JPS6349788B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は天窓を有する衛生設備に関する。側
壁、天井及び床に区画された浴室ユニツト、シヤ
ワーユニツト、洗面室ユニツト、トイレユニツト
が従来建築、工業化住宅においても広く用いられ
ている。

これらの衛生設備において、窓を設けるには、
衛生設備の側壁に開口部を設け、家屋外壁の窓枠
と側壁に開口部の位置を合わせて額縁によつて連
結し、額縁と窓枠及び側壁に開口部の周縁部との
間を弾性パツキングによるシール、いわゆる乾式
工法にて水密にシールしていた。

しかしながら、傾斜部と垂直部とを有する天窓
を設けるとなると、天窓の周縁部と衛生設備ユニ
ツトの開口部とを連結する額縁は、三次元方向で
の位置を合わせをしなければならず、正確な位置
合わせは困難であり、弾性パツキングによるシー
ルでは十分なシール効果が得られず、セメントコ
ンクリートやコーキング剤などを使用する湿式工
法に頼らざるを得なかつた。

従つて、施工の工数が削減できず、工期が短縮
されず施工費も大きくなつていた。しかも、湿式
工法では作業者の技術力によつて品質が低下する
ことが多かつた。

本発明は、上記従来の欠点を解消し、組立作業
が簡単であり、湿式工法によらず乾式工法にて確
実に水密性が確保できる天窓を有する衛生設備を
提供するものであり、その要旨は、側壁、天井と
床に囲まれた衛生設備ユニツトが家屋外壁に近接
されて設置され、家屋外壁から屋根にかけて垂直
部と傾斜部を持つ天窓が設けられ、衛生設備ユニ
ツトの側壁と天井との隅角部の該天窓とほぼ対応
した位置に、天窓を挿通可能な開口部が側壁から
天井にかけて設けられ、該開口部の周縁部に、上
部額縁構成部材と下部額縁構成部材と二個の側部
額縁構成部材とからなり、該額縁構成部材の端部
同士が接合された額縁が水密に取付けられ、該額
縁は、前記接合部において、一方の額縁構成部材
の端部が他方の額縁構成部材の端部との重ねる長
さが変えられ、その接合長さが調整可能とされ、
且つ、前記天窓の周縁部に水密に接合されてなる
ことを特徴とする天窓を有する衛生設備に存す
る。

以下本発明を図面を参照しながら説明する。

第１図は本発明の主要部を簡略に示している。
１は衛生設備ユニツトの側壁であり、２は衛生設
備ユニツトの天井である。衛生設備ユニツトと
は、浴室ユニツト、シヤワーユニツト、洗面室ユ
ニツト、トイレユニツトなどであり、常時水を扱
い、他の居室から区画されている。

衛生設備ユニツトは家屋外壁に近接して設置さ
れる。家屋外壁から屋根にかけて、垂直部と傾斜
部を持つ天窓３が設けられ、衛生設備ユニツトの
側壁１と天井２との隅角部に、天窓３とほぼ対応
した位置に、天窓３が挿通可能な開口部４が側壁
１から天井２にかけて設けられている。

該開口部４の周縁部に上部額縁構成部材５と下
部額縁構成部材６と二個の側部額縁構成部材７，
７とに分割された額縁が水密に取付けられてい
る。額縁は上部額縁構成部材５の両端部に二個の
側部額縁構成部材７，７の一端部が各々接合さ
れ、側部額縁構成部材７，７の他端部に下部額縁
構成部材６の両端部が各々接合されて額縁が構成
されており、該接合部８，９は、一方の額縁構成
部材の端部が他方の額縁構成部材の端部に重ねら
れて接合されると共に、その重ねる長さが変えら
れ、接合長さが調整可能とされている。又、この
額縁は、前記衛生設備ユニツトの開口部４及び前
記天窓３の周縁部に水密に接合されている。水密
接合は合成樹脂、ゴムのような弾性パツキングを
挟着し、開口部４及び天窓３の周縁部と額縁の端
部を釘打ち、或いはビス止めすることにより、湿
式工法を使用せずに乾式工法にて行うことがでい
る。

尚、本発明においては、天窓の周縁部及び衛生
設備ユニツトの開口部と額縁との水密接合におい
て、乾式工法を主体として部分的に補強するため
コーキング剤などを使用してもよい。或いは部分
的に湿式工法に置換えてもよい。１０は衛生設備
ユニツトの開口部４の下部周縁部に取付けられた
額縁受材である。該額縁受材１０は額縁の重量を
支え、下部額縁構成部材６と開口部４の下部周縁
部との水密接合を確実にする。衛生設備ユニツト
の開口部４と天窓３とを連結するときは、上下、
前後、左右の位置ずれを調整しなくてはならない
が、本発明においては、各額縁構成部材の接合に
より、それをなし遂げられる。即ち、上下方向の
位置ずれは接合部９の接合長さを変えることで調
整できる。又、前後方向（衛生設備ユニツトの側
壁と家屋外壁との間隔）の位置ずれは接合部８の
接合長さを変えることで調整できる。左右方向に
ついては額縁と天窓３の周縁部とを互いにずらす
ことで調整し得る。

本発明においては、上部額縁構成部材５、下部
額縁構成部材６を左右二個の額縁構成部材に分割
し、その分割された額縁構成部材同士の接合部に
おいて接合長さを調整し得るようになすことがで
きる。

上記のようにすることで、額縁と天窓３との左
右方向の位置ずれは分割された上部額縁構成部材
５及び下部額縁構成部材６の接合部において接合
長さを調整することでもなすことができ、施工の
自由性が増大する。

第２図は本発明天窓を有する衛生設備の一例を
詳細に示した縦断面図であり、第１図の符号と共
通させて示している。

衛生設備ユニツトの側壁１は家屋の外壁１１に
近接されている。１２は家屋の屋根フレームであ
る。外壁１１と屋根フレーム１２の間には天窓３
が設けられている。天窓３は傾斜部１３と垂直部
１４とからなる。１５は網戸である。

額縁と天窓３周縁部、開口部４の天井２の周縁
部、側壁１の額縁受材１０とはビス１６，１６で
連結されている。１７は弾性パツキングであり、
ビス１６の締付けにより押圧されて接合部を水密
にしている。

第３図は第２図Ａ―Ａ線で切欠いた断面図であ
る。１８は天窓３の傾斜部を支える斜めの横架材
であり、屋根フレーム１２に連結されている。

第４図は第２図Ｂ―Ｂ線で切欠いた断面図であ
る。１９は天窓３の垂直部１４及び外壁１１の側
部を支える柱であり、上端部において横架材１８
に連結されている。

第２図〜第４図の天窓３において、衛生設備ユ
ニツトの位置ずれによつて、各額縁構成部材の接
合部の接合長さを調整する。しかして、上下方向
の位置ずれによつて寸法ａが変動する。寸法a₁は
下部額縁構成部材６と天窓３垂直部１４との位置
関係を示し、寸法a₂は上部額縁構成部材５と開口
部４天井側周縁部との位置関係を示し、寸法a₃は
側部額縁構成部材７と開口部４側部周縁部との位
置関係を示しており、寸法ａと連動して変化す
る。

前後方向の位置ずれによつて寸法ｂが変動す
る。寸法b₁は下部額縁構成部材６と額縁受材１０
との位置関係を示し、寸法b₂は側部額縁構成部材
７と開口部４側部周縁部との位置関係を示してお
り、寸法ｂと連動して変化する。

左右方向の位置ずれは、額縁と天窓３の周縁部
とを互いにずらすことで吸収している。

即ち、寸法ｃは側部額縁構成部材７と天窓３傾
斜部１３の周縁部との位置関係を示しており、寸
法c₁は側部額縁構成部材７と天窓３垂直部１４の
周縁部との位置関係を示している。

第５図、第６図は、第２図〜第４図の天窓を有
する衛生設備の組立手順を簡略に示している。

第５図は衛生設備ユニツトを天窓３に近接して
設置したところを示している。先ず衛生設備ユニ
ツトの側壁１の上部周縁部に額縁受材１０を取付
ける。２０は額縁受材１０取付け用の固定具であ
る。額縁受材１０の上端部には弾性パツキング１
７が取着されている。その後に、上部額縁構成部
材５を天窓３傾斜部１３の周縁部と開口部４天井
２側周縁部との位置に合わせて、上部額縁構成部
材５を第２図に示すように天窓３傾斜部１３の周
縁部と開口部４天井２側周縁部にビス１６，１６
で固定し、下部額縁構成部材６を額縁受材１０の
上に載せ、該下部額縁構成部材６を天窓３垂直部
１４の周縁部と開口部４側壁１側周縁部との位置
に合わせ、下部額縁構成部材６を第２図に示すよ
うに天窓３の垂直部１４の下縁部と額縁受材１０
にビス１６，１６で固定する。

尚、上部額縁構成部材５及び下部額縁構成部材
６が左右に二個の額縁構成部材に分割されている
ときは、一方の分割額縁構成部材を固定し、端部
を接合して、その接合長さを調整して他方を固定
するようにする。

次いで、上部額縁構成部材５、下部額縁構成部
材６の端部に側部額縁構成部材７の端部を重ねる
ように接合した後、天窓３の周縁部と開口部４に
第３図及び第４図に示すようにビス１６，１６で
固定する。

側部額縁構成部材７と、上部額縁構成部材５及
び下部額縁構成部材６とは接合部８，９を形成
し、その接合長さを調節することにより位置ずれ
を吸収させる。

以上、詳述した通り本発明天窓を有する衛生設
備は上記の構成になされているので、組立作業が
簡単であり、衛生設備ユニツトと傾斜部、垂直部
を有する天窓との、上下、前後、左右方向の位置
ずれを、額縁構成部材同士の接合長さを調整して
額縁を組立ることにより吸収でき、天窓と衛生設
備ユニツトの開口部との接合は乾式工法を主体と
して水密に接合することができ、品質の信頼性を
向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明天窓を有する衛生設備を概略的
に示す縦断面図、第２図は本発明の一例を詳細に
示す縦断面図、第３図は第２図のＡ―Ａ線から切
欠いた断面図、第４図は第２図のＢ―Ｂ線から切
欠いた断面図、第５図、第６図は第２図の天窓を
有する衛生設備の組立手順を簡略に示す斜視図で
ある。 １は衛生設備ユニツトの側壁、２は衛生設備ユ
ニツトの天井、３は天窓、４は開口部、５は上部
額縁構成部材、６は下部額縁構成部材、７は側部
額縁構成部材、８，９は接合部、１０は額縁受
材、１１は外壁、１２は屋根フレーム、１３は傾
斜部、１４は垂直部である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 側壁、天井と床に囲まれた衛生設備ユニツト
   が家屋外壁に近接されて設置され、家屋外壁から
   屋根にかけて垂直部と傾斜部を持つ天窓が設けら
   れ、衛生設備ユニツトの側壁と天井との隅角部の
   該天窓とほぼ対応した位置に、天窓を挿通可能な
   開口部が側壁から天井にかけて設けられ、該開口
   部の周縁部に、上部額縁構成部材と下部額縁構成
   部材と二個の側部額縁構成部材とからなり、該額
   縁構成部材の端部同士が接合された額縁が水密に
   取付けられ、該額縁は、前記接合部において、一
   方の額縁構成部材の端部が他方の額縁構成部材の
   端部との重ねる長さが変えられ、その接合長さが
   調整可能とされ、且つ、前記天窓の周縁部に水密
   に接合されてなることを特徴とする天窓を有する
   衛生設備。 ２ 上部額縁構成部材及び下部額縁構成部材が左
   右二個の額縁構成部材に分割され、該二個の額縁
   構成部材の端部同士が一方の端部が他方の端部と
   の重ねる長さが変えられ、その接合長さが調整可
   能にされてなる特許請求の範囲第１項記載の天窓
   を有する衛生設備。 ３ 衛生設備ユニツトの開口部の下部周縁に額縁
   受材が取付けられてなる特許請求の範囲第１項記
   載又は第２項記載の天窓を有する衛生設備。