JPS6349856B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、可撓性発熱体に関するものである
が、特にその面発熱シートの成型加工方法に関す
るものである。

従来から多く使用されている床面などのいわゆ
る面発熱シートに用いられている発熱体にはサー
ミスタ線をヒーターコイルに巻付けたり、あるい
はヒーターコイルに密接させて並置するなどを用
いたが種々の欠点があつたため、最近ではカーボ
ン粉末を主体としたドータイト式（導電性被膜）
発熱体などが用いられてきた。例へば、両側部に
可撓性を有する電極線を配設した織物基材を設
け、この織物基材の片面若しくは両面の全面にカ
ーボン粉末と熱可塑性樹脂とを混合して成る発熱
用抵抗塗料を被膜状に塗布し、更にその表面を絶
縁被膜で被覆した、いわゆる温度制御型面発熱用
シートが開発されている。しかしこのような面発
熱用シートにおいては、電極線を配設するのに一
端薄目の布地から成る織物基材に成型加工したも
のを用いなければならず、これがために多くの手
間や経費を必要とし、更にこの織物基材に配設さ
れている電極線の布の巾や位置があらかじめ決め
られているために、その都度必要な用途によつて
製品化しなければならない不便など、多くの欠点
があつた。

本発明は、上記の如き欠点を解決するために開
発したものであつて、可撓性生地に軟質性の細線
から成る銅線を網目状に成形した電極線を予め織
り込み、該可撓性生地を、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニール、パラフイン、カーボン等を配合し、
ペレツト状に混合成形したカーボン発熱素子を介
してポリ塩化ビニールの両面断熱材にて連続的に
ラミネート加工する可撓性面発熱シートの成型加
工方法法において、前記カーボン発熱素子をＴダ
イスを介してポリ塩化ビニールの両面断熱材の間
に、前記電極線をポリ塩化ビニールの両面断熱材
の両側縁面に同時に、且つ、連続的に、夫々成形
することを条件に、ラミネート加工することによ
つて、電極線用の布地を必要とせず、しかも任意
巾の電極線を自在に配設することができる可撓性
面発熱シートの成型加工方法を目的とするもので
ある。

以下、図面に従つて本発明の一実施例について
説明する。

第１図および第２図は本発明の可撓性面発熱シ
ートの成型加工方法の機構原理図である。１およ
び５はポリ塩化ビニール製の両面断熱材であり、
２はカーボン発熱素子３を投入し押出すＴダイス
である。カーボン発熱素子３はポリエチレン、
PVC、パラフイン、カーボンブツクグラフアイ
カーボン等を配合し、150℃位の温度で加熱しな
がら、混練したものをペレツト状に成形してあ
り、接着剤としての機能を有している。４は軟質
性の細線から成る銅線を網目状に成形したリボン
状の電極線であり、可撓性を有する電極である。
６，６′は両面断熱材１，５を両側からラミネー
ト加工するための熱ローラである。なお、７は本
発明製法により成型加工された面発熱シートであ
る。

次に、本発明製法の機構原理について順を追つ
て詳述すれば、まず、第１図に示すようにリール
状に成形加工されている両面断熱材１を回転ロー
ラーを介して回動ならしてある。この両面断熱材
１の面上全体にＴダイス２を介してペレツト状に
成型加工されているカーボン発熱素子３を押出
し、更にこの上面にリール状に成形加工されてい
る２本のリボン状の電極線４，４を両面断熱材１
の両側縁面に配設すると共に、その上面を両面断
熱材１と同じように成形加工されている両面断熱
材５を被覆ならしめてある。このように、カーボ
ン発熱素子３と電極線４を両面断熱材１，５間に
同時に面着せしめて、熱ローラ６，６′にてラミ
ネート加工すれば、第２図に示すような成型断面
図の如き面発熱シート７が同時に自動，かつ連続
的に成型加工をすることができる。

第３図は、上記製法により得られた本発明の可
撓性発熱体であり、７はその面発熱シートであ
る。面発熱シート７は、所望の一定巾にしてあ
り、更に両側縁面に２本のリボン状の電極線４，
４が配設してある。このように、両側縁面に２本
の電極線４，４を配設した面発熱シート７を帯状
に、かつ連続状に一体成型し、巻装せしてある。
この際、電極線４，４の巾は、適宜巾にリボン状
に成形加工されているものを自在に配設すること
ができるので、この一枚の面発熱シート７によつ
て、所望の用途に適した面発熱シート７を得るこ
とができる。すなわち、電極線４は第３図ロに示
すように数本から成る縦線に横線を織物状に成型
してリボン状に加工してあるので、一定の巾のリ
ボン状にしておくことによつて、所望の面発熱シ
ート７を自在に得ることが可能となるのである。

第４図は、従来の製法により成型加工された可
撓性発熱体を示したものであり、８は電極線９を
配設した織物布地である。イ図は、両側縁面に配
設した電極線に２本の銅線を用いたものであり、
この２本の配設銅線の巾があらかじめ位置決めさ
れているので、用途が限定されるばかりか、性能
面においても欠点がある。ロ図はイ図に示した２
本の銅線を細めにして数本配設されている電極線
９であり、また、ハ図およびニ図に示した電極線
９とも、それぞれイ図に示した銅線よりも性能面
では良質ではあるが、いずれもこれらの電極線９
は、一端織物布地８に配設しなければならないの
で、作業工程上においても多くの不都合や不便が
生じていた。

本発明は、以上のように構成されているので従
来の成型加工方法よりも簡便でしかも量産加工を
自動化することができるばかりか、電極が網目状
のリボンにしてあるから性能面および用途面にお
いても優れており、更に製法機構が複雑でないの
で、簡単な装置によつて成型加工でき、しかも成
型加工された製品の利用範囲が広いので、経済性
および実用性の面においても多くの効果を有する
可撓性面発熱シートの加工方法と云える。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の可撓性面発熱シ
ートの成型方法の機構原理を示した説明概要図、
第３図は本発明の製法により成型加工された面発
熱シートを示した概要図および４図は従来の製法
により成型加工された面発熱シートを例示した説
明図である。 １，５……両面断熱材、２……Ｔダイス、３…
…カーボン発熱素子、４，９……電極線、６，
６′……熱ローラ、７……面発熱シート、８……
織物布地。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 可撓性生地に軟質性の細線から成る銅線を網
   目状に成形した電極線を予め織り込み、該可撓性
   生地を、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、パラ
   フイン、カーボン等を配合し、ペレツト状に混合
   成形したカーボン発熱素子を介してポリ塩化ビニ
   ールの両面断熱材にて連続的にラミネート加工す
   る可撓性面発熱シートの成型加工方法法におい
   て、前記カーボン発熱素子をＴダイスを介してポ
   リ塩化ビニールの両面断熱材の間に、前記電極線
   をポリ塩化ビニールの両面断熱材の両側縁面に同
   時に、且つ、連続的に、夫々成形することを条件
   に、ラミネート加工することを特徴とする可撓性
   面発熱シートの成型加工方法。