JPS6343149Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、シート高を調整するとともに、こ
れに収納ボツクスを前後方向に移動できるように
支承してなるシートライザーを具える自動車用シ
ートに関する。

従来、自動車のシートにおいて、シートの高さ
は通常標準男子の座高に合わせて構成され、か
つ、その高さを変えることができないため、座高
の低い者（特に婦人）にあつては、座席上にその
高さを補正するためのマツトを置き、必要なシー
ト高を確保していたのであるが、別途にマツトを
備えるなど不便があり、特に婦人にあつては運転
に不適当なハイヒールを運転時平底靴に代えて用
いる場合、靴の収納部がないなど通常の運転席を
具える自動車には種々の欠点があるものである。
（シート下部に単に物入れを設けるものは、実開
昭51−68122、実開昭54−180542、実開昭55−
138135、実開昭57−128545、実開昭57−150051の
各公報） この考案は、上記の欠点を改善するものであつ
て、通常の運転席のシートスライドと座席の間に
シート高調整スペーサを介在させ、このスペーサ
により広くなつた座席下の空間に収納ボツクスを
収容し、これを左右のスペーサにそれぞれ設けた
案内部により支承させ、収納ボツクスを座席前後
方向に出入自在とさせるものであり、上記スペー
サを着脱自在に取付けることにより、前記欠点を
一挙に解決することができるのである。

また、従来も座席下に収納ボツクスを収容し、
シートスライドにより案内して収納ボツクスを前
後に移動自在としたものはあるが、シート高の調
整を兼ねるものはなく、この考案においては特に
シート高調整部材すなわちシートライザーを用い
て物品収納部を移動自在に収容できるようにした
ものである。

これを図面に示す実施例により更に説明すれ
ば、第１図の自動車の概略側面図に示すように、
１は座席、２はシートスライドであり、この座席
１の取付部３とシートスライド２間に、上記座席
１とシートスライド２を結合するスタツトボルト
１０をスペーサ６の孔９に通すことにより、シー
ト高を調整するスペーサ６を連結固定する。左右
のシートスライド２上にそれぞれ固定されたスペ
ーサ６は、板金製であり、必要に応じてプラスチ
ツク押出材によつても形成される。また、スタツ
ドボルト１０は、通常の座席１取付時の長さより
若干長くしたものを用いる方が、スペーサ６の取
付けが容易確実である。これら左右のスペーサ
６，６は、対向する内側面を開口し、その上下端
縁に案内溝８，８を凹設する。上下案内溝８，８
には収納ボツクス５のローラ７が上下から挟持さ
れるように嵌合され、ローラ７は、この案内溝
８，８内を転動案内され、ローラ７が軸着される
収納ボツクス５を前後方向に摺動して座席１下の
空間より出没させる。

更に、左右各スペーサ６の後端にはストツパ１
２を内方に突出させ、収納ボツクス５の過度の後
退を阻止するとともに、収納ボツクス５両側上面
の係止部１３，１３と上記ストツパ１２間にはリ
ターンスプリング１１をかけ渡し、急ブレーキ時
の収納ボツクス５の前方への突出を防止し、自動
的に原収納位置への復帰を容易にさせる。１４は
収納ボツクスの引手、１５は自動車のハンドルを
示す。

なお、上記スペーサ６の案内部と収納ボツクス
５のローラ７の構成は、この実施例に限定される
ことなく、案内部を案内レールとし、ローラに代
えレール上を摺動する支持腕とするなど、スペー
サに案内されて収納ボツクスが前後方向に出没で
きるものであれば、どのようなものでもよい。

この考案は、上記のとおりに構成されるもので
あるから、通常の仕様の座席１とシートスライド
２間（第２図イに示す。）に両者を結合するスタ
ツドボルト１０を介してスペーサ６を固定させ、
左右スペーサ６の対向する開口部の案内溝８，８
間に、収納ボツクス５の両側に設けたローラ７，
７を上下より挟持するように嵌挿し、収納ボツク
ス５の両側上面の係止部１３とストツパ１２間に
リターンスプリング１１を張設するものであり、
使用に当り、座高の低い者もスペーサ６によりシ
ート高が補正されているので、適正位置での運転
が保障され、しかも、スペーサ６により座席１下
部の空間がより広くなり、この空間とスペーサ６
の案内部により収納ボツクス５が前後方向に移動
できるので、スペーサを設けることと相まつて、
従来のものの欠点を一挙に除くことができるもの
である。その上、座席、シートスライドが通常の
仕様のものでよいから、（両者を結合するスタツ
ドボルトは若干長くされる必要がある。）、販売
時、ユーザー決定後に必要のある場合に取付ける
ことができるなどの優れた効果をもつものであ
る。

加えて、上記スペーサを取付けた後、収納ボツ
クスに代え、あるいは収納ボツクスの蓋体として
案内部に両側縁が案内される等の板体と前後摺動
自在に嵌挿すると、休息時、この板体上面に足を
載せることができる。勿論この足乗せ台を運転席
だけではなく助手席に用いることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案のシートを具える自動車の
概略側面図、第２図イは従来の自動車シート、同
ロはこの考案の自動車シートの要部を示し、第３
図は１実施例の斜視図、第４図はその分解斜視図
であり、第５図乃至第８図はスペーサの平面図、
側面図、縦断面図と拡大縦断面図をそれぞれ示
す。 １……座席、２……シートスタンド、３……シ
ート取付部、４……床面、５……収納ボツクス、
６……スペーサ、７……ローラ、８……案内溝、
１０……スタツドボルト、１１……リターンスプ
リング、１２……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座席とシートスライド間に、それぞれシート高
   調整スペーサを着脱自在に取付け、これらのスペ
   ーサに案内部を設けるとともに、座席下方にあつ
   て前後に移動する収納ボツクスをそれぞれの案内
   部により支承してなるシートライザー付自動車用
   シート。