JPS6363557B2 - - Google Patents

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JPS6363557B2
JPS6363557B2 JP55170326A JP17032680A JPS6363557B2 JP S6363557 B2 JPS6363557 B2 JP S6363557B2 JP 55170326 A JP55170326 A JP 55170326A JP 17032680 A JP17032680 A JP 17032680A JP S6363557 B2 JPS6363557 B2 JP S6363557B2
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cells
mouse
antibody
thymocytes
hybridoma
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Publication of JPS6363557B2 publication Critical patent/JPS6363557B2/ja
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2881Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against CD71
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
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    • Y10S530/00Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof
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  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、初期の胸腺細胞(正常なヒトの胸腺
細胞のほぼ10%)に見い出されるある抗原に対す
るモノクローナル抗体、その製造法およびこの抗
体を用いる診断方法および組成物に関する。 1975年におけるKohlerおよびMilsteinによる
免疫されたマウスからの脾細胞へのマウスの骨髄
腫の融合(fusion)[Nature256、495−497
(1975)]は、均質な(いわゆる「モノクローナ
ル」)抗体をつくる連続な細胞ラインを得ること
ができることを初めて証明した。この基本の研究
以来、種々の交雑細胞[いわゆる「ハイブリドマ
類(hybridomas)」]の生成およびこれらのハイ
ブリドマ類によりつくられた抗体の種々の科学的
研究への使用について多くの努力が向けられてき
た。たとえば、次の文献を参照:Current
Topics in Microbiology and Immunology、
Volume 81−“Lymphocyte Hybridomas”、F.
Melchers、M.Patter、およびN.Warner、
Editors、Springer−Verlag、1978、およびそこ
に含まれる参考文献;C.J.Barnstable、et al.、
Cell、14、9−20(May、1978);P.Parhamおよ
びW.F.Bodmer、Nature 276、397−399
(November、1978);Handbook of
Experimental Immunology、Third Edition
Volume 2、D.M.Wier、Editor、Blackwell、
1978、Chapter 25;およびChemical and
Engineering News、January 1、1979、15−
17。これらの文献は同時にハイブリドマ類からモ
ノクローナル抗体を生成する試みによつて得られ
る利益および複雑さを示している。一般的技術は
概念的によく理解されているが、各特定の場合に
多くの困難に出合い、そして変更が要求される。
事実、一定のハイブリドマを生成しようと試みる
前には、所望のハイブリドマが得られるか、得ら
れた場合抗体を生成するか、あるいはそのように
生成された抗体が所望の特異性をもつか、を確め
ることができない。成功の程度は、主として、使
用する抗原のタイプおよび所望のハイブリドマを
単離するために使用する選択技術によつて影響を
受ける。 人間のリンパ球細胞表面の抗原に対するモノク
ローナル抗体を生成する試みは、数例報告されて
いるだけである。たとえば、Current Topics in
Micrbiology and Immunology、ibid、66−69お
よび164−169参照。これらの報告された実験にお
いて使用されている抗原は、培養したリンパ芽球
性白血病およびヒトの慢性リンパ球性白血病の細
胞ラインであつた。得られた多くのハイブリドマ
類は、すべてのヒト細胞の種々の抗原に対して抗
体を生成するように思われた。ハイブリドマ類は
いずれも、ヒトのリンパ球の前もつて定めたクラ
スに対して抗体を生成しなかつた。 最近、本発明者らおよび他の研究者は、あるT
細胞に対する抗体をつくるハイブリドマの製造お
よび試験について文献に開示した。参照、例え
ば、Reinherz、E.L.、et al.、J.Immunol.123
1312−1317(1979);Reinherz、E.L.、et al.、
Proc.Natl.Acad.Sci.、76、4061−4065(1979);
およびKung、P.C.、et al.、Science、206、347
−349(1979)。 人間および動物の免疫系に含まれるリンパ球に
2つの主なクラスが存在することを理解すべきで
ある。これらのうちの第1クラス(胸腺誘導細
胞、すなわち、T細胞)は、ヘモポイエチン幹細
胞から胸腺において分化されている。胸腺内にあ
る間、分化する細胞は「胸腺細胞」と名づけられ
る。成熟したT細胞は胸腺から出、そして組織、
リンパ管、および血流の間を循環する。これらの
T細胞は、再循環する小さいリンパ球の貯留
(pool)の大きい比率を形成する。それらは免疫
学的特異性を有し、そして細胞免疫応答(組織移
植注入のような)においてエフエクター
(effector)細胞として直接関与する。T細胞は
液性抗体を分泌しないが、後述するリンパ球の第
2クラスによるこれらの抗体の分泌に時々要求さ
れる。T細胞のいくつかの型は免疫系の他の面に
おいて調節機能をはたす。この細胞共働の過程の
機構はまだ完全には理解されていない。 リンパ球の第2クラス(骨髄誘導細胞、すなわ
ち、B細胞)は、抗体を分泌するものである。そ
れらもまたヘモポイエチン幹細胞から発生する
が、それらの分化は胸腺によつて決定されない。
鳥類において、それらはフアブリキウス嚢
(Bursa of Fabricius)と呼ばれる胸腺に類似す
る器管において分化されている。しかし、哺乳動
物においては、同等の器管は発見されておらず、
そしてこれらのB細胞は骨髄内で分化すると考え
られる。 ここで、T細胞は「ヘルパー(helper)」、「サ
プレツサー(Suppresser)」および「キラー
(killer)」T細胞と呼ばれる、少なくともいくつ
かのサブタイプに分けられ、それらは(それぞ
れ)反応を促進し、反応を抑制し、あるいは異種
細胞を殺す(分離する)機能を有することが認め
られた。これらのサブクラスはネズミの系統につ
いてよく理解されているが、それらは人間の系に
ついてわずかに最近記載されただけである。たと
えば、次の文献を参照:R.L.Evans、et al.、
Journal of Experimental Medicine、
Volume145、221−232、1977;およびL.Chessお
よびS.F.Schlossman−“Functional Analysis of
Distinct Human T−Ce11 Subsets Bearing
Unique Differentiation Antigens”
“Contemporary Topics in Immunobiolgy”、O.
Stutman、Editor、Plenum Press、1977、
Volume 7、363−379。 T細胞のクラスまたはサブクラスを同定または
抑制することができることは、種々の免疫調節の
不調または状態の診断または処置にとつて重要で
ある。 たとえば、ある種の白血病およびリンパ腫は、
それらがB細胞またはT細胞のいずれを源とする
かによつて、異なる予後を有する。こうして、病
気の予後の評価はこれらのリンパ球の2つのクラ
スを区別することに依存する。たとえば、次の文
献を参照:A.C.AisenberyおよびJ.C.Long、The
American Journal of Medicine、58:300
(March、1975);D.Belpomme、et al.、
Immunological Diagnosis of Leukemias and
Lymphomas、S.Thierfelder、et al.、Editors、
Springer、Heidelberg、1977、33−45;および
D.Belpomme、et al.、British Journal of
Haematology、1978、38、85。 ある種の病気の状態(たとえば、若年性リウマ
トイド関節炎およびある種の白血病)は、T細胞
のサブクラスの不釣合いに関連する。自己免疫の
病気は一般に「ヘルパー」T細胞の過剰またはあ
る種の「サプレツサー」T細胞の欠乏に関連する
が、悪性の病気は一般に「サプレツサー」T細胞
の過剰に関連することが示唆された。 ある種の白血病において、過剰のT細胞は発育
の停止した状態において生成される。診断はこう
してこの不釣合い、すなわち、過剰を検知するこ
とができることに依存しうるであろう。たとえ
ば、次の文献を参照:J.Kersey、et al.、
(Surface Markers Define Human Lymphoid
Malignancies with Differing Prognoses”、
Haematology and Blood Transfusion、
Volume 20、Springer−Verlag、1977、17−24、
およびその中に含まれる参考文献;およびE.L.
Reoinherz、et al.、J.Clin.Invest.、64、392−
397(1979)。 後天性無ガンマグロブリン性、すなわち免疫グ
ロブリンが生成しない疾患の状態は少なくとも2
つの明確な型からなる。型において、免疫グロ
ブリンを生成できないのはサプレツサーT細胞の
欠乏によるが、型はヘルパーT細胞の欠乏によ
る。両型において、患者のB細胞、すなわち抗体
の実際の分泌に関係するリンパ球の不足もしくは
欠乏は存在しないように思われる。しかしなが
ら、これらのB細胞は抑制されるか「ヘルプされ
ない」状態にあり、その結果免疫グロブリンの生
成は大きく減少するか、あるいは存在しない。こ
の型の後天性無ガンマグロブリン症は、それゆ
え、サプレツサーT細胞の過剰またはヘルパーT
細胞の不存在を試験することによつて決定するこ
とができる。 治療サイドにおいて、また明確に証明されてい
ないが、T細胞のサブタイプに対する抗体を過剰
量で投与することは自己免疫の病気または悪性の
病気において治療上有益であるという、いくらか
の示唆がある。たとえば、ヘルパーT細胞のガン
(ある種の皮膚T細胞リンパ腫およびある種のT
細胞急性リンパ芽球性白血病)はヘルパーT細胞
抗原に対する抗体によつて処置できる。ヘルパー
細胞の過剰を原因とする自己免疫の処置も同じ方
法で達成できる。サプレツサーT細胞の過剰によ
る病気(たとえば、悪性腫瘍または型後天性無
ガンマグロブリン症)は、サプレツサーT細胞抗
原に対する抗体を投与することによつて処置でき
る。 ヒトT細胞の全クラス(いわゆる抗ヒト胸腺細
胞のグロブリン、すなわち、ATG)に対する抗
血清は、移植組織を受ける患者において治療上有
用であると報告されている。細胞性免疫応答(移
植組織を拒否する機構)はT細胞に依存するの
で、T細胞に対する抗体を投与すると、この拒否
の過程を防止または遅延する。たとえば、次の文
献を参照:Cosimi、et al.、“Randomized
Clinical Trial of ATG in Cadaver Renal
Allgraft Recipients:Importance of T Cell
Monitoring”、Surgery 40:155−163(1976)お
よびその中に含まれる参考文献。 ヒトT細胞のクラスおよびサブクラスの同定お
よび抑制は、従来、動物をヒトT細胞で免疫し、
その動物を出血させて血清を取り、そしてこの抗
血清を(たとえば)自己由来の(autologous)
であるが、異種ではないB細胞で吸着して望まな
い反応性をもつ抗体を除去することによつて得
た、ヒトT細胞のための自発性自己抗体または選
択的抗血清を使用することによつて達成された。
これらの抗血清の製造は、とくに吸着および精製
の工程において、きわめて困難である。吸着され
且つ精製された抗血清でさえ、所望の抗体に加え
て、いくつかの理由で、多くの不純物を含有す
る。第1に、血清はT細胞で免疫する前に数百万
の抗体分子を含有する。第2に、この免疫法は注
入したすべてのヒト細胞について見い出される
種々の抗原に対する抗体を生成させる。単一の抗
原に対する抗体は選択的に生成されない。第3
に、このような方法で得られた特異性抗体の力価
は通常極めて低く(たとえば1:100より大きい
希釈度において不活性)そして非特異性抗体に対
する比は1/106より小である。 たとえば、前述のChessおよびSchlossmanの
文献(365ページ以降参考)および前述の
Chemical and Engineering Newsを参照。ここ
には先行技術の抗血清の欠点およびモノクローナ
ル抗体の利点が記載されている。 今回、正常なヒトの胸腺細胞のほぼ10%につい
て見い出されるが、ヒトの末梢リンパ細胞(T細
胞、B細胞または無特徴細胞)または骨髄細胞に
ついて見い出されない抗原に対する新規なモノク
ローナル抗体を生成できる新規なハイブリドマ
(OKT9と表示する)が発見された。 そのように生成された抗体は正常なヒトの胸腺
細胞のほぼ70%についての単一の決定因子に対し
て単一特異性(monospecific)であり、そして
他の抗ヒト免疫グロブリンを本質的に含有しない
が、これと対照的に先行技術の抗血清は多数のヒ
ト抗原に対して反応性の抗体で本来汚染されてお
り、そして先行技術のモノクローナル抗体は正常
なヒトの胸腺細胞の抗原について単一特異性では
ない。その上、このハイブリドマは培養して抗体
を生成することができる。この場合動物を免疫
し、殺し、次いで先行技術の不純の抗血清を得る
ときにさえ、必要な長たらしい吸着および精製の
工程を実施することを要しない。 したがつて、本発明の1つの目的は、正常なヒ
トの胸腺細胞のほぼ10%について見い出される抗
原に対する抗体を生成するハイブリドマ類を提供
することである。 本発明のさらに別の面において、これらのハイ
ブリドマ類を製造する方法を提供する。 本発明の他の目的は、正常なヒトの胸腺細胞の
約10%について見い出される抗原に対する本質的
に均質な抗体を提供することである。 さらに他の目的は、この抗体を用いる病気の処
置または診断の方法あるいはT細胞または胸腺細
胞のサブクラスの同定法を提供することである。 本発明のその他の目的および利益は、本発明の
開示を検討すると明らかになるであろう。 前述の目的および利益を達成するため、本発明
によれば、正常なヒトの胸腺細胞のほぼ10%につ
いて見い出される(が正常のヒトの末梢リンパ球
または骨髄細胞について見い出されない)抗原に
対する新規な抗体を生成する新規なハイブリド
マ、この抗体それ自体、およびこの抗体を用いる
診断および治療の方法が提供される。該ハイブリ
ドマはMilsteinおよびKohlerの方法に一般に従
つて製造される。T細胞の急性リンパ芽球白血病
をもつヒトかせり白血病細胞でマウスを免疫した
後、免疫したマウスの脾細胞をマウスの骨髄腫ラ
インからの細胞と融合し、そして得られたハイブ
リドマ類を正常のEロゼツト(rosette)陽性の
ヒトT細胞および/または胸腺細胞に選択的に結
合する抗体を含有する上澄液を用いてそれらにつ
いて選別した。所望のハイブリドマ類を引き続い
てクローニングし、特性づけた。その結果、正常
なヒトの胸腺細胞のほぼ10%についての抗原に対
する抗体(OKT9と表示する)を生成するハイブ
リドマが得られた。この抗体は正常なヒトの胸腺
細胞の約10%と反応するが、正常な末梢の血液の
リンパ様細胞とまたは骨髄細胞と反応しない。 先行技術において示された困難および抗原とし
て悪性の細胞ラインを用いて報告された成功の不
足をみると、本発明の方法が所望のハイブリドマ
を提供したことは驚くべきことであつた。交雑細
胞のこの予測されえない性質は1つの抗原または
細胞ラインから他のものへの補外(extrapolate)
を許さないことに注意すべきである。事実、本発
明者らは、抗原としてT細胞の悪性細胞ラインを
用いると、所望の抗体を生成しないハイブリドマ
類が形成することを見い出した。細胞表面から分
離した精製した抗原を使用する試みも不成功に終
つた。 主題のハイブリドマおよびそれにより生成され
た抗体の両者は、この明細書中で表示「OKT9」
で呼ばれ、言及される特定の物質は文脈から明ら
かである。主題のハイブリドマは、アメリカン・
タイプ・カルチヤー・コレクシヨン
(12301Parklawn Drive、Rockville、MD、
20852)に1979年11月21日に寄託され、ATCC番
号CRL8021が付された。 このハイブリドマおよび生ずる抗体の製造およ
び特性は、以下の説明および実施例から一層理解
できるであろう。 ハイブリドマを製造する方法は一般に次の工程
からなる: A 正常なヒト胸腺細胞でマウスを免疫する。メ
スのCAF1マウスが好ましいことがわかつた
が、他のマウスの系統を使用できると考えられ
る。免疫スケジユールおよびT細胞の濃度は、
有効量の適当に準備した脾細胞を生成するよう
なものであるべきである。0.2mlのリン酸塩緩
衝食塩溶液中の2×107細胞/マウス/注射を
用いて、14日の間隔で、3回免疫を行うことは
有効であることがわかつた。 B 免疫したマウスから脾臓を取り出し、適当な
媒質中の脾懸濁液を調製する。約1ml/脾臓の
媒体で十分である。これらの実験の技術はよく
知られている。 C 懸濁した脾細胞を適当な細胞ラインからのマ
ウスの骨髄腫の細胞と、適当な融合促進剤の使
用により融合する。脾細胞対骨髄腫細胞の好ま
しい比は約5対1である。約108個の脾細胞に
ついて合計約0.5〜1.0mlの融合媒質は適当であ
る。多くのマウスの骨髄腫の細胞は知られてお
り、そして一般に学問的共同体のメンバーまた
は種々の寄託機関、たとえば、ザ・ソーク・イ
ンスチチユート・セル・デイストリビユーシヨ
ン・センター(the Salk Institute Cell
Distribution Center、La Jolla、CA)から入
手できる。使用する細胞ラインは好ましくはい
わゆる「薬物抵抗性」型であつて、未融合の骨
髄腫細胞が選択した媒体中で生存せず、一方交
雑細胞が生存するようにすべきである。最も普
通のクラスは8−アザグアニン抵抗性の細胞ラ
インであり、これは酸素ヒポキサンチン・グア
ニン・ホホリボシル・トランスフエラーゼ
(phophoribosyl transferase)を欠き、それゆ
えHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、
およびチミジン)媒体により支持されない。ま
た、使用する骨髄腫細胞ラインはいわゆる「非
分泌」型である、すなわち、それはそれ自体抗
体を生成しないことが一般に好ましいが、分泌
型を使用できる。しかしながら、ある場合にお
いて、分泌する骨髄腫ラインは好ましいことが
ある。好ましい融合促進剤は平均分子量が約
1000〜約4000であるポリエチレングリコール
(商業的にPEG1000などとして入手できる)が
好ましいが、この分野において知られている他
の融合促進剤を使用できる。 D 別の容器内において、未融合の脾細胞、未融
合の骨髄腫細胞、および融合した細胞の混合物
を、未融合の骨髄腫細胞を支持しない選択的媒
体中で希斜し、未融合の細胞を死亡させるのに
十分な時間(約1時間)培養する。この希釈は
限定されたものの型であることができ、この希
釈において希釈剤の体積は統計的に計算して各
別々の容器[たとえば、微小力価の板のウエル
(well)]中である数の細胞(たとえば、1〜
4)を単離する。媒体は薬物抵抗性(たとえ
ば、8−アザグアニン抵抗性)で未融合の骨髄
腫細胞ラインを支持しないもの(たとえば、
HAT媒体)である。それゆえ、これらの骨髄
腫細胞は死ぬ。未融合の脾細胞は非悪性である
ので、有限の数の世代をもつだけである。こう
して、ある期間(約1週間)後、これらの未融
合の脾細胞は再生しない。融合した細胞は、こ
れに対して、骨髄腫の親の悪性をもち、そして
脾細胞の親の選択的媒体中で生存できるので、
再生し続ける。 E ハイブリドマを含有する各容器(ウエル)中
の上澄液を、Eロゼツト陽性の精製したヒトT
細胞または胸腺細胞に対する抗体について測定
する。 F 所望の抗体を生成するハイブリドマを選択し
(たとえば、限定希釈により)そしてクローン
に分ける。 いつたん所望のハイブリドマを選択し、クロー
ンに分けると、終結の抗体は2つの方法の1つで
生成させることができる。最も純粋なモノクロー
ナル抗体は、所望のハイブリドマを適当な媒体中
で適当な長さの時間試験内で培養し、次いで所望
の抗体を上澄液から回収することによつて生成さ
れる。適当な媒質および適当な培養時間の長さ
は、既知であるか、あるいは決定容易である。こ
の試験管内技術は、他の特異性の抗ヒト免疫グロ
ブリンを本質的に含まない、単一特異性モノクロ
ーナル抗体を本質的に生成する。媒体は外因性血
清(たとえば、胎児の子牛の血清)を含有するの
で、少量の他の免疫グロブリンが存在する。しか
しながら、この試験管内の方法は、モノクローナ
ル抗体の濃度がわずかに約50μg/mlであるの
で、十分な量または濃度を生成できない。 非常に大きい濃度のわずかに純度に劣るモノク
ローナル抗体を生成させるため、所望のハイブリ
ドマをマウス、好ましくは先天性または半先天性
のマウスに注射できる。ハイブリドマは適当な潜
伏時間後抗体生成の腫瘍を形成させ、その結果宿
主マウスの血流および腹膜滲出液(腹水)中に高
濃度の所望とする抗体(約5〜20mg/ml)が生ず
る。これらの宿主マウスも正常の抗体を血流およ
び腹水の中に有するが、これらの正常な抗体の濃
度はモノクローナル抗体濃度のわずかに約5%で
あるにすぎない。その上、これらの正常の抗体は
特異性が抗ヒトでないので、収穫した腹水または
血清から得たモノクローナル抗体は汚染する抗ヒ
ト免疫グロブリンを本質的に含有しない。このモ
ノクローナル抗体は力価が高く(1:50000以上
の希釈で活性である)そして特異性免疫グロブリ
ン対非特異性免疫グロブリンの比が高い(約1/
20)。軽量の骨髄腫鎖を組込んだ生成した免疫グ
ロブリンは非特異性の「無意味な」ペプチド類で
あり、これらはモノクローナル抗体をその特異性
を減じないで単に希釈するだけである。 実施例 モノクローナル抗体の生成 A 免疫および体細胞の交雑 メスのCAF1マウス(Jackson研究所;生ま
れてから6〜8週間)を、0.2mlのリン酸塩緩
衝食塩溶液中の2×107のヒト胸腺細胞で腹膜
内的に14日の間隔で免疫した。第3回目の免疫
後、脾をマウスから取り出し、そしてステンレ
ス鋼の〓に組織を通すことによつて単一細胞の
懸濁液をつくつた。 細胞の融合をKohlerおよびMilsteinの方法
に従つて実施した。1×108の脾細胞を、
RPMI1640媒体(Gibco、Grand Islandl、
NY)中の35%のポリエチレングリコール
(PEG1000)と5%のジメチルスルホキシドと
からなる融合媒体の0.5ml中において、2×107
のP3×63Ag8U1骨髄腫細胞(Br.M.Scharff、
Albert Einstein College of Medicine、
Bronx、NYにより供給)と融合した。これら
の骨髄腫細胞はIgG1κL鎖(light chains)を分
泌する。 B ハイブリドマの選択および成長 細胞の融合後、細胞をHAT媒体(ハイポキ
サンチン、アミノプチリン、およびチミジン)
中で37℃において5%のCO2を使用して湿つた
雰囲気中で培養した。数週間後、ハイブリドマ
類を含有する培養液から40〜100μの上澄液
を、Mendes(J.Immunol.111:860、1973)が
記載するように健康なヒトの供与者の血液から
調製した、Eロゼツト陽性(E+)個体群とE
ロゼツト陰性(E-)個体群とに分けた106の末
梢リンパ球のペレツトに加えた。これらの細胞
へ結合するマウスのハイブリドマ抗体の検出
は、ラジオイムノアツセイおよび/または間接
免疫蛍光法により決定した。培養液の上澄液で
培養した細胞を蛍光を付与した山羊の抗マウス
IgG(G/MFITC)(Meloy研究所、
Springfield、VA;F/P=2.5)で染色し、
この蛍光性抗体被覆細胞を引き続いてシトフル
オログラフ(Cytofluorogfaf)FC200/4800A
(Ortho Instruments、Westwood、MA)につ
いて実施例に記載するように分析した。E+
リンパ球(T細胞)および/または胸腺細胞と
特異的に反応する抗体を含有するハイブリドマ
培養液を選択し、供給体(feeder)細胞の存在
で限定希釈法により2回クローンに分けた。引
き続いて、クローンを2,6,10,14−テトラ
メチルペンタデカン(Aldrich Chemical
Companyから商品名Pristineで市販されてい
る)で準備したCAF1マウスに一定のクローン
の1×107細胞(0.2mlの体積)を注射すること
によつて、腹膜内に移植した。次いでこれらの
マウスからの悪性腹水を使用して、実施例に
おいて後述するように、リンパ球を特性づけ
た。主題の交雑抗体OKT9は、標準の技術によ
りサブクラスIgG1であると証明された。 実施例 OKT9の反応性の特性づけ A リンパ球個体群の単離 人間の末梢血液の単核細胞を、健康な志願者
の提供者(15〜40才)から、Boyum、Scand.
J.Clin.Lab.Invest.21(Suppl.97):77、1968の技
術に従い、フイコール−ハイバツク(Ficoll−
Hypaque)密度勾配遠心分離(Pharmacia
Fine Chemicals、Piscataway、NJ)により
単離した。分別しない単核細胞を、Chess、et
al.、J.Immunol.113:1113(1974)にすでに記
載されているように、Sephadex G−200抗−
F(ab′)2カラムクロマトグラフイーにより、表
面Ig+(B)およびIg-(TプラスNull)の個体群に
分離した。T細胞はIg-個体群を5%の羊の赤
血球(Microbiological Associates、
Bethesda、MD)でEロゼツト化することに
よつて回収した。ロゼツト化した混合物をフイ
コール−ハイパツク(Ficoll−Hypaque)上で
層状にし、回収したE+ペレツトを0.155モルの
NH4Cl(10ml/108細胞)で処理した。このよ
うにして得られたT細胞の個体群は、標準法に
より決定して、<2%EACロゼツト陽性および
>95%Eロゼツト陽性であつた。さらに、非ロ
ゼツトIg-(Null細胞)個体群をフイコール表
面から収穫した。この後者の個体群は<5%
E+および2%sIg+であつた。表面Ig+(B)個体
群は、前述のようにSephadex G−200カラム
クロマトグラフイーおよび引き続く正常なヒ
ト・ガンマグロブリンにより溶離から得られ
た。この個体群は>95%表面Ig+および<5%
E+であつた。 正常なヒトの骨髄細胞は、正常のヒトの篤志
家の後腸骨稜から針の吸引から得た。 B 胸腺細胞の単離 正常人の胸腺を2月〜14才の年令の患者か
ら、心臓の矯正手術のもとに得た。胸腺の新ら
しく得た部分を媒体199(Gibco)中の5%胎児
の子牛の血清中に直ちに入れ、鉗子とはさみで
小さく切り、引き続いて金網を通してプレスす
ることによつて単細胞の懸濁液にした。細胞を
次に前節Aで説明したように、フイコール−ハ
イパツクで層状にし、回し、洗浄した。このよ
うにして得られた胸腺細胞は>95%生活力があ
り、そして90ロゼツト陽性であつた。 C T直系の細胞ラインおよびT急性リンパ芽球
白血病細胞(T−ALL細胞) T細胞ラインCEM、HSB−2およびMOLT
−4を、H.Lazarus博士(Sidney Farber
Cancer Institute、Boston、MA)により提供
された。白血病細胞(T−ALL細胞)は、T
細胞ALLの診断を受けた25人の患者から得た。
これらの個々の腫瘍は、羊の赤血球を用いるそ
れらの自発的ロゼツト生成(>20%E+)、およ
びT細胞特異性異種抗血清抗HTL(B.K.)およ
びA99との反応性により、前述のように、T細
胞直系であると前もつて決定された。腫瘍集団
を10%SMSOおよび20%ABヒト血清と一緒に
−196℃の蒸気相液体窒素で、表面の特性づけ
まで、寒冷保存した。分析したすべての腫瘍集
団は、細胞遠心調製のWright−Giemsaの形態
学により90%より多い芽球であつた。 前記T細胞ラインCEM、HSB−2および
MOLT−4については、それぞれ下記文献に
記載され且つATCCに寄託されている細胞ライ
ンである。 CEM; これは、G.E.Foleyらによつて得られたT−
リンパ芽球細胞ラインである[Cancer18:522
−529頁(1965)参照]。この細胞は、急性リン
パ芽球白血病に感染したコーカシア
(Caucasian)の4才の女性の末梢血軟膜
(blood buffy coat)から得られた。このCEM
細胞ラインは、ATCCに“ATCC CCL199”
として寄託されている。 HSB−2; これは、G.E.Foleyらによつて得られたT−
リンパ芽球細胞ラインである。この細胞は、新
生のシリアン(Syrian)長ハムスターの第8
継代腫瘍断片から得られた[R.A.アダムス、
Proc.Am.Assoc.Cancer Res.8:1、(1967)
参照]。このHSB−2細胞ラインは、ATCCに
“ATCC CCL120.1”として寄託されている。 MOLT−4; これは、再発した19才の男子の急性のリンパ
芽球白血病患者の末梢血管血液から得られた細
胞ラインである[J.Nat.Cancer Inst.49:891
〜895頁(1972)参照]。このMOLT−4細胞
ラインは、ATCCに“ATCC CRL1582”とし
て寄託されている。 実施例 シトフルオログラフ(cytofluorographic)分
析および細胞分離 すべての細胞個体群を用いるモノクローナル抗
体のシトフルオログラフ分析を、シトフルオログ
ラフ(Cytofluorograf)FC200/4800A(Ortho
Instruments)で蛍光共役したやぎの抗マウス
IgG(G/M FITC)(Meloy Laboratories)を
用いて間接免疫蛍光法により実施した。要約する
と、1〜2×106細胞を0.15mlのOKT5で1:500
希釈において処理し、4℃で30分間培養し、2回
洗浄した。次いで細胞を0.15mlの1:40培養の
G/M FITCで4℃において30分間反応させ、
遠心分離し、3回洗浄した。次いで細胞をシトフ
ルオログラフで分析し、蛍光の強さ/細胞をパル
ス高さ分析器に記録した。同様な反応性のパター
ンは1:10000の希釈で観察されたが、これより
さらに希釈すると反応性は失なわれた。バツクグ
ラウンドの染色は、非生成性交雑クローン性で腹
膜的に免疫したBalb/cJマウスからの1:500腹
水の0.15ml部分を代わりに使用することによつて
得た。 抗体および補体を中介するリンパ溶解を含む実
験において、胸腺および末梢T細胞は選択的溶解
後一夜培養し、次いでシトグラフで引き続いて分
析した。 実施例 モノクローナル抗体および補体を用いるリンパ
集団の溶解 40×106の末梢T細胞または胸腺細胞を、15ml
のプラスチツク管(Falcon、Oxnard、CA)に
入れた。細胞のペレツトをPBS中で1:200に希
釈した0.8c.c.のOKT3、OKT4、OKT8または正
常の腹水の対照で培養し、再懸濁し、そして20℃
て60分間培養した。引き続いて、0.2c.c.の新鮮な
ウサギの補体を抗体処理した集団に加え、再懸濁
し、さらに振とう水浴中で37℃において60分間培
養した。この時間の終りにおいて、細胞は回転沈
下させ、生きている細胞をトリパン青の排除によ
り数えた。計数後、細胞を2回5%FCS中で洗
い、最後の培地[RPMI 1640(Grand Island
Biological Company、Grand Island、NY)、
20%のAB+ヒト血清、1%のペニシリン−スト
レプトマイシン、200ミリモルのL−グルタミン、
25ミリモルのHEPES緩衝剤、および0.5%の重炭
酸ナトリウムを含有する]中に入れ、5%のCO2
を含む湿つたふん囲気中で37℃において一夜培養
した。 ハイブリドマの生成、および生ずるモノクロー
ナル抗体の生成および特性づけは、上の実施例に
おけるように実施した。大量の主題の抗体を、主
題のハイブリドマのマウスへの腹腔内注射および
悪性腹水の収穫により調製したが、ハイブリドマ
は試験管内でこの分野においてよく知られた技術
により培養し、抗体を上澄液から取り出すことが
できることは、明らかに考えられる。 第1図は、OKT6、OKT8、OKT9および
OKT10と種々のヒトのヒトのリンパ球の集団と
の反応を示す。OKT9のモノクローナル抗体は正
常なヒトのT細胞のほぼ10%と反応するが、試験
した他のリンパ球のいずれとも反応しない。この
反応性のパターンは、被験者の抗体OKT9を検出
し、他の抗体と区別する1つの試験である。 第1図は、正常のヒトの胸腺の懸濁液を1:
500希釈のOKT3、OKT4、OKT5、OKT6、
OKT8、OKT9、OKT10およびG/M FITCと
反応させた後、シトフルオログラフ上に得られた
代表的蛍光パターンを示す。同様な反応性のパタ
ーンは、12の追加の試験の正常のヒトの胸腺集団
を用いたとき見られた。図示すように、有意差は
これらのモノクローナル抗体のおのおのとの反応
性の百分率および蛍光の強さの両方において存在
する。たとえば、OKT9は低い蛍光強さで胸腺細
胞のほぼ10%と反応するが、OKT5、OKT6、
OKT8およびOKT10は高い蛍光の強さにおいて
胸腺細胞のほぼ70%と反応する。胸腺細胞の75%
と反応するOKT4は、OKT9と、より大きい蛍光
強さのパターンを与えるモノクローナル抗体との
間の中間体である。さらに、第1図は、胸腺細胞
のほぼ15%がOKT3で間接の免疫蛍光により検知
されることを示す。OKT1は示されていないが、
その反応性のパターンは胸腺細胞へのOKT3に実
質的に同一である。第1図の反応性のパターン
は、被験者の抗体OKT9を検知でき、他の抗体と
区別できる他の試験である。 第2図は、実施例に記載する一連の溶解実験
により決定された、ヒトの末梢T細胞および胸腺
細胞についての種々のモノクローナル抗体により
定義される抗体の分布を示す。OKT3、OKT4お
よびOKT8のみは補体の固定モノクローナル抗体
であるので、これらの3種を使用した。 表2Aに示すように、全T細胞集団はOKT3と
反応するが、OKT4、OKT5およびOKT8は、そ
れぞれ、T細胞の60%、25%および34%と反応す
る。OKT4および補体を用いる溶解は、合計の数
を62%だけ減少し、そしてとくにOKT4+集団を
消した。さらに、OKT5+およびOKT8+細胞の百
分率は増加し、そしてOKT5+およびOKT8+細胞
の絶対数への効果は存在しない。これらの実験
は、OKT4+がOKT5+およびOKT8+集団と区別
されることを示唆した。この結論は、OKT8およ
び補体を用いるT細胞の溶解により、さらに支持
された。この場合において、OKT4+T細胞の百
分率は増加し、絶対数は同一にとどまり、そして
OKT8+およびOKT5+集団は排除された。その
上、これらの結果は、OKT8+集団がOKT4+集団
に対して相反的であり、そして全OKT5+T細胞
の部分集合を含有することを、明らかにした。 ヒトの胸腺細胞集団を用いる同様な実験は、異
なる結果を与えた。表2Bに示すように、胸腺細
胞のほぼ75%はOKT4+またはOKT8+であつた。
その上に、OKT4またはOKT8のいずれかを用い
る溶解後、胸腺細胞のわずかに25%が残つた。残
留する胸腺細胞の大部分はOKT3と反応性であつ
たが、少部分のみがOKT6と反応性であつた。こ
れらの発見は、ヒトの胸腺細胞の大部分が同じ細
胞上にOKT4、OKT5、OKT6およびOKT8表面
抗原を有することを明らかにする。その上に、表
2はOKT8またはOKT4を用いる処理後、OKT3
抗原を有する熟成胸腺細胞の著しい増加が存在す
ることを示す。こうして、OKT4またはOKT8の
溶解後残留する細胞の大きい比率はOKT3+であ
るので、OKT3反応性の胸腺細胞の大部分は
OKT4+またはOKT8+部分集団にすでに分離して
いる。OKT3+部分集団がOKT4+およびOKT8+
の両方であつた場合、いずれからモノクローナル
抗体を用いる溶解はOKT3反応性胸腺細胞を除去
したであろう。 OKT3反応性胸腺細胞部分集団の、胸腺細胞フ
ラクシヨンを定める他のモノクローナル抗体への
関係を決定するため、胸腺細胞をOKT3および補
体で処理し、次いで残留細胞を未処理の胸腺細胞
の集団と比較した。表2Bに示すように、OKT3
および補体は胸腺細胞の25%を除去した。その
上、OKT4、OKT5、OKT6またはOKT8反応性
集団の主要な損失はなかつた。これらの発見は、
OKT6マーカー(marker)を有する胸腺細胞の
非常に大部分がOKT3-集団中に含有されること
を示唆する。その上、これらの発見は、OKT4、
OKT5およびOKT8で定義される抗原を同時に表
わす胸腺細胞がOKT3-集団へ同様に制限される
ことを示唆する。また、胸腺細胞のOKT9反応性
の集団は、分別しない胸腺細胞のOKT3および補
体の処理後、減少せずか、こうしてOKT9+部分
集合がOKT3-胸腺細胞集団に大きく制限される
ことに、注意すべきである。 これらの結果に基づいて、ヒトの胸腺細胞の胸
腺内生長の段階を記載することが可能であつた。
第2図に示すように、実質的にすべての胸腺細胞
はOKT10マーカーを有する。さらに、胸腺細胞
は初期の段階においてOKT9マーカー(それぞれ
Thy1およびThy2)を獲得する。この段階は、胸
腺細胞の大部分を定め、未分別集団のほぼ10%に
なる。引き続いて、ヒトの胸腺細胞はOKT6によ
り定義される胸腺特有の抗原を獲得し、同時に
OKT4、OKT5およびOKT8(Thy4)を表わす。
この後者の部分集団は、胸腺細胞の大部分を表わ
し、そして胸腺集団の70〜80%以上になる。さら
に成熟すると、胸腺細胞はOKT6反応性を失な
い、OKT3(およびOKT1)反応性を獲得し、
OKT4+およびOKT5+/OKT8+部分集合(Thy7
およびThy8)に分離する。最後に、胸腺細胞が
末梢T細胞区画中へ輸送されるとき、それは
OKT10マーカーを失なうように思われる。なぜ
なら、この抗原は実質的にすべての末梢Tリンパ
球上で欠乏するからである。これらの胸腺発育の
3つの主要段階の間の可能な移行状態は、第2図
中にThy3、Thy5およびThy6で表示する。 T直系の急性リンパ芽球白血球は未成熟の胸腺
細胞から誘導されると考えられるので、T−
ALLを有する個体からの腫瘍細胞とこれらの胸
腺内分化の提案した段階との間の関係を決定し
た。普通の抗T細胞試薬を用いて前もつて研究し
た、T−ALLをもつ個体からの25の腫瘍細胞集
団と3種のT細胞ラインを、研究した。第3表に
示すように、T−ALL白血病の細菌の大部分は、
OKT10単独またはOKT9およびOKT10と反応性
であるが、他のモノクローナル抗体と反応しなか
つた。こうして、研究した15/25の場合は初期の
胸腺抗原(段階)を有すると思われた。これと
対照的に、5/25の場合はOKT6と反応性であ
り、より成熟した集団からの誘導を示唆した(段
階)。このT−ALL群は、表3中に示される
OKT4、OKT8およびOKT9反応性に関してそれ
自体異質であつた。2/5患者からの細胞は、
OKT4、OKT6およびOKT8を含む普通の胸腺細
胞の抗原のほとんどを有する。OKT8反応性が観
察されたが、OKT5はこれらの5段階腫瘍のい
ずれにも存在しないことを注意するに値する。こ
の後者の結果は、OKT5およびOKT8が同じ抗原
について異なる抗原または異なる決定因子を定め
ることを明らかに示唆する。最後に、1/25患者
の腫瘍は、そのOKT3との反応性により定義され
るように、成熟した胸腺細胞集団(段階)から
来た。この個体の腫瘍は、さらに、OKT5、
OKT8およびOKT10と反応性であつた。分析し
た25白血球の集団のうちで、わずかに4種の腫瘍
が明りように分類できなかつた。3種はOKT4お
よびOKT8に対して陽性であつたが、OKT3およ
びOKT6に欠乏し、そしてほとんどThy4および
Thy7、8からの移行を表わすように思われた。
25の場合の1つはOKT8およびOKT10反応性を
有したので、Thy3からThy4への移行であるよう
に思われた。 T−ALL腫瘍集団から誘導されたT細胞ライ
ンも、胸腺内分化の特別の状態からの細胞を表わ
した。表4に示すように、HSHはOKT9および
OKT10と排他的に反応したので、段階から誘
導される腫瘍集団を定めるであろう。これと対照
的に、CEMはOKT4、OKT6、OKT8、OKT9お
よびOKT10と反応性であり、そして段階胸腺
細胞から誘導されるように思われた。最後に、
MOLT−4はOKT6、OKT8、OKT9および
OKT10を表わしたので、HSB−2およびCEM
の間の段階において白血病の変態を表わすように
思われる。 T細胞の急性リンパ芽球白血病の後の段階(た
とえば、段階)をもつ患者は段階IALLをもつ
患者よりも延長された病気のない生存を有するこ
とが示されたので、OKT9抗体を使用すると、T
細胞を有する所定の患者の予後に関して結論を得
ることができる。 第2〜4中に示す関係は、OKT9抗体を検知
し、他の抗体と区別できるほかの方法である。 末梢T細胞の30〜50%はマイトジエン
(mitogen)刺激後OKT9+となることが観察され
た。この特徴は、OKT9抗体を検出し、他の抗体
を検知できるほかの方法を提供する。 本発明者らが製造したハイブリドマを生成する
他のモノクローナル抗体(表示したOKT1、
OKT3、OKT4およびOKT5)は、次の米国特許
出願に記載され、そして特許請求されている:
1979年3月2日付け出願第22132号;1979年4月
26日付け出願第33639号;1979年4月26日付け出
願第33669号;1979年9月18日付け出願第76642
号;および1979年10月9日付け出願第82515号。
本発明者らが製造したハイブリドマを生成するな
お他のモノクローナル抗体(表示したOKT8、
OKT9およびOKT10)は、本願と同日付けの、
次の発明の名称を有する米国特許出願に記載さ
れ、特許請求されている:Hybrid Cell Line
For Producing Complement−Fixing
Monoclonal Antibody to Human Suppressor
T Cells、Antibody、and Methods;Hybrid
Cell Line For Producing Monoclonal
Antibody to Human Early Thymocyte
Antigen、Antibody、and Methods;and
Hybrid Cell Line For Producing Monoclonal
Antibody to a Human Prothymocyte
Antigen、Antibody、and Methods(ヒトの抑制
体T細胞に対する補体固定モノクローナル抗体を
生成する交雑細胞ライン、抗体、および方法;ヒ
トの初期の胸腺細胞抗原に対するモノクローナル
抗体を生成する交雑細胞ライン、抗原、および方
法;およびヒトの前胸腺細胞(Prothymocyte)
抗原に対するモノクローナル抗体を製造する交雑
細胞ライン、抗体、および方法)。これらの出願
を引用によつてここに加える。 本発明によれば、正常なヒトの胸腺細胞のほぼ
10%上に見い出される抗原に対する抗体を生成で
きるハイブリドマ、このハイブリドマを生成する
方法、ヒトの胸腺細胞のほぼ10%上に見い出され
る抗原に対するモノクローナル抗体、この抗体を
生成する方法、およびこの抗体を用いる病気の処
置または診断の方法あるいはT細胞または胸腺細
胞の部分集合の同定法が提供される。
【表】 * カツコ内の数字は試験した試料の数を
表わす;%は値は平均である。
【表】
【表】
【表】 であつた。
ヒトの胸腺細胞の抗原に対する単一のモノクロ
ーナル抗体を生成する単一のハイブリドマだけを
説明してきたが、本発明はここに説明する特性を
示すすべてのモノクローナル抗体を包含すると考
えられる。主題の抗体OKT9はねずみのIgGの4
つのサブクラスの1つであるサブクラスIgG1
属することが決定された。免疫グロブリンGのこ
れらのサブクラスは互いにいわゆる「固定され
た」領域において異なるが、特定の抗原に対する
抗体はいわゆる「可変の」領域をもち、この領域
は免疫グロブリンGのどのサブクラスがそれに属
するかに無関係に機能的に同一である。すなわ
ち、ここに説明した特性を示すモノクローナル抗
体はサブクラスIgG、IgG2a、IgG2b、または
IgG3、あるいはクラスIgM、IgA、あるいは他の
既知のクラスIgであることができる。これらのク
ラスまたはサブクラスの間の差異は抗体の反応パ
ターンの選択性に影響を及ぼさないが、抗体との
他の物質、たとえば、補体または抗マウス抗体と
のほかの反応に影響を及ぼすことがあるであろ
う。主題の抗体はIgG1に特定したが、ここに例
示した反応性のパターンを有する抗体類はそれら
が属する免疫グロブリンのクラスまたはサブクラ
スに無関係に本発明の範囲内に包含されると考え
られる。 さらに、本発明の範囲内に、ここに例示したハ
イブリドマの技術を用いて前述のモノクローナル
抗体を生成する方法が包含される。ハイブリドマ
のただ1つの例をここに記載したが、当業者はこ
こに提供した免疫法、融合法および選択法に従
い、ここに説明した反応性の特性を有する抗体類
を成功しうる他のハイブリドマ類を得ることがで
きると考えられる。マウスの既知の種からの既知
の骨髄細胞系統から生成した個々のハイブリドマ
はこのハイブリドマにより生成された抗体を参照
する以外それ以上同定できないので、前述の反応
性の特性を有する抗体を生成するすべてのハイブ
リドマ類は本発明の範囲内に包含され、これらの
ハイブリドマを用いるこの抗体をつくる方法も同
様に包含されると、考えられる。 本発明のほかの面は、モノクローナル抗体
OKT9またはここに明らかにした反応性のパター
ンを示す他のモノクローナル抗体を用いて病気を
処理または診断する方法である。主題の抗体を使
用して、第2図に要約するように、胸腺内分化の
検出および研究することができる。段階の分化
における異常は、約10%OKT9+胸腺細胞からの
偏りにより示されるであろう。その上、主題の抗
体を使用して、OKT9+細胞の欠乏または過剰を
含む病気の状態を診断することができる。これら
の技術は、OKT9抗体を単独で、または他の抗体
(たとえば、OKT3〜OKT10)と組み合わせて使
用することにより、用いることができる。T細胞
またはT細胞部分集団に対する抗体パネルとの反
応性のパターンは、先行技術の診断法を用いて可
能であるよりも、ある種の病気状態の一層正確な
検知を許すであろう。 OKT9+細胞の過剰を特徴とする病気の状態
(たとえば、段階 ALLのような悪性腫瘍)の
処置は、治療学的に有効な量のOKT9抗体を処置
の必要なとき個々の患者に投与することによつ
て、行なうことができる。OKT9+抗原と選択的
に反応させることにより、有効量のOKT9抗体は
過剰量のOKT9+細胞を減少し、こうしてその過
剰の効果を軽減する。有効量のOKT9抗体とそれ
ぞれ診断学的または治療学的に許容できる担体と
からなる診断学的および治療学的組成物も、本発
明の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、正常のヒトの胸腺細胞をOKT9およ
び他のモノクローナル抗体と1:500希釈および
G/M FITCと反応させた後、シトフルオログ
ラフで得られた蛍光パターンを示す。バツクグラ
ウンドの蛍光の染色は、非生成性クローンを注入
したマウスからの腹水の流体の1:500の希釈で
各集団を培養することによつて、得た。第2図
は、人間における胸腺内の分化の段階を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 マウスの骨髄腫ラインからの細胞およびヒト
    の白血病T−ALL細胞で前もつて免疫されたマ
    ウスからの脾細胞の融合により形成されたハイブ
    リドマにより生成され、正常のヒト胸腺細胞のほ
    ぼ10%と反応するが、正常のヒトの末梢T細胞、
    B細胞、無特徴細胞または骨髄細胞と反応しない
    マウスのモノクローナル抗体。 2 マウス骨髄腫ラインからの細胞およびヒトの
    白血病T−ALL細胞で前もつて免疫されたマウ
    スからの脾細胞の融合により形成されたハイブリ
    ドマにより生成され、 (a) 正常のヒト胸腺細胞のほぼ10%と反応する
    が、正常のヒトの末梢T細胞、B細胞、無特徴
    細胞または骨髄細胞と反応せず、 (b) HSB−2、CEMおよびMOLT−4細胞ライ
    ンと反応し、そして (c) マイトゲン刺激後末梢T細胞の30〜50%上に
    現われるT細胞抗原を定義する、 特許請求の範囲第1項記載のクラスIgGのモノク
    ローナル抗体。 3 ATCC8021の標示特性を有するハイブリドマ
    から製造された特許請求の範囲第2項記載のモノ
    クローナル抗体。 4 (a) 正常のヒトの胸腺細胞のほぼ10%と反応
    するが、正常のヒトの末梢T細胞、B細胞、無
    特徴細胞または骨髄細胞と反応しない、マウス
    モノクローナル抗体を製造するにあたり、 (i) マウスをヒトの白血病T−ALL細胞で免
    疫し、 (ii) 該マウスから脾を取り出し、そして脾細胞
    の懸濁液を形成し、 (iii) 該脾細胞をマウスの骨髄腫細胞と融合促進
    剤の存在で融合し、 (iv) 融合した細胞を別のウエルにおいて、未融
    合の骨髄腫細胞を支持しない媒質中で希釈
    し、そして培養し、 (v) ハイブリドマを含有する各ウエル中の上澄
    液を所望の抗体の存在について測定し、 (vi) 所望の抗体を生成するハイブリドマを選び
    かつクローンに分け、 (vii) 該クローンの上澄液から抗体を回収する、 工程からなることを特徴とする方法。 5 ハイブリドマATCC CRL8021を適当な培体
    中で培養し、そして抗体を該ハイブリドマの上の
    上澄液から回収することを特徴とする、特許請求
    の範囲第4項記載のモノクローナル抗体の製造
    法。 6 正常のヒトの胸腺細胞の10%と反応するが、
    正常のヒトの末梢T細胞、B細胞、無特徴細胞ま
    たは骨髄細胞と反応しない、モノクローナル抗体
    を製造するにあたり、 (i) マウスをヒトの白血病T−ALL細胞で免疫
    し、 (ii) 該マウスから脾を取り出し、そして脾細胞の
    懸濁液を形成し、 (iii) 該脾細胞をマウスの骨髄腫細胞と融合促進剤
    の存在で融合し、 (iv) 融合した細胞を別のウエルにおいて、未融合
    の骨髄腫細胞を支持しない媒質中で希釈し、そ
    して培養し、 (v) ハイブリドマを含有する各ウエル中の上澄液
    を所望の抗体の存在について測定し、 (vi) 所望の抗体を生成するハイブリドマを選びか
    つクローンに分け、 (vii) 該クローンの上の上澄液から抗体を回収し、 (viii) 該クローンをマウスの腹腔内に移植し、そし
    て (ix) 悪性の腹水または血清を該マウスから収穫す
    る、 工程からなることを特徴とする方法。 7 マウスにハイブリドマATCC CRL8021を注
    入し、そして抗体を該マウスの悪性腹水または血
    清から回収することを特徴とする特許請求の範囲
    第6項記載のモノクローナル抗体の製造法。 8 正常のヒトの胸腺細胞のほぼ10%と反応する
    が、正常のヒトの末梢T細胞、B細胞、無特徴細
    胞または骨髄細胞と反応しないマウスのモノクロ
    ーナル抗体の診断学的な有効量と、個体からのT
    細胞または胸腺細胞組成物と反応させ、そして該
    抗体と反応する合計の末梢T細胞および胸腺細胞
    の集団を測定することを特徴とする個体中の
    OKT9+細胞の欠乏または過剰を検出する方法。 9 該過剰がT細胞ALLである特許請求の範囲
    第8項記載の方法。 10 診断学的に許容しうる担体と混合して、
    OKT9+細胞の過剰または欠乏を検出するのに有
    効な量の抗体からなり、該抗体は正常のヒトの胸
    腺細胞のほぼ10%と反応するが、正常のヒトの末
    梢T細胞、B細胞、無特徴細胞または骨髄細胞と
    反応しないマウスのモノクローナル抗体であるこ
    とを特徴とするOKT9+細胞の過剰または欠乏を
    検出する診断組成物。
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