JPS6348343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、竪型帯鋸盤における帯鋸刃ガイド移
動装置に関するものである。

一般に、竪型帯鋸盤における帯鋸刃ガイドの上
下移動は、帯鋸刃ガイドを支持するポストを上下
移動して行なつている。

従来のこの種の帯鋸刃ガイド移動装置として
は、帯鋸刃ガイドを支持するポストをフレームに
固定、解放自在に固定するためのクランプハンド
ルと、ポストを上下移動するための上下調節ハン
ドルを備えており、帯鋸刃ガイドの上下移動を行
なう際には、まず、クランプハンドルを弛めてポ
ストを解放し、つぎに、上下調節ハンドルにより
ポストの上下調節を行ない、その後、クランプハ
ンドルを再び締付けてポストを固定するという三
工程をかけなければならず、作業が煩雑となると
いう問題点があつた。

本考案は上記の問題点に鑑み考案したもので、
その目的は、帯鋸刃ガイドを支持するポストの上
下移動と任意の位置での固定とを、一つの操作ハ
ンドルで、しかもワンタツチで行なうことができ
る竪型帯鋸盤における帯鋸刃ガイド移動装置を提
供することである。

上記目的を達成するために、本考案において
は、下部に帯鋸刃ガイドを備え、一側にラツクを
一体的に設けたポストを昇降自在に設け、前記ラ
ツクに係合するピニオンにハンドル軸を固設し、
このハンドル軸を回動自在に設けるとともに軸方
向へ移動自在に設け、ハンドル軸の軸方向への移
動に連動して前記ポストを固定、解放可能に設け
たものである。

以下、図面を用いて本考案の実施例について詳
細に説明する。

第１図は、本考案に係る帯鋸刃ガイド移動装置
１を備えた竪型帯鋸盤３の概略正面図を示すもの
で、この竪型帯鋸盤３は、下部フレーム５と上部
フレーム７を備えている。下部フレーム５上に
は、回転テーブルを備えた作業台９が前後左右に
移動自在に装着されており、この作業台９は下部
フレーム５の側部に取付けた作業台操作装置１１
により操作される。さらに、下部フレーム５内に
は、駆動ホイール１３が回転自在に設けられ、こ
の駆動ホイール１３はモーター（図示省略）によ
つて回転駆動される。上部フレーム７内には、従
動ホイール１５が回転自在に設けられており、こ
の従動ホイール１５と前記駆動ホイール１３との
間には、ループ状の帯鋸刃１７が掛回されてい
る。前記帯鋸刃１７は、帯鋸刃ガイド１９により
案内される。この帯鋸刃ガイド１９は、上部フレ
ーム７に設けた帯鋸刃ガイド移動装置１のポスト
２１に取付けられている。

帯鋸刃ガイド移動装置１は、第２図〜第４図に
示すように構成されている。すなわち、上部フレ
ーム７に案内部材２３をボルト等によつて一体的
に取付けてあり、この案内部材２３内には、断面
形状が四角形状のポスト２１が昇降自在に設けて
ある。このポスト２１の下部には、帯鋸刃１７を
上下に案内する帯鋸刃ガイド１９が取付けてあ
り、一側にはラツク２５が一体的に形成してあ
る。前記案内部材２３の下部には、一般的なガス
スプリング２７のピストンロツド２９がヒンジピ
ン３１を介して枢着してあり、このガススプリン
グ２７のシリンダー３３は、前記ポスト２１の上
部にヒンジピン３５を介して枢支されている。

前記案内部材２３には、ベースボデイ３７がボ
ルト等により固定してある。このベースボデイ３
７内にはスプール室３９が設けられ、このスプー
ル室３９に周溝を備えた円筒状のスプール４１を
挿入している。さらに、ベースボデイ３７には、
前記スプール４１の軸方向の貫通孔４１ａを回転
のみ自在に貫通したハンドル軸４３が軸受け４
５，４７を介して回動自在に、かつ、軸方向に移
動自在に設けてある。前記スプール４１は、ハン
ドル軸４３の段部４３ａと止め輪４９とにより、
ハンドル軸４３に軸方向に固定されている。した
がつて、スプール４１は、ハンドル軸４３の軸方
向への移動にともなつてスプール室３９内を同方
向に移動する。そして、ハンドル軸４３は、スプ
ール４１の貫通孔４１ａ内を自由に回動する。

前記ハンドル軸４３の内端部には、前記ポスト
２１に設けたラツク２５に係合するピニオン５１
が一体的に取付けてあり、外端部には操作ハンド
ル５３が取付けてある。ハンドル軸４３は、ベー
スボデイ３７と操作ハンドル５３のボス部５３ａ
との間に介装したスプリング５５により、常時操
作ハンドル５３側へ付勢されている。このハンド
ル軸４３の付勢にともなつて、スプール４１が同
方向に付勢されている。

前記ベースボデイ３７には、流路５７を介して
前記スプール室３９に連通するシリンダー５９が
設けられ、シリンダー５９内にはピストン６１が
内装してある。このピストン６１は、先端部がポ
スト２１と摺接しており、シリンダー５９内の圧
力油の作用により前記ポスト２１を案内部材２３
に押圧固定、解放するものである。

前記スプール室３９は、流路６３を介して油圧
ポンプ〔図示省略）を接続するとともに、流路６
５を介して作動油タンク（図示省略）に接続され
ている。そして、流路５７と流路６３との連通、
遮断および流路５７と流路６５との連通、遮断は
スプール４１の軸方向への摺動により切換えられ
るようになつている。

すなわちスプール４１は、ピストン６１がポス
ト２１を固定する方向あるいは解放する方向へ移
動する摺動を切換える作用をなすものであつて、
スプール４１はハンドル軸４３の軸方向の移動に
連動して移動される。換言すれば、前記ピストン
６１の摺動とハンドル軸４３の軸方向への移動は
連動的に行われるもので、例えばハンドル軸４３
を内方向（第３図，第４図において左方向）へ移
動すると、ピストン６１がポスト２１を解放する
方向に連動作動し、またハンドル軸４３を外方向
（第３図，第４図において右方向）へ移動すると、
ピストン６１がポスト２１を固定する方向へ連動
作動するものであり、前記スプール４１は、ピス
トン６１の摺動とハンドル軸４３の移動とを連動
をせしめるための一種の連動作動装置を構成して
いるものである。

上記構成より明らかなように常態ではハンドル
軸４３がスプリング５５の付勢力によつてポスト
２１から離隔する方向（第３図における右方）へ
付勢されており、ハンドル軸４３に軸方向に固定
したスプール４１が第３図における右方に位置
し、スプール４１の周溝を介してシリンダー５９
の流路５７が油圧ポンプの流路６３と連通してい
る。したがつて、油圧ポンプからの圧力油が流路
６３、スプール室３９および流路５７を経てシリ
ンダー５９に流入し、この圧力油の作用によりピ
ストン６１がポスト２１側へ押圧され、ポスト２
１を案内部材２３に押圧固定する。

また、手動操作により操作ハンドル５３を介し
てハンドル軸４３をスプリング５５の付勢力に抗
してポスト２１側へ移動させると、ハンドル軸４
３とともにスプール４１が、第３図，第４図にお
いて左方に移動し、スプール４１の周溝を介して
シリンダー５９の流路５７が作動油タンクの流路
６５と連通する。

したがつて、シリンダー５９内の圧力油が流路
６５を経て作動油タンクに流出し、ピストン６１
に圧力油が作用しなくなりポスト２１の固定が解
かれる。

前記ポスト２１は、案内部材２３の上下位置に
設けた上下一対の一般的なボールプランジヤー６
７により常に一方向に押し付けられており、ま
た、ポスト２１の下部には、ゴムアシ６９が取付
けてあり、このゴムアシ６９によりポスト２１の
上方への動きが規制されている。

以上のごとき構成において、今、帯鋸刃ガイド
１９の位置を変更する場合には、先づ、操作ハン
ドル５３をポスト２１側へ押してハンドル軸４３
をスプリング５５の付勢力に抗してポスト２１側
方向（第５図における左方向）へ移動させると、
ハンドル軸４３とともにスプール４１が同方向へ
移動し、シリンダー５９の流路５７が作動油タン
クの流路６５と連通する。すると、シリンダー５
９内の圧力油が流路６５を経て作動油タンクに流
出し、ピストン６１に圧力油が作用しなくなり、
ポスト２１の固定が解かれた状態となる。この状
態で操作ハンドル５３を、例えば時計方向に回転
すると、ハンドル軸４３を介してピニオン５１が
回転する。ピニオン５１の回転にともなつて、こ
のピニオン５１と係合するラツク２５を介してポ
スト２１が案内部材２３に案内されて下動する。
このとき、ポスト２１の上部と案内部材２３の下
部とを連結するガススプリング２７のピストンロ
ツド２９にロツドの反力にうちかつ外力が作用し
て、シリンダー３３内のボデイピストン（図示省
略）がピストンロツド２９と圧縮方向に移動して
短縮される。この時、反ピストンロツド２９側の
シリンダー３３内のガスは、ボデイピストンに設
けた小孔を通つてピストンロツド２９側のシリン
ダー内に移動する。

ポスト２１を介して帯鋸刃ガイド１９が所定位
置に移動した時点において、操作ハンドル５３か
ら手を離すと、スプリング５５の付勢力によりハ
ンドル軸４３が反ポスト２１側方向（第３図にお
ける右方向）へ移動する。このハンドル軸４３の
移動とともにスプール４１が同方向へ移動し、シ
リンダー５９の流路５７が油圧ポンプの流路６３
と連通する。すると、油圧ポンプからの圧力油が
流路６３、スプール室３９および流路５７を経て
シリンダー５９に流入し、この圧力油の作用によ
りピストン６１がポスト２１側へ押圧され、ポス
ト２１は案内部材２３に固定される。

以上の説明より理解されるように、本考案に係
る竪型帯鋸盤における帯鋸刃ガイド移動装置によ
れば、一つの操作ハンドルを操作するだけの簡単
な操作によつて、帯鋸刃ガイドを支持するポスト
の上下移動と、任意の位置での固定とを行なうこ
とができるものである。

なお、本考案は前述の実施例のみに限定される
ものではなく、適宜の設計的変更を行なうことに
より、その他の態様でもつて実施しうるものであ
る。例えば、ピストンの摺動とハンドル軸の移動
とを連動せしめる連動作動装置としてリンク機構
を利用し、ハンドル軸を手前に引いたときに、ピ
ストンがポストを押圧し、逆にハンドル軸を押込
んだときに、ピストンの固定を解放するように構
成することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る帯鋸刃ガイド移動装置を
備えた竪型帯鋸盤の概略正面図、第２図は帯鋸刃
ガイド移動装置の側面図、第３図は第２図のー
線矢視断面図、第４図は第３図のー線矢視
断面図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１９…
…帯鋸刃ガイド、２１……ポスト、２５……ラツ
ク、４３……ハンドル軸、５１……ピニオン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 竪型帯鋸盤における上部フレーム７に設けた案
   内部材２３に、下部に帯鋸刃ガイド１９を備えた
   ポスト２１を上下動自在に支承して設け、上記ポ
   スト２１に備えられた上下方向のラツク２５と噛
   合したピニオン５１を備えたハンドル軸４３を、
   前記案内部材２３に回転自在かつ軸方向に移動自
   在に支承して設け、前記ポスト２１を案内部材２
   ３へ押圧固定自在なピストン６１を案内部材２３
   に摺動自在に設け、前記ハンドル軸４３の内方向
   への移動あるいは外方向への移動と前記ピストン
   ６１がポスト２１の固定を解除する方向域はポス
   ト２１を固定する方向への移動とを連動せしめる
   連動作動装置を設けてなることを特徴とする竪型
   帯鋸盤における帯鋸刃ガイド装置。