JPS634692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体の走行装置に対する昇降操作を
可能にした移動農機に関する。

上記移動農機は、路上において、機体を対走行
装置下降させることにより、機体重心を低くして
安全に走行できるように、かつ、軟弱圃場におい
て、機体を対走行装置上昇させることにより、走
行装置の沈下のために機体が接地することを防止
できるようにされたものである。ところが従来、
機体を走行装置に対して下降させた場合にも、上
昇させた場合にも、両者を連結固定するように構
成されており、路上走行時に、高速走行されるこ
とから、走行振動のために機体振動が激しくなる
欠点があつた。

本考案は、路上走行時の走行振動に起因する機
体振動を抑制できるようにし、しかも、作業時
に、前記振動抑制機能を不能にして、従来と同様
に機体の不等な振動に起因する不都合を防止でき
るようにするのに、振動抑制機能を不能にする構
成を構造簡単にできるように、かつ、機体の上昇
固定が確実に行えるようにすることを目的とす
る。

次に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、脱穀装置１、及び、脱穀
排ワラを細断放出する装置２や運転部等から成る
機体をクローラ走行装置４上に搭載するとともに
その前部に、植立穀稈を引起こすと共に刈取り、
刈取穀稈を脱穀装置１に供給する刈取部５を連設
して、コンバインを構成してある。

第２図に示すように、走行装置４に対する伝動
ケース６を機体の前部に固設して、機体を走行装
置４に対してクローラ駆動軸７の周りで揺動昇降
させられるようにしてある。そして、機体フレー
ム８と、走行装置４におけるトラツクフレーム９
の後端部とにわたり、屈伸リンク機構１０を架設
し、機体昇降操作機構としての復動式流体圧シリ
ンダ１１のロツド側を、前記屈伸リンク機構１０
における機体側リンク１０ａと走行装置側リンク
１０ｂの枢支連結軸１０ｃに枢支連結し、かつ、
チユーブ側を、それから延出させた連結ロツド１
２、前記フレーム８に連結されたブラケツト１
３、及び、このブラケツト１３に回動自在に支持
させると共に前記連結ロツド１２を摺動自在に内
嵌させた支軸１４夫々を介して固定部としての前
記フレームム８に回動及び摺動自在に連結してあ
る。そして、機体フレーム８に伝わる走行振動に
対する緩衝スプリング１５を、一端側がシリンダ
１１のチユーブにより受止め係止され、かつ、他
端側が連結ロツド１２に摺動自在に外嵌させたス
プリング受け１６を介して前記支軸１４により受
止め係止される状態で連結ロツド１２に外嵌させ
ると共に、シリンダ１１の伸張作動時には緩衝ス
プリング１５が圧縮弾性変形代を有する状態でシ
リンダ作動力の反力部材になり、かつ、シリンダ
１１の短縮作動時には連結ロツド１２の回転支軸
１４からの抜止めストツパー１７がシリンダ作動
力の反力部材になるように構成し、もつて、シリ
ンダ１１を操作することにより、シリンダ１１の
伸縮作動に連動してリンク機構１０が屈伸するこ
とによつて、機体の走行装置４に対する昇降操作
が行えるように、かつ、緩衝スプリング１５が弾
性変形代を有していることと、機体下降に伴い屈
伸リンク機構１０が屈曲してシリンダ１１が摺動
されることとによつて、緩衝スプリング１５を作
用状態に維持しておくことができるようにしてあ
る。

又、前記走行装置側リンク１０ｂに作用して機
体の対走行装置上昇を制限するストツパー１８
を、トラツクフレーム９に固設すると共に、第３
図に示すように、前記ストツパー１８の作用状態
において前記シリンダ１１を伸長作動させるに伴
にその機体上昇操作力によつて前記スプリング１
５が作用不能状態に圧縮弾性変形されるように構
成し、もつて、機体をストロークエンドまで上昇
させた状態において、機体がスプリング１５のた
めに不等に昇降変位することを防止するために、
スプリング１５を作用不能状態に切換えることが
できるように、かつ、その切換えがシリンダ１１
を利用して行えるように構成してある。

前記シリンダ１１は、人為操作式のネジ等に変
更可能であり、これらを機体昇降操作機構１１と
総称する。

又、前記した機体昇降構造は、トラクターや田
植機等の各種移動農機にも適用できる。

以上において実施例を説明したが、本考案の移
動農機が要旨とする特徴構成は、走行装置４上に
屈伸リンク機構１０を介して機体を上下昇降自在
に搭載し、前記走行装置４に対する前記機体の上
昇を制限するストツパー１８と、前記機体の上下
昇降を緩衝するためのスプリング１５と、前記屈
伸リンク機構１０の屈伸角度を調節する機体昇降
操作機構１１とを設けるとともに、前記ストツパ
ー１８の作用状態における前記機体昇降操作機構
１１の伸長作動によつて前記スプリング１５が圧
縮変形されるように、前記機体昇降操作機構１１
を、前記スプリング１５を介して前記屈伸リンク
機構１０と固定部との間に架設した点にあり、こ
の特徴構成によつて次の作用効果が得られる。

つまり、機体を対走行装置下降させると、緩衝
スプリング１５が作用して、走行振動の機体への
伝達が緩和されるので、走行振動に起因する機体
振動が抑制されるようになり、路上走行を、安全
にかつ疲労しにくい状態で行わせられるようにな
つた。

そして、前記ストツパー１８が作用してから更
に機体昇降操作機構１１を機体上昇がわに伸長さ
せると、前記スプリング１５が圧縮変形されて作
用不能状態になるので、従来と同様に、機体が不
等に振動することを防止でき、刈高さが不等に変
化する等の不都合を伴うことなく作業できるもの
でありながら、スプリング１５を機体昇降操作機
構１１に上記した如く連係させたから、本来的に
備えられる機体昇降操作機構１１をスプリング１
５の操作機構に有効利用することが可能になり、
スプリング１５の機能を不能にするための構成を
構造簡単に得られるようにできた。

さらに、前記ストツパー１８を作用させると共
に、スプリング１５を作用不能状態に変形させる
ので、機体の上昇固定が確実に行えるようにな
り、走行振動のためにストツパー１８が外れて機
体が不測に下降することがない安全な状態で作業
することを可能にできた。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機の実施例を示し、
第１図はコンバインの全体側面図、第２図は走行
装置取付部の機体下降状態を示す側面図、第３図
は緩衝スプリングを作用不能状態に切換えた状態
を示す側面図、第４図は第３図の−断面矢視
図である。 ４……走行装置、１０……屈伸リンク機構、１
１……機体昇降操作機構、１５……緩衝スプリン
グ、１８……ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行装置４上に屈伸リンク機構１０を介して機
   体を上下昇降自在に搭載し、前記走行装置４に対
   する前記機体の上昇を制限するストツパー１８
   と、前記機体の上下昇降を緩衝するためのスプリ
   ング１５と、前記屈伸リンク機構１０の屈伸角度
   を調節する機体昇降操作機構１１とを設けるとと
   もに、前記ストツパー１８の作用状態における前
   記機体昇降操作機構１１の伸長作動によつて前記
   スプリング１５が圧縮変形されるように、前記機
   体昇降操作機構１１を、前記スプリング１５を介
   して前記屈伸リンク機構１０と固定部との間に架
   設した事を特徴とする移動農機。