JPS634777Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は電柱を直立状態に保持するための支線
とアンカーボルトとの連結部を保護するとともに
電柱と地面間に斜めに張設された支線を目立たせ
る標識となる支線ガードに関する。

（従来の技術） 従来、電柱の支線とアンカーボルトとの連結部
を被覆した支線ガードは、前記連結部よりも大径
の合成樹脂管を軸方向に切開いて、アンカーボル
トの下端から支線の途中までを包囲させ、切開部
をつき合せて接着テープや係止具で止めた構成も
のがあるが、アンカーボルトの下端から支線の途
中までの長さを有しかつ大径の管であるため材料
費が嵩み、また通行の邪魔になつたり外観が重く
るしい感じになり、さらに開口部の閉止作業に手
間がかかる等の問題があつた。また、このような
問題を解決したものとして支線とアンカーボルト
の連結部にのみ大径筒を嵌着し、支線とアンカー
ボルトには夫々小径管を嵌着し大径筒の両端に小
径管を接続した構成のものもある。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように、支線とアンカーボルトの連結部
には大径筒を、支線とアンカーボルトには夫々小
径管を嵌挿した構成によるときは、大径筒の両端
とそれぞれの小径管との接続の手段として、小ね
じや、プラスチツク係止具を用いたり、キヤツプ
を用いて接続しているが、接続作業が煩雑であ
り、接続部に力が加わつた場合にプラスチツク係
止具等が破損したり脱落したりし易く、また、接
続部において回動し内部の支線やアンカーボルト
によじれを生ずるという問題がある。

本考案の目的は、支線とアンカーボルトの連結
部を包囲したガード本体と支線とアンカーボルト
を夫々包囲した小径ガード管との接続を確実にか
つ容易にし、接続部分からの破損を防止しさらに
支線やアンカーボルト、並に両者の連結部の出し
入れを容易にしかつ支線によじれを生じない支線
ガードを提供するものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の支線ガードは、電柱の支線とアンカー
ボルトとの連結部を包囲する扁平筒部とこの扁平
筒部の両端より外方に一体に突出された小径接続
筒部とよりなり軸方向全長に切開かれた開口部を
有する合成樹脂製ガード本体と、このガード本体
の外周を巻き締める巻締環と、軸方向全長に開口
部を有し前記支線とアンカーボルトを夫々包囲し
前記接続筒部が内接嵌着されて固定される合成樹
脂製小径ガード管とよりなり、前記接続筒部の外
周に形成した軸方向の突条に前記ガード管の内周
に形成した軸方向の凹条を係合させてなることを
特徴とするものである。

（作用） 本考案の支線ガードは、ガード本体の両端とガ
ード管の接続部がガード本体の両端に形成した軸
方向の突条とガード管の端部に形成した軸方向の
凹条を係合して互に嵌合されて固定され、互に回
動することなく接続され、３者の軸方向の開口部
は同一直線状となり、夫々の開口部から支線、ア
ンカーボルト及び両者の連結部が円滑に挿入され
る。また接続部が回動しないため支線またはアン
カーボルトが撚じれるようなことがない。

さらにガード本体を捲締めた巻締環によつて支
線とアンカーボルトの連結部がガード本体の軸方
向の開口部から露出するのが防止される。

（実施例） 本考案の実施例を図面について説明する。

１は合成樹脂製ガード本体であり、電柱２の支
線３とアンカーボルト４との連結部５を包囲する
扁平筒部６と、この扁平筒部６の両端を絞つて同
軸で外方に一体に突出形成した小径接続筒部７，
７とが射出成形またはブロー成形によつて一体に
形成され、この接続筒部７，７の外周には軸方向
の突条８，８が形成され、さらにガード本体１は
軸方向の全長が切開かれて開口部９が形成されて
いる。

また１０は巻締環で前記ガード本体１の中央部
に巻き締められている。巻締環１０は一部を開口
させ開口端に係合機構を有する環体、接着テープ
等の巻締め、または、一方の面に多数のリング状
繊維を有し他方の面に多数の鈎状突起を有し、巻
締めによつてリング状繊維と鈎状突起が係合して
結合する面テープ等により構成されている。 １
１，１２は支線３とアンカーボルト４を夫々包囲
した合成樹脂製小径ガード管で、軸方向の全長に
開口部１３，１３が形成され前記接続筒部７に外
接嵌挿される接続部１４，１４の内周には前記接
続筒部７の突条８に係合する凹条１５が形成され
るとともに前記開口部１３と対向する位置に切込
溝１６が形成されている。またガード管１１の上
端開口部には上端に線挿通孔１７を開口し軸方向
の開口部１８を有するキヤツプ１９が外接嵌着さ
れ、このキヤツプ１９の内周面に形成され軸方向
と円周方向とにＬ型に突出した突起２０を、ガー
ド管１１の上端に切欠き形成されたＬ型の切欠２
１に嵌着してキヤツプ１９がガード管１１に被嵌
される。

そして接続筒部７と接続部１４は接着剤による
接着または超音波溶着、高周波溶着、溶剤による
溶着によつて固定される。

次に上記実施例の作用を説明する。

ガード本体１の軸方向の開口部９とガード管１
１，１２の軸方向の開口部１３，１３を同一直線
状に合致させてガード本体１の両端の接続筒部
７，７の外周の突条８，８をガード管１１，１２
の内周の凹条部１５，１５に係合させ両者を嵌合
させ接着または溶着によつて固定する。次に一方
のガード管１２をアンカーボルト４の地上に突出
した長さと略等しい長さに切断する。次にガー
ド本体１にその開口部９から連結部５を挿入しガ
ード管１１，１２に夫々の開口部１３，１３から
支線３とアンカーボルト４を挿入して夫々の開口
部９，１３，１３を閉じ、ガード本体１を巻締環
１０で巻締める。さらに上方のガード管１１の上
端には開口部１８を拡開してキヤツプ１９を嵌着
しこのＬ型の突起２０をガード管１１のＬ型の切
欠２１に圧入して固定させる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、合成樹脂製ガード本体に電柱
の支線とアンカーボルトとの連結部を包囲する扁
平筒部とこの両端より外方に一体に突出した小径
接続筒部を形成し軸方向全長に開口部を形成し、
さらに、前記支線とアンカーボルトには夫々軸方
向全長に開口部を有する合成樹脂製小径ガード管
を嵌挿し、前記接続筒部をガード管に嵌着して固
定したから、ガード本体が扁平でかつ長さが短く
ガード管が細く形成され、全体として小型化して
材料が節減されるとともに通行の邪魔になるよう
なことがなく、ガード本体とガード管の接続は両
者の接続筒部と端部を嵌着し接着または溶着によ
り接続すればねじや係止具を必要とせず係止具の
破損や脱落によるガード本体やガード管の損傷も
なく長期に亘り確実に保護をさせることができ
る。また、ガード本体とガード管とは夫々端部軸
方向の突条と凹条で係合されているため互に回動
することがなく、ガード本体と両端のガード管の
軸方向の開口部を一直線状にさせることができ、
支線、アンカーボルト並に両者の連結部の挿脱が
容易となりまた内部の支線、アンカーボルトのね
じれを防止することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の支線ガードの取付状態を示す
正面図、第２図は同上縦断正面図、第３図は同上
一部を切欠いた側面図、第４図は同上Ａ−Ａ線断
面図、第５図は第３図のＢ−Ｂ線断面図、第６図
は同上キヤツプとガード管上端部の斜視図であ
る。 １……ガード本体、２……電柱、３……支線、
４……アンカーボルト、５……連結部、６……扁
平筒部、７……接続筒部、８……突条、９，１３
……開口部、１０……巻締環、１１，１２……ガ
ード管、１５……凹条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電柱の支線とアンカーボルトとの連結部を包囲
   する扁平筒部とこの扁平筒部の両端より外方に一
   体に突出された小径接続筒部とよりなり軸方向全
   長に切開かれた開口部を有する合成樹脂製ガード
   本体と、このガード本体の外周を巻き締める巻締
   環と、軸方向全長に開口部を有し前記支線とアン
   カーボルトを夫々包囲し前記接続筒部が内接嵌着
   して固定される合成樹脂製小径ガード管とよりな
   り、前記接続筒部の外周に形成した軸方向の突条
   に前記ガード管の内周に形成した軸方向の凹条を
   係合させてなることを特徴とする支線ガード。