JPS635117B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は洗い開始初期に洗濯物の汚れ度合デー
タを得、その後の洗い行程の制御をその汚れ度合
データに応じて制御するようにした洗濯機の制御
方法に関する。

洗濯機において、洗い行程の運転時間或いは水
流の強さ等を洗濯物の汚れ度合に応じて制御する
ことは、洗浄率の過不足の防止、洗濯時間の冗長
化の防止、或いは消費電力の節約にとつて好まし
いことである。その制御方法の一つに、洗いの初
期に洗濯物の汚れ度合データを得、以後はこのデ
ータに基いて洗い行程を自動的に制御する方法が
考えられるが、この方法によつて上記効果を実現
するには検出される汚れ度合データができるだけ
正確なものであることを必要とする。

本発明はこのような事情に鑑なされたものであ
り、その目的は洗濯水の透明度の検出によつて洗
濯物自体の汚れ度合データを得る場合にそのデー
タが洗濯物の量に伴なう水流の強弱によつて変化
してしまうことを防止でき、従つて誤データに基
く洗浄率の変動或いは運転時間の変動を極力抑制
できる洗濯機の制御方法を提供することにある。

以下、本発明の一実施例につき図面を参照して
説明するに、電子タイマーと演算処理装置とで行
程を洗いから最終の脱水まで、タイマーモータと
カムスイツチより成るタイマーによる場合と同様
に、順次移行させるようにした電子制御回路は公
知であるので、以下の実施例ではブロツク図によ
り説明することとする。

第１図には本発明を適用した脱水兼用洗濯機が
示されている。この第１図において、１は外箱、
２は外箱１内に弾性支持部材３を介して上下動可
能に支持された水受槽、４は水受槽２に内設され
た洗濯兼脱水用の回転槽、５は給水弁、６は排水
弁、７は水位スイツチ、８は洗濯機モータで、そ
の回転力はベルト伝達機構９及び動力伝達制御機
構１０を介して回転槽４及び撹拌翼１１に選択的
に伝達し得るようになつている。さて、１２は洗
濯水の透明度検知器で、前記水受槽２の内底部に
内部の水を介して対向するように配置された発光
素子１３と、この発光素子１３からの照射光量に
依存した量の出力を生ずる受光素子１４とにより
構成されている。１５は撹拌翼１１の回転速度を
検出する速度検知器で、第１図に原理的に図示し
てある如く、例えば撹拌翼１１の下面に多数の磁
石１６を円形に配列し、それら磁石１６の通過を
検出する磁気センサー１７とから構成されてい
る。一方、第２図に示す電子制御回路１８は洗剤
による洗い行程から最終の脱水行程まで自動的に
行程移行させるためのもので、基本的には周知の
如く、電子タイマー１９、演算処理装置（CPU）
２０、クロツクコントロール回路２１、メモリー
２２、インプツトバツフアコントロール回路２３
及びアウトプツトバツフアコントロール回路２４
から構成されている。外部入力部Ａにおいて、２
５は装置全体に電源を供給する電源スイツチ、２
６は図示しない開閉蓋を閉鎖することによりオン
する蓋スイツチ、７は水受槽２内の水位を検出す
る前記水位スイツチ、２７は行程の組合せ内容を
選択するためのプログラム選択スイツチであり、
これら各々の状態はフリツプフロツプ回路等状態
変換素子２８乃至３１の夫々により論理値（０）、
(1)に変換される。また、外部入力部Ａには前記透
明度検知器１２及び速度検知器１５も属してお
り、夫々の出力である透明度検知信号Ｓ１及び速
度検知パルスＳ２は前記インプツトバツフアコン
トロール回路２３に供給されるようになつてい
る。外部出力部Ｂにおいて、５は前記給水弁、６
は前記排水弁、８は前記洗濯機モータ、３２及び
３３は夫々洗濯機運転の終了を報知する表示ラン
プ及び報知器である。そして上記外部出力部Ｂ中
の各部はサイリスタ等スイツチング素子３４乃至
３８により通電制御されるようになつている。前
記演算処理装置２０は外部入力部Ａにおける各部
の状態に対応する状態変換素子２８乃至３１の状
態をインプツトバツフアコントロール回路２３を
介して読み込むと共に、メモリー２２から行程デ
ータを読出すことにより、洗い（給水も含む）、
排水、すすぎ（給水も含む）、脱水、報知等の行
程を判断し、その行程を実行するのに必要な外部
出力部Ｂ中の各部を、アウトプツトバツフアコン
トロール回路２４からスイツチング素子３４乃至
３８に信号を与えて制御するもので、その行程移
行は電子タイマー１９により行なわれる。この実
施例ではプログラム選択スイツチ２７により、標
準コースが選択された場合は第６図Ａに示す一連
の行程が実行され、節約コースが選択された場合
は第６図Ｂに示す一連の行程が実行されるように
なつている。次に透明度検知器１２の具体回路に
つき第３図により説明するに、前記発光素子１３
は例えば発光ダイオードより成り保護抵抗３９を
介して制御電源が与えられるように接続されてい
ると共に、前記発光素子１３と保護抵抗３９とよ
り成る直列回路と並列にホトトランジスタより成
る前記受光素子１４のエミツタ及びコレクタ間が
出力抵抗４０を介して接続され、そして受光素子
１４のコレクタ出力はＡ−Ｄ変換器４１を介して
デイジタル変換され、前記透明度検知信号Ｓ１と
して出力されるようになつている。さて、本発明
による汚れ度合を洗濯物量との関連において検知
する具体的方法について説明するに、第７図は縦
軸に清水に対応する洗濯水の透明度TRを百分率
で表わし、横軸に撹拌翼１１による洗濯水の撹拌
時間Ｔを表わしたもので、そしてこの第７図にお
いて、曲線４２は洗濯物の汚れが、「汚れ大」の
場合、曲線４３は「汚れ中」の場合、また曲線４
４は「汚れ小」の場合の夫々を表わしている。こ
れらの曲線４２，４３，４４から明らかなよう
に、洗濯水の撹拌を開始すると洗濯水の透明度は
洗濯物の汚れ度合に応じた変化率で低下してく
る。この実施例では透明度が一定値例えば（20
％）に低下するまでに要した時間TA１，TA２，
TA３を測定することによりその測定値を洗濯物
の汚れ度合データDaiとしている。このように、
洗濯水の透明度が特定値に達するまでの時間値は
洗濯物の汚れ度合に対応したものとなる。しかし
この関係は洗濯物量が同一であることを前提とし
て成立するだけである。即ち洗濯水中での撹拌翼
１１の回転による洗濯物の撹拌度合である所謂布
回り速度（水流速度でもある。）は洗濯物量が少
ないほど高く、この結果、洗濯水の透明度低下率
は洗濯物量が少ないほど速くなり、汚れ度合が低
いにもかかわらず「汚れ大」とみなされてしま
う。この発明の一つの目的はこのような不都合を
解消することにあり、そのために洗濯物量データ
発生手段を有し、これは撹拌翼１１の回転立上り
速度が洗濯物量が多いほど遅くなる現象を利用し
て構成する。第４図には一例として洗濯物量デー
タ発生回路４５の具体的な構成が示され、これは
演算処理装置２０の一部をなしている。この第４
図において、洗い行程のための撹拌翼１１の回転
開始と同時に速度検知器１５から速度検知パルス
Ｓ２が出力され、一方、端子４６には洗い開始初
期に例えば約一秒間のパルス幅をもつた一個の速
度読取パルスＳ３が供給され、これが前記速度検
知パルスＳ２と共にアンド回路４７に供給される
から、カウンタ４８の計数値Ｓ４は速度読取パル
スＳ３の時間幅、即ち約一秒間にアンド回路４７
を通過した速度検知パルスＳ２の個数と等しく、
上記計数値S4は速度読取パルスＳ３の立下りで
トリガーされてラツチ４９に保持される。５０は
種々の洗濯物量データを撹拌翼１１の回転速度に
換算した状態で固定的に記憶された布量メモリー
部で、その各洗濯物量データDbiはスキヤンニン
グ回路５１によつて順次照合回路５２に供給さ
れ、ラツチ４９から出力されている計数値と照合
される。この照合結果が一致した際にはもう一つ
のラツチ５３にラツチ信号Ｓ５が供給され、この
ときの洗濯物量データDbiがラツチ５３に保持さ
れる。以上のように、カウンタ４８の計数値は所
定の時間内に発生する速度検知パルスＳ２の個数
に等しく、またその個数は撹拌翼１１の布量に依
存した回転数（回転立上り速度）に対応し、従つ
て洗濯物量データDbiは洗濯物量を表わすことに
なる。そして速度制御回路５４は上記のように洗
濯物量データDbiを受けて洗濯機モータ８の入力
電圧を制御する等して速度制御を行ない、撹拌翼
１１従つてこれによる布回り速度を現に投入され
ている洗濯物量の多少にかかわらず一定の値とな
るように制御するものである。本発明においては
上記のように、洗い開始初期に洗濯物量の多少に
かかわらず布回り速度を一定になしこの状態で洗
濯水の透明度を検知し汚れ度合データDaiを得る
ものであり、第５図にはその汚れ度合データ発生
回路５５の具体例が演算処理装置２０の一部なす
ものとして示されている。即ち、５６は比較器
で、これは透明度検知器１２から出力されている
前記透明度検知信号Ｓ１と、透明度20％に対応し
て予め設定された透明度基準値設定器５７からの
基準値S0とを常時比較する。５８はアンドゲー
トで、洗い行程で撹拌翼１１が回転開始されそし
て前記速度制御回路５４により布回り速度が一定
化されている適宜の時刻にスタート信号Ｓ６を受
け、これにより前記電子タイマー１９から出力さ
れたタイミングパルスＳ７を通過せしめ、これを
カウンタ５９が計数開始する。上記のように洗濯
水（洗剤投入状態）が撹拌されるとその水の透明
度が変化し、従つて受光素子１４の受光量が水の
透明度に依存して変化するから、透明度検知信号
Ｓ１も変化する。さて、洗濯水の透明度が20％に
低下すると、比較器５６から一致信号Ｓ８が出力
され、このときのカウンタ５９の計数内容、即ち
スタート信号Ｓ６が発生されてからその透明度が
20％に低下するまでに要した時間の時間情報がラ
ツチ６０に保持され、以つてラツチ６０から時間
情報（第７図のTA１，TA２，TA３等に相当）
が汚れ度合データDaiとして出力されるものであ
る。このようにして汚れ度合データDaiが出力さ
れると、デイジタル処理技術において周知の手段
によつてメモリー２２からその汚れ度合データ
Daiに対応した特定の洗い時間データが読出さ
れ、その洗い時間データに基づいた時間、洗いを
行なうように洗い行程が制御されるものである。

尚、以上のような洗濯機の制御方法において、
洗い行程における撹拌翼１１の反転周期を汚れ度
合データに応じて制御し水流速度を変化させる手
段を包含せしめてもよく、また、汚れ度合データ
に応じて定められる洗い行程時間を更に洗濯物の
種類に応じた時間長に細分しておいてこれを適宜
選択する手段を包含せしめても差支えないもので
ある。更に速度検知器は洗濯機モータ８の回転速
度を検出する等、実質的に撹拌翼の回転立上り速
度を検出し得るものであればよい。更にまた、洗
濯物量の多少にかかわらず布回り速度を一定化す
る作用は汚れ度合データ検知行程で行なわれれば
よい。

本発明は以上述べたように、洗い開始初期に水
流生成用撹拌翼の回転立上り速度の検出によつて
洗濯物量データを得、その後この洗濯物量データ
によつて前記撹拌翼の回転速度を制御することに
より一定の布回り速度を所定時間形成してこの間
に洗濯水の透明度検出によつて汚れ度合データを
得、その後にこの汚れ度合データに応じて洗い行
程を制御するようにしたことを特徴とするもの
で、この結果、洗濯物の汚れ度合を自動的に検出
でき、そしてその検出した汚れ度合データに応じ
て洗い行程を制御するので洗い度合等洗浄率に過
不足を生じたり、運転時間が冗長になつたりする
ことを防止できると共に、このとき洗濯物量によ
つては左右されない真実の汚れ度合を検出できる
から誤データに基く洗浄率の変動或いは運転時間
の変動を抑制できる、等優れた効果を期待でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例に関するもので、第１
図は脱水兼用洗濯機の縦断正面図、第２図は電子
制御回路の全体的なブロツク図、第３図は透明度
検知器の具体的結線図、第４図は洗濯物量データ
発生回路のブロツク図、第５図は汚れ度合データ
発生回路のブロツク図、第６図は各コースの行程
説明図、第７図は透明度変化特性図である。 図中、４は回転槽、８は洗濯機モータ、１１は
撹拌翼、１２は透明度検知器、１５は速度検知
器、１８は電子制御回路、４５は洗濯物量データ
発生回路、５５は汚れ度合データ発生回路であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗い開始初期に水流生成用撹拌翼の回転立上
   り速度の検出によつて洗濯物量データを得、その
   後この洗濯物量データによつて前記撹拌翼の回転
   速度を制御することにより洗濯物量の多少にかか
   わらず一定の布回り速度を所定時間形成してこの
   間に洗濯水の透明度検出によつて汚れ度合データ
   を得、その後にこの汚れ度合データに応じて洗い
   行程を制御することを特徴とする洗濯機の制御方
   法。