出す操作が極めて簡単に行なわれる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はロールペーパーホルダの使用状態を示
す一部切欠斜視図、第２図及び第３図は本発明の
一実施例を示す断面図、第４図はゼンマイバネ取
付部分を示す側面図、第５図はラチエツト機構を
示す側面図、第６図は使用状態を示す側面図であ
る。 １１：基板、１２：支持棒、１３：覆蓋、１
４：側板、１５：ロールペーパー、１６：端縁、
１７：回転軸、１８：ゼンマイバネ、１９：円
筒、２０：ラチエツト歯車、２１：ラチエツト
刃、２２：ストツパ、２３：ストツパ、２４：係
合突条。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基板に側板と覆蓋を取付け、更に側板には支
   持棒を取付けたトイレツトペーパーホルダにおい
   て、支持棒の中心軸上に回転軸を取付け、回転軸
   にはラチエツト歯車を固着すると共にラチエツト
   刃を遊嵌してその刃先を上記歯車に適宜な弾性を
   もつて接触させ、且つ該ラチエツト刃の回転軌道
   上に一対のストツパを設け、更に回転軸にはゼン
   マイバネを巻回してその一端を回転軸に固定し、
   他端は側板に突設した円筒の内面に接衝させたこ
   とを特徴とするトイレツトペーパーホルダ。