JPS6347656B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 近年自動車は、空気による流体抵抗を少なくす
るため、又、意匠的その他の理由で、流線型化し
且つ車高が低くなつてきていると共にヘツドライ
トを、不使用時には車体内部に隠蔽し、使用時に
は車体外部に露出させるタイプが多くなつてきて
いる。

この様なタイプのヘツドライト装置としては、
ヘツドライトを不使用時には車体内に格納し、使
用時には車体外部に突出させるものや不使用時に
はヘツドライトをヘツドライトカバーで隠蔽し使
用時にはヘツドライトカバーを車体内に格納する
ものがあるが、ヘツドライトを点灯時に車体外部
のボンネツト上に突出させるものは、空気の流体
抵抗が増加するため望ましくなく、ヘツドライト
カバーを点灯時に車体内に格納するものは、空気
抵抗の増加することがないが、ヘツドライトカバ
ーを単に成る回動中心軸として回動させているの
で、ヘツドライトカバー全体の移動空間が大きく
なるため、せまい車体内に格納することが困難で
あつた。

そこで本発明は、ヘツドライトカバーの開閉機
構のリンクを第１リンク部材と第２リンク部材の
二本とし、この第１リンク部材と第２リンク部材
とをその途中でクロスして配置することにより、
ヘツドライトカバーを格納する時のヘツドライト
カバー全体の移動空間を小さくしてせまい車体内
に格納することができるヘツドライトカバー装置
を提供することを目的とし、更に、ヘツドライト
カバーに設けられ第２リンク部材の一方端を枢支
する第２枢軸部材とヘツドライト近傍の支持部材
に設けられ第２リンク部材の他方端と枢支する第
３枢軸部材との間の距離をヘツドライトカバーに
設けられ第１リンク部材の一方端を枢支する第１
枢軸部材とヘツドライト近傍の支持部材に設けら
れ第１リンク部材の他方端を枢支する第４枢軸部
材との間の距離より大とすることにより、ヘツド
ライトカバーを格納する時のヘツドライトカバー
全体の移動空間を一層小さくしたものである。

以下添付図面に基づき、本発明の一実施例を説
明する。

第１図において、１０はボンネツトで、ボンネ
ツトラインの延長線上には、ヘツドライトカバー
１１が設けられている。ヘツドライトカバー１１
の裏面には、ブラケツト１２が固着されている。
ブラケツト１２には、上下方向に離れた第１及び
第２フランジ部１２ａ，１２ｂが設けられてい
る。１３は車体に固着された支持部材で、第３フ
ランジ部１３ａ及び第４フランジ部（図示せず）
が設けられている。又、支持部材１３には、スト
ツパー１３ｂ，１３ｃが設けられている。第１フ
ランジ部１２ａには第１リンク部材１４の一端が
第１枢軸部材１５により枢支され、第１リンク部
材１４の他端側のわずか中央寄りが第４枢軸部材
１６により第４フランジ部に枢支されている。第
４枢軸部材１６には、第１図に破線で示したウオ
ームホイール１７が固着されている。ウオームホ
イール１７には、車体に固着されたモーター１９
回転軸に固定されたウオーム１８が噛合つてい
る。第２フランジ部１２ｂには、第２リンク部材
２０の一端が第２枢軸部材２１により枢支されて
いる。第２リンク部材２０の他端は、第３フラン
ジ部１３ａに第３枢軸部材２２で枢支されてい
る。

第１リンク部材１４の中央部には、スプリング
２３の一端が係止されており、該スプリング２３
の他端はストツパ１３ｂに係止され、該スプリン
グ２３は、第１リンク部材１４をその枢軸である
第４枢軸部材１６廻り時計方向へ付勢している。
第１リンク部材１４の右端部には車体側のストツ
パー１３ｂ及び１３ｃと共働して第１リンク部材
１４の回動範囲を規制すべくストツパー部材１４
ａが形成されている。

２４はヘツドライトでヘツドライトカバー１１
の右方の車体に適宜の手段で支持されており、コ
ネクター２５により、ヘツドライトスイツチ（図
示略）を介して電源（図示略）に連結されてい
る。

尚、２６は連体に取付けられたストーンデエフ
レクタで２７はシヤシに固定されているバンパー
である。

次に以上の構成による作用を説明する。ヘツド
ライトカバー１１を開く時に、ヘツドライトスイ
ツチを入れれば、モータ１９が励磁され回転しウ
オーム１８が回転する為ウオーム１８と噛み合つ
たウオームホイール１７が第１図で反時計方向に
回転し、これに固定された第４枢軸部材１６を介
し第１リンク部材１４も第４枢軸部材１６廻り反
時計方向に回動する。このため、第２リンク部材
２０はその枢軸である第３枢軸部材２２廻り反時
計方向に回動し、両リンク部材１４，２０に枢支
されたヘツドライトカバー１１は、第２図及び第
３図示の如く回動変位し、格納されることにな
り、同時にヘツドライト２４が点灯される。上記
したように、ヘツドライトカバー１１は第１リン
ク部材１４及び第２リンク部材２０の二本のリン
クにより移動するため、その移動範囲を小さくす
ることができる。これにより、ヘツドライトカバ
ー１２をヘツドライト２４の近傍に格納すること
ができ、コンパクトととなり、せまい車体内に格
納することができる。

第４図は、ヘツドライトカバー１１をよりコン
パクトに格納するための第３，第４枢軸部材２
２，１６の最良の位置を示す説明図である。

第４図に於て、第１図〜第３図に記載の符号と
同一符号を付した部品はヘツドライトカバー１１
を閉じた状態での同一部品の位置を表している。
１５１，２１１は、ヘツドライトカバー１１を格
納した状態での第１及び第２枢軸部材１５，２１
の位置を、又１１１は格納されたヘツドライトカ
バー１１の位置を示している。

第３枢軸部材２２は、第１枢軸部材１５と第２
枢軸部材２１との位置関係及びヘツドライトカバ
ー１１の閉じた状態での角度とから第１枢軸部材
１５のヘツドライトカバー１１を閉じた状態及び
格納状態時の位置１５と１５１とを結ぶ直線に対
して引かれる垂直二等分線Ａ線上に位置し、第４
枢軸部材１６は、第１枢軸部材１５と第２枢軸部
材２１との位置関係及びヘツドライトカバー１１
の閉じた状態での角度とから第２枢軸部材２１の
ヘツドライトカバー１１を閉じた状態及び格納状
態時の位置２１と２１１とを結ぶ直線に対して引
かれる垂直二等分線Ｂ線上に位置する。

上記した位置関係で、第４枢軸部材１６を点１
６１に位置せしめれば、第１，第２枢軸部材１
５，２１の軌跡（ヘツドライトカバー１１が閉じ
た状態と格納された状態との間に動く軌跡……以
下端に軌跡と記す）は曲線Ｃ線となり、点１６２
に位置せしめれば、第１，第２枢軸部材１５，２
１の軌跡は曲線Ｄ線となり、第３枢軸部材２２を
点２２１に位置せしめれば、第１，第２枢軸部材
１５，２１の軌跡は曲線Ｅ線となり、点２２２に
位置せしめれば、第１，第２枢軸部材１５，２１
の軌跡は曲線Ｆ線となる。

ところで、ヘツドライトカバー１１は、移動時
の意匠性を向上させるためにボンネツト１０に沿
いながら移動させることが良く、又、上記したよ
うに移動空間をできるだけ小さくすることが良
い。これにより、ヘツドライトカバー１１の軌跡
は、Ｃ線及びＥ線をたどる軌跡とするのが良く、
このために、第３枢軸部２２の位置は点２２１に
できるだけ近づけ（矢印Ｈ方向）、第４枢軸部１
６は点１６２できるだけ近づける（矢印Ｇ方向）
ことが良い。

上記したことを達成するために本発明において
は、第２枢軸部材２１と第３枢軸部材２２との間
の距離を第１枢軸部材１５と第４枢軸部材１６と
の間の距離より大としている。このため、第３枢
軸部材２２は点２２１により近づくこととなり、
第４枢軸部材１６は点１６１に近づくこととな
る。これにより、ヘツドライトカバー１１は、ボ
ンネツト１０に沿いながら移動すると共に移動範
囲を一層小さくすることができる。この結果、ヘ
ツドライトカバー１１の移動時の意匠性を向上さ
せることができる共にヘツドライトカバー１１を
一層ヘツドライト２４に近づけて格納することが
でき、さらにコンパクトとすることができる。

以上群述した如く本発明のよればヘツドライト
カバーの開閉機構のリンクを第１リンク部材と第
２リンク部材の二本とし、その途中でクロスして
配置してので、ヘツドライトカバーを２箇所の枢
軸中心を支点として回動させることになりその動
き範囲は、一端に枢支されていた従来品と比較し
て非常に小さくなり、ヘツドライト近傍にコンパ
クトにおさめることができる。これによりせまい
車体内に格納することができるという優れた効果
を有するものである。又、ヘツドライトカバーに
設けられ第２リンク部材の一方端を枢支する第２
枢軸部とヘツドライト近傍の支持部材に設けられ
第２リンク部材の他方端と枢支する第３枢軸部と
の間の距離をヘツドライトカバーに設けられ第１
リンク部材の一方端を枢支する第１枢軸部とヘツ
ドライト近傍の支持部材に設けられ第１リンク部
材の他方端を枢支する第４枢軸部との間の距離よ
り大としたので、一層動き範囲を小さくすること
ができ、更に、ヘツドライト近傍にコンパクトに
おさめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置のヘツドライトカバーを閉
じた状態での部分断面側面図、第２図は同じくヘ
ツドライトカバー格納時の各リンクの移動を示す
図、第３図は同じくヘツドライトカバーを格納し
点灯した時の部分断面側面図、第４図は本発明装
置の各枢支点の位置関係を表す図である。 １１……ヘツドライトカバー、１５……第１枢
軸部材、１６……第４枢軸部材、１４……第１リ
ンク部材、１７……ウオームホイール、１８……
ウオーム、１９……モータ、２０……第２リンク
部材、２１……第２枢軸部材、２２……第３枢軸
部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車体の傾斜した外殻面の一部を形成するヘツ
   ドライトカバー、 該カバー裏面に固定され少くともその上下方向
   に離れた２箇所に設けられた第１及び第２枢軸部
   材、 前記カバーの略中央の水平線上後方に配置され
   たヘツドライト近傍の支持部材に設けられた第３
   及び第４枢軸部材、 前記第１枢軸部材に一方端を枢支され他方端を
   前記第４枢軸部材に枢支された第１リンク部材、 前記第２枢軸部材に一方端を枢支され他方端を
   前記第３枢軸部材に枢支された第２リンク部材、 前記第１リンク部材又は前記第２リンク部材を
   前記第３枢軸部材又は前記第４枢軸回りに回動さ
   せる駆動手段とから成り、 前記ヘツドライトカバーが車体内に格納可能と
   されると共に、 前記第１リンク部材と前記第２リンク部材との
   軸線をクロスさせて配置し、 かつ前記第２枢軸部材と前記第３枢軸部材との
   間の距離を前記第１枢軸部材と前記第４枢軸部材
   との間の距離よりも大としたヘツドライトカバー
   装置。