JPS6349848Y2 -

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【考案の詳細な説明】本考案はコア半部を衝合して形成する磁気ヘツ
ドにおける磁気ヘツド素子に関する。

従来、コア半部を衝合して形成する磁気ヘツド
における磁気ヘツド素子は亜鉛ダイキヤストの金
属や樹脂から成る通称舟型の保持部材に形成した
保持溝にコア半部を装入後、所要の流体樹脂を充
填してその固化によりコア半部を保持部材に固定
していた。

然しながらかかる従来のものは、樹脂の固化時
間が長いため作業能率が悪いと共に樹脂の温度特
性による性能低下を生ずるばかりでなく、保持溝
と装入されたコア半部間のガタのためコア半部の
固定位置を高精度に設定することが困難であり、
また保持部材の構造上磁気ヘツドの小型化が制限
される欠点があつた。

本考案はかかる従来の欠点を解決するものであ
り、以下図面に従つて詳細に説明する。

第１図は本考案に係るモノラル用の記録或いは
再生用磁気ヘツドにおける左側の磁気ヘツド素子
１の一実施例を示し、巻線２が巻回される所要の
巻線部３₁を有するパーマロイ等の高透磁率磁性
材から成るコア半部３はそのギヤツプ形成面３₂
とは反対側の背面にて平板状の保持部材４に固定
される。

保持部材４は絶縁性の例えばセラミツクス基板
で形成されコア半部３の長さｌに比べ十分な長さ
をもつと共にその表面である保持面４₁及び裏面
４₂はきわめて平滑であり、この保持面４₁のコア
半部３を固定する部分には所要の領域に亘りメタ
ライズ処理されたメタライズ部５が設けられてい
る。

メタライズ部５は例えば、第２図に示すごと
く、先ず保持面４₁に粉末焼付け処理によりタン
グステン層６を、続いてこのタングステン層６の
上に無電解メツキ処理によりニツケル層７をそれ
ぞれ所要の厚さ設けたものである。

そして、コア半部３は、そのテープ対接面側の
面３₃がそれと対応する保持部材４の側面４₃と
略々そろえられてメタライズ部５上に載置され、
第２図に示すごとく、その境界部分においてコア
半部３に矢印で示す方向にレーザー光が照射さ
れ、その一部の溶解によりメタライズ部５と溶接
固定される。

この溶接後、巻線２の各末端は保持部材４の保
持面４₁に形成した導体パターン８，８に接続さ
れて巻線処理されるが、この導体パターン８，８
はそれぞれ所要のスルーホールを介して、第３図
に示すごとく、裏面４₂に形成された外部接続用
等の導体パターン９，９に接続されている。

このように構成された左側のヘツド素子１は同
様に形成された右側のヘツド素子とスペーサを介
して周知の適当な方法により衝合固定された後、
そのテープ対接面の研磨等が行なわれて磁気ヘツ
ドを構成する。

以上のごとく、本考案磁気ヘツド素子において
はコア半部が平板状の保持部材に溶接固定される
ので、その固定作業を短時間で処理できると共に
その固定位置を精度よく設定することが可能であ
るばかりでなく、性能安定であり、また保持部材
の構造上磁気ヘツドの小型化が図れる等の種々の
利点を有する。

なお、本考案磁気ヘツド素子は、上述の実施例
のモノラル用に限定されることなく、マルチチヤ
ンネル用にも応用できることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る磁気ヘツド素子の一実施
例の斜視図、第２図は本考案の説明に供する図、
及び第３図は第１図の同素子を構成する保持部材
の裏面図をそれぞれ示す。１……磁気ヘツド素子、３……コア半部、３₂
……ギヤツプ形成面、４……保持部材、４₁……
保持面、５……メタライズ部。