JPS6354504B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 自動的な工具交換装置を有する工作機械であ
つて、二重コラムに案内された水平なスピンドル
を備えており、工具マガジンがこのスピンドルの
上方にこれに対して一定の空間的な関係で配置さ
れておりかつ工具をスピンドル軸線に対して直角
に保持しており、かつ、工具をスピンドル軸線内
へ旋回せしめるクランプ機構がスピンドルユニツ
トに配置されている形式のものにおいて、 (a) 前記工具マガジンがスピンドルユニツトから
分離されておりしかし同スピンドルユニツトと
一緒に走行可能であり、 (b) 工具マガジンが両コラムの、スピンドル受容
部から遠い部分内で上下運動可能に案内されて
おり、かつ、 (c) 前記クランプ機構がアングル形二重クランプ
を備えていることを特徴とする自動的な工具交
換装置を有する工作機械。

２ 前記クランプ機構が中間クランプを有してお
り、同中間クランプが、前記工具マガジンから交
換準備位置まで前記スピンドルにわたり延在する
案内によつて案内されている請求の範囲第１項記
載の工作機械。

３ 前記工具マガジンがチエンマガジンから成る
請求の範囲第１項又は第２項記載の工作機械。

４ 前記工具マガジンがターンテーブル形マガジ
ンから成る請求の範囲第２項記載の工作機械。

５ 前記ターンテーブル形マガジンが自動的に交
換可能である請求の範囲第４項記載の工作機械。

明細書 本発明は請求の範囲第１項に記載の上位概念に
基づく自動的な工具交換装置を有する工作機械に
関する。

この種の工作機械は公知である（ドイツ連邦共
和国特許第1552324号明細書）。この公知機械は就
中３つの欠点を有している。この公知機械ではス
ピンドルユニツトに工具マガジンが取付けられて
おり、この構成では、マガジンの工具交換運動が
極めて迅速に行なわれなければならない場合、従
つて大きな制動力及び加速力が生じるさいに発生
する震動がスピンドルへ伝達され、従つて加工精
度が損なわれる。それゆえ、高い加工精度を要求
する場合には、主要時間の間マガジンを迅速に運
動させてはならない。これによつて、スピンドル
内に最初に交換取付けすべき工具の位置に応じて
多かれ少なかれ常に無駄な時間が浪費される。こ
の公知機械では、クランプ機構が２つの互いに向
かい合つて駆動される単１クランプから成つてお
り、従つて本来の工具交換過程も今日的な要求に
とつて余りにも緩慢である。さらにマガジンの大
きさが両方の鉛直なコラム間のスペースに制約さ
れており、従つてマガジンは著しく小さくなけれ
ばならないか、又は別の配慮を要するが、このこ
とは実際には採算の取れない多くの費用の原因と
なる。

この公知の機械は比較され得る種類の別の公知
工作機械に比して著しい利点を有している。二重
コラム構造によれば原理的に著しく高い加工精度
が保証される。なんとなれば、Ｘ−軸での熱成長
かスピンドルに対して対称的に吸収され、これに
よつて作用を失なうからである。さらに作業スペ
ース、要するにスピンドルの前の、ワークによつ
て占められるスペースが最小限度にしか制約され
ない。なんとなれば、交換準備位置に在る工具が
完全に機械全体のフロント輪郭の後方に位置し、
従つてワークがいかなる場合も理論的に本来の工
具交換過程の開始直後まではスピンドルユニツト
若しくはコラムのところまで、それも実際にはス
ピンドルの周りの領域全体に突入することができ
るからである。さらに工具交換をスピンドルユニ
ツトのあらゆる位置で、かつ最も深い位置でも行
なうことができ、これによつて著しく時間が節約
されるとともに、これによつて同一場所における
複数の加工では走入誤差が０となり、このことは
就中同軸的な加工（ワークの段孔）では特別重要
である。なんとなれば、このようにすれば同軸性
が極しく良好に保証されるからである。

比較可能な種類の公知工作機械では、この公知
工作機械のすべての欠点が回避されず、かつ同時
にすべての利点を維持することができない。

この比較できる種類の工作機械のために、「マ
シニングセンター」という呼称が導入されてお
り、公知のマシニングセンタの種々異なる形態に
ついての良好な概観は“TZf.prakt.
Metallbearb.”（Numerik）63（1969）、第６巻
（２、1969、H.6）、頁318（50）〜334（66）及び
“Werkstatt und Betrieb”102、1969、第７巻、
頁487〜493に開示されている。“Numerik”、頁
317、右欄、第２節、第１段には、1969年度にお
けるこのマシニングセンタの現象的な形態は、し
ばしば同じ目的にも拘らず従来機械に比して極め
て種々異なることが記載されている。同一目的に
も拘らず現象的な形態がこのように極めて多様で
あることは、とりもなおさず、理想形態又は少な
くとも最良の形態が未だに形成されていないこと
の左証である。ここに理想形態というのは、別の
機械の欠点を回避するとともそにの利点を備えた
機械を意味し、最良の形態というのは、努めて利
点を得るために避け得ない欠点を甘受しなければ
ならないような機械を意味する。

この梗概の出現の後に、さらに一連のマシニン
グセンタが公知となつているが、これらマシニン
グセンタについても同様なことがいえる。小形マ
シニングセンタBEA1−Ｈでは二重コラム構造が
廃されており、従つて工具マガジンを著しく大き
く設計することができる。アングル形二重クラン
プの使用により、互いに向かい合つて運動する単
１クランプに比して工具交換時間が著しく短縮さ
れ、しかもスピンドルのあらゆる位置で工具交換
を行なうことができるという前記利点が失なわれ
ていない。

二重コラム構造の利点ゆえに、二重コラム構造
の原理に基づく種々のマシニングセンタが公知で
ある。この種の公知機械では、工具マガジンが二
重コラムの片側に配置されかつ交換機構としてア
ングル形二重クランプが設けられている（DIAG
Werner Transfer−Center TCI；Deckel
Hochleistungs−Bearbeitungszentrum S500）。
この構造では、スピンドルユニツトが工具交換位
置内へ走入されなければならず、従つて上に述べ
た利点、即ち、あらゆるスピンドル位置での交換
による時間の節約及び走入誤差の回避という利点
を断念しなければならない。さらにこの交換位置
はワークスピンドルのＹ路の上方範囲内に位置し
ており、これによつて、スピンドルへの交換取付
け又は交換取外し時にアングル形二重クランプに
よつて強制的に押下げられる長い工具がワークテ
ーブルをも通過でき、それゆえ、多くの場合、交
換位置への走行及び加工場所への戻し案内に著し
い時間を要する。

二重コラムを備えた別の公知マシニングセンタ
（ドイツ連邦共和国特許出願公開第2808796号）で
は、簡単な二重クランプの使用によつて、交換位
置への走行距離が若干短縮されているが、しかし
不経済な二重クランプ構造の費用が大きく、しか
も完全な交換過程に著しい時間を要する。その
上、二重クランプによつて工具をつかむことので
きる位置で同工具が作業スペース内へ突入する。

二重コラムを備えた別の公知マシニングセンタ
（Kearney ＆ Trecker Marvin Ltd.
KTM400）では、工具が２つの中間クランプを
介して、スピンドルユニツトの最も上の位置に対
応する交換位置に移動させられ、かつその位置か
ら単１な二重クランプによつてスピンドルへ交換
取付けされる。この構造の欠点は工具交換位置が
Ｙ−路の上方の端部に位置しかつ単１な二重クラ
ンプが不経済な構造を有していることにある。

二重コラムを備えた別の公知マシニングセンタ
では同様に単１の二重クランプが設けられてお
り、マガジンが二重コラムの上側に固定的に配置
されている（ドイツ連邦共和国特許出願公開第
2001871号）。

このマシニングセンタでも工具スピンドルはＹ
路の上方の範囲に位置する交換位置へ走行しなけ
ればならず、その上、工具はこの公知マシニング
センタでは交換準備位置のみならず常に作業スペ
ース内にも存在している。その場合、ワークの丈
が高い場合に下方範囲だけが加工されなければな
らないさいには、作業スペースをも工作機械自体
の上方へ向かつて簡単に延ばすことができるよう
な考慮が払われなければならないのは当然であ
る。このことは、比較的大きなワークがつかみ替
えられることによつても達成できるのは勿論であ
る。

二重コラムを備えた別の公知マシニングセンタ
（Hu¨ller Hille、Horizontales
Bearbeitungszentrum nb−h80−１、nb−h100
−１）では、同様に単１の二重クランプが設けら
れている。しかしマガジンは自由に二重コラムの
側方に配置されている。この場合も、スピンドル
ユニツトは１つの交換位置（Ｙ路の中央）へ走行
しなければならず、このことのために、二重コラ
ム全体がＺ路の後端まで戻し案内されなければな
らず、従つて、工具交換にとつて効果的なＹ−方
向での作業位置でも著しく時間が浪費される。

二重コラム構造を廃し、工具マガジンを単１コ
ラムの１側にかつスピンドルユニツトを他側に配
置したマシニングセンタがすでに公知となつてお
り、その場合、マガジンはスピンドルより上方に
配置されており、かつ中間クランプが設けられて
おり、同中間クランプによつて、スピンドル内へ
交換取付けすべき工具がマガジンから取出されて
交換準備位置へもたらされ、同交換準備位置から
単１な二重クランプによつて工具スピンドルへ交
換取付けされる（ドイツ連邦共和国特許出願公開
第1949390号）。この公知マシニングセンタではス
ピンドルの側方の作業スペースは空いているが、
スピンドルの上方では空いておらず、しかも二重
コラム構造の利点まで失なわれている。

単１コラムを備えたマシニングセンタでは、工
具マガジンをスピンドル工具受容部とは逆の側で
スピンドルユニツトに配置しかつ工具を二重クラ
ンプの形状の中間クランプを介して交換準備位置
に搬送し、そこからスピンドルへ直接交換取付け
することが知られている。この場合も交換準備位
置で作業スペース内へ突入し、二重コラム構造の
利点が失なわれ、かつマガジンが初めに述べた欠
点を伴なつてスピンドルユニツトに取付けられて
いる。

それゆえ本発明の課題は、工具交換に要する無
駄な時間を最小限にとどめ、しかも自動的な工具
交換によつて加工精度を損なわないような冒頭に
述べた形式の工作機械を提供することにある。高
い加工精度を得るためにはいかなる場合にもＸ−
軸へ熱膨張を作用せしめてはならない。その上Ｚ
路は可能な限り短かくなければならない。換言す
ればスピンドルの側方、下方及び上方のスペース
はワークのために空けておかなければならない。
さらに、マガジンの循環時の震動はスピンドルに
伝達されてはならない。その上、走入誤差を排除
するために、工具交換はスピンドルユニツトのあ
らゆる位置で可能でなければならない。

本発明によれば冒頭に述べた工作機械を出発技
術として驚異的にも工作機械がこの課題の解決の
ための変更に最も早く接近可能である。この課題
は請求の範囲第１項に記載した手段の組合せによ
つて解決される。

本発明の特別な実施態様は使用目的に応じて従
属請求項から得られる。

図面に図示した実施例について本発明を詳しく
説明する。

第１図は本発明の有利な実施態様の側面図、 第２図は第１図の実施態様の平面図、 第３図は本発明の第２実施態様の、第２図に相
当する平面図、及び 第４図は本発明の第３実施態様の、第２図に相
当する平面図を示す。

第１図及び第２図に示す工作機械は２つの鉛直
なコラム１１及び１２を有しており、同コラム１
１，１２は二重コラムを形成しており、同二重コ
ラムは図示の実施態様では滑り台１３上に配置さ
れており、同滑り台１３は機械べツド１４上でＸ
−方向に走行可能である。Ｘ−方向のこの走行性
は、図示しないワークテーブルがこの方向で走行
可能である場合には省いてもよい。

両方のコラム１１と１２との間には、スピンド
ルユニツト１５がＹ−方向で上方及び下方へ走行
可能に案内されており、駆動装置として玉入りね
じスピンドル１６が設けられている。スピンドル
ユニツト１５にはアングル形二重クランプ１７が
設けられており、同アングル形二重クランプは、
スピンドル軸線１８に対して角45゜傾いた軸線１
９を中心に旋回するさいに、スピンドル内の仮想
線で示した工具２０を、交換準備位置でスピンド
ル軸線１８に対して直角にかつスピンドルの上方
に起立した同様に仮想線で示す工具２１に交換す
るように配置されている。この種のアングル形二
重クランプの構造及び作用は公知である。

コラム１１及び１２には工具２０を収容するス
ピンドルユニツト１５の部分とは逆の側に工具マ
ガジン２２がスピンドルユニツト１５に対して平
行に上下運動可能に案内されており、駆動装置と
しては同様に玉入りねじスピンドル２３が設けら
れている。両方の玉入りねじスピンドル１６及び
２３は図示の実施態様では共通の駆動モータ２４
によつて駆動され、同駆動モータ２４は、両方の
コラム１１及び１２を覆う板２５上に配置されて
いる。これの代りに、２つの別別の駆動モータを
設け、この駆動モータによつてスピンドルユニツ
ト１５及び工具マガジン２２を同期的に上下運動
せしめてもよく、このようにすればスピンドルユ
ニツト１５に対する工具マガジン２２の空間的な
関係が一定になる。特に第２図から判るように、
図示の実施態様では工具マガジン２２はチエンマ
ガジンであり、同チエンマガジンはコラム１１及
び１２の、アングル形二重クランプ１７とは逆の
側の外部で保持アーム２６によつて保持されてお
り、同保持アーム２６は玉入りねじスピンドル２
３によつて駆動されかつ両コラム１１及び１２の
案内２７，２８に案内されている。工具マガジン
２２内には工具２９がスピンドル軸線１８に対し
て直角に起立して配置されている。

チエンマガジン２２の代りに、著しい構造的な
変更の必要なしにターンテーブル形マガジンを使
用することもできる。チエンマガジンにしろ、タ
ーンテーブル形マガジンにしろ公知であり、さら
に工具選択を大形化するためにターンテーブル形
マガジンを交換することも公知である。従つて詳
しい説明は当該技術者にとつて不要である。

工具マガジン２２の下方にかつスピンドルユニ
ツト１５の上方に、工具マガジン２２からアング
ル形二重クランプ１７まで案内軌道３０が延在し
ており、同案内軌道３０にはスライダ３１が案内
されており、同スライダ３１は中間クランプ３２
を備えている。この中間クランプ３２は、工具マ
ガジン２２の符号３３で示す位置にある工具３４
を交換準備位置へ搬送するために役立てられ、要
するに工具３４を工具２１のところへ搬送し若し
くは工具２１を位置３３へ戻し案内する。この種
の中間クランプの構造及び作用は当該技術者にと
つて公知であり、従つて詳しく説明しない。

第１図及び第２図に基づく機械は冒頭に述べた
要求をすべて満たす。工具交換がスピンドルユニ
ツト１５のあらゆる位置で可能であるばかりでな
く、次の作業位置へのスピンドルユニツト１５の
走行時でも、早送り時でも工具交換が可能であ
る。交換準備位置での工具２１は作業範囲に突入
せず、要するにスピンドルの側方、下方及び上方
のスペースは通常では空いており、ワークをこの
スペース内におくことができる。本来の交換過程
時にのみスペースが必要であり、このスペースは
通常は、それまで係合していた工具がワークから
引戻されなければならないか若しくはワークが機
械から引戻されなければならないこと（作業条件
に応じて加工ユニツト並びにワークによつて行な
われることのできるＺ−運動）によつて保証され
る。これから判るように、二重コラム構造の利点
が維持されている。マガジン運動に起因する震動
はスピンドルユニツト１５へ伝達され得ない。な
んとなれば、この種のコラムはもともとこの種の
震動が伝達されないように設計されているからで
ある。交換時間は著しく短く、アングル形二重ク
ランプによつて、最も短い可能な交換時間が得ら
れる。なんとなれば、それまで使用された工具の
交換取外し及び次の工具の交換取付けが同時に行
なわれ、かつ特にアングル形二重クランプではア
ームが短く、ひいては遠心力が特別小さく保てる
からである。

複数の工具によつて極めて短い加工過程があい
ついで行なわれるような特別な場合には、交換取
外しすべき工具をマガジン２２へ戻し搬送しかつ
次の工具を交換準備位置へ搬送するために要する
時間が多くなり、従つて、無駄な時間が増大す
る。

このような稀な場合をも考慮しなければならな
い場合には本発明は第３図に示したように構成さ
れる。第３図に示す実施態様が第１図及び第２図
に示す実施態様に対して主として異なる点は、工
具マガジン２２ａが、両方のコラム１１ａ及び１
２ａの間を貫通して交換準備位置２１ａの近傍ま
で延在しており、このため、マガジン位置３３ａ
と交換準備位置との距離が小さいことにある。さ
らに第１図及び第２図に基づく実施態様の中間ク
ランプ３２に相応する中間クランプも必要である
が、しかしこの中間クランプは著しく短い距離を
戻ればよく、従つて所要時間は極めて著しく軽減
されるとともに、中間クランプの主たる利点、要
するに著しく不経済な工具コード化の代りに簡単
なマガジン位置コード化で十分であるという利点
を失なわない。さらに第３図に基づく実施態様が
第１図及び第２図に基づく実施態様と異なる点
は、マガジン２２ａを支持するスライダ１６ａが
円形案内３５，３６として形成されていることに
あり、同円形案内３５，３６はコラム１１ａ若し
くは１２ａの背面に取付けられている。しかし原
理的には、偏平案内をコラム内側に使用すること
もできる。同様に、それとは逆に、第１図及び第
２図に基づく実施態様でも円形案内をコラム背面
に設けることができ、その場合には、勿論マガジ
ン２２は相応して比較的広く押出されなければな
らない。

これの代りに第４図に基づく実施態様を選ぶこ
とも可能であり、この実施態様では中間クランプ
がまつたく省かれている。この実施態様の工具マ
ガジン２２ｂは第３図に基づく実施態様の工具マ
ガジン２２ａとほぼ同様に配置されるが、しかし
交換準備位置まで延在しており、従つて、交換準
備位置及び相応のマガジン位置３３ｂが重なつて
いる。この実施態様では、アングル形二重クラン
プ１７ｂがマガジン位置３３ｂでじかに工具を掴
み、同工具を、すでに使用されている工具２０ｂ
に交換する。この実施態様では工具コード化は不
可欠である。なんとなれば、それまで使用されて
いた工具が交換過程後強制的に、これから使用す
る工具が位置していたマガジン位置にもたらされ
るからである。この場合、「工具のコード化」と
いう意味は工具のマーキング並びに機械制御によ
るマガジン位置予約の追跡を意味している。