JPS6351479B2 - - Google Patents
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- JPS6351479B2 JPS6351479B2 JP58011527A JP1152783A JPS6351479B2 JP S6351479 B2 JPS6351479 B2 JP S6351479B2 JP 58011527 A JP58011527 A JP 58011527A JP 1152783 A JP1152783 A JP 1152783A JP S6351479 B2 JPS6351479 B2 JP S6351479B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕
本発明は塩化カルシウム6水塩を主体とする蓄
熱材料に関する。
熱材料に関する。
塩化カルシウム6水塩(CaCl2・6H2O、融点
30℃)は、安価で潜熱が大きいので、温室やヒー
トポンプ式空調機用の潜熱蓄熱材料として有望な
物質である。しかし放熱時過冷却現象を著しく起
し、凝固点より20℃以上温度低下しても潜熱を放
出しない。したがつて、この蓄熱材料として好ま
しくない過冷却現象を解決しない限り、蓄熱材料
として用いることはできない。
30℃)は、安価で潜熱が大きいので、温室やヒー
トポンプ式空調機用の潜熱蓄熱材料として有望な
物質である。しかし放熱時過冷却現象を著しく起
し、凝固点より20℃以上温度低下しても潜熱を放
出しない。したがつて、この蓄熱材料として好ま
しくない過冷却現象を解決しない限り、蓄熱材料
として用いることはできない。
ところで、米国特許4189394には過冷却現象を
解決するために発核剤として炭酸バリウム、炭酸
ストロンチウム、フツ化バリウム、フツ化バリウ
ム・フツ化水素およびフツ化ストロンチウムから
なる群から選定した一種以上の化合物を含有する
蓄熱材が示されている。
解決するために発核剤として炭酸バリウム、炭酸
ストロンチウム、フツ化バリウム、フツ化バリウ
ム・フツ化水素およびフツ化ストロンチウムから
なる群から選定した一種以上の化合物を含有する
蓄熱材が示されている。
また、特公昭53−9596号公報には、発核剤とし
て、無水水酸化バリウム、水酸化バリウム8水
塩、無水水酸化ストロンチウムおよび水酸化スト
ロンチウム8水塩からなる群から選ばれたものが
知られている。
て、無水水酸化バリウム、水酸化バリウム8水
塩、無水水酸化ストロンチウムおよび水酸化スト
ロンチウム8水塩からなる群から選ばれたものが
知られている。
さらに、特公昭56−9959号公報には、ハロゲン
化ストロンチウムを発核剤として用いるものが示
されている。
化ストロンチウムを発核剤として用いるものが示
されている。
しかし、これら既知の発核剤では、過冷却温度
が3℃もしくはそれ以上になつてしまうこと、あ
るいは蓄熱材中にてヒートサイクル中溶けて消失
して再現性に乏しく、また蓄熱材本来の融点を変
えてしまう。
が3℃もしくはそれ以上になつてしまうこと、あ
るいは蓄熱材中にてヒートサイクル中溶けて消失
して再現性に乏しく、また蓄熱材本来の融点を変
えてしまう。
蓄熱槽の熱設計において、蓄熱材より熱を取り
出す際、蓄熱材の融点と熱媒体との温度差は、冷
凍サイクルと熱交換器の設計上3℃以下にて設計
しなければならない事が多々ある(塩化カルシウ
ムの融点は30℃であるから熱媒体の温度は27℃で
設計)つまり、蓄熱カプセル内の潜熱蓄熱材と蓄
熱カプセル(ポリエチレン、アクリル等)の外を
流れる熱媒体(例えば水)との温度差が3℃しか
与えられないわけであるが、蓄熱カプセルの肉厚
部の熱抵抗、熱媒体とカプセルとの熱抵抗の存在
を考え合わせると、これらの部分で約1℃以上の
温度差が生じてしまい、塩化カルシウムは28℃し
かなり得ない。発核剤と塩化カルシウムの組合せ
によつて過冷却度ΔTSが3℃以上あるものは、塩
化カルシウムの融点30℃より3℃下げられた27℃
に達しないと凝固による潜熱は放出しないが、上
記28℃の温度では過冷却状態のまま永久に液体状
態に保持され潜熱蓄熱材として有効なる潜熱は取
り出せない。このため、過冷却度ΔTSを2℃以下
に押えるための発核剤を見い出す事は極めて重要
となる。ところで、発核理論としては、現在界面
エネルギー説が支持されている。つまり発核剤と
生成した結晶との界面エネルギーが小さい程結晶
核が生成し易い。すなわち発核剤と結晶との接触
角が小さい程核が生成し易い。
出す際、蓄熱材の融点と熱媒体との温度差は、冷
凍サイクルと熱交換器の設計上3℃以下にて設計
しなければならない事が多々ある(塩化カルシウ
ムの融点は30℃であるから熱媒体の温度は27℃で
設計)つまり、蓄熱カプセル内の潜熱蓄熱材と蓄
熱カプセル(ポリエチレン、アクリル等)の外を
流れる熱媒体(例えば水)との温度差が3℃しか
与えられないわけであるが、蓄熱カプセルの肉厚
部の熱抵抗、熱媒体とカプセルとの熱抵抗の存在
を考え合わせると、これらの部分で約1℃以上の
温度差が生じてしまい、塩化カルシウムは28℃し
かなり得ない。発核剤と塩化カルシウムの組合せ
によつて過冷却度ΔTSが3℃以上あるものは、塩
化カルシウムの融点30℃より3℃下げられた27℃
に達しないと凝固による潜熱は放出しないが、上
記28℃の温度では過冷却状態のまま永久に液体状
態に保持され潜熱蓄熱材として有効なる潜熱は取
り出せない。このため、過冷却度ΔTSを2℃以下
に押えるための発核剤を見い出す事は極めて重要
となる。ところで、発核理論としては、現在界面
エネルギー説が支持されている。つまり発核剤と
生成した結晶との界面エネルギーが小さい程結晶
核が生成し易い。すなわち発核剤と結晶との接触
角が小さい程核が生成し易い。
この界面エネルギー又は接触角の大小により発
核効果があるか否かは実際に蓄熱材中に発核剤を
入れて実験する以外に現在は、有効な手段がな
い。
核効果があるか否かは実際に蓄熱材中に発核剤を
入れて実験する以外に現在は、有効な手段がな
い。
本発明は、塩化カルシウム6水塩の過冷却現象
を小さい温度範囲、具体的には2℃以内に抑制
し、蓄熱材料として利用し易い物質に改質するこ
とを目的とする。
を小さい温度範囲、具体的には2℃以内に抑制
し、蓄熱材料として利用し易い物質に改質するこ
とを目的とする。
本発明の特徴は、塩化カルシウム6水塩の核生
成を容易にする発核剤として、酸化ストロンチウ
ム(SrO)および水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸カル
シウム2水塩(CaSO4・2H2O)を用いることを
特徴とする。
成を容易にする発核剤として、酸化ストロンチウ
ム(SrO)および水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸カル
シウム2水塩(CaSO4・2H2O)を用いることを
特徴とする。
発核剤の添加量としては、塩化カルシウム6水
塩100重量部に対して0.01重量部以下では効果が
ない。また発核剤の添加量が、10重量部以上にな
ると蓄熱容量が減少するので10重量部以下にする
のが良い。
塩100重量部に対して0.01重量部以下では効果が
ない。また発核剤の添加量が、10重量部以上にな
ると蓄熱容量が減少するので10重量部以下にする
のが良い。
本蓄熱材において、発核剤は過冷却度を0℃に
抑える効果があり蓄熱材に溶けて蓄熱材本来の融
点を引下げてしまうことなく、極めて都合が良
い。また酸化ストロンチウム(SrO)、水酸化カ
ルシウム(Ca(OH)2)、硫酸カルシウム
(CaSO4)は粉状であり、蓄熱材(CaCl2・
6H2O)中に投入する際、その中に浮遊している
微量の残滓粒を吸収して固めてしまう作用があ
る。残滓粒が蓄熱材中に浮遊し、発核剤の表面を
囲つてしまうと、発核剤を入れたとしても発核作
用が無くなるし、また残滓粒は蓄熱材中において
一種のゲルとして作用し粘度を高め、蓄放熱の際
に熱伝達を阻害することがある。このため粉状の
各発核剤を、蓄熱材中に投入する時、粉状の発核
剤自身が合体し粒状化するので、残滓を吸収して
内部に固め、残滓粒の好ましくない作用を抑制す
るので極めて都合が良い。
抑える効果があり蓄熱材に溶けて蓄熱材本来の融
点を引下げてしまうことなく、極めて都合が良
い。また酸化ストロンチウム(SrO)、水酸化カ
ルシウム(Ca(OH)2)、硫酸カルシウム
(CaSO4)は粉状であり、蓄熱材(CaCl2・
6H2O)中に投入する際、その中に浮遊している
微量の残滓粒を吸収して固めてしまう作用があ
る。残滓粒が蓄熱材中に浮遊し、発核剤の表面を
囲つてしまうと、発核剤を入れたとしても発核作
用が無くなるし、また残滓粒は蓄熱材中において
一種のゲルとして作用し粘度を高め、蓄放熱の際
に熱伝達を阻害することがある。このため粉状の
各発核剤を、蓄熱材中に投入する時、粉状の発核
剤自身が合体し粒状化するので、残滓を吸収して
内部に固め、残滓粒の好ましくない作用を抑制す
るので極めて都合が良い。
なお本蓄熱材において発核剤は、塩化カルシウ
ム本来の融点(包晶点)30℃における成分割合よ
り、水の配合量を多くした塩化カルシウムにおい
ても、消失することなく極めて有効である。
ム本来の融点(包晶点)30℃における成分割合よ
り、水の配合量を多くした塩化カルシウムにおい
ても、消失することなく極めて有効である。
以下本発明の実施例について説明する。
実施例 1
塩化カルシウム6水塩100gに、酸化ストロン
チウム(SrO)0.1g、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)0.1g、硫酸カルシウム(CaSO4)0.1g
を複合添加した混合物を、ポリエチレン製容器の
中に入れ、この容器を温水槽の中に入れて約50℃
に加熱し、その後これを0℃の冷水槽の中に入れ
て放冷を行うというヒートサイクル試験を行つ
た。温度の測定はC−C熱電対を用い、分解能
0.1℃の打点式記録計で測定した。ヒートサイク
ル1000回を行つた所、過冷却度は0℃で、著しく
高性能であることがわかつた。その結果は第1図
の曲線3として示す通りである。第1図の曲線1
は発核剤を何も添加しない場合、曲線2は塩化カ
ルシウム6水塩100gに、発核剤として酸化スト
ロンチウム(SrO)のみを0.1g添加した場合を
示している。曲線2は約1℃過冷却する。差動熱
量計で本蓄熱材(曲線3)の潜熱を測定した結
果、43kcal/Kgであつた。なお硫酸カルシウム
(CaSO4)0.1gを硫酸カルシウム2水塩
(CaSO4・2H2O)0.1gに変えて同一の実験を行
つた所、やはり過冷却度は0℃であつた。
チウム(SrO)0.1g、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)0.1g、硫酸カルシウム(CaSO4)0.1g
を複合添加した混合物を、ポリエチレン製容器の
中に入れ、この容器を温水槽の中に入れて約50℃
に加熱し、その後これを0℃の冷水槽の中に入れ
て放冷を行うというヒートサイクル試験を行つ
た。温度の測定はC−C熱電対を用い、分解能
0.1℃の打点式記録計で測定した。ヒートサイク
ル1000回を行つた所、過冷却度は0℃で、著しく
高性能であることがわかつた。その結果は第1図
の曲線3として示す通りである。第1図の曲線1
は発核剤を何も添加しない場合、曲線2は塩化カ
ルシウム6水塩100gに、発核剤として酸化スト
ロンチウム(SrO)のみを0.1g添加した場合を
示している。曲線2は約1℃過冷却する。差動熱
量計で本蓄熱材(曲線3)の潜熱を測定した結
果、43kcal/Kgであつた。なお硫酸カルシウム
(CaSO4)0.1gを硫酸カルシウム2水塩
(CaSO4・2H2O)0.1gに変えて同一の実験を行
つた所、やはり過冷却度は0℃であつた。
実施例 2
塩化カルシウム6水塩100gに、酸化ストロン
チウム(SrO)0.01g、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)0.01g、硫酸カルシウム(CaSO4)0.01
gを複合添加した混合物を、ポリエチレン製容器
の中に入れ、この容器を温水槽の中に入れて約50
℃に加熱し、その後これを0℃の冷水槽の中に入
れて放冷を行うというヒートサイクル試験を行つ
た。温度の測定はC−C熱電対を用い、分解能
0.1℃の打点式記録計で測定した。ヒートサイク
ル1000回を行つた所、過冷却度は実施例1と同じ
く0℃で、著しく高性能であることがわかつた。
その結果は第1図の曲線3と同様である。差動熱
量計で本蓄熱材の潜熱を測定した結果、43kcal/
Kgであつた。
チウム(SrO)0.01g、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)0.01g、硫酸カルシウム(CaSO4)0.01
gを複合添加した混合物を、ポリエチレン製容器
の中に入れ、この容器を温水槽の中に入れて約50
℃に加熱し、その後これを0℃の冷水槽の中に入
れて放冷を行うというヒートサイクル試験を行つ
た。温度の測定はC−C熱電対を用い、分解能
0.1℃の打点式記録計で測定した。ヒートサイク
ル1000回を行つた所、過冷却度は実施例1と同じ
く0℃で、著しく高性能であることがわかつた。
その結果は第1図の曲線3と同様である。差動熱
量計で本蓄熱材の潜熱を測定した結果、43kcal/
Kgであつた。
以上説明したように、本発明によれば塩化カル
シウム6水塩に発核剤として酸化ストロンチウ
ム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウムを複合添
加することにより過冷却が全く生じない蓄熱材が
得られる。
シウム6水塩に発核剤として酸化ストロンチウ
ム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウムを複合添
加することにより過冷却が全く生じない蓄熱材が
得られる。
第1図は、本発明の蓄熱材料の一実施例におけ
る凝固特性を示す図である。
る凝固特性を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 塩化カルシウム6水塩に、発核剤として酸化
ストロンチウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシ
ウムを複合添加してなることを特徴とする蓄熱材
料。 2 硫酸カルシウムが硫酸カルシウム2水塩であ
ることを特徴とする特許請求範囲第1項記載の蓄
熱材料。 3 塩化カルシウム6水塩100重量部に対し、各
発核剤を0.01〜10重量部の範囲で添加してなるこ
とを特徴とする特許請求範囲第1項あるいは第2
項記載の蓄熱材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1152783A JPS59138288A (ja) | 1983-01-28 | 1983-01-28 | 蓄熱材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1152783A JPS59138288A (ja) | 1983-01-28 | 1983-01-28 | 蓄熱材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59138288A JPS59138288A (ja) | 1984-08-08 |
JPS6351479B2 true JPS6351479B2 (ja) | 1988-10-14 |
Family
ID=11780433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1152783A Granted JPS59138288A (ja) | 1983-01-28 | 1983-01-28 | 蓄熱材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59138288A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5154080A (ja) * | 1974-11-08 | 1976-05-12 | Hitachi Ltd | Chikunetsuzairyo |
JPS5796079A (en) * | 1980-12-05 | 1982-06-15 | Mitsubishi Electric Corp | Heat accumulating material |
JPS57128770A (en) * | 1980-12-22 | 1982-08-10 | Dow Chemical Co | Magnesium chloride or magnesium nitrate/magnesium chloride hydration reversible phase changing composition |
-
1983
- 1983-01-28 JP JP1152783A patent/JPS59138288A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5154080A (ja) * | 1974-11-08 | 1976-05-12 | Hitachi Ltd | Chikunetsuzairyo |
JPS5796079A (en) * | 1980-12-05 | 1982-06-15 | Mitsubishi Electric Corp | Heat accumulating material |
JPS57128770A (en) * | 1980-12-22 | 1982-08-10 | Dow Chemical Co | Magnesium chloride or magnesium nitrate/magnesium chloride hydration reversible phase changing composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59138288A (ja) | 1984-08-08 |
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