JPS5938884Y2 - スライドフアスナ−用自動停止装置付きスライダ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、スライドファスナーに使用されるスライダ
ーであって、引手の振動操作により停止爪付きスプリン
グの停止爪をスライダー胴体内より浮き沈み可能に構成
した自動停止装置を備えているスライダーに関するもの
である。

本考案の目的は、停止爪付きスプリングが弾力的に働く
有効区間を長くしてスプリングの耐久性を向上し、且つ
スライダーを停止及び解除する機能が確実に得られるス
ライドファスナー用自動停止装置付きスライダーを提供
することにある。

従来、この種のスライダーに設けられる自動停止装置と
して、板バネで成形されたスプリングに停止爪を設け、
該爪をスライダー胴体の引手取付面にあけた透孔に突入
し、更に引手の軸部と一体のカム部上に該スプリングを
圧接し、スライダー胴体の前方部に延長するスプリング
の先端部を、スライダー胴体に形成した凹溝あるいは凹
孔などの係止部に加締め等により嵌止したものがある。

そして引手をスライダー胴体の後方に倒伏しである時に
は、停止爪がスライダー胴体内に突入しているが、引手
を起立すると、スプリングが前端の嵌止部を支点として
押し上げられて停止爪がスライダー胴体内より浮上する
ものである。

上記構成を有するスライダーでは、スプリング全長のう
ち、引手によって押し上げる力が加えられる箇所と前端
の嵌止部との間の実質的に弾性を持って働く部分の長さ
が構造上短かいため、停止爪の出入操作に伴って弾力の
最も働く部分が大きく変位し、長期の使用に従ってスプ
リングの疲労度が激しく十分な停止作用を保持し得なく
なる等耐久性に問題があった。

この考案は以上の問題点を解決するために創案されたも
ので、本考案による実施例によって説明すると、第１図
及び第３図に示す如く、スライダー胴体１の引手取付面
すなわち上片１ａ上に一対の引手保持部２，２を左右に
間隔を配して設け、両引手保持部２，２に引手３の軸部
４を擦動可能に軸支したもので、引手３の軸部４に断面
かはパ扇形を威すカム部５を有する。

このスライダー胴体１の引手取付面すなわち上片１ａに
両引手保持部２，２の間のやや後方に位置して透孔６が
明けてあり、引手保持部２の前方部に位置して上下片１
ａ、ｌｂを連結する首部１Ｃに、縦穴７を上片１ａより
下片１ｂに亘って貫いであると共に、縦穴７の前側壁７
ａははパ直立状態になっており、後側壁７ｂは縦穴７の
上片１ａ側の開放ロアｃより深まるに従って順次前側壁
７ａ寄りに近づくように傾斜して明けてあり、更に前記
後側壁７ｂの下方部に段状に切欠いた係止部８が形成し
である。

また、スライダー胴体１の引手取付面すなわち上片１ａ
における前記開放ロアｃの両側部に、夫々隆起部９，９
をスライダー胴体１の前後方向に向けて突設し、該隆起
部９゜９後方部すなわち引手保持部２と相対する面を、
後方より前方へ順次高くなる傾斜をもつ案内面１０に形
成したものである。

尚、前記係止部８は縦穴７内に設けたものであるが、縦
穴７を設けづスライダー胴体１の前端すなわち首部１ｃ
の前端面に凹溝を設け、該凹溝の下部に前述と同様に切
欠いた係止部を形成することもある。

また、前記隆起部９は開放ロアｃの両側に設けであるが
、これを片方に設けることにもある。

次に、停止爪付きスプリング１１はステンレスの板バネ
を屈曲して形成したもので、一端に直立する停止爪１２
を有し、被水１２に連続して引手３のカム部５上に圧接
する屈曲段部１１ａを設け、屈曲段部１１ａより水平に
延長する水平部１１ｂの両側に、前記案内面１０．１０
上に係合する肩部１３を形成し、更に水平部１１ｂに続
いて下方に彎曲する屈曲部１１Ｃを介し垂下部１１ｄを
設け、垂下部１１ｄの下端に前記係止部８に係合する屈
折した係止片１４を備えたものである。

また、第１図図示の如く、スプリング１１は肩部１３を
境として適切なバネ性を得べく前方部を後方部より細巾
に底形しである。

そこで、引手３を取付けたスライダー胴体１に対して停
止爪付きスプリング１１は、その屈曲段部１１ａを引手
３のカム部５上に圧接し、停止爪１２を透孔６に突入し
、肩部１３を案内面１０上に係合し、且つ垂下部１１ｄ
を縦穴７内に挿入し、凹溝が設けである場合には凹溝に
挿入し、係止片１４を係止部８に係合して、スプリング
１１を案内面１０と係止部８で支持したものである。

尚、スプリング１１の垂下部１１ｄを縦穴７内に挿入す
る場合には、屈曲部１１ｃが縦穴７の空間部に存在し前
側壁７ａに接しないように形成しである。

引手３を装着したスライダー胴体１に停止爪付きスプリ
ング１１を組み込む場合には、第３図ａ。

ｂに示す如く、カム部５上にスプリング１１の屈曲段部
１１ａが被り、停止爪１２が透孔６に垂下部１１ｄが縦
穴７内に夫々挿入されるように落し込んでから、パンチ
１５によってスプリング１１の水平部１１ｂを押し下げ
れば、係止片１４が傾斜する後側壁７ｂによって案内さ
れ、下降するに従って屈曲部１１ｃの彎曲度合が拡がる
ように開き、係止片１４が係止部８に至った際、スプリ
ング１１の反発力に上り係止部８に係合し、同時に肩部
１３が案内面１０に係合される。

この考案は以上の構造であって、第４図のａ図に示す如
く、引手３をスライダー胴体１の後方に倒しである状態
では、停止爪１２が透孔６を貫通してスライダー胴体１
内に突入しているが、第４図すのように引手３を起立す
れば、カム部５によって停止爪がスライダー胴体１内よ
り浮上するものので、再び引手３を元のように倒せば停
止爪１２が透孔６内に突入することは従来のものと同様
であるが、停止爪１２が浮止及び突入する時には、スプ
リング１１は、後側壁７ｂの下方に設けた係止部８に係
止している係止片４を支点とし且つ肩部１３が案内面１
０に沿って上下に揺動する。

しかも、隆起部９の案内面１０が、引手３の擦動による
スプリング１１の理想的な且つ抵抗の少ない弾性変形を
容易にずべき形成になっているため、スプリング１１の
肩部１３は案内面１０に沿って円滑に動くものである。

また、第４図Ｃのように、引手３をスライダー胴体１の
前方に倒した時も前述と同様に停止爪１２は浮上する。

以上のように、この考案によるスライドファスナー用自
動停止装置付きスライダーは、スライダー胴体の引手取
付面に組込む停止爪付きスプリンググに肩部を設け、該
肩部をスライダー胴体の引手取付面に設けた隆起部の案
内面に係合し、またスプリングの肩部より前方の屈曲し
て延設する垂下部の下端に係止片を設け、該係止片をこ
れと対向するスライダー胴体の一部に設けた係止部に係
合したもので、スプリングが垂下部の下端と肩部とで保
持されているため、スプリングは上下に円滑に摺動し、
またスプリングの反発力の作用する区間が肩部から垂下
部の下端にまで及び、長い区間で変位を分担することか
らスプリング単位長さ当たりの変位量を小さくでき、そ
のためスプリングを長期に亘って繰り返し変形されても
その停止機能を常に良好な状態に維持する優れた効果を
発揮するものである。

更にスプリングの肩部が案内面に係合しであるため、ス
プリングの揺動中に捩れることもなく確実に作動し、停
止及び解除する機能が長期に亘り安定して発揮されるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるスライドファスナー用自動停止
装置付きスライダーを示す正面図、第２図は停止爪付き
スプリングの装着状態を示す要部斜視図、第３図ａ、
ｂはスライダー胴体に停止爪付きスプリングを組み込
む工程を“示す断面図、第４図ａ、 ｂ、 ｃは引
手の起倒による停止爪付きスプリングの作動を示す断面
図である。 １・・・・・・スライダー胴体、１ａ・・・・・・引手
取付面、１ｃ・・・・・・首部、２・・・・・・引手保
持部、３・・・・・・引手、６・・・・・・透孔、７・
・・・・・縦穴、７ａ・・・・・・開放口、８・・・・
・・係止部、９・・・・・・隆起部、１０・・・・・・
案内面、１１・・・・・・停止爪付きスプリング、１１
ｂ・・・・・・水平部、ｌｌｄ・・・・・・垂下部、１
２・・・・・・停止爪、１３・・・・・・肩部、１４・
・・・・・停止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スライダー胴体１の引手取付面１ａに組込む停止爪付き
   スプリング１１の中間部に肩部１３を設け、該肩部１３
   を、スライダー胴体１の引手取付面１ａに突設した隆起
   部９の後方より前方へ順次高く傾斜する案内面１０に係
   合し、且つ停止爪付きスプリンング１１の肩部１３より
   前方の屈曲して下方へ延長する垂下部１１ｄの下端に係
   止片１４を設け、該係止片１４がスライダー胴体１に形
   成した係止部８に係合しであることを特徴とするスライ
   ドファスナー用自動停止装置付きスライダー。