JPS635883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は複数のウエブを備えた断面十字形の胴
心材と、複数の周壁セグメントから成る胴外套
と、胴溝とを備えた印刷機用の胴に関する。

従来の技術 胴溝通過の際、要するに胴の１回転毎に、相隣
る２つの胴の印刷開始部が互いに衝突する際に、
程度の差こそあれ激しい衝撃が発生し、これが胴
の振動を生ぜしめることは周知の事実である。胴
が振動すれば印像に縞模様が生じるので、上質の
印刷は望むべくもない。このような振動を抑制す
ることは以前から当業者の努力目標になつてい
る。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第2529461号明
細書によれば、胴心材と、複数の周壁セグメント
３から成る胴外套と、胴溝とを備えた印刷機用の
胴が公知になつている。

本考案が解決しようとする問題点 この種の胴の欠点は、胴心材に周壁セグメント
を取付けた後では、胴を１つのユニツトと見なさ
なければならず、それゆえ相変わらず振動が発生
することにある。しかもこの胴は版を固定するた
めの胴として役立つだけである。

それゆえ本考案の課題は、衝撃があつても振動
傾向を示さないばかりでなく、軽量構造であるに
もかかわらず印刷機胴のために必要な強度を有す
るような胴を提供することにある。

問題点を解決した本考案の手段 この課題を解決した本考案の要旨は相隣る２つ
の胴がその印刷開始部において相接したさいに、
一方の胴の胴心材の１つのウエブと、他方の胴の
胴心材の１つのウエブとが互いにじかに支持され
るように胴心材が形成されており、かつ胴心材の
各ウエブと、胴外套を形成する周壁セグメントと
の結合面に振動減衰材が間挿されていることにあ
る。

実施例 胴Ｚは胴軸を形成する胴心材１と、これに結合
された複数の周壁セグメント３，４から成る胴外
套２と、胴溝９とからなる。周壁セグメント３
は、回転方向でみて印刷開始部８からまずほぼ
180度の胴周を覆い、かつ周壁セグメント４は周
壁セグメント３に続いてほぼ90度の胴周を覆うよ
うに配置されている。

この胴周の残りの90度は胴溝９を形成してい
る。胴心材１は、その最大抵抗モーメントが、予
測される衝撃力の中心に位置するような幾何学的
形状で構成されている。最大衝撃力は、胴溝通過
後に、相隣る２つの胴の印刷開始部８が互いに衝
突するさいに発生する。胴心材１のこのような幾
何学的形状によつて極めて高い強度が得られる。
胴外套２を形成している周壁セグメント３，４
は、胴心材１に結合されて相共に剛性的な１ユニ
ツトを形成している。周壁セグメント３，４と胴
心材１との結合面５には振動減衰材６例えば弾性
材料が接着されて間挿されている。胴心材１と周
壁セグメント３，４との間に生じている中空室７
内には振動吸収材例えば顆粒状物質が充填されて
いる。

本考案の効果 本考案によれば印刷開始部で両胴のウエブが互
いにじかに支持されることによつて、軽構造の割
には胴の強度が大きく、かつ周壁セグメントと胴
心材とを振動減衰材で仕切つたことによつて、
種々異なる物理特性を有する材料で周壁セグメン
ト及び胴心材を製作することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による胴の一実施例を示したもの
であつて、第１図はオフセツト印刷機において３
つの胴から形成されている印刷ユニツトの横断面
図、第２図はその１つの胴の横断面図である。 １……胴心材、２……胴外套、３，４……周壁
セグメント、５……結合面、６……振動減衰材、
７……中空室、８……印刷開始部、９……胴溝、
Ｚ……胴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 複数のウエブを備えた断面十字形の胴心材
   と、複数の周壁セグメントから成る胴外套と、
   胴溝とを備えた印刷機用の胴において、相隣る
   ２つの胴がその印刷開始部８において相接した
   さいに、一方の胴の胴心材１の１つのウエブ
   と、他方の胴の胴心材１の１つのウエブとが互
   いにじかに支持されるように胴心材１が形成さ
   れており、かつ、胴心材１の各ウエブと、胴外
   套２を形成する周壁セグメント３，４との結合
   面５に振動減衰財６が間挿されていることを特
   徴とする印刷機用の耐振胴。 ２ 前記周壁セグメント３，４と胴心材１との間
   に存在する中空室７内に振動吸収材が充填され
   ている実用新案登録請求の範囲第１項記載の印
   刷機用の耐振胴。 ３ 胴心材１の材料と、周壁セグメント３，４の
   材料とが互いに異なる物理的特性を有する材料
   から成る実用新案登録請求の範囲第２項記載の
   印刷機用の耐振胴。