JPS6358588B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、採血者から血液を採取して、血球成
分と血漿成分を分離し、血漿成分のみを分取し、
残りの血球成分を採血者に返還するために使用す
るプラズマフエレーシスバツグ用のコネクターに
関する。

（従来の技術） 現在、プラズマフエレーシスバツグ９０は、第
６図に示すように、採血バツグ９１と血漿分離バ
ツグ９２を対にして、これをさらに二対あるいは
三対組み合せたものが使用されている。これらの
付属品として、採血バツグ９１の上端に採血チユ
ーブ９８が接続され、この採血チユーブ９８にＹ
字管９４を介して、採血針９３が取付けられた分
岐採血チユーブ９５及び血液返環口９６が取付け
られた血液返環チユーブ９７がそれぞれ接続され
ている。

前記採血バツグ９１の上端部には、さらに輸血
口９９，９９、プロテクタ１００及び血漿分離バ
ツグ９２に接続される連結チユーブ１０１が形成
されている。

これらのプラズマフエレーシスバツグ９０は
は、採血バツグ９１と血漿分離バツグ９２が一対
のみ形成されている場合、以下のようにして使用
されていた。

採血針９３を採血者の血管に刺通し、血液を採
血チユーブ９５，９８を経て、採血バツグ９１へ
導入する。所定量の血液を採血した後、採血針９
３に、針キヤツプ１０２を被冠し、プラズマフエ
レーシスバツグ９０を遠心機にかけて、採血バツ
グ９１内の血液を血球成分と血漿成分に分離す
る。

上澄の血漿成分のみを、連結チユーブ１０１を
介して、血漿分離バツグ９２へ分取し、採血バツ
グ９１内に残つた血球成分は、第７図に示すよう
な輸血セツト１１１を使用して採血者へ返還して
いた。この輸血セツト１１１は、抗凝固剤が添加
された生理食塩水を収納した生理食塩水ボトル１
０３、生理食塩水の導入チユーブ１０４、導入針
１０５、血球の返血針１０６、点適筒１０７、プ
ラズマフエレーシスバツグ９０の血球返還口９６
と適合するように形成されたアダプター１０８を
取付けた血球返還チユーブ１０９、及び該血球返
還チユーブ１０９の途中に設置したクランプ１１
０より構成されている。

そして、使用に際しては、輸血セツト１１１の
血球返還チユーブ１０９、生理食塩水の導入チユ
ーブ１０４、点滴筒１０７の内部にあらかじめ、
生理食塩水を充填し、輸血セツト１１１のアダプ
ター１０８をプラズマフエレーシスバツグ９０の
血球返還口９６に接続した後、採血針９３を再び
採血者の血管に刺通し、返血針１０６を採血バツ
グ９１の輸血口９９に刺通して採血バツグ９１中
の血球成分を、血球返還チユーブ１１２，１０９
を通して点滴筒１０７に導き、この点滴筒１０７
の内部で、生理食塩水により希釈して、採血者へ
返還していた。

（発明が解決しようとする問題点） これらのプラズマフエレーシスバツグ９０の使
用において、採血者に返還する血球成分が採血者
のものと同じであることを確認する手段として (1) 採血者の氏名と採血バツグのレベルに記入し
た氏名を照合する。

(2) 採血者に賦与した番号と採血バツグのラベル
に記入した番号を照合する。

(3) 採血者と採血バツグに取付けた合札を照合す
る。

以上の方法より実施されていた。

しかしながら、血漿製剤が多量に必要とされて
いる今日、献血により採血者の数を一日中に数百
件も処理しなければならないので、上述したよう
な方法では、氏名及び番号の称呼の混同及び合札
の取付箇所の相違による人為的な、ケアレスミス
が、作業中に生じる危険があり、致命的な輸血事
故を起すことになりかねなかつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、血球返還用の輸血システムと採血バ
ツグの接続をセーフテイコネクタで行なうもので
ある。すなわち、本発明のコネクタは、オス部材
１とメス部材２とから成り、前記オス部材１とメ
ス部材２とは、それぞれ１または複数の同軸リン
グ４，５及び１１，１２と、このリングを収納す
るハウジング３，１０を備えており、前記リング
は、オス部材１とメス部材２を連結したとき、双
方のリングが互いに合致するような凹凸４ａ，４
ｂ等が形成されており、前記各ハウジングの一方
にはフツク部９を設け、他方には該フツク部と対
応してストツパ部１４を設けるようにしたもので
ある。

（作用） オス部材１とメス部材２を結合した場合、キー
リングの凹凸が接合し、ハウジング３，１０のフ
ツク９がストツパ１４に係合する。したがつて、
たとえばプラズマフエレーシスバツグの製品ごと
にキーリングの凹凸の位置を変えておくと、キー
リングの接合の可否により、採血者と採血者に返
還すべき血液成分の同一性を確認することができ
る。また、ハウジング３，１０に設けられたフツ
ク９とストツパ１４を係合すれば、両部材１，２
の離脱を防止することができる。しかも、このフ
ツク９とストツパ１４は両部材１，２の位置合せ
としての役割があり、両部材１，２を常に軸方向
の定位置で連結することができる。

（実施例） 第１図及び第２図は本発明の一実施例を示した
もので、図中１はオス部材、２はメス部材であ
る。

前記オス部材１はハウジング３と１組のキーリ
ング４，５とから成つている。前記ハウジング３
は中央部に連結筒６が形成されており、その連結
筒６の先端部にはシールリング７が装着されてい
る。またハウジング３の外側にはフツク部９が上
下方向に弾性状に形成されるとともに、後端部に
は、前記連結筒６と連通する液体流通チユーブ８
が接続されている。

さらに前記キーリングは外側キーリング４の内
部に内側キーリング５が挿入固定され、この内側
キーリング５が前記ハウジングの連結筒６の外周
に挿入固定されている。また各キーリング４，５
は先端縁の半周が切欠かれて凹部４ａ，５ａと凸
部４ｂ，５ｂが形成されており、内側キーリング
５を外側キーリング４に挿入する際、製品ごと各
凹凸の位置を周軸方向にずらして挿入するもので
ある。たとえばそれぞれのキーリング４，５と１
１，１２の角度を5゜づつずらした場合72×72＝
5184通りの組合せが考えれる。

一方、前記メス部材２もオス部材１と同じく、
ハウジング１０と１組のキーリング１１，１２と
から成つている。

前記ハウジング１０の中央部には前記オス側連
結筒６の先端部が挿入可能な連結筒１３が形成さ
れるとともに、ハウジング１０の外側には、前記
オス側ハウジング１のフツク部９と対向した位置
に、フツク先端が係入するストツパ部１４が形成
されている。またハウジング１０の後端部には、
連結筒１３と連通する液体流通チユーブ１５が接
続されている。

さらに前記キーリングは外側キーリング１２の
内部に内側キーリング１１が挿入され、これら
が、ハウジング１０の連通筒１３に挿入固定され
ている。そして、各キーリング１１，１２にも先
端に凹部１１ａ，１２ａ及び凸部１１ｂ，１２ｂ
が形成されており、これら凹凸部はオス側キーリ
ング４，５の凹凸部と対応して周軸方向に位置が
ずれている。すなわち、オス側キーリング４，５
の凸部４ｂ，５ｂがメス側キーリング１１，１２
の凹部１１ａ，１２ａと相互に接合するようにな
つている。

第３図は、本発明におけるハウジングの係合部
の他の実施例を示したものである。すなわち、本
実施例ではオス側ハウジング３の外部に支持部２
１を支点としてフツク部２０が弾性的に上下動可
能となつており、そのフツク部２０の先端は、メ
ス側ハウジング１０の環状溝２２に係入するよう
になつている。

第４図はハウジングの係合部のさらに別の実施
例を示したもので、第１図及び第２図に示したフ
ツク部９とストツパ部１４のほかに、ハウジング
の下部にも位置を逆にしてフツク部２３とストツ
パ部２４を設けるようにしたものである。

ハウジングの係合部としては、上記したほか
に、一方のハウジングの端縁部に突起を形成し、
他方のハウジングにその突起が嵌入する溝を形成
するようにしてもよい。

また上記したキーリングは、１組または２組以
上設けるようにしてもよい。

さらに、パツキン７はオス側連結筒６の最先端
部でメス側連結筒１３の内部に押え付けるように
してもよい。

その他細部の構成は、必要に応じて任意に変更
することができる。

なお、ハウジングやキーリングの材質として
は、透明もしくは半透明の硬質合成樹脂で、生体
適合性のすぐれたものが好ましく、たとえばポリ
カーボネイト、ポリプロピレン、塩化ビニル等が
用いられる。またチユーブ８，１５は軟質塩化ビ
ニル等の軟質合成樹脂、シールパツキン７はゴ
ム、弾性合成樹脂等が使用される。

第５図は本発明をプラズマフエレーシスバツグ
システムに適用した場合の実施例を示したもので
ある。

すなわち、採血バツグ３７には連結チユーブ３
６を介して血漿分離バツグ３８が連結されるとと
もに、前記採血バツグ３７には返血チユーブ３９
及び血液導出入チユーブ４３が接続されている。
前記返血チユーブ３９は途中に本発明のコネクタ
３５が設けられ、そのチユーブ先端はＹ字管４６
ａに接続されている。このＹ字管４６ａには、先
端に生理食塩水導入針４７が設けられた生食導入
チユーブ４４と、血球と生理食塩水の混合チユー
ブ４５が接続されている。

前記混合チユーブ４５には点滴筒４８が取付け
られており、そのチユーブ４５の先端はＹ字管４
６ｂに接続されている。このＹ字管４６ｂには血
液導出入針４９が接続されたチユーブ４２と前記
血液導出入チユーブ４３が接続されている。

なお、図中５０は流量調整クランプ、５１ａ，
５１ｂは連通ピースである。

次にこうしたプラズマフエレーシスバツグの使
用例を説明する。

採血バツグ３７を採血者の腕の位置よりも低い
位置において、血液の導出入針４９を採血者の血
管に刺通すると、血液は血圧と重力の作用によ
り、血液の導出入チユーブ４２，４３を経て採血
バツグ３７へ導入される。

所定の血液を導入した後、血液の導入チユーブ
４３をウエルダーにより溶着し切断するととも
に、コネクター３５のオス部材１とメス部材２を
分割して、大気を直接接つしないようにキヤツプ
等を被冠する。

以上のようにして、血液を収納した採血バツグ
３７は、血漿分離バツグ３８とともに遠心分離処
理することにより、中の血液は血球成分と血漿成
分に分離される。

次に連通ピース５１ａを切断し、開通させた
後、採血バツグ３７中の上澄の血漿成分を、連結
チユーブ３６を経て移送し、血漿分離バツグ３８
中へ収納する。

続いて、該連結チユーブ３６をウエルダー溶着
して、採血バツグ３７と血漿バツグ３８を切りは
なす。このとき、採血バツグ３７中には、血球成
分のみが残ることになる。この血球成分は次のよ
うにして、採血者へ返還される。

採血バツグから分離された返血回路５３に生理
食塩水を導入針４７から導入してプライミングし
た後、採血バツグ３７の返血チユーブ３９に取付
けられたコネクタ３５のメス部材２を返血回路５
３のオス部材１に接合する。

この際、オス部材１のキーリング４，５とメス
部材２のキーリング１１，１２は互いに接合でき
るように、各ロツドごとに固有の配置に調整され
ており、しかもキヤツプ３，１０は定位置でフツ
ク部９とストツパ部１４が係合できるようになつ
ているため、採血者の採血バツグ３７であれば、
オス部材１とメス部材２は接合でき、もし採血者
の採血バツグ３７と異なつていればオス部材１と
メス部材２は接合できない。

したがつて、コネクタ３５ののオス部材１とメ
ス部材２の接合の可否により、採血者と採血者の
返還すべき血球成分の同一性をチエツクすること
ができる。

以上のように、コネクタ３５のオス部材１とメ
ス部材２を接続した後、採血バツグ内の血球成分
は、連通ピース５１ｂを開通させた後、返血チユ
ーブ３９を介して返血回路５３中へ導入され、中
の生理食塩水と充分希釈混合された後、採血者へ
返還される。

本発明のコネクタは、第５図に示すようなプラ
ズマフエレーシスバツグの外に、 (ア) 採血バツグ−血漿バツグを二対以上形成した
プラズマフエレーシスバツグ (イ) 採血バツグ−血漿分離バツグ−小バツグを一
対以上形成したプラズマフエレーシスバツグ等
にも使用できることはいうまでもない。

（効果） 以上説明したような本発明によれば、次のよう
な優れた効果が得られる。

オス部材とメス部材の接合の可否により一度
分離した採血バツグの入れ替わりを防止でき、
採血者と採血者に返還すべき血球成分を混同す
ることなく確実に照合できる。

ハウジング内のリングを軸方向に回転させ、
凹凸の位置を少しづつ変えるだけで、多種類の
組み合せを得ることができ、さらに多くの組み
合せが必要な場合は、リングを必要数重ね合せ
るだけでよいため、安価に量産することがで
き、構造も簡素化される。

両部材はハウジングに覆われるため、衛生的
であり、しかもハウジングがフツク部とストツ
パ部とにより固定されるため、両部材が返血途
中に離脱することなく安全である。

ハウジング部にフツク部とストツパ部を有す
ることにより、オス・メス両部材は軸方向が常
に定位置で連結され、例えばリングの凹凸の位
置が対称関係にあるオス・メス両部材が誤つて
連結されることがなくなる。したがつて、フツ
ク部とストツパ部の係合の可否からも両部材の
同一性をチエツクすることができる。

以上のことから、採血作業者の精神的負担を
軽減でき、人為的なケアレスミスによる輸血事
故を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す組立分解図、第
２図は同じく断面図、第３図は本発明の他の実施
例を示す半断面図、第４図は本発明のさらに別の
実施例を示す斜視図、第５図は本発明を適用した
プラズマフエレーシスバツグシステムの概略図、
第６図は従来のプラズマフエレーシスバツグシス
テムの概略図、第７図は従来の血球返還セツトの
概略図である。 図中１はオス部材、２はメス部材、３はオス側
ハウジング、４，５はキーリング、７はシールパ
ツキン、９はフツク部、１０はメス側ハウジン
グ、１１，１２はキーリング、１４はストツパ部
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 流体流通チユーブの途中に設けられるコネク
   タであつて、オス部材とメス部材とから成り、前
   記オス部材とメス部材とは、それぞれ１または複
   数の同軸リングと、このリングを収納するハウジ
   ングを備えており、前記リングは、オス部材とメ
   ス部材を連結したとき、双方のリングが互いに合
   致するような凹凸が形成されており、前記各ハウ
   ジングの一方にはフツク部が設けられ、他方には
   該フツク部と対応してストツパ部が設けられてい
   ることを特徴とする医療用セーフテイコネクタ。