JPS6353781B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭で使われるミキサー等の電動
機器に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、この種の電動機器は、第１図で示す様
に、駆動用のモータ１は防振ゴム２で本体３に弾
性支持もされている。モータ１の反駆動側軸４に
は冷却フアン５が固着されており、この冷却フア
ン５の効率を高めるために、エアガイド６がモー
タ１に取付けられている。又、排気孔７を有する
本体底面８とエアガイド６の間には隙間９が設け
られてあり、モータ１の振動がエアガイド６を伝
わり本体３に伝達するのを防いでいる。しかし、
この隙間９のため、矢印１０で示す冷却風の一部
が排気孔７から外部へ排気されず、本体３の内部
でエアーガイド６の外側を流れて、再びエアーガ
イド６の内部へ吸気される。すなわち、矢印１０
で示す冷却風の一部が排気孔７から外部へ排気さ
れずに再び環流するため、冷却フアン５の冷却効
率を悪くしている。このことから、必要な冷却風
を確保するために冷却フアン５の径は必要以上に
大きく設計されており、冷却フアン騒音を増大さ
せる結果となつている。

そこで第２図で示す様に、エアガイド６を本体
底面８に固着し、モータ１とエアガイド６の接触
をたてばモータ１の振動がエアガイド６を通して
本体３に伝わる事もなく、又第１図で示した隙間
９も存在せず、環流する冷却風成分もなくなつて
冷却フアン５の効率は改善されるが、モータ１が
振動した時、冷却フアン５がエアガイド６の仕切
部１１に接触する可能性があり、これらの間の隙
間１２は、第１図で示した例よりも大きく設計す
る必要がある。この場合、第１図と同じように矢
印１０で示す冷却風が排気孔７より外部へ排気さ
れる際、エアーガイド６の内部は外部に比べ負圧
となるため、前記冷却風の一部がこの隙間１２を
通してエアーガイド６の内部に吸い込まれるとい
う現象が発生し、そしてこの隙間１２が大きけれ
ば大きい程、この隙間１２を通してエアーガイド
６の内部に吸い込まれる冷却風成分が大きくな
り、その結果、冷却フアン５による冷却効率が悪
化し、前述した通り結果として冷却フアン騒音を
増大させる事になる。

以上述べた様に従来の構造ではモータの防振と
冷却フアンの効率の両者を同時に改善する事が難
しく、結果とし充分な低騒音化が実現出来なかつ
た。

発明の目的 本発明はこの様な従来の問題を解消し、簡単な
構成で低騒音化を計つた電動機器を提供するもの
である。

発明の構成 本発明の電動機器は、駆動用のモータと、この
モータの反駆動側軸端に固着された冷却フアン
と、前記モータを弾性支持し、かつ前記冷却フア
ンと対峙する本体底面に排気孔を設けた本体と、
前記モータの外側を包囲するように前記本体底面
に一体に成形された略円筒状のエアガイドと、前
記冷却フアンの外側に位置し、かつその内周に前
記冷却フアンが位置するようにモータに固定され
たゴム質リング状円板とを備え、このゴム質リン
グ状円板の外周部は前記排気孔の外周位置で前記
略円筒状のエアガイドの内面またはエアガイド内
に位置する本体底面に弾性的に当接させて排気通
路を形成した事により、モータの振動が本体に伝
わる事もなく、又冷却フアンの効率も改善され、
冷却フアンの騒音も改善する事ができる。

実施例の説明 以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例に
ついて説明する。第３図において１４は駆動用の
モータであり、防振ゴム１５を介して本体１６に
弾性支持されている。モータ１４の反駆動側軸１
７には冷却フアン１８が固着されている。冷却フ
アン１８と対峙する本体底面１９には排気孔２０
が設けられている。前記冷却フアン１８の外周部
にはゴム質リング状円板２１があり、このゴム質
リング状円板２１は、その内周部に冷却フアン１
８が位置する様にモータ１４に一体に形成された
取付足３０にネジ３１により固定されている。こ
のゴム質リング状円板２１の外周部２１′はリツ
プ状となつていて、略円筒状のエアガイド２２の
内面にその全周が弾性的に当接している。略円筒
状のエアガイド２２はモータ１４を囲んでおり、
又その端面が前記排気孔２０になる様に本体１６
と一体に成形され、ゴム質リング状円板２１とと
もに排気通路Ａを形成している。

上記構成において、動作を説明する。モータ１
４を駆動すると、冷却フアン１８が回転し、冷却
風が矢印２３の方向に流れてモータ１４を冷却す
る。この時、ゴム質リング状円板２１と冷却フア
ン１８との隙間２４はゴム質リング状円板２１が
モータ１４に固定されているため、モータが振動
しても一定に保たれ冷却フアン１８がゴム質リン
グ状円板２１に接触する事は無く、隙間２４は部
品寸法精度の範囲内で最小に設定する事ができ、
冷却風がこの隙間から環流する事も従来に比べる
と大巾に改善できる。ゴム質リング状円板２１の
外周はその弾性を利用してエアガイド２２の内面
に当接しているため、モータ１４が振動してもこ
の間に隙間が広がる事も無く、冷却風がこの間か
ら環流する事も無い。以上の２点により、冷却風
の環流する成分を大巾に減少させる事が可能にな
り、冷却フアン１８の効率が大巾に改善される
（実験によると、第１図の従来例に比して約20％
改善される）ため、結果として必要な冷却風を従
来に比べ径の小さい冷却フアン５で得る事が可能
になり、冷却フアン５の騒音を著るしく低減でき
る。第１図の従来例と比較すると、２〜3dB(A)の
低減結果が得られた。モータ１４の振動は防振ゴ
ム１５で振動絶縁されていると同時にモータ１４
に固定されたゴム質リング状円板２１の弾性によ
り、エアガイド２２とも振動絶縁されており、本
体１６に伝達するモータ振動は極めて少なく従来
に比べ悪くなる事は無い。

第４図、第５図は本発明の他の実施例であり、
第４図では、ゴム質リング状円板２５の外周部２
５′を下方に向けこれを本体底面２６に直接弾性
をもつて当接させている例であり、第５図はゴム
質リング状円板２７の外周部２７′が、本体底面
２８に設けられたリング状リブ２９に弾性的に当
接している例であり、両者とも前述した実施例と
同様、排気通路Ａを形成しているものである。な
お前記したゴム質リング状円板は、その材質がゴ
ムに限定されるのでないことは云うまでもない。

発明の効果 本発明の電動機器は、ゴム質リング状円板の付
加によりモータの防振性能を悪化させる事無く、
冷却フアンの効率を改善できるため、フアン径を
小さくする事ができ、冷却フアン騒音を大巾に減
少させる事ができるとともに構成が簡単で従来に
比べ安価に製造できるというすぐれた効果を奏し
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の電動機器の要部断面
図、第３図は本発明の一実施例を示す電動機器の
要部断面図、第４図、第５図はそれぞれ本発明の
他の実施例の要部断面図である。 １４……モータ、１６……本体、１７……反駆
動側軸、１８……冷却フアン、１９…本体底面、
２０……排気孔、２１……ゴム質リング状円板、
Ａ……排気通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 駆動用のモータと、このモータの反駆動側軸
   端に固着された冷却フアンと、前記モータを弾性
   支持し、かつ前記冷却フアンと対峙する本体底面
   に排気孔を設けた本体と、前記モータの外側を包
   囲するように前記本体底面に一体に成形された略
   円筒状のエアガイドと、前記冷却フアンの外側に
   位置し、かつその内周に前記冷却フアンが位置す
   るようにモータに固定されたゴム質リング状円板
   とを備え、このゴム質リング状円板の外周部は前
   記排気孔の外周位置で前記略円筒状のエアガイド
   の内面またはエアガイド内に位置する本体底面に
   弾性的に当接させて排気通路を形成した電動機
   器。