JPS634812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、チエーンと、これに移動固定自在に
備えられる吊金具とから成る吊下装置に関し、吊
金具のチエーンに対する移動調整を容易にワンタ
ツチで行えるようにすることを目的とする。

例えば、絵画や鏡等の吊下物を吊下げる吊下装
置として、一端が固定側に係止されるチエーン
と、チエーンにその長手方向に移動固定自在に備
えられて上記吊下物側の引掛環と係合される吊金
具とから成るものがあり、このチエーンとして
は、例えば、ボールと連結軸とを交互に連設する
ことで構成されたボールチエーンを使用してい
る。ところで、従来においては、吊金具を、引掛
環と係合されるフツクを備え且つチエーンに外嵌
される筒状本体と、本体に進退自在に螺挿されて
先端部でチエーンを本体内壁に押付けることで吊
金具とチエーンとを固定する固定螺子とから構成
しており、吊金具をチエーンに対して移動調整す
る際には、わざわざ固定螺子を螺進退させなけれ
ばならず、吊金具のチエーンに対する移動調整を
容易にワンタツチで行なうことができないと云う
問題があつた。

本考案は上記問題を解決したものであつて、そ
の特徴とする処は、連結軸４と該連結軸４より大
径の球体５とを交互に多数連結して成りかつ上下
方向に吊下げられるチエーン１を備えると共に、
該チエーン１に上下方向に移動固定自在に取付け
られる吊金具３を備え、吊金具３は、チエーン１
に対して上下摺動自在に外嵌される本体７と、本
体７をチエーン１に対して上下摺動不能に固定す
る固定体９とを具備し、吊下具３の本体７に、前
記チエーン１の球体５の直径よりもやや大きな貫
通孔１１が上下方向に形成され、本体７が貫通孔
１１を介してチエーン１に上下摺動自在に外嵌さ
れた吊下装置において、 前記固定体９は、前壁９ａと、前壁９ａの上下
両端から後方に折曲した天壁９ｂ及び底壁９ｃと
を側面視コ字形に備え、該固定体９はその天壁９
ｂ及び底壁９ｃが、本体７の上下端部に対して前
方側から前記貫通孔１１に直交するように、前後
方向摺動自在に挿通され、固定体９の天壁９ｂ及
び底壁９ｃには、貫通孔１１内のチエーン１が挿
通される挿通孔１２，１３が夫々設けられ、該各
挿通孔１２，１３は、チエーン１の連結軸４のみ
が上下方向に挿通可能で球体５が挿通不能な後側
の小挿通部１４と、連結軸４及び球体５を上下方
向に挿通可能な前側の大挿通部１５とを前後に連
続するように有し、 本体７前面には、前記貫通孔１１の前方に位置
しかつ固定体９の前壁９ａに対向するように、後
方に凹入された凹設部１６が設けられ、凹設部１
６の前面と固定体９の前壁９ａとの間に、天壁９
ｂ及び底壁９ｃの各挿通孔１２，１３の小挿通部
１４にチエーン１の連結軸４が入り球体５を各挿
通孔１２，１３の開口縁部で上下挿通不能に係合
するように、固定体９を本体７に対して前方に付
勢するバネ１０が設けられ、 前記固定体９の天壁９ｂと底壁９ｃとは、その
両壁９ｂ，９ｃ間にチエーン１の球体５を複数個
収納するように上下方向に離間されている点にあ
る。

以下、本考案を第１図乃至第５図の図面に基づ
き説明すれば、吊下装置は、チエーン１と、係合
体２と、吊金具３等から成る。

チエーン１は連結軸４と、該連結軸４より大径
の球体５とを交互に連設することで構成されてい
る。連結軸４の各端部側は隣接する各球体５に対
して相対移動自在で且つ離脱不能に挿入されてい
る。チエーン１の下端部には吊金具３のチエーン
１下方側への抜けを防止する筒状抜止め部材６が
外嵌固着されている。

係合体２は、壁面等に固設されたフツク等に係
合されるもので、リング状とされ、チエーン１の
上端部に着脱自在に備えられている。

吊金具３はチエーン１に上下方向に移動固定自
在に備えられるもので、本体７と、フツク８と、
固定体９と、コイルバネ１０等から成る。本体７
はチエーン１に対して外嵌されるもので、本体７
には、チエーン１が移動自在に挿通される貫通孔
１１が上下方向に形成されている。フツク８は、
絵画や鏡等の吊下物に固設された引掛環等に係合
されるもので、本体７下端部に固設されている。
固定体９は吊金具３をチエーン１に対して固定す
るもので、側面視コ型とされ、前壁９ａと、その
上下端部から後方に突設された天壁９ｂ及び底壁
９ｃとから成る。固定体９はその天壁９ｂ及び底
壁９ｃが本体７の上下端部に対して前方側から前
後方向に移動自在に挿入されるもので、その天壁
９ｂ及び底壁９ｃには、チエーン１が挿通される
挿通孔１２，１３が夫々形成されている。各挿通
孔１２，１３は、小挿通部１４と大挿通部１５と
から成る。小挿通部１４は矩形状とされて連結軸
４のみが通過可能とされている。又、大挿通部１
５は小挿通部１４に対してその前方側で連設され
ており、小挿通部１４より面積が大きな惰円形状
とされて、連結軸４及び球体５が通過可能とされ
ている。本体７前面側の固定体９の前壁９ａと対
応する部分は後方に凹設されて凹設部１６とされ
ると共に、凹設部１６前面側には、前方に突出す
る突出軸１７が形成されている。コイルバネ１０
は、突出軸１７に一部捲周された状態で、凹設部
１６前面と固定体９の前壁９ａ間に弾発状に介装
されており、このコイルバネ１０の弾発力によ
り、固定体９が前方に付勢されて、各挿通孔１
２，１３の小挿通部１４がチエーン１に対して係
合するようにされており、各挿通孔１２，１３の
小挿通部１４がチエーン１の連結軸４と係合する
ことで、吊金具３はチエーン１に対して固定され
る。

上記構成によれば、吊金具３をチエーン１に対
して移動調整する際には、固定体９を押圧して後
方に移動させ、各挿通孔１２，１３の大挿通部１
５内にチエーン１が位置するようにして、吊金具
３のチエーン１に対する固定を解除した後、吊金
具３をチエーン１に対してその長手方向、即ち、
上下方向に所望量移動させ、而る後に、固定体９
の押圧を解除して、固定体９をコイルバネ１０に
より原位置に復帰させ、各挿通孔１２，１３の小
挿通部１４をチエーン１の連結軸４と係合させる
ことで、吊金具３を所望の移動位置でチエーン１
に固定できるのであり、吊金具３のチエーン１に
対する移動調整を容易にワンタツチで行える。

以上詳述したように、本考案によれば、固定体
９を押圧して後方移動させることにより、吊金具
３のチエーン１に対する固定を簡単に解除でき、
また固定体９の押圧解除により、バネ１０の付勢
によつて固定体を前後移動させ、吊金具３を所望
の上下位置でチエーン１に簡単に固定でき、従つ
て、吊金具３のチエーン１に対する移動調整をワ
ツタツチで容易に行える。

さらに、本考案によれば、固定体９は、前壁９
ａと、前壁９ａの上下両端から後方に折曲した天
壁９ｂ及び底壁９ｃとを側面視コ字形に備え、天
壁９ｂと底壁９ｃとは、その両壁９ｂ，９ｃ間に
チエーン１の球体５を複数個収納するように上下
方向に離間されているので、天壁９ｂ及び底壁９
ｃが互いに大きく離間した状態で本体７の上下端
部に対して前後摺動するため、固定体９はガタ付
く惧れなく、スムーズに前後移動することが可能
であり、吊金具３の移動調整をより一層容易にな
し得るし、また固定体９を単に板材の折曲加工に
より、簡単かつ安上りに形成できる。

しかも、天壁９ｂ及び底壁９ｃの各挿通孔１
２，１３は、チエーン１の連結軸４のみが上下方
向に挿通可能で球体５が挿通不能な後側の小挿通
部１４と、連結軸４及び球体５を上下方向に挿通
可能な前側の大挿通部１５とを前後に連続するよ
うに有しているので、バネ１０の付勢により固定
体９が本体７に対して前方移動して、各挿通孔１
２，１３の小挿通部１４にチエーン１の連結軸４
が入り、球体５を極力広い範囲で各挿通孔１２，
１３の開口縁部によつて確実に係合することがで
き、チエーン１の球体５と挿通孔１２，１３の開
口縁部との係合が不測に外れるようなことがなく
なり、吊金具３をチエーン１に対して強固に固定
保持しておくことができる。

また、本体７前面には、前記貫通孔１１の前方
に位置しかつ固定体９の前壁９ａに対向するよう
に、後方に凹入された凹設部１６が設けられ、凹
設部１６の前面と固定体９の前壁９ａとの間に、
固定体９を本体７に対して前方に付勢するバネ１
０が設けられているので、固定体９の天壁９ｂと
底壁９ｃとの間における前壁９ａと本体７との間
にバネ１０をコンパクトに収納できるため、吊金
具３の前後方向の寸法を極力小さくでき、従つて
取付けた際に吊金具３が壁や柱等から大きく前方
突出せずに済み、吊金具３に物が衝当したりする
ようなことを効果的に防止し得る。また、貫通孔
１１、固定体９及びバネ１０は前後に対応した位
置にあるため、吊金具３の左右方向の寸法も極力
小さくでき、装置全体をコンパクトになし得、そ
の実用的効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の一実施例を示し、
第１図は正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視
断面図、第３図乃至第５図の各図は第２図のＢ−
Ｂ線、Ｃ−Ｃ線、Ｄ−Ｄ線各矢視断面図である。 １……チエーン、２……係合体、３……吊金
具、４……連結軸、５……球体、７……本体、８
……フツク、９……固定体、１０……コイルバ
ネ、１１……貫通孔、１２，１３……挿通孔、１
４……小挿通部、１５……大挿通部、１６……凹
設部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 連結軸４と該連結軸４より大径の球体５とを交
   互に多数連結して成りかつ上下方向に吊下げられ
   るチエーン１を備えると共に、該チエーン１に上
   下方向に移動固定自在に取付けられる吊金具３を
   備え、吊金具３は、チエーン１に対して上下摺動
   自在に外嵌される本体７と、本体７をチエーン１
   に対して上下摺動不能に固定する固定体９とを具
   備し、吊下具３の本体７に、前記チエーン１の球
   体５の直径よりもやや大きな貫通孔１１が上下方
   向に形成され、本体７が貫通孔１１を介してチエ
   ーン１に上下摺動自在に外嵌された吊下装置にお
   いて、 前記固定体９は、前壁９ａと、前壁９ａの上下
   両端から後方に折曲した天壁９ｂ及び底壁９ｃと
   を側面視コ字形に備え、該固定体９はその天壁９
   ｂ及び底壁９ｃが、本体７の上下端部に対して前
   方側から前記貫通孔１１に直交するように、前後
   方向摺動自在に挿通され、固定体９の天壁９ｂ及
   び底壁９ｃには、貫通孔１１内のチエーン１が挿
   通される挿通孔１２，１３が夫々設けられ、該各
   挿通孔１２，１３は、チエーン１の連結軸４のみ
   が上下方向に挿通可能で球体５が挿通不能な後側
   の小挿通部１４と、連結軸４及び球体５を上下方
   向に挿通可能な前側の大挿通部１５とを前後に連
   続するように有し、 本体７前面には、前記貫通孔１１の前方に位置
   しかつ固定体９の前壁９ａに対向するように、後
   方に凹入された凹設部１６が設けられ、凹設部１
   ６の前面と固定体９の前壁９ａとの間に、天壁９
   ｂ及び底壁９ｃの各挿通孔１２，１３の小挿通部
   １４にチエーン１の連結軸４が入り球体５を各挿
   通孔１２，１３の開口縁部で上下挿通不能に係合
   するように、固定体９を本体７に対して前方に付
   勢するバネ１０が設けられ、 前記固定体９の天壁９ｂと底壁９ｃとは、その
   両壁９ｂ，９ｃ間にチエーン１の球体５を複数個
   収納するように上下方向に離間されていることを
   特徴とする吊下装置。