JPS6350209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は重量物を人力で運搬する際に使用す
る運搬車両に関する。

従来重量物を人力で運搬する際の補助具として
第１図に示すような運搬装置を利用している。上
記運搬装置上部にフレームａの下部に車輪ｂと荷
役物の載置台ｃを、また上部に把手ｄを設けた簡
単な構造で、重量物でも比較的容易に運搬できる
が、運搬状態から静止状態に引き起すのに大きな
力を必要とし、運搬できる荷役物に制限を受ける
などの不具合があつた。

この考案はかかる不具合を改善する目的でなさ
れたもので、重量物を載置した場合でも、運搬位
置から静止位置へ簡単に引き起せるようにした運
搬装置を提供して、重量物の運搬が容易かつ安全
に行なえるようにしたものである。

以下この考案を図示の一実施例を参照して詳述
する。図において１はこの装置の本体で、巾方向
に離間する一対の縦フレーム１ａと、これら縦フ
レーム１ａの上下端及び中間部間を連結する横フ
レーム１ｂ及び縦フレーム１ａの後方にこれと平
行に設けられたハンドレール１ｃとよりなり、縦
フレーム１ａの下端には該縦フレーム１ａと直角
をなすようフオーク２の基端側が固着されてい
る。これらフオーク２の基端部には軸受けブロツ
ク３が固着されていて、この軸受けブロツク３に
軸杆４を介して補助輪５が回転自在に支承されて
いると共に、一方の補助輪５の内側にはブレーキ
ドラム６が固着されている。このブレーキドラム
６と軸受けブロツク３の間には、軸受けブロツク
３側に固着されてブレーキケース７が設けられ、
このブレーキケース７内にブレーキドラム６の周
囲を囲繞するように、ブレーキバンド８が設けら
れている。ブレーキバンド８の内側面にはブレー
キライニング９が設けられていると共に、ブレー
キバンド８の一端側はブレーキケース７に係止さ
れ、他端側はレバ１０を介してフレキシブルワイ
ヤ１１の一端に接続されている。フレキシブルワ
イヤ１１はハンドレール１ｃに沿つて上方に延出
され、ハンドレール１ｃの上部に設けられたブレ
ーキレバ１２に接続されていて、このブレーキレ
バ１２によりブレーキバンド８内面のライニング
９をブレーキドラム６に圧接することにより、補
助輪５を制動できるようになつている。

一方縦フレーム１ａとハンドレール１ｃ間を連
結するリブ１ｄに、一対の主輪フレーム１５の上
端側がピン１６により枢着されている。上記主輪
フレーム１５は中間部と下端間が軸杆１７，１８
により連結され、下側の軸杆１８の両端に軸受け
１９ａを介して主輪１９が回転自在に支承されて
いる。中間部の軸杆１７両端は主輪フレーム１５
に回動自在に支承されていると共に、中央部に座
板１７ａが固着されていて、この座板１７ａ上に
ジヤツキ２０が取付けられている。上記ジヤツキ
２０は例えば油圧ジヤツキであつて着脱自在なハ
ンドル２１を有しており、このハンドル２１を上
下動することにより、上部に突設されたロツド２
０ａが上下動するようになつており、ロツド２０
ａの上端は縦フレーム１ａの中間部間を連結する
横杆１ｂより後方へ突出された支持フレーム１ｅ
の下端がピン２２により枢着されている。

なお図中２３は上記ジヤツキ２０のハンドル２
１を格納しておくためのケース、２４は自動販売
機などの重量物を運搬する際、縦フレーム１ａの
前面に横方向にスペーサ２６を掛止めするための
フツク、２５は本体１の最大傾斜を規制するスト
ツパである。

次に作用を説明すると、自動販売機などの重量
物Ａを運搬する場合、縦フレーム１ａを第２図に
示すように垂直にした状態で、縦フレーム１ａ下
端のフオーク２を重量物Ａの下に挿入する。この
ときジヤツキ２０は最大ストロークとなつてい
る。

この状態から本体１を手前側へ倒しながら油圧
ジヤツキ２０を短縮し、補助輪５と主輪１９で重
量物Ａの荷重を支えながら、運搬状態に本体１を
傾斜し、フオーク２上に重量物Ａを載置する（第
７図）。この状態で本体１を矢印Ｂ方向へ押すこ
とにより重量物Ａを所望の場所へ運搬することが
できると共に、坂などを下る場合はブレーキレバ
１０を引いて補助輪５を制動することにより安全
に降坂することができる。

一方運搬状態から本体１を引起すには、ハンド
ル２１を上下してジヤツキ２０を伸長する。これ
によつて主輪１９を補助輪５間の距離が順次小さ
くなり、小さな力で重量物Ａを運搬位置から静止
位置へ引き起すことができるようになる。

この考案は以上詳述したように本体下部の補助
輪と別にジヤツキにより起伏自在な主輪フレーム
を設け、この主輪フレームに主輪を設けたことか
ら、重量物を寝かした状態で安全に運搬し、かつ
据付け位置で起立させる作業が１人で行なえるよ
うになる。またジヤツキによつて縦フレームの傾
斜角が任意に設定できるため、重量物の大きさや
重量に応じて傾斜角を選定することにより、重量
物に合つた姿勢により安定した状態で重量物を運
搬することができると共に、走行時重量物の荷重
がより多くかかる補助輪にブレーキを内装したこ
とから、より大きな制動効果が得られるようにな
り、これによつて坂道などでも安全に重量物が運
搬できるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の運搬装置の説明図、第２図はこ
の考案の一実施例になる運搬装置の側面図、第３
図は同分解斜視図、第４図は補助輪付近の断面
図、第５図はブレーキの詳細図、第６図は主輪付
近の断面図、第７図は作用説明図である。 １は本体、１ａは縦フレーム、１ｂは横フレー
ム、２はフオーク、５は補助輪、１５は支輪フレ
ーム、１９は主輪、２０はジヤツキ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦フレーム１ａと横フレーム１ｂとよりなる枠
   組状の本体１の上記縦フレーム１ａ下端に、該縦
   フレーム１ａに対して前方へほぼ直角に一対のフ
   オーク２を突設し、また各縦フレーム１ａの下部
   後方には軸受けブロツク３を突設して、これら軸
   受けブロツク３に、ブレーキドラム６と、これを
   制御するブレーキバンド８を内装した補助輪５を
   回転自在に支承すると共に、上記縦フレーム１ａ
   の中間部より後方へ向けて突設されたリブ１ｄ
   に、一対の主輪フレーム１５の上端を回動自在に
   枢着し、かつこれら支輪フレーム１５の下端間に
   は、主輪１９を回動自在に支承する軸杆１８を横
   架すると共に、上記主輪フレーム１５のほぼ中間
   部に横架された軸杆１７と、上記本体１の横杆１
   ｂより後方へ向けて突設された支持フレーム１ｅ
   の間に、本体１に対して主輪フレーム１５を起伏
   させるジヤツキ２０を設けてなる運搬装置。