JPS6353685B2 - - Google Patents

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JPS6353685B2
JPS6353685B2 JP9664580A JP9664580A JPS6353685B2 JP S6353685 B2 JPS6353685 B2 JP S6353685B2 JP 9664580 A JP9664580 A JP 9664580A JP 9664580 A JP9664580 A JP 9664580A JP S6353685 B2 JPS6353685 B2 JP S6353685B2
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JP
Japan
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film
polyester
particles
crosslinked polymer
polymer
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JP9664580A
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Seiji Sakamoto
Koichiro Ikushima
Kazuo Endo
Juzo Ootani
Chikakazu Kawaguchi
Masaji Watanabe
Takeshi Ito
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコンデンサー誘電体用として特に適し
た特定の架橋高分子微粉体を含有する二軸延伸ポ
リエステルフイルムに関する。 今日、ポリエチレンテレフタレートを主体とす
るポリエステルのフイルムはその優れた機械的特
性、電気的特性及び耐熱性等の故に、紙や他の高
分子フイルムに替つてコンデンサー誘電体とし
て、ますます需要が増大している。 プラスチツクコンデンサーにはいわゆる蒸着コ
ンデンサーと箔巻コンデンサーとがあるが、双方
ともフイルムに要求される特性は同様である。 即ち、まず第一に要求される特性はフイルム取
扱い時の作業性の改善、即ち摩擦係数の低減であ
る。 またコンデンサー用フイルムとしては当然の事
ながら電気的特性が重要視される。この評価され
るべき電気的性質としては主に絶縁耐力及びCR
値と呼ばれる静電容量と電気抵抗との積が挙げら
れる。 従来これらの特性を改良せんとして多くの方法
が提案されているが、最も一般的に採用されてい
るのはフイルムに不活性微粒子を存在させる方法
であるが、この方法は二つに大別される。 一つは析出法と呼ばれる方法であり、エステル
交換触媒としてカルシウム化合物を使用した場合
に、ポリエステル中に生成析出するポリエステル
オリゴマーのカルシウム塩微粒子を利用する方
法、微粒子量を増すためにこれらの系にテレフタ
ル酸を添加する方法、重合段階でテレフタル酸と
酢酸カルシウムとを添加しポリエステルオリゴマ
ーのカルシウム塩を生成させる方法等いずれも反
応系内で微粒子を析出させるもののである。 またカルシウム化合物の代りにリチウム化合物
を用いて同様な方法により微粒子を析出させる方
法もある。これらの場合リン化合物の存在下リン
酸塩または亜リン酸塩誘導体として粒子を析出さ
せることもある。 いずれにしてもこれらの微粒子を用いて滑り性
を改良しようとする場合には析出粒子量、粒子径
が変化し易く滑り性のコントロールが難しくな
る。また再生使用した場合もとの滑り性を与えな
くなるという欠点もある。 析出法と対比される今一つの方法は添加法と呼
ばれる方法であり、カオリン、タルク、炭酸カル
シウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム等を
そのままあるいは微粒子化したのちポリエステル
合成時あるいは成型時に添加する方法である。 これら無機化合物を添加する方法は微粒子の粒
径、量を加減することができ、結果の再現性は良
いが、一般に無機化合物は有機物であるポリエス
テル中に均一に分散させることが困難で往々にし
て凝集による粗大粒子を与えてしまう。 粒子以外の異物や無機化合物の粗大粒子あるい
は分散不良による凝集粒子が存在すると、電気的
特性、特に絶縁耐力に劣るようになるし、また均
一分散時に比べフイルムの滑り性が悪くなる。 本発明者らは従来ポリエステルフイルムの主と
して易滑性を改善するため用いられて来た析出あ
るいは添加粒子の最大の欠点はポリエステルとの
親和性の欠如であるとの観点から、その欠点を改
善するため特願昭54―7615において架橋高分子微
粉体を含有せしめたポリエステルフイルムを提案
した。 ポリエステルと共有結合し得る基を有する該架
橋高分子微粉体はポリエステルとの親和性が良
く、ポリマー中での分散性も良好で該粒子を含有
して成るフイルムは例えばコンデンサー用フイル
ムとして用いるに適したものであることを見い出
した。 ところで近時コンデンサーの小型化、軽量化の
ために特に蒸着フイルムの伸びが著しいが、この
場合特にフイルム縦方向の強度が大きいことが要
求される。 即ち蒸着加工において最近は従来にも増して蒸
着速度や張力の増大が要求されるようになり、縦
方向の強度が弱いとフイルムの伸びが生じ均一な
製品が得られないようになる。 この傾向は特に薄物、例えば5μ以下のフイル
ムの場合に顕著で、極端な場合フイルムの破断が
生じ生産性が著しく低下してしまう。 従つてコンデンサー誘電体用としての特性、即
ち滑り性及び電気的性質を維持したままフイルム
縦方向の強度の強いフイルムが特に要望されてい
る。 本発明者らは上記実情に鑑みて鋭意検討を行つ
た結果、架橋高分子微粉体の中でも特に特定粒径
の特定の官能基を有する架橋高分子微粉体を用い
て高強力化のための延伸を行うならばこの目的が
達せられることを見い出し本発明を完成するに至
つた。 即ち本発明は、分子中にエポキシ基を有する架
橋高分子から成る、平均粒径0.3〜4μの粒子を
0.01〜1重量%含有してなるポリエステルフイル
ムであつて、該エポキシ基は実質的にポリエステ
ルと共有結合しており、且つフイルムの縦方向の
F―5値が11Kg/mm2以上であることを特徴とする
コンデンサー誘電体用二軸延伸ポリエステルフイ
ルムに存する。 以下本発明を更に詳細に説明する。 本発明において、ポリエステルとはポリエチレ
ンテレフタレートを主体とするポリマーであり、
例えばポリエチレンテレフタレート単独あるいは
エチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む
共重合体をいう。 本発明で用いる高分子微粉体の大きな特徴は架
橋高分子体中にエポキシ基を有することにある。 ポリエステルと反応し得る基、例えばエステル
基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基及びエポ
キシ基等の中でもエポキシ基はとりわけ容易に反
応し該架橋高分子微粉体をポリエステルと強固な
結合を持つた粒子としてポリエステル中に埋没さ
せることができポリエステルとの馴じみを大幅に
改良することができると共に、更に興味あること
に該エポキシ基を有する架橋高分子微粉体は高倍
率延伸下においても全く破壊されないという特徴
を有する。 この理由は定かでは無いが、エポキシ基の一部
が架橋高分子中で複雑な反応を起し、架橋高分子
の構造に微妙な影響を及ぼすものと考えられる。 本発明で用いる架橋高分子は以下に示す化合物
から製造するのが好ましい。すなわち分子中にエ
ポキシ基及び唯一個の脂肪族の不飽和結合を有す
る化合物(A)と架橋剤として分子中に2個以上の脂
肪族の不飽和結合を有する化合物(B)とを共重合さ
せて得られるものである。 共重合体中の一成分である化合物(A)の例として
は不飽和脂肪酸、例えばアクリル酸、クロトン
酸、メタクリル酸等のグリシジルエステルまたは
エポキシシクロヘキシルエステル、ビニルグリシ
ジルエーテル等を好適に挙げることができる。 また化合物(B)の例としてはジビニルベンゼン、
エチレングリコールジメタクリレート、ブチレン
グリコールジアクリレート等を挙げることができ
る。 化合物(A)及び(B)は各々一種類以上用いるが、こ
れらの系に更にエチレンやスチレンを加え共重合
させても良い。又窒素原子を有する化合物、例え
ばビニルピリジンやアクリロニトリル等を共重合
させても良い。 これらの共重合体の典型的な例としてはメタク
リル酸グリシジルとジビニルベンゼン、またはメ
タクリル酸グリシジルとエチレングリコールジメ
タクリレートの共重合体を挙げることができる。 化合物(A)と化合物(B)とを共重合させるための重
合開始剤としては周知の化学的ラジカル開始剤、
例えばアゾイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイ
ル、t―ブチルパーオキサイド、クメンハイドロ
パーオキサイド等を用いるか紫外線照射法が簡便
であるが、単に加熱によつて重合を開始させても
良い。 このように本発明において用いるエポキシ基を
有する架橋高分子を得ることができるが、そのエ
ポキシ基の濃度は架橋高分子1Kg当り1〜15当
量、特に3〜15当量が好ましい。 本発明において用いる該架橋高分子はポリエス
テルの合成あるいは成型時の高温においても不
溶、不融のものでなければならない。 即ち、該高分子微粉体はポリエステル製造工程
で接触する可能性のあるメタノール、エタノール
等のアルコール類、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4―ブタンジオール等のグ
リコール類、ビス―(β―ヒドロキシエチル)テ
レフタレート及びそのオリゴマー、更にはポリエ
ステルに対して高温においてもほとんど不溶性の
ものである必要がある。具体的には各媒体に高温
で1時間浸漬した時の架橋高分子の重量減少がも
との架橋高分子の重量に対して20%以下、好まし
くは10%以下のものでなければならない。 また該高分子微粉体はポリエステル製造時また
は成型時の高温、即ち260〜295℃程度の温度にお
いても融解しないものでなければならない。 本発明において用いる該架橋高分子微粉体の平
均粒径は0.3〜4μでなければならない。 平均粒径が0.3μ未満であるとフイルムの粗面化
効果が少く滑り性が不充分となりまた耐突出変形
性と呼ばれる巻き姿に関する特性が悪化するよう
になる。一方平均粒径が4μを越えると絶縁耐力
が劣るようになる。 またフイルム中に含有される該架橋高分子の量
は0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.5重量%の
範囲から選択される。架橋高分子の量が0.01重量
%未満であるとコンデンサー用フイルムとしての
滑り性が不充分であり、また耐突出変形性が劣る
傾向にあるし、一方1重量%を越えて使用しても
滑り性付与効果及び耐突出変形性が更に改善され
ることは無く、逆に電気特性、特に絶縁耐力が劣
るようになる。 かかる特定の架橋高分子微粉体を含むポリエス
テルフイルムは以下に説明する方法により製造さ
れる。 ポリエステルはテレフタル酸もしくはそのエス
テル形成性誘導体例えばジメチルテレフタレート
とエチレングリコールとを主な出発物質とし、こ
れを常法により重合することによつて製造するこ
とができる。 ポリマー製造工程は通常エステル交換反応又は
エステル化反応を行ない、ポリエステルオリゴマ
ーを得たのち重縮合反応を行うという二段階の工
程をとるが、この場合エステル交換触媒としては
公知の化合物、例えばカルシウム化合物、マンガ
ン化合物、亜鉛化合物、リチウム化合物等の一種
以上を用いることができる。またエステル交換反
応又はエステル化反応が実質的に終了した後、析
出粒子の調節剤又は熱安定剤としてリン化合物の
一種以上を添加しても良い。 重縮合触媒としては公知のアンチモン化合物、
ゲルマニウム化合物、チタン化合物、スズ化合
物、コバルト化合物等の一種以上を用いることが
できるが特にアンチモン化合物及びゲルマニウム
化合物が好ましい。 本発明における高分子微粉体の添加時期はポリ
エステル製造工程のいずれかの時期が好ましい。
重合終了後のチツプ状または粉末状のポリエステ
ルに添加混合し押し出して製膜したのでは、該微
粉体がポリエステル中に均一に分散し難く製膜時
のフイルターの寿命を短くする他、フイルム表面
上に不必要に大きな突起を与えるようになる。 従つて本発明においては該高分子微粉体の添加
時期は重縮合段階中期以前が好ましく、特にエス
テル交換反応前または重縮合反応開始前が好まし
い。 なおポリマー製造工程への高分子微粉体の添加
方法としてはエチレングリコールススラリーとし
て添加するのが良い。そのスラリー濃度としては
0.5〜20重量%程度が適当である。なお当然の事
ながら該高分子微粉体とエチレングリコールとを
予め反応させた後添加しても良い。 本発明になるポリエステルフイルムがコンデン
サー誘電体用フイルムとして最大限にその特長を
発揮し得るのは、フイルム原料である該高分子微
粉体含有ポリエステルがとくに次の方法により製
造される時である。 即ちテレフタル酸の低級アルキルエステル、就
中ジメチルテレフタレートとエチレングリコール
とを主な出発物質としてカルシウム化合物の存在
下エステル交換反応を行い、次いで該カルシウム
化合物に対し、1〜2倍モルのリン化合物及び該
高分子微粉体を添加することにより、得られるポ
リエステルの場合である。 ここでカルシウム化合物はエステル交換触媒能
を有するものでなければならないが、その中で脂
肪族のカルボン酸カルシウム特に酢酸カルシウム
が好ましく用いられる。またリン化合物としては
リン酸、亜リン酸もしくはこれらのトリアルキル
誘導体が好ましく用いられる。 本発明で使用する粒子はポリエステルと共有結
合していることが必要であるが、本発明で実際に
両者が反応していることは例えば次の方法により
簡単に確認することができる。 即ち、例えばメタクリル酸グリシジルとジビニ
ルベンゼンとの共重合体の赤外線吸収スペクトル
にはエポキシ基に基く900cm-1の吸収が明瞭に認
められるが、この共重合体を重縮合反応開始前ポ
リエステル製造工程に添加しポリエステルを製造
したのち、該共重合体をポリエステルから分離し
たそれには900cm-1の吸収は全く認められなくな
つているが、エポキシ基は必ずしもすべてがポリ
エステルと反応する必要はない。 以上詳述した方法により初めて本発明のポリエ
ステルフイルムを得るに必要なポリエステルを得
ることができ、該ポリエステルをそのままあるい
は他のポリエステルで稀釈して製膜することによ
り目的のフイルムを製造することができる。稀釈
に用いる他のポリエステルとしては従来の析出法
や添加法により製造されたポリエステル、または
粒子を含有しないポリエステルを挙げることがで
きるが、いずれにしても最終的に得られるフイル
ム中に0.02〜0.5重量%含まれている必要がある。 本発明における今一つの特徴はかかるポリエス
テルフイルムを得る際、高倍率延伸を行い高強力
フイルムとする点にある。 即ち、従来ポリエステルフイルムを2軸延伸す
る方法として、例えば未延伸フイルムを縦方向
に延伸した後、横方向に延伸するいわゆる縦、横
逐時延伸法、横、縦逐時延伸法、通常の2軸
延伸フイルムを再延伸する縦―横―縦または横―
縦―横延伸法、同時2軸延伸法等があるが、本
発明においてはこれらの延伸法のいずれかを採用
し高強力化フイルムとする。 具体的には2軸延伸後のフイルムの縦方向のF
―5値(5%伸長時の応力を示す。)が11Kg/mm2
以上であるポリエステルフイルムとする必要があ
る。 かかるF―5値を有するフイルムを得る際の延
伸倍率は延伸方法や延伸温度にも左右され一義的
に定めることはできないが、例えば縦、横逐時2
軸延伸法においてはおよそ4倍以上の縦方向の延
伸倍率が要求される。 このような延伸条件のもとでは通常用いられる
粒子は、応々にして粒子が変形あるいは破壊され
てしまい均一分散状態とならず所望の滑り性を与
えないようになるばかりか絶縁耐力も劣るように
なる。ところが驚くべきことに本発明の架橋高分
子微粉体の場合にはかかる粒子の変形あるいは破
壊は実質的に認められず、コンデンサー誘電体用
フイルムとしての特性を維持したまま高強力化を
成し遂げるという目的を達成することができる。 かかる方法により製造されたポリエステルを原
料として得られたフイルムにおいては、電気特性
の中でもとりわけ高温時におけるCR値が優れて
おり格別有用なフイルムとして用いることができ
る。 以上詳述したように、本発明によれば従来知ら
れていたようなポリマーに架橋高分子を単にブレ
ンドしたものとは異なり、架橋高分子微粉体の中
でも特に特定粒径の特定の官能基を有する架橋高
分子微粉体を特定量用い、しかも該ポリマーを原
料として高倍率延伸を行うことによりコンデンサ
ー誘電体用フイルムとしての特性を維持したまま
高強力化を達成することができその工業的価値は
大きい。 以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。 なお諸物性の測定法は次の方法によつた。 平均粒径:顕微鏡によつた。即ち粒子あるいは粒
子を含むポリエステルをカバーグラスにはさ
み写真撮影後最大粒径を測定した。平均粒径
は最大径を直径とする球群の重量分布を算出
することにより重量分率50%の点の直径で表
わされた粒径を指す。 滑り性:摩擦係数で代表し、摩擦係数は
ASTMD―1894に準じてテープ状のサンプ
ルで測定できるよう改良した方法で行つた。
測定時のサンプルの大きさは幅15mm、長さ
150mmでその引張速度は20mm/mmである。測
定は温度21±2℃、湿度65±5%の雰囲気下
で行つた。 F―5値:5%伸長時の応力、Kg/mm2で表わし、
測定はインストロン引張試験機を用いて行つ
た。 二軸延伸フイルムからフイルムの縦方向の
長さ150mm、幅方向の長さ6.25mmのサンプル
片を5枚切り出し、引張速度50mm/mm、つか
み間隔および標点間隔50mmにて引張試験を行
つた。 得られたS―S曲線から5%伸長時の荷重
を読み取り次式に従つてF―5値を算出し5
点の平均値を求めた。 F―5=5%伸長時の荷重(Kg)/試験片断面積(mm
2) 絶縁耐力:東洋精機製100KV交流耐圧試験機
(OEL―72034)を用い電圧上昇度を
0.1KV/秒とし厚さ6μの2軸延伸ポリエステ
ルフイルムの絶縁破壊電圧を測定した。この
値が高いほど絶縁耐力が優れている。 CR値:静電容量Cの測定はゼネラルラジオ社製
「RLCデジブリツジ」を用い、1KHz、
0.3Vrmsの条件下で行い、電気抵抗Rの測定
は横川ヒユレツドパツカード社製超絶縁抵抗
計を用い直流100Vを印加した後1分後の測
定値を読みとつた。 両者の積がCR値(ΩF)であり。測定は125℃
で行つた。 なお実施例及び比較例で「部」とあるは「重量
部」を示す。 実施例 1 〔架橋高分子微粉体の製造〕 メタクリル酸グリシジル100部、エチレングリ
コールジメタクリレート30部、過酸化ベンゾイル
1部、トルエン100部の均一溶液を水700部に分散
させた。 次に窒素雰囲気下で70℃で15時間撹拌しながら
加熱し重合を行つた。 得られたエポキシ基を有する架橋高分子粒状体
の平均粒径は約0.3mmであつた。生成ポリマーを
脱塩水で水洗し500部のトルエンで2回抽出し少
量の未反応モノマー、線状ポリマーを除去した。 次に該高分子粒状体をアトライター及びサンド
グライダーを用いて粉砕することにより平均粒径
1.8μのエポキシ基を有する架橋高分子微粉体を得
た。 〔ポリエステルフイルムの製造〕 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール70部、及び酢酸カルシウム―水塩0.09部を
反応器にとりエステル交換反応を行つた。反応温
度は反応開始時160℃とし2時間後200℃、更に2
時間後230℃とした。 4時間後実質的にエステル交換反応の終了した
この反応混合物にリン酸0.03部及び先に得たエポ
キシ基を有する平均粒径1.8μの架橋高分子微粉体
0.20部を添加した。更に重合触媒として三酸化ア
ンチモン0.03部を加えたのち常法に従つて重合し
た。 即ち温度を230℃から徐々に昇温し280℃とし
た。一方圧力は常圧より徐々に減じ最終的に0.5
mmHgとした。4時間後ポリマーを吐出しチツプ
化した。 次にこのポリエステルを290℃で溶融しT型ダ
イから押し出して急冷した後、二軸延伸した。 即ちまずフイルムの流れの方向即ち縦方向に90
℃で4.2倍延伸し、次いで横方向に100℃で3.7倍
延伸した。 二軸延伸後200℃で熱処理を行い厚み6μのフイ
ルムを得た。 このフイルムの縦方向のF―5値は12.0Kg/mm2
であつた。また高倍率延伸にもかかわらずフイル
ム中の該粒子はほとんど変形や破壊を受けること
がなく極めて均一な分散状態にあつた。なお該粒
子の周辺にはほとんど空隙が認められず該粒子と
ポリエステルとの親和性が良いことを裏づけてい
る。 該フイルムについてコンデンサー用フイルムと
しての評価、即ち摩擦係数、絶縁耐力、及びCR
値を測定した。結果を以下の実施例2及び比較例
1〜3と共に第1表に示す。 実施例 2 実施例1において架橋高分子微粉体の平均粒径
を2.5μにまた添加量を0.15部に変え、更にポリエ
ステル製造時に添加するリン酸の量を0.06部に変
更する他は実施例1と同様にして厚み6μのフイ
ルムを得た。 比較例 1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール70部及び酢酸カルシウム―水塩0.09部を反
応器にとりエステル交換反応を行つた。 エステル交換反応終了後三酸化アンチモン0.03
部を添加し常法に従つてオリゴマーカルシウム塩
の析出粒子を含むポリエステルを得た。この析出
粒子の直径はおよそ5μであつた。 次にこのポリエステルを用いて実施例1と同様
にして製膜し厚さ6μのポリエステルフイルムを
得た。 該フイルム中の粒子は強延伸により完全に破壊
され細長く連なつた状態で存在し、周辺に明瞭な
空隙の発生が認められた。 該フイルムは電気特性においては優れているも
のの滑り性が極端に悪くまた耐突出変形性におい
ても劣つていた。 比較例 3 実施例1において架橋高分子微粉体の代りに平
均粒径2.5μの炭酸カルシウム0.25部を添加し、且
つ延伸条件を第1表記載のように変える他は実施
例1と同様にして二軸延伸フイルムを得た。 該フイルム中の炭酸カルシウムの一部は凝集
し、数μ以上の粒子が数多く認められ、また炭酸
カルシウム粒子の周辺には空隙が生じていた。 該フイルムは含有粒子のポリエステルとの馴じ
みが悪いため分散性が不良で、特に絶縁耐力の点
で著しく劣るものであつた。 【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 分子中にエポキシ基を有する架橋高分子から
    成る、平均粒径0.3〜4μの粒子を0.01〜1重量%
    含有してなるポリエステルフイルムであつて、該
    エポキシ基は実質的にポリエステルと共有結合し
    ており、且つフイルムの縦方向のF―5値が11
    Kg/mm2以上であることを特徴とするコンデンサ―
    誘電体用二軸延伸ポリエステルフイルム。
JP9664580A 1980-07-15 1980-07-15 Biaxially-elongated polyester film useful as dielectric of capacitor Granted JPS5722021A (en)

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JP2860331B2 (ja) * 1988-12-07 1999-02-24 三菱化学ポリエステルフィルム株式会社 ポリエステル組成物
DE102008056694A1 (de) * 2008-11-11 2010-05-12 Mitsubishi Polyester Film Gmbh Biaxial gestreckte Polyesterfolie die einen Kettenverlängerer enthält, sowie Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung

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