JPS6348753B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動車の組立ラインにおいてヘツド
ライニングを車体内に自動で搬入するようにした
自動搬入装置に関する。

一般に、車体に種々の部品を組付ける作業は、
上記車体をコンベアで搬送しながら行なわれる。
このようにして上記車体に組付ける部品の１つと
して車体の天井部内面に取着されるヘツドライニ
ングが知られている。

従来、上記ヘツドライニングの組付け作業は、
このヘツドライニングを作業者が車体内に搬入し
たのち持ち上げて車体の天井部内面に接合させ、
その周縁部をクリツプで車体に止めるようにして
いた。しかしながら、上記ヘツドライニングは他
の部品に比べてかなり大きく取扱いずらいため、
これを車体内に搬入して天井部内面に接合するよ
う持ち上げるという作業は、作業性が極めて悪
く、作業者に多くの負担がかかるという問題があ
つた。

この発明は上記事情にもとづきなされたもの
で、その目的とするところは、ヘツドライニング
を車体内の天井部内面近傍に自動で搬入すること
ができるようにした自動車のヘツドライニング自
動搬入装置を提供することにある。

以下、この発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図中１は矢印方向に所定の速度で走行す
るコンベアで、このコンベア１によつてパレツト
２に載置された車体３が搬送されるようになつて
いる。この車体３は、そのフロント窓４と図示し
ないリヤ窓とにガラスが装着されていない状態で
後述する自動搬入装置５と対応する個所に搬送さ
れてくる。

上記自動搬入装置５は以下のごとく構成されて
いる。すなわち、コンベア１の上方には、このコ
ンベア１の走行方向と平行にかつコンベア１を挾
むように一対の第１のレール６，６が架設されて
いる。なお、コンベア１は第２図に示すように一
方の第１のレール６側に寄つている。この第１の
レール６，６上には、平行に離間し長手方向両端
がそれぞれ車輪７……を備えた連結体８，８によ
つて連結された一対の第２のレール９，９が上記
車輪７……を第１のレール６，６に接地させて設
けられている。一方の連結体８には第１の駆動源
９が取着され、この第１の駆動源９によつて上記
車輪７が正方向あるいは逆方向に回転駆動される
ようになつている。すなわち、第２のレール９，
９はコンベア１の走行方向と平向に駆動されるよ
うになつている。

第２のレール９，９上には、両側に設けられた
車輪１０……を上記第２のレール９，９に接地さ
せて基体１１が上記コンベア１の幅方向に沿つて
走行自在に設けられている。この基体１１にはそ
の車輪１０を正方向あるいは逆方向に回転駆動す
る第２の駆動源１２が設けられている。また、基
体１１には一側にラツク１３が形成されたアーム
１４が上下動自在に設けられている。このアーム
１４のラツク１３には、基体１１上に設けられた
第３の駆動源１５によつて回転駆動される図示せ
ぬピニオンが歯合していて、この第３の駆動源１
５によつてピニオンが正方向あるいは逆方向に回
転駆動されることによつて上記アーム１４が上下
いずれかの方向に変位するようになつている。ア
ーム１４の下端には第４の駆動源１６によつて回
転駆動される支軸１７が設けられ、この支軸１７
にはチヤツク機構１８が連結されている。このチ
ヤツク機構１８は第３図に示すように上記支軸１
７にキー１９によつて基板２０が固定されてい
て、この基板２０には固定フインガ２１が取着さ
れているとともに、この固定フインガ２１よりも
短かい可動フインガ２２が基板２０に枢着された
取付軸２３に連結固定されている。可動フインガ
２２が取着された取付軸２３には係合溝２４を有
するレバー２５が固定されていて、このレバー２
５の係合溝２４には上記基板２０に固定フインガ
２１と軸線を平行にして取付けられたシリンダ２
６の軸２６ａに固着されたローラ２７が係合して
いる。したがつて、シリンダ２６の軸２６ａが作
動することによつて、可動フインガ２２が第３図
に矢印で示す方向にレバー２５を介して回動、す
なわち固定フインガ２１に対して開閉するように
なつている。また、固定フインガ２１の内側面に
はゴムなどの弾性材からなる一対の第１の摩擦体
２８，２８および近接スイツチ２９が設けられ、
可動フインガ２２の内側面にはこの可動フインガ
２２が閉じたときに一方の第１の摩擦体２８と当
接する位置に第２の摩擦体３０が設けられ、これ
ら当接する第１、第２の摩擦体２８，３０によつ
て後述する供給部３１に保持されたヘツドライニ
ング３２の端部が挾持されるようになつている。
なお、上記近接スイツチ２９は、ここにヘツドラ
イニング３２が近接したことを検知し、この検知
信号でシリンダ２６を作動させて可動フインガ２
２を閉じる方向に付勢する。

一方、上記コンベア１の側方には他方の第１の
レール６側に寄つて上記供給部３１が配置されて
いる。この供給部３１は、コンベア１の走行方向
と平行に敷設されたレール３３に台車３４が走行
自在に設けられている。この台車３４の上面には
支持杆３５……が立設されていて、これらの支持
杆３５……によつて多数の上記ヘツドライニング
３２……が立体状態で所定間隔離間して保持され
ている。また、台車３４は第５の駆動源３６によ
りチエーン３７を介して上記レール３３に沿い駆
動されるようになつている。

つぎに、上記構成の自動搬入装置５の作動につ
いて説明する。まず、チエツク機構１８は通常第
１図に鎖線で示すように供給部３１と対応する位
置、すなわち第２のレール９，９が供給部３１の
上方に駆動され、基体１１に設けられたアーム１
４が下降しているとともに、可動フインガ２２が
開いて固定フインガ２１の内側面が台車３４上の
側端に位置するヘツドライニング３２の上端部に
対向した状態で待機している。このような状態で
コンベア１により車体３が所定の位置に搬送され
てくると、そのことが検知されてこの検知信号で
まず第５の駆動源３６が作動して供給部３１の台
車３４をチエツク機構１８の方向に駆動する。す
ると、台車３４の側端に位置するヘツドライニン
グ３２が固定フインガ２１の内側面に近接し、そ
のことが近接スイツチ２９によつて検知されるの
で、この検知信号によつてシリンダ２６が作動し
て可動フインガ２２が閉じられ、これらの第１、
第２の摩擦体２８，３０によりヘツドライニング
３２の上端部が挾持される。

チヤツク機構１８がヘツドライニング３２を挾
持すると同時に第２の駆動源１２が作動して基体
１１がコンベア１の方向に駆動され、上記ヘツド
ライニング３２が台車３４上から側方に引出され
る。ヘツドライニング３２を台車３４上から引出
すと、アーム１４が上昇すると同時に、第４の駆
動源１６が作動して支軸１７とともにチヤツク機
構１８を所定角度回動し、それまでアーム１４の
軸線方向と同方向である垂直に支持されていた上
記ヘツドライニング３２のアーム１４に対する角
度が第４図中ａにて示す90度よりもやや大きい状
態となる。これによつて、ヘツドライニング３２
がチヤツク機構１８の第１、第２の摩擦体２８，
３０間からずれ落ちずらくなる。

つぎに、基体１１が第１図に実線で示すように
コンベア１によつて搬送される車体３の上方に駆
動され、この位置で上記ヘツドライニング３２の
アーム１４に対する角度が第４図にｂで示すａの
状態よりも大きな角度に変更される。ヘツドライ
ニング３２の角度がｂの状態に変更されると同時
にアーム１４がｃの位置まで下降し、上記ヘツド
ライニング３２が車体３のフロント窓４から車体
３内に挿入される。ついで、アーム１４はｄ，
ｅ，ｆに示すごとく順次下降するとともに、この
間チヤツク機構１８が回動してヘツドライニング
３２のアーム１４に対する角度が次第に90度に近
づく。そして、チヤツク機構１８が車体３の天井
３ａ内面と対応する高さ位置となるまでアーム１
４が下降してくると、第４図のｈで示すようにヘ
ツドライニング３２がアーム１４の軸線に対して
ほぼ直角になる。すなわち、上記ヘツドライニン
グ３２が天井部３ａの内面に接合する。したがつ
て、この時点で作業者が車体３内に入り、上記ヘ
ツドライニング３２を天井部３ａの内面に取着す
ればよい。

このようにしてヘツドライニング３２が車体３
の天井部３ａ内面に取着されると、上記基体１１
は初期の位置に復帰して次の車体３が搬送されて
くるのを待機することになる。

なお、この発明は上記一実施例に限定されず、
たとえばヘツドライニングは車体のリヤ窓から車
体内に挿入するようにしてもよい。

また、ヘツドライニングを供給部から取出すと
き、供給部の台車を駆動したが、第２のレールを
駆動してチヤツク機構を変位させることによつて
上記ヘツドライニングを取出すようにしてもよ
い。

また、チヤツク機構は真空吸着で上記ヘツドラ
イニングを保持するようにしてもよく、その構成
はなんら限定されない。

以上述べたようにこの発明は、ヘツドライニン
グを車体内に自動で挿入するとともに、挿入後に
上記ヘツドライニングを車体の天井部内面に近接
する状態に角度を変えることができるようにし
た。したがつて、従来人手に頼つていたヘツドラ
イニングの車体内への搬入や搬入後に天井部内面
に接合するよう持ち上げる作業を自動で行なうこ
とができるので、その作業の能率向上や作業者の
負担を軽減することができるなどの利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、第１図は全
体の概略的構成の斜視図、第２図は平面図、第３
図はチヤツク機構の側面図、第４図はヘツドライ
ニングを車体内に挿入するときの説明図である。 １……コンベア、３……車体、４……フロント
窓、６……第１のレール、９……第２のレール、
１１……基体、１４……アーム、１８……チヤツ
ク機構、３１……供給部、３２……ヘツドライニ
ング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体を搬送するコンベアと、このコンベアの
   側方に配置され多数のヘツドライニングを所定間
   隔離間させて立体状態で保持した供給部と、上記
   コンベアの上方にコンベアの走行方向に沿つて配
   設された第１のレールと、この第１のレールに走
   行自在に設けられた第２のレールと、この第２の
   レールに上記コンベアの幅方向に沿つて走行自在
   に設けられた基体と、この基体に上下動自在に設
   けられたアームと、このアームに回動自在に設け
   られ上記供給部から取出したヘツドライニングを
   アームに対する角度を変えながら上記車体の開口
   した窓部から車体内に挿入するチヤツク機構とを
   具備したことを特徴とする自動車のヘツドライニ
   ング自動搬入装置。