JPS6350343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は鉄骨工事、山留工事その他Ｈ形鋼の如き
水平フランジを有する型鋼材を使用する工事で、
安全通路の確保のために手摺を設けたり、仮設ス
テージの手摺を取付けたりする場合における仮設
手摺用支柱に係るものである。

従来鉄骨建方時に鉄骨吊揚げワイヤを外す場
合、鳶職が命綱を使用するための親綱の設置等の
安全施設の設置が後追いの形となり、でき得る限
り先行するように努力し、親綱用支柱を鉄骨に直
接溶接止めしたり、アングルピースを溶接してお
き、ボルト締めで固定したり既製品の治具を用い
たりしている。しかしこの場合、鉄骨部材が溶接
によつて毀損したり、工場作業があつて、作業
性、安全上から必らずしも満足できるものではな
い。

本案は前記の問題点を解決するために提案され
たもので、長手方向に亘つてボルト孔が列設さ
れ、且つ両側縁に沿つてガイドレールが配設され
た水平基片の上面一側に、上端部に手摺パイプ掴
持具が装架された支柱を植立し、前記水平基片の
下面の一側端には鉄骨型材のフランジの一側縁を
挾持するコ字状固定金具の上部水平片を固着する
とともに、下部水平片に締付ボルトを螺挿し、前
記水平基片の下面の他側端には前記鉄骨型材のフ
ランジの他側縁を挾持するコ字状可動金具に固着
された環状片を前記ガイドレールに可摺動的に嵌
装し、同コ字状可動金具の上部水平片の螺糸孔に
前記ボルト孔に挿通されたボルトを螺着するとと
もに、下部水平片に締付ボルトを螺挿してなるこ
とを特徴とする仮設手摺用支柱に係るものであ
る。

本案においては前記したように、上端に手摺パ
イプ掴持具の装架された支柱が上面一側端に植立
され、且つボルト孔が列設された水平基片の下面
に、コ字状に形成された鉄骨型材のフランジの両
側縁挾着用の固定金具及び可動金具の一双の取付
金具を配設し、その中、一方の固定金具の上部水
平片を前記水平基片の一側に固着するとともに、
他方の可動金具に固着された環状片を前記水平基
片の両側縁に沿つて配設されたガイドレールに沿
つて同基片の長手方向に沿つて可摺動的に装着し
たので、前記一方のコ字状固定金具を被取付部材
のフランジ一側縁にその下部水平片に螺装された
締付ボルトを介して挾着固定し、他方のコ字状可
動金具を同フランジの幅に対応して水平基片の長
手方向に沿つて摺動せしめて前記フランジ他側縁
に前記基片のボルト孔に貫挿され、且つ上部水平
片の螺糸孔に螺着された締付ボルトを介して挾着
固定し、かくして水平基片を鉄骨型材のフランジ
に、同フランジの幅の大小に即応して取付けるこ
とができる。而してこの場合、前記水平基片は一
双のコ字状の金具を介して被取付部材のフランジ
を両側より抱持するように同フランジに取付けら
れるので、本案の仮設手摺用支柱は前記鉄骨型材
に同部材が所定位置に建込まれる以前に簡単に、
而も確固と取付けられるものである。

而して前記のようにして鉄骨型材に所定間隔毎
に取付けられた水平基片より植立された各支柱の
上端に密着された手摺パイプ掴持具に亘つて手摺
パイプを取付けるものであり、この際前記支柱が
水平基片の一側縁より植立されているので、前記
被取付材上には幅の広い通路が形成され、また通
路面の障害物が少なく、歩行が楽であり、更にま
た梁配筋に支障が少なく、鉄骨建方時だけではな
く、側立上り型枠の施工前まで使用できる。

本案の仮設手摺用支柱は構造が簡単で重量が少
なく、取扱いが容易で作業性が良好で、コストを
節減しうるものである等、本案は多くの利点を有
するものである。

以下本案を図示の実施例について説明する。

１は水平基片で、その上面一側端には、上端部
に既設のクランプより構成された手摺パイプ掴持
具８の装着された支柱３が植立されている。

前記水平基片１の下面一側端にはコ字状固定金
具４の上部水平片４ａが溶接等によつて固着さ
れ、下部水平片４ｂには締付用ボルト５が螺装さ
れている。

前記水平基片１の下面の他端側にはコ字状可動
金具６が配設され、同金具６に溶接された環状片
７が前記水平基片１にその長手方向に沿つて可摺
動的に嵌装されている。図中８は前記水平基片１
の幅方向両側縁に固着された前記環状片７案内兼
補強用バーである。前記コ字状可動金具６の下部
水平片６ｂには締結用ボルト９が螺装され、また
水平基片１にはボルト孔１０が列設され、同ボル
ト孔１０に挿通された締結用ボルト１１が前記可
動金具６の上部水平片６ａの螺糸孔に螺着され、
同可動金具６が水平基片１に固着されるようにな
つている。

なお図中１２は水平基片１の端部に固定された
前記可動金具６の脱落防止用ストツパ、１３，１
４は夫々水平基片１と支柱３及び固定金具４との
間を連結する補強部片、４ｃ，６ｃは夫々前記各
金具４，６の上下水平部片及び垂直部片の両側面
を連結するリブである。

而して前記水平基片１の下面に取付けられたコ
字状固定金具４を鉄骨梁１５のフランジ１５ａの
一側縁に係合せしめて締結ボルト５によつて締結
し、コ字状可動金具６を水平基片１に沿つて摺動
して前記フランジ１５ａの他端側に係合せしめ、
締結ボルト９によつて締結して水平基片１を前記
フランジに所定間隔毎に取付け、各水平基片１に
おける支柱３上端の手摺パイプ掴持具２に亘つて
手摺パイプ１６を取付ける。しかるのち鉄骨梁１
５を吊上げて所定位置にセツトする。次いで同鉄
骨梁１５を仮止めし、予め取付けられた手摺パイ
プ１６を利用して移動し、同手摺パイプ１６に命
綱１７を取付けて台付けを外す。（第３図参照） 山留工事の場合、切梁用Ｈ形鋼のフランジに本
案の仮設手摺用支柱及び手摺パイプを取付けて、
所定位置に吊込んでセツトし、切梁を固定し、同
切梁を通路として使用するものである。

なお第４図及び第５図は本案を通路手摺として
利用した場合を示し、第６図は梯子として利用し
た場合を示し、図中１８はＨ形鋼を示す。また第
７図は本案をハイステージとして利用した場合を
示し、柱廻りの作業床として使用したもので、梁
１５の下部フランジに取付けられた本案の仮設手
摺用支柱間に装架されたパイプ１６′に足場板１
９を載架するとともに、その両端に手摺支柱用丸
パイプ２０及び手摺パイプ２１を装架するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係る仮設手摺用支柱の一実施例
を示す側面図、第２図はその底面図、第３図はそ
の使用状態を示す斜面図、第４図及び第５図は
夫々通路手摺として使用した場合を示す斜面図並
に正面図、第６図は梯子として使用した場合を示
す正面図、第７図はハイステージとして使用した
場合を示す正面図である。 １……水平基片、２……手摺パイプ掴持具、３
……支柱、４……固定金具、６……可動金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向に亘つてボルト孔が列設され、且つ両
   側縁に沿つてガイドレールが配設された水平基片
   の上面一側に、上端部に手摺パイプ掴持具が装架
   された支柱を植立し、前記水平基片の下面の一側
   端には鉄骨型材のフランジの一側縁を挾持するコ
   字状固定金具の上部水平片を固着するとともに、
   下部水平片に締付ボルトを螺挿し、前記水平基片
   の下面の他側端には前記鉄骨型材のフランジの他
   側縁を挾持するコ字状可動金具に固着された環状
   片を前記ガイドレールに可摺動的に嵌装し、同コ
   字状可動金具の上部水平片の螺糸孔に前記ボルト
   孔に挿通されたボルトを螺着するとともに、下部
   水平片に締付ボルトを螺挿してなることを特徴と
   する仮設手摺用支柱。