JPS6349907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビデオテープレコーダー用テープカ
セツト等に用いられているテープリールの逆転防
止装置に関するものである。

ビデオテープレコーダー用テープカセツトにお
いては、保管中等にテープリールが回動してテー
プが緩むことは好ましくなく、そのためテープリ
ールの逆転防止装置が設けられている。そして、
この種従来のテープリールの逆転防止装置は、例
えば第１図及び第２図に示した如く、カセツトケ
ース１内において接近して配置され且つ周縁に歯
部２ａ及び３ａを夫々有する一対のテープリール
２及び３と、両リール２及び３間においてカセツ
トケース１と一体に形成され且つリール側端部
（第１図上側端部）に開口４ａを有するガイド枠
４と、ガイド枠４内に第１図上下方向に摺動可能
に配置され且つ第１図上側端部に開口４ａから外
部（第１図上方）へ突出する一対の弾性を有する
合成樹脂製のテープリール係止用爪片５及び６が
一体形成され又は適宜手段にて固着されていると
共に中央部に孔７ａが設けられた合成樹脂製の係
止部材７と、係止部材７へ第１図上方への移動習
性を付与しているスプリング８とから構成されて
いて、保管中は係止部材７がスプリング８により
第１図上方へ押圧された実線図示の如き位置にあ
るので、両爪片５及び６の各先端が両リール２及
び３の各歯部２ａ及び３ａに夫々係合することに
より矢印Ａ方向（テープ巻取り方向）と反対方向
のリール２及び３の回転に対してはこれを阻止し
て図示しない磁気テープの緩みを防止し、テープ
カセツトをビデオテープレコーダーに装填した場
合は、図示しないビデオテープレコーダー本体に
組み込まれている係止解除用ピン９をカセツトテ
ープ１の底壁に設けられた長孔１ａを介して係止
部材７の孔７ａに挿入した後第１図下方（第２図
矢印Ｂ方向）へ移動せしめることにより両爪片５
及び６を同方向へ移動せしめると、一点鎖線図示
の如くガイド枠４の開口４ａの内壁面によつて両
爪片５及び６が夫々内側へ曲げられるので、両爪
片５及び６の各先端が両リール２及び３の各歯部
２ａ及び３ａから夫々外れ、これにより両リール
２及び３の逆転防止が解除されるようになつてい
た。ところが、この種従来の逆転防止装置は、爪
片５及び６の先端部以外の部分が直線状を呈して
いて弾性限界が小さかつたため、不注意でテープ
カセツトを第１図下方へ落下せしめたような場
合、磁気テープが巻回されていることによりかな
りの重さになつているテープリール２及び３（カ
セツトケース１の内壁に設けられた筒状枢支部に
緩く嵌合しているだけなので、若干の範囲内で移
動し得る）の第１図下方への移動による衝撃力に
より折れたり変形したままとなるという問題があ
つた。

本考案は、上記問題点に鑑み、テープリール係
止用爪片が、略垂直に突き出した基部と略中央部
分の肉薄部を介して外側に曲折された係止部とか
ら成つていて、弾性を向上させて永久変形や折損
の虞れをなくしたテープリールの逆転防止装置を
提供せんとするものであるが、以下第３図に示し
た一実施例に基づき上記従来例と同一の部材に同
一符号を付してこれを説明すれば、５′及び６′は
中央部分に係止部a₁，b₁及び基部a₂，b₂よりも幅
の狭い一つの屈曲部５′ａ及び６′ａを夫々設けて
成る一対の合成樹脂製のリール係止用爪片であつ
て、基部a₂，b₂は係止部材７から略垂直に突き出
しており、係止部a₁，b₁は屈曲部５′ａ及び６′ａ
を介して外側に曲折して形成されており、これら
は従来例と同様に係止部材７の第３図上側端部に
一体形成され又は適宜手段にて固着されている。

本考案によるテープリールの逆転防止装置は、
上述の如く構成されており、一対のリール係止用
爪片５′及び６′はその中央部分に一つの肉薄の屈
曲部５′ａ及び６′ａを夫々設けているので弾性限
界が非常に大きく、応力の集中を回避できる。
又、基部a₂，b₂を略垂直に形成したことにより、
該基部a₂，b₂がガイド枠４と非接触状態下で移動
され得るから、テープリール係止用爪片５′及び
６′の移動がスムーズであり、基部の劣化、特に
基部の根元にかかる力が軽減され、永久変形や折
損の虞れがなくなる。そして、係止部a₁，b₁を外
側に曲折して形成したことにより、各歯部２ａ及
び３ａからの解除動作が円滑で迅速且つ適確にな
り、更に屈曲部５′ａ及び６′ａが係止部a₁，b₁の
回動の支点となつて基部a₂，b₂へかかる力を吸収
し、爪片の永久変形や折損を防止するのに役立
つ。従つて、前述の如きテープカセツトの落下の
際等にテープリール２及び３の移動による衝撃力
を受けたとしても、テープリール係止用爪片５及
び６は夫々単に弾性変形するだけであつて折れた
り変形したままとなることがない。

尚、上記第一の実施例と異なり、第４図に示し
た第二の実施例のように一対のテープリール係止
用爪片５及び６の各中央部分には屈曲部の代りに
先端部及び基部よりも幅の狭い一つの湾曲部５′
ｂ及び６′ｂを夫々設けても良い。又、上記第一
及び第二の実施例と異なり、第５図に示した第三
の実施例及び第６図に示した第四の実施例のよう
に一対のテープリール係止用爪片５′及び６′の各
中間部分には夫々二個又はそれ以上の屈曲部５′
ａ及び６′ａ又は湾曲部５′ｂ及び６′ｂを設けて
も良い。更に、第５図及び第６図に示したように
屈曲部５′ａ及び６′ａ又は湾曲部５′ｂ及び６′ｂ
に隣接して爪片５′及び６の変形を規制するため
ストツパー１０，１０をカセツトケース１の底壁
上に一体形成するか又は固着すれば、爪片５′及
び６′の折れや変形を防止する効果が一層高まる。

上述の如く、本考案によるテープリールの逆転
防止装置は、テープリール係止用爪片の基部を略
垂直にし、略中央部に形成された肉薄部（屈曲部
及び湾曲部をいう）の曲折角度を大きくして係止
部を外側に形成したから応力が集中しにくくな
り、不注意によるテープカセツトの落下の際等に
テープリールの移動による衝撃力を受けたとして
もテープリール係止用爪片が折れたり変形したま
まとなることがなく常に所定の機能を保持し得る
という実用上極めて重要な利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のテープリールの逆転防止装置の
一実施例の平面図、第２図は第１図−線に沿
う断面図、第３図は本考案によるテープリールの
逆転防止装置の第一の実施例の要部平面図、第４
図乃至第６図は夫々第二乃至第四の実施例の要部
平面図である。 １……カセツトケース、２，３……テープリー
ル、４……ガイド枠、５，６……テープリール係
止用爪片、７……係止部材、８……スプリング、
９……係止解除用ピン、１０……ストツパー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) カセツトケース内において接近して配置され
   且つ周縁に歯部を有する一対のテープリール
   と、該両テープリールの間に配置され且つ一端
   に一対の合成樹脂製のテープリール係止用爪片
   を有していると共にスプリングにより該両爪片
   の各先端部が該両テープリールの各歯部に夫々
   係合する方向に付勢された移動可能の係止部材
   とを備え、該両爪片の各先端部が前記両テープ
   リールの各歯部に夫々係合することにより前記
   両テープリールの逆転を防止するようにしたテ
   ープリールの逆転防止装置において、 前記テープリール係止用爪片が、係止部材か
   ら略垂直に突き出して形成された基部と、略中
   央部に他の部分より肉薄に形成された肉薄部
   と、該肉薄部から外側に向けて曲折して形成さ
   れた係止部とから成ることを特徴とするテープ
   リールの逆転防止装置。 (2) テープリール係止用爪片の係止部及び基部を
   肉厚にしたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲１に記載のテープリールの逆転防止装
   置。