JPS6346625Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パネルシヤツターにおけるローラ軸
取付装置に係り、詳しくはシヤツターカーテンを
構成する各パネルの上框両端部に軸受部材を介し
て嵌挿されるローラ軸を、上框と軸受部材とを螺
着するために用いる１本の螺子のみで簡単かつ同
時に取付けることができ、しかも軸芯方向に調整
可能に取付けることができるようにしたパネルシ
ヤツターにおけるローラ軸取付装置に関するもの
である。

従来、この種パネルシヤツターにおけるローラ
軸は、各パネルの上框両端部に軸受部材を介して
嵌挿されているが、その具体的構成は第５図に示
するように、ローラ軸１′がパネル２′の上框３′
に螺着した軸受部材４′から抜け出ないように、
その嵌挿側軸部の端部にＣ形止め輪５′が装着さ
れ、上框３′と軸受部材４′はローラ軸１′とは関
係なく螺子６′で螺着されていた。このため、ロ
ーラ軸１′と軸受部材４′および軸受部材４′と上
框３′は、それぞれ別部材で取付けられていたの
で、取付けに必要な部品点数が多くなるうえ、ロ
ーラ軸の取付作業が面倒であつた。

また、ローラ軸１′にローラチエーン７′を取着
して各パネル２′を上下方向に連結してシヤツタ
ーカーテンを構成する場合にも、ローラチエーン
７′はカラー８′を介してローラ軸１′に取着して
いたので、ローラ軸１′の軸芯方向、すなわち開
口部方向への調整ができず、このため、パネルシ
ヤツターの取付現場の情況によつては的確に納ま
らない場合がしばしばあり、取付工事に支障を来
たしていた。

本考案は、上記のような実状に鑑み、従来の欠
点を一掃すべく創案されたものであつて、その目
的とするところは、パネルの上框両端部に軸受部
材を介して取付けられるローラ軸の軸受部材への
嵌挿側軸部周面に所要幅の段差部を周設し、該段
差部を挾んで嵌挿側軸部の軸径をローラ装着側軸
部の軸径より小径に形成すると共に、上框と軸受
部材とを螺着する螺子の螺挿先端部をローラ軸の
段差部内に臨ませてローラ軸を取付けたことによ
り、上框と軸受部材とを螺着するために用いる１
本の螺子のみで、ローラ軸を簡単かつ同時に取付
けることができ、したがつて、取付けに必要な部
品点数を少くして取付作業を簡略化すると共に、
ローラ軸を軸芯方向に調整可能に取付けてパネル
シヤツターの取付現場の情況にかかわりなく、常
に取付工事を容易かつ迅速的確に行うことができ
るものでありながら、それでいて取付け後におい
ては、開閉動作中にローラ軸が多方向の衝撃荷重
を受けても折損する惧れがなく、常に適正な開閉
動作を行うことができるパネルシヤツターにおけ
るローラ軸取付装置を提供しようとするにある。

本考案の上記目的は、図面に示された実施例を
説明することによつて一層明らかとなる。

すなわち、第１図ないし第４図において、１は
パネルシヤツターであつて、該パネルシヤツター
１は、上下方向に所定間隔を存して配置した複数
の長尺状パネル２の上框３の両端部に軸受部材４
を介して嵌挿したローラ軸５に取着したローラチ
エーン６により一連状に枢支連結して構成されて
いる。７はローラ軸５に回転自在に軸承されたロ
ーラである。

上記ローラ軸５は、軸受部材４に形成した取付
孔８に嵌挿される嵌挿側軸部の周面に所要幅Ａの
段差部９が周設されており、該段差部９を挾んで
嵌挿側軸部の軸径がローラ装着側軸部の軸径およ
び軸受部材４の取付孔８の直径より小径に形成さ
れている。このため、ローラ軸５の軸受部材４へ
の嵌挿は容易にできるようになつている。また、
ローラ装着側軸部の軸径は、取付孔８に嵌合でき
る程度に形成されている。１０は上框３の頂面か
ら軸受部材４に螺挿して両者を螺着する螺子であ
つて、該螺子１０の螺挿先端部はローラ軸５に形
成した段差部９内に臨ませてある。かくして、ロ
ーラ軸５は単に１本の螺子１０のみで、しかも段
差部９の所要幅Ａの範囲内で軸芯方向に調整可能
に取付けられるようになつている。したがつて、
パネルシヤツター１を取付けるにあたつては、取
付現場の情況に応じてローラ軸５を開口部方向に
調整することにより、常に的確に納まるように取
付工事を行うことができる。

１１は建物開口部の左右両側に縦設された案内
レール、１２は案内レール１１の上端部に連設さ
れたシヤツター収納ケースであつて、該シヤツタ
ー収納ケース１２の左右側板１３には、その内側
に位置して図示しない駆動スプロケツトと同軸上
に誘導スプロケツト１４が軸支されており、該誘
導スプロケツト１４にはローラチエーン６の全長
部が噛合されている。１５はシヤツター収納ケー
ス１２の左右側板１３の内側に水平状に配設され
た収納レールであつて、該収納レール１５は誘導
スプロケツト１４の回転に連動して上昇移動して
きた各パネル２のローラ軸５に軸承したローラ７
を転動させることにより、各パネル２を順次平行
して立て並べた状態で横方向に移動案内するもの
である。

叙上のように構成した本考案において、いま、
建物の開口部を閉鎖しているパネルシヤツター１
に開放信号が出されると、図示しない開閉機に連
動連結されている駆動スプロケツトが回転し、こ
の回転に連動して誘導スプロケツト１４が回転さ
れ、ローラチエーン６により連結されている各パ
ネル２が案内レール１１に沿つて上昇移動し、誘
導スプロケツト１４の回転軌跡に沿つて移動され
る過程で移動方向が上昇方向から横方向に徐々に
転換変位され、さらに誘導スプロケツト１４の軸
芯直上を通過する時点でローラ軸に軸承されてい
るローラ７がシヤツター収納ケース１２の収納レ
ール１５上に継送され、該ローラ７に転動に伴つ
て各パネル２は相互に平行して立て並べた状態で
横方向に移動案内されて収納される。

一方、パネルシヤツター１を閉鎖する場合は、
誘導スプロケツト１４が上記の回転方向と反対方
向に回転され、シヤツター収納ケース１２に収納
されていた各パネル２は、順次収納レール１５上
を横移動し、最前列に位置するパネル２のローラ
軸５が誘導スプロケツト１４の軸芯直上を通過す
る時点で移動方向が横方向から下降方向に転換変
位され、さらにローラ軸５が誘導スプロケツト１
４の回転軌跡に沿つて移動される過程で下降し、
順次案内レールに支持された状態で同一平面上に
配置され、かくして建物の開口部は閉鎖される。

ところで、上記のような開閉動作の過程におい
て、ローラ軸５は多方向の衝撃荷重を受けること
になるが、かかる衝撃荷重は軸受部材４の取付孔
８に嵌合状態に嵌挿されているローラ装着側の軸
部によつて吸収され、嵌挿側の軸部には波及しな
いから、ローラ軸５に段差部９を設けて嵌挿側の
軸部の軸径をローラ装着側の軸部の軸径より小径
に形成したことによつてローラ軸５の軸受部材４
への嵌挿を容易ならしめても、ローラ軸５は段差
部９の位置で折損する惧れは全くない。そのう
え、ローラ軸５は上框３と軸受部材４とを螺着す
るために用いた螺子１０で取付けられているもの
でありながら、螺子１０の螺挿先端部は段差部９
内に臨ませてあるから、開閉動作中の衝撃荷重に
よつてローラ軸５が軸受方向に抜け出たり、入り
込んだりする惧れも全くなく、常に適正な開閉動
作を行わせることができる。

これを要するに本考案は、パネルの上框両端部
に軸受部材を介して取付けられるローラ軸の軸受
部材への嵌挿側軸部周面に所要幅の段差部を周設
し、該段差部を挾んで嵌挿側軸部の軸径をローラ
装着側軸部の軸径より小径に形成すると共に、上
框と軸受部材とを螺着する螺子の螺挿先端部をロ
ーラ軸の段差部内に臨ませてローラ軸を取付けた
から、パネルシヤツターの組立時には、ローラ軸
の軸受部材への嵌挿が容易にできると共に、上
框、軸受部材およびローラ軸の３部材を単に１本
の螺子のみで簡単に取付けることができ、取付け
に必要な部品点数を少くしてローラ軸の取付作業
を簡略化できる許りでなく、建物開口部への取付
時には、ローラ軸を軸芯方向（開口部方向）に調
整することによつて、取付現場の情況にかかわり
なく、常に的確な納まり状態で取付けることがで
き、さらに開閉動作時には、ローラ軸に多方向の
衝撃荷重を受けても、ローラ軸が折損したり、軸
芯方向に抜け出たり、入り込んだりする惧れは全
くなく、常に適正な開閉動作を行わせることがで
きる等、極めて有用な実用的効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るパネルシヤツターにおける
ローラ軸取付装置の一実施例を示すものであつ
て、第１図はパネルシヤツターの概略斜視図、第
２図は要部の斜視図、第３図は同上縦断正面図、
第４図は第１図の一部詳細図、第５図は従来例の
縦断正面図。 １……パネルシヤツター、２……パネル、３…
…上框、４……軸受部材、５……ローラ軸、６…
…ローラチエーン、７……ローラ、８……取付
孔、９……段差部、１０……螺子、１１……案内
レール、１２……シヤツター収納ケース、１３…
…側板、１４……誘導スプロケツト、１５……収
納レール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各パネルの上框両端部に軸受部材を介してロー
   ラ軸を嵌挿し、該ローラ軸に取着したローラチエ
   ーンにより各パネルを上下方向に連結してシヤツ
   ターカーテンを構成し、該シヤツターカーテンを
   構成した各パネルを同一平面状態で昇降案内する
   案内レールの上端部に、各パネルを順次平行して
   立て並べた状態で横方向に収納案内する収納レー
   ルを備えたシヤツター収納ケースを連設すると共
   に、上記シヤツター収納ケースにはローラチエー
   ンに噛合する誘導スプロケツトを回転自在に配設
   し、該誘導スプロケツトの回転に連動して建物の
   開口部を開閉するように構成したパネルシヤツタ
   ーにおいて、上記ローラ軸の嵌挿側軸部周面に所
   要幅の段差部を周設し、該段差部を挾んで嵌挿側
   軸部の軸径をローラ装着側軸部の軸径より小径に
   形成すると共に、上框と軸受部材とを螺着する螺
   子の螺挿先端部をローラ軸の段差部内に臨ませて
   ローラ軸を取付けたことを特徴とするパネルシヤ
   ツターにおけるローラ軸取付装置。