JPS6347566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車内装用ポケツト装置に係り、特
にポケツト本体の一体成形を可能にして構造簡易
化を図つたポケツト装置に関する。

一般に、自動車の車内装備としてドアやダツシ
ユボードに開閉可能なポケツトを設けたものがあ
る。この種のポケツト装置は、車内空間を有効に
利用するために、車室内壁面に収納可能としてい
る。

従来のドアトリムに設けたポケツト装置を第１
〜２図に示す。箱状のポケツト１はドアトリム２
に形成した収納凹部３内に収容可能とされてい
る。このポケツト１は収納凹部３に対して開閉さ
れるようにブラケツト４を後壁面下部から突設さ
せ、収納凹部３の内側に設けたピン５に軸支させ
ている。したがつて、ポケツト１はピン５を中心
として回動が可能となり、その開閉機能をなすの
である。また、ポケツト１を収納凹部３内に収納
して閉状態を保持させるために、ポケツト１の後
壁面には金属クリツプ６を取り付け、これに対応
して収納凹部３の後壁部にもストツパ孔７を形成
している。第２図に示す如く、閉状態にて金属ク
リツプ６がストツパ孔７内に挿通されると、その
拡開機能により係止され、ポケツト１が収納保持
されるのである。

ところが、従来のポケツト装置では、通常合成
樹脂材料から成形されるポケツト１に金属クリツ
プ６を固着する構造であるため、製作工程数が多
く、部品点数も多くなり、これがコスト上昇の要
因となつているという問題点があつた。しかも、
ポケツト１をドアトリム２に取り付ける作業は、
ブラケツト４を嵌め込んだ後に、裏面側からピン
５を挿通して行わなければならない。そのため、
作業性が極めて悪く、しかも一旦取り付けた後は
ポケツト１の着脱は不可能となり、内部清掃が良
好にできない欠点もあつた。更には、ポケツト１
の開閉動作を繰り返すと、金属クリツプ６のスト
ツパ孔７への嵌合力が弱くなり、ロツク性が悪く
なる問題点も有していたものである。

本考案は、上記従来の問題点に着目し、ABS、
ポリプロピレンなどの合成樹脂材料にて成形され
たドアトリムなどの自動車内装品に装備されるポ
ケツト装置であつて、金属部品を用いることなく
樹脂材料にて一体成形可能なポケツト構造とし
て、構造簡易化、製作・組付作業の効率化を図
り、あわせてポケツトを着脱可能とすることによ
り使用時の利便性を向上させた自動車内装用ポケ
ツト装置を提供することを目的とするものであ
る。

上記目的を達成するために、本考案に係る自動
車内装用ポケツト装置は、特にポケツト収納凹部
の後壁部に設けた回転支軸とポケツト壁面に設け
られ前記回転支軸に着脱可能に係合される半円状
の回転支承部とからなる枢着機構を有し、前記ポ
ケツトにはその外側壁から突出されるガイド突起
とストツパを設け、これに対応する収納凹部側壁
には前記ガイド突起に摺接する円弧状ガイド縁部
を形成するとともにポケツト収納位置にて前記ス
トツパを係止する係止縁部を形成した弾性ガイド
片を設け、かつ前記ポケツトは樹脂材料から一体
成形されるように構成した。

このような構成により、ポケツトは枢着機構部
も側壁側のガイドおよびストツパ機構部にも金属
部品を用いることなく各機能を行わせることがで
き、樹脂材料により一体成形されているので、製
作が極めて簡単に行うことができる。また、ポケ
ツトを収納凹部前面側から嵌め込み、半円状の回
転支承部を回転支軸に係合させることで組付作業
が終了し、開閉動作時には弾性ガイド片の円弧状
サイド縁部にてポケツトのガイド突起が案内規制
されているので抜け止めが充分確保される。しか
も弾性ガイド片による作用でポケツト側部のスト
ツパを係止させるため、金属クリツプを用いるこ
となくその閉状態の保持も可能となるのである。

以下に、本考案に係る自動車内装用ポケツト装
置をドアに適用した実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。

本実施例に係るポケツト装置を第３図以下の図
面に示す。箱状のポケツト１０はドアトリム１１
に形成した収納凹部１２に収容可能とされてい
る。このポケツト１０は収納凹部１２から開閉可
能とされるべく、後壁面側に設けた枢着機構によ
り回動自在となつている、枢着機構は収納凹部１
２の後壁面下部に窓１３を形成して当該窓１３に
横架された回転支軸１４と、ポケツト１０の後壁
面の下部から突設されて前記窓１３内に臨まされ
るとともに回転支軸１４に嵌着される回転支承部
１５とから構成されている。ポケツト１０に設け
られた回転支承部１５は下面側を開口した半円状
に形成されており、回転支軸１４に半周程度より
多く係合することで連繋されている。このため当
該枢着部は着脱可能な構造となつている。また、
枢着機構はポケツト１０の下縁に沿う方向に一対
設けられ、ポケツト１０の回動運動を円滑にして
いるものである。

このように枢着されたポケツト１０と収納凹部
１２間には、その側部位置にて、ポケツト１０の
運動を案内規制するガイド手段と、閉状態保持の
ためのストツパ手段が設けられている。まず、ポ
ケツト１０において、その外側壁から突出される
ガイド突起１６が設けられている。このガイド突
起１６は円柱状のものであり（必ずしも円柱状の
ものにこだわらなくてもよい。）、ポケツト後壁面
側からそのコーナ部にかけて外側壁側に突設され
ている。また、このポケツト１０の外側壁にはガ
イド突起１６に近接する上方位置に肉盛状のスト
ツパ１８を形成して居り収納凹部１２の側壁に設
けられた後述するくちばし状の弾性ガイド片に開
き始めより開状態まで当接押圧されてポケツトの
開閉動作を円滑にして居る。

又このストツパ１８はポケツト１０の前壁側に
向けられた一方の面を傾斜面１９としポケツトの
閉状態で弾性ガイド片の係止縁部に押圧されて開
方向への回動を阻止する。

一方、ポケツト１０の側壁に対応する収納凹部
１２の側壁には、コ字形状の切欠き２０が形成さ
れている。また、この切欠き２０に応じ、その後
壁面に先端を向けたくちばし状の弾性ガイド片２
１が設けられている。弾性ガイド片２１は下縁部
を前記回転支軸１４を中心とする円弧状に形成し
ており、枢着されたポケツト１０のガイド突起１
６を案内するガイド縁部２２としている。また、
弾性ガイド片２１は先端を前記ストツパ１８が係
止される係止縁部２３を有している。この係止縁
部２３は単に先端を切断した形状とされ、ポケツ
ト１０の収納位置にてストツパ１８の傾斜面１９
に当接係合し、ポケツト１０の開方向への回動を
阻止するものである。このストツパ機能を確実に
するために、前記弾性ガイド片２１は係止縁部２
３に至るにしたがつて内方側すなわちポケツト１
０の側壁面側を向くように形成されている。この
結果、ポケツト１０の回動時にストツパ１８が弾
性ガイド片２１の円弧状ガイド縁部２２に沿う平
面部に対し摺接移動するものであり、ポケツト１
０の閉状態で係止縁部２３により係止されるもの
となつている。ここで前記弾性ガイド片２１は内
方に向けた形状とされているが、内方に膨出する
ように先端に至るにしたがつて順次厚肉となるよ
うに形成してもよい。

また、収納凹部１２の側壁には、弾性ガイド片
２１の上縁に沿つて形成された抜出溝２４が設け
られている。この抜出溝２４はポケツト１０の外
側壁から突出されているガイド突起１６およびス
トツパ１８の突出長さに相当する深さに形成され
ている。この抜出溝２４はポケツト１０の取外し
のためのものであり、ポケツト閉状態において回
転支軸１４から回転支承部１５を外すようにポケ
ツト１０を上方に移動させ、ガイド突起１６を弾
性ガイド片２１の上縁位置まで引き上げることに
より、収納凹部１２からのポケツト１０の取外し
が可能となる。

更に、上述の如き構造からなるポケツト１０、
ドアトリム１１その他の構成部材は、ABS樹脂
やポリプロピレンなどの合成樹脂材料から成形さ
れている。この場合、ポケツト１０、ドアトリム
１１はそれぞれ独立して一体成形され、成形後に
着脱機能を利用して収納凹部１２内にポケツト１
０を組付けるものである。

このような構成に係るポケツト装置は、第３〜
４図に示す開状態ではポケツト１０のガイド突起
１６が弾性ガイド片２１の円弧状ガイド縁部２２
と接触状態にあり、ストツパ１８の頂面がガイド
片２１に当接されている（第７図）。この状態か
ら閉動作に移行させると、ガイド突起１６がガイ
ド縁部２２に規制されて摺動移動し、ストツパ１
８がガイド片２１と接触状態で押圧力が増大しつ
つ係止縁部２３側に移動する。ポケツト１０が閉
状態となると、ガイド片２１の係止縁部２３がス
トツパ１８の頂面から外れて傾斜面１９と接触
し、係止状態となる（第８図）。これがロツク状
態であり、ストツパ１８がガイド片２１の弾圧力
により常態では外れることがない。当該位置では
ガイド突起１６とガイド縁部２２との係合が外れ
た状態とされている。そして、更に開動作させる
と、ガイド片２１の係止縁部２３が傾斜面１９を
乗り越え、ポケツト１０を回転支軸１４を中心と
して回動させることができる。この動作中はスト
ツパ１８の頂面がガイド片２１と摺接し、ガイド
突起１６がガイド縁部２２に規制されるものとな
る。

ところで、ポケツト１０が閉状態にあるとき、
これを上方に強制的に移動させると、支軸１４か
らポケツト１０の支承部１５が外れ、窓１３から
抜き出しが可能となる。そして、側面部のストツ
パ１８と係止縁部２３の係合が外れ、予め解除状
態にあるガイド突起１６が係止縁部２３を経て、
ガイド片２１の上縁部に位置することとなる。こ
の状態からポケツト１０を外方に引き抜くと、ガ
イド突起１６、ストツパ１８が通過できる抜出溝
２４が設けられているので、簡単にポケツト１０
を収納凹部１２内から取外すことができる。

このように、本実施例に係るポケツト装置によ
れば、枢着機構やガイド手段、ストツパ手段につ
いて何ら金属材を用いる必要がなく、円滑かつ確
実にポケツト開閉動作、閉状態の保持を行うこと
ができる。しかも、ポケツトや収納凹部を含むド
アトリムを一体的に樹脂成形できるので、ポケツ
ト装置の構造の簡略化と、製作の容易化を図るこ
とができる。また、ポケツト１０自身は収納凹部
１２から簡単に取外すことができるので、内部の
清掃作業を行うことができる効果がある。

なお、当該ポケツト装置はドアポケツトのみな
らず、他の車内構造体を利用して装備することが
できるのはいうまでもない。

以上説明したように、本発明によれば、金属材
料を用いることなく、ポケツトを樹脂材料を用い
て一体成形することができるので、構造、製作、
組付の容易化を図り、部品点数が少なくかつ堅牢
化と軽量化を図ることができるというすぐれた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のポケツト装置の斜視図、第２図
は同断面図、第３図は本実施例に係るポケツト装
置の斜視図、第４図は同断面図、第５図は収納凹
部を斜め下方から見た斜視図、第６図はポケツト
の斜視図、第７図はポケツト開状態のガイド部断
面図、第８図は同閉状態の同断面図である。 １０……ポケツト、１２……収納凹部、１４…
…回転支軸、１５……回転支承部、１６……ガイ
ド突起、１８……ストツパ、２１……弾性ガイド
片、２２……円弧状ガイド縁部、２３……係止縁
部、２４……抜出溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自動車内の壁面に収納凹部を形成し、この収
   納凹部に開閉可能に枢着された箱状のポケツト
   を内蔵してなる自動車内装用ポケツト装置にお
   いて、前記収納凹部の後壁部に設けた回転支軸
   とポケツト壁面に設けられ前記回転支軸に着脱
   可能に係合される半円状の回転支承部とからな
   る枢着機構を有し、前記ポケツトにはその外側
   壁から突出されるガイド突起とストツパを設
   け、これに対応する収納凹部側壁には前記ガイ
   ド突起に摺接する円弧状ガイド縁部を形成する
   とともにポケツト収納位置にて前記ストツパを
   係止する係止縁部を形成した弾性ガイド片を設
   け、かつ前記ポケツトは樹脂材料から一体成形
   されていることを特徴とする自動車内装用ポケ
   ツト装置。 (2) 前記収納凹部はガイド片上縁部に沿うガイド
   突起およびストツパの抜出溝を有し、回転支軸
   からの回転支承部離脱位置にてポケツトの取外
   しを可能としていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の自動車内装用ポケ
   ツト装置。