JPS6347139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のウオークインシートのレール
カバーに関する。

自動車の後部座席の両側にドアが設けられてい
ない自動車においては、この後部座席への乗降を
行なう場合には、運転席または助手席の横に設け
られているドアを通つて乗降することになる。こ
のような自動車の後部座席への乗降を容易にする
ために、このような自動車においては運転席およ
び助手席のシートをウオークインシートに構成し
ている。ウオークインシートは、そのシートバツ
クを前方へ倒すと、シートが自動的に前方へ移動
し、これによつて後部座席への乗降をより容易に
するようにしたシートである。

第１図は従来のこのようなウオークインシート
を示すものであつて、シートクツシヨン１の後ろ
側に取付けられているシートバツク２のロツクを
解除すると、このシートバツク２が前方側へ倒れ
るとともに、シートクツシヨン１が前方へ移動す
るようになつている。シートクツシヨン１はその
下面にアツパレール３を備えており、このアツパ
レール３がロアレール４上を移動するようになつ
ている。そしてロアレール４は一対のレツグ５に
よつて自動車のフロアパネルに固着されるように
なつている。

このようなウオークインシートを採用すること
によつて、とくに後部座席への乗降時におけるシ
ートクツシヨン１の前方への移動操作が自動的に
行なわれることになり、このためにわざわざシー
トクツシヨン１を手で前方へ移動させなくてもす
むようになる。ところがシートクツシヨン１を前
方へ移動させても、レツグ５を介してフロアパネ
ルに固着されているロアレール４は前方へ移動し
ないために、このロアレール４の後端部がむき出
しになる。従つてこのようなむき出しのロアレー
ル４が外観を悪化させるばかりでなく、後部座席
への乗降の際に支障となる可能性もある。

このような問題点に鑑みて、実開昭49−106022
号公報には、ロアレールの後端にプロテクタを装
着することが開示されている。あるいはまた実公
昭54−38655号公報には、シートトラツクの後端
部に合成樹脂製のカバーを装着することが提案さ
れている。このようなプロテクタあるいはカバー
によつてロアレールの端部がむき出しになること
を防止することができるが、このようなプロテク
タあるいはカバーを取付けても、ロアレールの後
端部側が段になり、このために後部座席への乗降
の際に支障となる可能性は全くなくなつたわけで
はない。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
のであつて、運転席あるいは助手席の横のドアか
ら後部座席への乗降をより安全に行ない得るよう
にしたウオークインシートのレールのカバーを提
供することを目的とするものである。

以下本考案を図示の一実施例につき説明する。
第２図および第３図は本実施例に係るウオークイ
ンシートのレールカバーを備えた自動車の助手席
を示すものであつて、この助手席はシートクツシ
ヨン１０から構成されている。シートクツシヨン
１０の後ろ側にはシートバツク１１が図外の支持
手段を介して回動可能に支持されるようになつて
いる。さらにこシートバツク１１の上端にはヘツ
ドレスト１２が取付けられるようになつている。
そしてシートクツシヨン１０の下面には左右一対
のアツパレール１３が固着されており、このアツ
パレール１３はロアレール１４上を摺動するよう
になつている。ロアレール１４は前後一対のレツ
グ１５によつてこの自動車のフロアパネルに固着
されるようになつている。

上記シートクツシヨン１０の左側には、シート
バツク１１の支持機構を覆うためのカバー１６が
設けられており、このカバー１６の前方側に突出
して調整レバー１７が取付けられている。この調
整レバー１７によつてシートバツク１１の回動角
度を調整するようになつている。これに対してカ
バー１６の後ろ側には、足踏みペダル１８が突出
されており、このペダル１８を踏むことにより、
第２図および第３図に示すように、シートバツク
１１のロツクが解除されてこのシートバツク１１
が前方側へ倒れるとともに、シートクツシヨン１
０が前方へ移動するようになつており、このペダ
ル１８によつてウオークイン機構が作動するよう
になつている。従つて後部座席への乗降の際に
は、このペダル１８を踏めばよい。

そして上記カバー１６の後面には特に第３図に
示すように、突出部１９が車両の幅方向に突出し
て形成されており、上記足踏みペダル１８の近傍
まで延びている。このように突出部１９をカバー
１６に設けることによつて、ロアレール１４の中
に泥が入らないようにし、ウオークイン機構の作
動不良を防止するようにしている。

つぎにロアレール１４の後端部に装着されるレ
ールカバー２０についてとくに第４図および第５
図につき説明すると、ロアレール１４の後端部に
は、合成樹脂製のレールカバー２０が取付けられ
ている。このカバー２０はその両側に一対の側壁
部２１を備えており、第４図に示すようにこの側
壁部２１の上面の高さは、ロアレール１４の上面
とほぼ同じくなるように構成されている。またこ
のレールカバー２０の後端部が傾斜面２２になつ
ており、カバー２０の後端に段が生じないように
して安全性を高めている。さらにレールカバー２
０の外側の部分は前方へ延出されており、ロアレ
ール１４の前端部を支持しているレツグ１５を覆
うようになつている。そしてこのカバー２０は上
記の前後一対のレツグ１５によつて支持されるよ
うになつている。レツグ１５にはそれぞれ取付け
部２３が形成されており、第４図に示すようにビ
ス２４によつてカバー２０をレツグ１５の取付け
部２３に固着するようになつている。

以上のように本実施例に係るウオークインシー
ト１０によれば、そのロアレール１４の後端部が
カバー２０によつて覆われるようになつているた
めに、シートバツク１１を前方へ倒してシートク
ツシヨン１０を前方へ移動させた場合において
も、ロアレール１４の後端部が直接露出すること
がなくなる。さらにこのカバー２１の上面には一
対の側壁部２１が形成されており、この側壁部２
１がロアレール１４の上面とほぼ同じ高さになつ
ているために、このカバー２０上に足を載せた場
合においても、その上面がほぼ平坦になつてお
り、違和感を感じにくくなる。さらにカバー２０
の後端が傾斜面２２に構成されている。従つて後
部座席への乗降の際においても、支障がなくな
る。また助手席をウオークインさせた状態で乗車
しているときにも、後部座席に坐つている人がロ
アレール１４の後端部に足を引掛けることがなく
なる。さらにこのカバー２０によつてロアレール
１４の後端部が露出することがなくなるために、
外観の向上を図ることが可能になる。

以上本考案を図示の一実施例につき述べたが、
本考案は上記実施例によつて限定されることな
く、本考案の技術的思想に基づいて各種の変更が
可能である。例えば上記実施例においては、レー
ルカバー２０の外側の部分を前方へ延出するよう
にしているが、必ずしもこのような延出部分を設
ける必要はなく、ロアレール１４の後端部のみを
覆うようにしてもよい。またこのようなレールカ
バー２０は、運転席あるいは助手席のドア側のレ
ールのみならず、中心側のレールに取付けること
も可能である。

以上に述べたように本考案は、少なくともドア
側のロアレールの後端部にカバーを取付けるとと
もに、このカバーの両側に側壁部を形成し、しか
もこの側壁部の高さがロアレールの上面とほぼ同
じかあるいはやや高くなるようにし、さらにこの
カバーの後端部を傾斜面にしたウオークインシー
トのレールカバーに関するものである。従つてこ
のレールカバーによつてロアレールの後端部が露
出することを防止することができ、さらに上記側
壁部によつてカバーの上面がほぼ平坦になり、さ
らの後端側の傾斜面の構造と相まつて、後部座席
への乗降の降における支障をなくすことが可能に
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のウオークインシートの構成を示
す要部側面図、第２図は本考案の一実施例に係る
レールカバーを備えたウオークインシートの側面
図、第３図は同外観斜視図、第４図はこのシート
に取付けられたレールカバーの構造を示す縦断面
図、第５図は同分解斜視図である。 なお図面に用いた符号において、１０……シー
トクツシヨン、１１……シートバツク、１３……
アツパレール、１４……ロアレール、１５……レ
ツグ、２０……レールカバー、２１……側壁部、
２２……傾斜面、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転席または助手席のシートにアツパレールを
   取付けるとともに、ロアレールをフロアパネル側
   に固着し、これらのレールによつてシートを前後
   方向に移動可能に支持するとともに、シートバツ
   クを前方に倒すと前記シートが前記ロアレールに
   沿つて前方に移動し、後部座席への乗降を可能に
   したウオークインシートにおいて、少なくともド
   ア側のロアレールの後端部にカバーを取付けると
   ともに、このカバーの両側に側壁部を形成し、し
   かもこの側壁部の高さが前記ロアレールの上面と
   ほぼ同じかあるいはやや高くなるようにし、さら
   にこのカバーの後端部を傾斜面に構成したことを
   特徴とするウオークインシートのレールカバー。