JPH0247878Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、帽子、小物などを吊下げるために
壁や机に取付けられる吊下げフツクに関する。

小物などをフツク部に引掛けて吊下げる吊下げ
フツクは、従来壁やタンスあるいは机に対してこ
の吊下げフツクを取付ける取付部と前記フツク部
とが一体構成であるため、取付場所が傾斜してい
ると、フツク部を鉛直方向に向けることができ
ず、取付部とフツク部の角度が取付場所の傾斜角
度に応じた角度に形成された他の吊下げフツクを
使用する必要があり、使用者は種々の吊下げフツ
クを用意しなければならなかつた。

又、上記従来技術の欠点を解消すべく、例え
ば、実公昭46−28823号公報並びに実公昭46−
35393号公報に記載の考案が提案されている。即
ち、フツクと取付部材とを球状体で嵌合係止し、
以てフツクを取付部材に対して相対揺動可能にし
たのである。

しかし、これらの従来技術では、フツクに荷重
がかかると球状体の支持軸芯は、常に鉛直方向に
向くようになつていて、両者の相対位置が適宜の
角度を要求される場合には、確実な係合状態を得
ることができないと言う欠点があり、従つて斜め
になつた壁や桟等に取付て用いることができなか
つたのである。

この考案は、上記事情に鑑みなされたものであ
つて、取付場所がいかなる傾斜をしていてもフツ
ク部を鉛直方向に垂れ下げることができる吊下げ
フツクを提供し、一種類の吊下げフツクを多様な
場所に使用できるようにすることを目的とする。

以下、図面に基いてこの考案の実施例を説明す
る。

吊下げフツク１は、フツク部材２と、このフツ
ク部材２を回動自在に支持する取付部材３によつ
てなる。

フツク部材２は、下方にし字状のフツク４が形
成されており、上方にこのフツク４の突出方向と
反対方向に突設された先端が球状の連結部５を有
している。

取付部材３は、表面中央に前記連結部５の球状
先端を嵌合する受け部６を具備しており、この受
け部６に連結部５が球状先端を支点として移動す
ることができる上下方向の間隙７を設けることに
より、フツク部材２を該取付部材３に回動自在に
支持している。

上記のように構成された吊下げフツク１は、第
４図に示すように、取付部材３を傾斜面に取付け
ても、連結部５が受け部６の間隙に沿つて移動す
ることにより、フツク部材２が鉛直方向に垂れ下
がるようにすることができる。

又、この吊下げフツク１は、取付部材３をねじ
やくぎによつて壁面に取付けたり、両面テープや
接着剤により机などに取付けて使用するが、第５
図に示すように、壁面などに取付けた断面Ｃ字形
のレール８に取付部材３を摺動自在に嵌合させて
もよく、このようにすれば、フツク部材２に引掛
けて吊下げる品物の大きさにより、各吊下げフツ
ク１の間隔をレール８に沿つて自在に調整するこ
とができる。又、この時、第１図乃至第３図に示
す吊下げフツク１のように四隅に円形の耳９を突
設しておけば、摺動時の摩擦を小さくすることが
でき、摺動が滑らかになる。

なお、受け部５の間隙７を外面側が広くなるよ
うにすることにより、フツク部材２は取付部材３
に対して左右方向にも回動することができる。
又、フツク４の形状は鍵型など実施例以外の形状
であつてもよい。

上記第１図乃至第５図の例では連結部５をフツ
ク部材２に設け、受け部６を取付部材３に設けて
いるが、第６図及び第７図に示すように連結部
５′を取付部材３の前面部に突設し、受け部６′を
フツク部材２の上端部に形成してもよい。該受け
部６′はフツク部材２の先端からその長手方向に
割れ目が入つたもので、連結部５′に対する回動
範囲が広い。第６図ではフツク部材２に単一のフ
ツク４を形成しているが、第７図ではフツク部材
２の前後両面にフツク４，４を形成している。こ
のようなフツク部材２は、連結部５′を下向きに
した取付部材３に取着することとし、その取付部
材３は天井等に設けたレール８にスライド自在に
保持させる。

以上の説明から明らかなように、この考案によ
る吊下げフツク１を用いれば、取付場所がいかな
る傾斜角度であつても、前記取付部材を平板状に
構成し、その略中央部にこの平板面に垂直方向に
受け部を突出させて設け、この受け部に上下の方
向にスリツトを形成するとともに、そのスリツト
内部に球面状凹部を形成し、且つ前記フツク部材
を前記受け部のスリツトから押し込めて前記球面
状凹部に嵌合できる略球状の連結部と、この球状
連結部の接線方向に伸びて下端が湾曲したフツク
とから構成したことによつて、フツク部材を鉛直
方向に垂れ下げることができるから、その使用範
囲は従来の吊下げフツクに比べ格段に広くなり、
使用者は一種類の吊下げフツクを用意しておけ
ば、あらゆる場所にこれを使用することができる
という効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の正面図、第２図は同じく側面
図、第３図は上面図、第４図は傾斜面に取付けた
時の側面図、第５図は使用例を示す説明図、第６
図及び第７図はそれぞれ他の実施例の分解斜視図
である。 １……吊下げフツク、２……フツク部材、３…
…取付部材、５，５′……連結部、６，６′……受
け部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フツク部材と取付部材の二部材の相互の嵌合係
   止によつて構成した吊り下げフツクにおいて、前
   記取付部材を平板状に構成し、その略中央部にこ
   の平板面に垂直方向に受け部を突出させて設け、
   この受け部に上下の方向にスリツトを形成すると
   ともに、そのスリツト内部に球面状凹部を形成
   し、且つ前記フツク部材を前記受け部のスリツト
   から押し込めて前記球面状凹部に嵌合できる略球
   状の連結部と、この球状連結部の接線方向に伸び
   て下端が湾曲したフツクとから構成したことを特
   徴とする吊り下げフツク。