JPS6348253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、振動発生機を内蔵する長い把持管を
有し、把持管の一端に設けられた振動可能の歯石
除去器具（以下単に「器具」ということがある。）
に振動発生機が接続されて振動を伝え、把持管内
には媒体供給導管があり、その中の１つが振動発
生機に通じるエネルギ供給導管であり、媒体供給
導管が、把持管の器具より離れた側の端部におい
て中間の結合部材を介して媒体源に通じる接続導
管に接続された歯石除去用の歯科ハンドピースに
関するものである。

〔従来の技術とのその問題点〕

上記タイプの歯石除去用歯科ハンドピースは、
欧州特許出願第28531号及びドイツAS第1616127
号の開示により公知となつている。これらの公知
の歯石除去用歯科ハンドピースにおいては、患者
の歯石がある歯の位置への光の投射が、特にこの
位置が深い又は後方にある歯部であつたり、歯の
裏面であつたりする場合、これまで歯科で実施さ
れてきた照明状態では不充分であつた。

ドイツOS第3104239号の開示から、次のような
歯科ハンドピースが既に知られている。それは、
器具に向いた先端をもつ供給媒体導管としてのフ
アイバー形光導体（以下単に「光導体」というこ
とがある。）を有し、その後端は発光素子より光
を供給され、器具に向かう結合部材の端部に光導
体が配設されたものである。しかし、この既知の
ハンドピースは全く構造が異なる部類に属するも
のである。すなわち、歯石除去用歯科ハンドピー
スに関するものではなく、把持管に歯石除去器具
に振動を伝えるための振動発生機が設けられてい
ない。のみならず、この既知のハンドピースにお
いては、把持管の一端が駆動体が設けられてお
り、これはエア・タービンとして構成され回転可
能な歯科治療器具を直接駆動している。かような
ハンドピースでは、治療場所の照明は多少有利で
ある。しかし、既知のエア・タービン・ハンドピ
ースでの処理のあと常に例えば充填物の挿入のよ
うな治療が続いて行なわれるので、歯石除去歯科
ハンドピースに比べるとそれほどの重要性はな
い。これに対し、歯石除去歯科ハンドピースでの
治療はそれで完了であり、そのあと歯が受けた損
傷を修復する治療はもう行なうことができないの
である。

したがつて、本考案の目的は、奥の歯や歯の裏
側をも充分に照明しうると共に、外径が小さく把
持及び操作が容易な歯石除去用歯科ハンドピース
を提供することである。

〔考案の概要〕

本考案は、上述タイプの歯石除去用歯科ハンド
ピースにおいて、治療すべき歯の位置が歯石除去
の間充分に照明され治療者に明瞭に見えるように
すると共に、外径が小さくなるようにしたもので
ある。

本考案はよれば、治療すべき歯の位置の完全な
照明が得られ、治療者が歯石除去の過程を明瞭に
眼で追つてゆくことができる。これにより、見に
くいために治療が長引いて既に歯石のない歯にま
で損傷を与えたり、歯石の除去が不充分であつた
りすることが避けられる。また、本考案によれ
ば、ハンドピースの外径が小さくなり把持及び操
作が容易になる。

〔実施例〕

第１図は本考案の第１実施例のうち左端部を除
いて示す長手方向断面図、第２図は第１図のもの
の左端部を示す拡大断面図、第３図は本考案の第
２実施例のうち右端部を除いて示す断面図、第４
図は本考案の第３実施例を示す断面図、第５図は
第４図の−線に沿う横断面図である。

１は長く丸い把持管で、その中に振動発生機２
があり、把持管１の一端には歯石除去器具３が振
動可能に支持され、振動が伝わるように振動発生
機２と器具３とは接続されている。把持管１の内
部には媒体供給導管４があり、これは、把持管１
の器具３より遠い端部に設けられた結合部材５の
中間導管１９を介して媒体供給源（図示せず）に
つながる接続導管６に結合されている。

もう１つの媒体供給導管として、その前端が歯
石除去器具３の治療すなわち動作区域に向いた光
導体８が設けられる。これは、後端すなわち器具
３より遠い端部において、結合部材５の前端にあ
る光供給手段７より器具３に向かう光の供給を受
ける。光導体８は、例えばガラス、合成樹脂材な
どより成る光フアイバーの束でよい。

本考案では、光供給手段７は、結合部材５内の
導線１２につながる白熱ランプ１１で構成され
る。導線１２は、器具３より遠い端部で、媒体源
としての電源につながる器具３の方に向かう結合
導線１３の端部に接続される。

本考案においては、振動発生機２は空気作動型
であり、これに対するエネルギ供給導管は圧縮空
気導管１４である。また、光導体８は、圧縮空気
導管１４の内部において環状の空隙を残し同軸的
に配設される。

更に他の媒体供給導管４として、振動発生機２
から延びる排気導管１５が設けられる。これは、
振動発生機の領域において実質上把持管１の内部
空間により構成される。図示の諸例においては、
振動発生機２は、欧州特許出願第28531号に示す
タイプと同様、圧縮空気導管１４を緩く囲み間隙
を作つて半径方向に可動としたスリーブ３７より
成る。圧縮空気導管１４には半径方向に明けられ
た孔３８があり、これを通して空気が吹込んでス
リーブ３７に当たり、半径方向の往復運動を起こ
す。これによつて圧縮空気導管１４に与えられる
衝撃が振動を発生し、これが連結された歯石除去
器具３に伝達される。スリーブ３７が常に通気孔
３８の領域に位置するように、スリーブ３７の往
復運動は、圧縮空気導管１４上の環状ストツパー
３９により軸方向の動きが制限される。振動状態
になる圧縮空気導管１４は、共振体４０の形に形
成される。圧縮空気導管１４と把持管１間に、ね
じれ防止装置４１が設けられる（第４〜第５図）。

振動を伝える圧縮空気導管１４の器具３方向の
端部における支持体は４２で、器具３より遠い端
部における支持体（結合ホース４４に対するルー
プ状留め具４３）は４５で示す。

付加的な媒体供給導管４として、歯石除去器具
３につながる冷却媒体導管１７が設けられる。冷
却媒体は、空気、水又は空気と水の混合体から作
られるスプレーでもよい。第２図の例では、冷却
媒体導管１７は、治療区域に向いて冷却媒体を放
出する放出孔３４を有する中空状の器具３に接続
される。器具３の中空通路は、４９で示される。
第４図の例では、光導体８は中空で中空通路１８
を有し、これは冷却媒体導管１７を構成してい
る。

第１図の例では、結合部材５は把持管１に回転
可能に接続される。このため、結合部材５は把持
管１に対し自由に回転できる迅速結合カプリング
（quickconnect coupling）として構成され、こ
の迅速結合カプリングと把持管１の器具３より遠
い側の端部とにあらゆる回転位置で動作する媒体
転送手段２８，２９が設けられる。このため、結
合部材５には、断面円形で把持管１の器具３より
離れた端部に挿入可能なガイド・トラニオン３０
が設けられる。

液体、空気又は液体と空気の混合体から作られ
るスプレーに対する媒体転送手段は、ガイド・ト
ラニオン３０を囲み把持管内壁と接する２つの環
状閉塞（シーリング）素子３２の間にある放出口
２８（この放出口２８は、接続導管６に接続され
る結合部材５の中間導管１９と通じる。）と、放
出口２８に対応して把持管内壁の領域に設けられ
媒体供給導管４と通じる環状通路２９とにより、
構成される。

光に対する媒体転送手段２８，２９は、ガイ
ド・トラニオン３０の器具３側の端部に設けられ
る光供給手段７と光導体８の後端とにより、構成
される。光導体８は、把持管１内に同軸的に配設
される。

このほか、光導体８は点状に器具３に向けても
よい。

第２図の例では、光導体８の自由端は、冷却媒
体導管１７の放出孔３４から離れて配置される。
第３及び第４図の例では、これに対し、光導体８
の自由端は構造的に冷却媒体導管１７の放出孔３
４と結合している。

第３図の例では、歯石除去器具３は振動発生機
２と取外し可能に結合される。そのため、歯石除
去器具３の把持管側の端部に設けられた延長部３
５が振動発生機２の受け穴３６に挿入される。こ
うすると、器具の交換が容易になる。第３及び第
４図の例では、光導体８の器具３の延長部３５を
通つて軸方向に延びている。その端部は、円弧状
の器具３の先端に向けられる。

第４及び第５図の例では、歯石除去器具３は、
振動発生機２と一体に取外し又は交換可能の構造
となつている。歯石除去器具３は、把持管１の器
具より離れた端部にまで延びている。

第１、第３及び第４図の例では、光導体８は振
動発生機２（実際は圧縮空気導管１４）の内部に
配設されている。

また、振動発生機２及び圧縮空気導管１４は把
持管１内の中央に設けられている。

結合部材５は、第１図の例では、外部より動作
しうる制御素子５３が設けられた少なくとも１つ
の調整部材５４を有し、この部材は、少なくとも
冷却媒体導管１７として用いられる媒体供給導管
４と関連している。

ガイド・トラニオン３０を把持管１内に保持す
るに必要な締付け力を与える環状閉塞素子３２の
弾性が不充分の場合、第１図に示すように、ガイ
ド・トラニオン３０を所要の挿入軸位置に保持す
る保持装置３１が設けられる。このため、ガイ
ド・トラニオン３０の外壁に特殊な環状保持溝５
５を設け、把持管１側の壁にボール受け５６に支
持される少なくとも１つのロツキング・ボール５
７を設ける。ロツキング・ボール５７は、スプリ
ング５８の作用により環状保持溝５５と係合する
ため、表面が把持管１の壁の内面を越えて突出す
る小部分を有する。このため、ボール受け５６
は、上記の把持管１の壁の内面に一致する底面を
有すると共にロツキング・ボール５７の直径面よ
り小さい穴を有する。挿入又は取外し過程におい
て、ロツキング・ボール５７はスプリング５８の
作用に抗し環状保持溝５５より押出されるので、
容易迅速に挿入したり保持位置を緩めたりするこ
とができる。

〔考案の効果〕

以上説明したところから明らかなように、本考
案によれば、治療すべき歯の位置を充分に明るく
照らし、治療者が治療中の歯の状態を明瞭に見う
るため、既に歯石のない歯を傷めたり、歯石の除
去が不充分であつたりすることを防止できるの
で、歯石除去用歯科ハンドピースとして極めて大
きな効果が得られる。また、光導体を圧縮空気導
管内に配設したので、ハンドピースの外径が小さ
くなり把持及び操作が容易になる。他の部分もこ
れに従つて小さくできるので、製造コストを下げ
ることができる。更に、光導体の取付け、取替え
が簡単になり、ハンドピースを光導体なしで供給
しあとで光導体を取付けることも可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例のうち左端部を除
いて示す長手方向断面図、第２図は第１図のもの
の左端部を示す拡大断面図、第３図は本考案の第
２実施例のうち右端部を除いて示す断面図、第４
図は本考案の第３実施例を示す断面図、第５図は
第４図の−線に沿う横断面図である。 １……把持管、２……振動発生機、３……歯石
除去器具、４……媒体供給導管、５……結合手
段、６……接続導管、７……光供給手段、８……
フアイバー形光導体、１１……白熱ランプ、１２
……導線、１３……結合導線、１４……圧縮空気
導管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 長い把持管１、この把持管内に設けられた振
   動発生機２、上記把持管１の一端に設けられた
   振動可能な歯石除去器具３を有し、上記振動発
   振機２は上記器具３に接続されてこれに振動を
   伝え、上記把持管１には媒体供給導管４があ
   り、その中の１つは上記振動発生機に接続され
   たエネルギ供給導管であり、上記把持管の他端
   において上記媒体供給導管４が媒体源に通じる
   接続導管６に回転可能の結合手段５を介して接
   続された歯石除去用歯科ハンドピースであつ
   て、 光源と後端において接続可能であり、上記把
   持管１内において軸方向に延び、上記歯石除去
   器具が設けられた位置に至り、上記器具の先端
   を指向するフアイバー形光導体８が設けられ、
   該光導体８は光供給手段７の上記器具側の端部
   に面し且つそこで終端し、上記光供給手段７は
   上記結合手段５内に導線１２をもつ白熱ランプ
   １１を有し、上記導線１２は上記器具から遠い
   端部において媒体源としての電源に通じる結合
   導線１３の上記器具側の端部に接続され、 上記振動発生機２は空気作動型であり、上記
   エネルギ供給導管は圧縮空気導管１４を有し、
   上記光導体８は上記圧縮空気導管１４内に環状
   空隙を残して配設されることを特徴とする歯石
   除去用歯科ハンドピース。 ２ 上記媒体供給導管４に、上記歯石除去器具３
   に通じる少なくとも１つの冷却媒体導管１７を
   有する実用新案登録請求の範囲１項記載の歯石
   除去用歯科ハンドピース。 ３ 上記光導体８は、中空であつて冷却媒体導管
   １７を構成する中空通路１８を有する実用新案
   登録請求の範囲２項記載の歯石除去用歯科ハン
   ドピース。 ４ 光に対する媒体転送手段２８，２９は、上記
   結合手段５のガイド・トラニオン３０の上記器
   具側の端部に配設された光供給手段７及び上記
   光導体８の後端により構成された実用新案登録
   請求の範囲１ないし３項のいずれか１つに記載
   の歯石除去用歯科ハンドピース。 ５ 上記光導体８は、上記把持管１内を同軸的に
   延びるように設けられた実用新案登録請求の範
   囲１ないし４項のいずれか１つに記載の歯石除
   去用歯科ハンドピース。 ６ 上記光導体８の自由端は、上記冷却媒体導管
   １７の放出孔３４と一体的に構成された実用新
   案登録請求の範囲２ないし５項のいずれか１つ
   に記載の歯石除去用歯科ハンドピース。 ７ 上記光導体８は、上記振動発生機２の内部に
   配置された実用新案登録請求の範囲１ないし６
   項のいずれか１つに記載の歯石除去用歯科ハン
   ドピース。