JPS6350174B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ピンゲート式金型とクランプ手段
を有する射出成形機のスプルー部取出し装置に関
するものであり、特に、上型にシリンダー孔を穿
設し、該シリンダー孔にストリツパプレート駆動
用ピストンを嵌合して前記上型の下面より進退自
在とし、前記クランプ手段は上記ピストンの突出
運動と連動して降下するようにして成る射出成形
機のスプルー部取出し装置に係るものである。

従来、射出成形機におけるスプルー部取出し装
置として、可動金型の型彫面側にストリツパプレ
ートを設け、該ストリツパプレートと可動金型と
の間にバネを介装させ、型締時に該バネを圧縮し
て貯えられた付勢力により型開きと同時にストリ
ツパプレートを押出してスプルー部を金型から排
出する方式が採用されていた。この方式は、排出
されたスプルー部を自重により落下させて回収で
きる横型の射出成形機において特に多用されてい
る。

しかしながら、縦型の射出成形機においてはク
ランプ手段を用いてスプルー部を把持し型面から
退出させる必要があるので、クランプ手段の動作
とスプルー部の金型面からの排出動作とを正確に
連動させなければならず、型開き開始時にスプル
ー部が排出されてしまう上記方式を採用すること
はできなかつた。

そこで、縦型の射出成形機ではスプルー部の金
型からの排出時期を規制するために、型開きに際
して変化する上型と下型の相対距離を検知してス
トリツパプレートを押下する方式が多く採用され
ている。例えば、下型の一部とストリツパプレー
トとをカム若しくはチエーンを介して連結する構
成のものである。

しかしながら、上記方式においては、スプルー
部の排出時期が金型の相対位置によつて規制され
るのみであり、クランプ手段との連動がとれてお
らず、タイミングが極めて不安定であり不正確で
あるという欠点があつた。

更に、下型とストリツパプレートを連結する構
成であるために、金型の構造が複雑になるという
欠点があり、特に、シヤトル式やロータリー式等
のように不型を交換する射出成形機では下型駆動
源の構造上、下型とストリツパプレートとを連結
することに伴う上記構造の複雑化はより一層深刻
なものであつた。

この発明の目的は、上記従来技術に基づく射出
成形機のスプルー部取出し装置の構造上の制約に
よる問題点に鑑み、ピンゲート式金型の上型にス
トリツパプレート駆動用のピストンを設けてスト
リツパプレートに当接させ、クランプ手段を該ピ
ストンの突出運動に連動して降下させる構成とす
ることにより、前記欠点を解消して、構造の簡単
な極めて効率的なスプルー部の取出しができる優
れたスプルー部取出し装置を提供せんとするもの
である。

上記目的に沿うこの発明の構成は、スプルー部
の取出し作業に際し、型開き開始時にスプルー部
のゲートを切断し、上型に突設されて、型締め時
にストリツパプレートを貫通して、これよりも下
方に突出するロツクピンの先端部にスプルー部を
係合させることによつて、該スプルー部をストリ
ツパプレートの下面側に係止させ、上型の上昇に
伴つてスプルー部を中間型から離脱させ、その後
上型が一定距離上昇した際クランプ手段によつて
スプルー部を把持し、次いでストリツパプレート
を上型から押下突出させることによつてスプルー
部をロツクピンから外して金型から離脱させると
同時にクランプ手段を連動降下させてスプルー部
を取出すことができるようにしたことを要旨とす
るものである。

次に、この発明の実施例を第１図及び第２図に
基づいて説明すれば以下の通りである。

図に示される金型は所謂ピンゲート式金型で、
１は上型で中央部にはスプルー用型材２を有し、
更に適宜数のロツクピン３が該上型１の下面より
突出して設けられている。該上型１には短い第一
案内桿４と長い第二案内桿５が垂下されている。
６はストリツパプレートで、前記第一案内桿４は
該ストリツパプレート６の第一案内孔７を貫通し
ていて、ストリツパプレート６は上記第一案内桿
４に沿つて上下摺動自在であり、該第一案内桿４
の下端部の第一ストツパ４ａによつて上型１との
最大離隔距離が規制されている。又、該ストリツ
パプレート６には貫通孔８が穿設されており、前
記第二案内桿５は該貫通孔８を貫通して更に下方
に垂下している。ストリツパプレート６の中央部
にはスプルー用型材案内孔９が穿設され、更にそ
の周囲にはロツクピン通過孔１０が穿設されてい
る。

しかして、ロツクピン３は上型１とストリツパ
プレート６が密着したとき、係合段部を備えた先
端部３ａがストリツパプレート６の下面より僅か
に突出する。

１１は中間型であり、第二案内孔１２を介して
前記第二案内桿５に摺動自在に装着されており、
該第二案内桿５の下端部の第二ストリツパ５ａに
よつて上型１との最大離隔距離が規制されてい
る。中間型１１には、前記ストリツパプレート６
のロツクピン通過孔１０と対応する位置に、中間
型スプルー通路１１ａが穿設されていて、型締め
時に上型１と、ストリツパプレート６と、中間型
１１が当接すると、上記ロツクピン３の先端部３
ａはストリツパプレート６を貫通して中間型１１
のスプルー部通路１１ａ内に挿入されるようにな
つており、また、該中間型１１の上面には、前記
第二案内桿５の周囲にバネ１３が設けられてい
る。１４は該中間型１１の型彫面である。１５は
下型で、１６は該下型１５の型彫面である。

更に、上記上型１には下面に開口するシリンダ
ー孔１７が穿設されており、該シリンダー孔１７
にはストリツパプレート駆動用ピストン１８が摺
動自在に嵌合されていて、該ピストン１８は上型
１の下面より進退自在であり、下端部１８ａは前
記ストリツパプレート６の上面に当接されてい
る。１９は前記シリンダー孔１７に作動油を供給
する作動油通過孔である。

２０は成形物のスプルー部であり、２１ａ，２
１ｂはランナ、２１ｃはロツクピン３の先端部３
ａに対する係合孔、２２はゲートである。２３は
クランプ手段であり、その先端に、スプルー部２
０を把持するための開閉可能な把持爪２３ａを有
するとともに、前記ピストン１８の突出によるス
トリツパプレート６の下方への往動駆動に連動し
てクランプ手段２３を下方に移動させるクランプ
移動手段２３ｂを備えている。

上記構成において、射出成形は第２図Ａに示す
ように、型締された状態で行われるが、このと
き、バネ１３はストリツパプレート６と中間型１
１との間に圧縮されて介在し、一方、上型１のロ
ツクピン３の先端部３ａは中間型１１のスプルー
通路１１ａ内に若干だけ挿入されている。次い
で、成形後の型開き初期には第２図Ｂに示すよう
に、上型１とストリツパプレート６を一体に上昇
させると中間型１１は圧縮されていたバネ１３の
復元力によつて下方に押付けられて下型１５上に
残される。このとき、スプルー部２０の水平ラン
ナ２１ａがロツクピン３の先端部３ａと係合孔２
１ｃとの係合によつて上型１側にあるストリツパ
プレート６の下面側に係止されているため、下型
１５上に残された成形物とスプルー部２０の垂直
ランナ２１ｂとの間に引張力が作用し、ゲート２
２が切断される。尚、ロツクピン３の数及びその
先端部３ａの形状は、ゲート２２の切断力に対抗
してスプルー部２０を保持できるように定められ
ていることは勿論である。

上型１とストリツパプレート６がスプルー部２
０を保持した状態で更に上昇すると第２図Ｃに示
すように、中間型１１は第二案内桿５の下端部の
第二ストツパ５ａによつて引き上げられて下型１
５から離れる。

次いで、第２図Ｄに示すように、クランプ手段
２３が上昇した上型１及びストリツパプレート６
の下方に進入し、先端の把持爪２ａを閉じて、こ
こに、ストリツパプレート６下面に保持されてい
るスプルー部２０の垂直ランナ２１ｂを把持す
る。

この状態から第２図Ｅに示すように、上型１の
シリンダー孔１７に作動油を供給してピストン１
８を上型１の下面より突出させると、ストリツパ
プレート６は該ピストン１８の突出によつて下方
に押し下げられて上型１から離れる。このとき、
スプルー部２０は上型１のロツクピン３の先端部
３ａから離脱して上型１との係合が解かれる。

一方、クランプ手段２３は、クランプ移動手段
２３ｂにより押下されて、前記ピストン１８の突
出運動に連動して降下するので、上記ストリツパ
プレート６の降下運動と干渉することなく、上型
１から離脱したスプール部２０をストリツパプレ
ート６より下方に抜き出す。尚、このとき、スト
リツパプレート６は第一案内桿４の第一ストツパ
４ａによつて下方の降下が規制される。

その後、第２図Ｆに示すように、クランプ手段
２３を後退させてスプール部２０の金型からの取
出し作業は完了する。

上記のように、この発明によれば、上型と、該
上型に当接離脱可能なストリツパプレートと、該
ストリツパプレートに当接離脱可能な中間型と、
下型から成るピンゲート型における上型からロツ
クピンを下方に突設して、型締め時にはストリツ
パプレートを貫通してその先端部が中間型のスプ
ルー通路内に挿入するととともに、該上型には、
ストリツパプレート側の面に開口するシリンダー
孔を穿設し、該シリンダー孔にストリツパプレー
ト駆動用ピストンを摺動自在に嵌合して上型の下
面より進退自在として、その先端部をストリツパ
プレートの上型側の面に当接し、型開き時に離脱
したストリツパプレートと中間型の間に進入後退
するクランプ手段に、前記ピストンの突出による
ストリツパプレートの往動駆動に連動してクラン
プ手段を降下させるクランプ移動手段を備える構
成としたことにより、型開き時に、ロツクピンの
先端部にスプルー部が係合しているので、該スプ
ルー部は確実に上型側に当接しているストリツパ
プレート側に係止されて型開きされ、引き続くピ
ストンの突出によるストリツパプレートの降下に
よつて離脱されるまで、他の要因によつて離脱さ
れることがないから、スプルー部の上型側からの
離脱時期を正確に規制することができ、その離脱
時期の制御も金型の相対位置という不安定な要素
によることなく、シリンダー孔への作動油の供給
という単純な動作によつて、しかも、正確に行う
ことができるという優れた効果がある。

又、ストリツパプレートの押下のための構造
も、下型との関連がなく極めて簡単なものとな
り、特に、シヤトル式やロータリー式のように下
型を交換する射出成形機において有益である。

更に、スプルー部の上型からの離脱がピストン
の突出によつて行われるので、該ピストンの突出
運動に連動してクランプ手段を降下させるクラン
プ移動手段を設けることで、スプルー部の金型か
らの離脱とクランプ手段によるスプルー部の取出
しのタイミングの整合が極めて容易となり、か
つ、クランプ手段がストリツパプレートの降下と
干渉することがないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示すものであり、第１
図は断面図、第２図は作動を示す説明図で、第２
図Ａは型締時、第２図Ｂは型開き初期、第２図Ｃ
は型開き時、第２図Ｄはクランプ手段進入時、第
２図Ｅはスプルー部離脱時、第２図Ｆはクランプ
手段退出時の状態を示す。 １……上型、３……ロツクピン、６……ストリ
ツパプレート、１１……中間型、１３……バネ、
１５……下型、１７……シリンダー孔、１８……
ストリツパプレート駆動用ピストン、２０……ス
プルー部、２３……クランプ手段、２３ａ……把
持爪、２３ｂ……クランプ移動手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上型１と、上型１から突設された第１案内桿
   ４に案内されてその往復動が規制される範囲内で
   上型１に対して当接離脱可能に支持されたストリ
   ツパプレート６と、上型１から突設されて第１案
   内桿４に略平行に延在する、該案内桿４よりも長
   い第２案内桿５に案内されてその往復動が規制さ
   れる範囲内でストリツパプレート６に対して当接
   離脱可能に支持された中間型１１と、上型１から
   離脱した中間型１１とストリツパプレート６との
   間に進入後退自在に配設されたクランプ手段２３
   とから成るピンゲート式金型を含む射出成形機の
   スプルー部取出し装置において、 上記上型１には、該上型１のストリツパプレー
   ト６側の面に開口するシリンダー孔１７と、シリ
   ンダー孔１７内に突出没入自在に挿入され、その
   先端部１８ａが、ストリツパプレート６の該上型
   １側の面に当接し、該プレート６を該上型１から
   離脱する方向に往動駆動するピストン１８と、 該上型１のストリツパプレート６側に突設さ
   れ、型締め時に、前記ストリツパプレート６に穿
   設されたロツクピン通過孔１０を貫通して、その
   先端部３ａが中間型１１に形成された中間型スプ
   ルー通路１１ａ内に挿入されるロツクピン３とが
   設けられ、更に、上記クランプ手段２３には、中
   間型１１とストリツパプレート６間への進入時
   に、ロツクピン３の先端部３ａに係合しているス
   プルー部２０を把持する把持爪２３ａと、 ピストン１８のシリンダー孔１７からの突出に
   よるストリツパプレート６の往復駆動に連動し
   て、その往復駆動の方向に、スプルー部２０がそ
   れの把持爪２３ａに把持されたクランプ手段２３
   を移動させるクランプ移動手段２３ｂとが設けら
   れていることを特徴とする射出成形機のスプルー
   部取出し装置。