JPS63512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両用座席、詳しくは、シートバツ
クに開口を設け、該開口に着脱可能な補助シート
バツクを設け、補助シートバツクを離脱させると
後方の乗員が開口内へ足を伸ばすことができる車
両用座席に関する。

このような車両用座席として従来第１図（実公
昭55−13163号公報参照）に示すようなものがあ
る。すなわち、助手席側の座席１のシートバツク
２には開口３が設けられており、またシートバツ
ク２には補助シートバツク４が水平軸を中心とし
て回動可能に設けられている。そして、この補助
シートバツク４を図示のように後方へ回動して位
置させることにより、後方から乗員が開口３内に
足を伸ばして安楽な姿勢をとることができ、ま
た、補助シートバツク４を上方へ回動して開口３
内に納めることにより、座席１はごく普通の座席
として使用することができるものである。しかし
ながら、このような従来の車両用座席にあつて
は、補助シートバツク４の回動軸がシートバツク
２の開口３下端部にあつたために、乗員が開口３
内に足を伸ばした安楽な姿勢をとると補助シート
バツク４はこの足の下に位置するものであり、こ
の補助シートバツク４をテーブルの替りに利用し
ようと欲してもこれを利用し得ないものであつ
た。

この考案はこのような要求を鑑みなされたもの
で、シートバツクの開口上端部に補助シートバツ
クのほぼ水平な回動軸を設けると共に、補助シー
トバツクを上方に回動してほぼ水平に位置させる
位置決め機構を設け、該補助シートバツクはその
背面にテーブルとして使用可能な平面板を有する
構成とすることにより、補助シートバツクをテー
ブルとして利用できるようにして上記要求を満す
ことを目的としている。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第２，３図はこの考案の一実施例を示す図であ
る。まず、構成を説明すると、７は車両の前部助
手席の座席であり、８は車両の後部座席である。
座席７のシートバツク９には前後方向に貫通する
開口１０が設けられており、また、シートバツク
９の開口１０上端部には水平なピン１１が設けら
れている。ピン１１には補助シートバツク１２が
回動可能に取付けられており、補助シートバツク
１２はピン１１を回動軸として上方には水平な位
置まで回動し、下方には開口１０内に納まるまで
回動する。補助シートバツク１２の背面には凹部
１３が設けられており、補助シートバツク１２に
はこの凹部１３を覆う平面板１４がピン１５を介
して回動可能に取付けられている。平面板１４の
上面には係合部材１６がシートバツク９の背面に
は係合部材１７がそれぞれ設けられ、これら係合
部材１６，１７は互に係合可能である。補助シー
トバツク１２の側面にはピン１８を介して第１リ
ンク１９の一端が回動自在に設けられており、こ
の第１リンク１９の他端部はピン２０を介して、
第２リンク２１の一端に回動自在に連結されてい
る。そして第２リンク２１の他端はピン２２を介
してシートバツク９の開口１０周面に回動自在に
取付けられている。第３図に示すように第１リン
ク１９の他端には弾性を有する突起２３が設けら
れており、第２リンク２１の一端には突起２３が
嵌合可能な凹部２４が設けられている。これら第
１、第２リンク１９，２１は、前記補助シートバ
ツク１２が水平に位置したときには、突起２３が
凹部２４に嵌合することにより補助シートバツク
１２を支える一体的なリンクとなり、位置決め機
構５０を構成している。また、補助シートバツク
１２が開口１０内に納められたときには第１リン
ク１９と第２リンク２１はピン２０で折りたたま
れて補助シートバツク１２と共に開口１０内に納
まる。

次に作用を説明する。

まず座席７を通常使用する場合には補助シート
バツク１２を開口１０内に納めておく、このよう
にしておけば座席７はフラツトなシートバツクを
有するごく普通の座席となる。次いで、座席７を
後座席８の乗員Ｐが足を伸ばせるように使用する
場合には、補助シートバツク１２を上方に回動し
て水平に位置させる。この補助シートバツク１２
が水平に位置すると突起２３が凹部２４に嵌合
し、第１、第２リンク１９，２１は一体的なリン
クとなつて補助シートバツク１２を水平位置で支
える。このため、後座席８の乗員Ｐは開口１０内
に足を伸ばして安楽な姿勢をとることができ、ま
た補助シートバツク１２の背面に設けられた平面
板１４をテーブルの替りとして利用することがで
きる。さらに、この場合、平面板１４を上方へ回
動させて係合部材１６，１７を係合することによ
り平面板１４を固定し凹部１３の覆いを外すと、
コツプ等の車両の振動により横転しやすいものを
凹部１３内に安定した状態で置くことができる。

以上説明したきたようにこの考案によれば、シ
ートバツクの開口上端部に補助シートバツクのほ
ぼ水平な回動軸を設け、該補助シートバツクの背
面にテーブルとして使用可能な平面板を備えたた
め、補助シートバツクを上方に回動してほぼ水平
に位置させるとその背面に設けられた平面板をテ
ーブルとして利用することができる。また上記実
施例においては、凹部１３によりコツプ等の横転
しやすいものを安定した状態で補助シートバツク
上に置くことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用座席を示す全体斜視図で
ある。第２，３図は本考案の一実施例を示す図で
あり、第２図は側面図、第３図は第１リンクと第
２リンクとの連結部を示す側面図である。 ９……シートバツク、１０……開口、１１……
ピン（回動軸）、１２……補助シートバツク、１
４……平面板、５０……位置決め機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクに前後方向に貫通する開口を設け
   るとともにシートバツクに開口内に納まる補助シ
   ートバツクをほぼ水平な回動軸を中心に後方に回
   動可能に設け、補助シートバツクを回動させて開
   口から離脱させると後方の乗員が開口内に足を伸
   ばすことができる車両用座席において、前記シー
   トバツクの開口上端部に補助シートバツクの回動
   軸を設けると共に、補助シートバツクを上方に回
   動してほぼ水平に位置させる位置決め機構を設
   け、該補助シートバツクはその背面にテーブルと
   して使用可能な平面板を有することを特徴とする
   車両用座席。