JPH0352398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、障子戸に取付けられる戸車装置に関
するものである。

従来の技術 戸車外枠に車輪を備えた戸車内枠を左右、上下
動自在に取付けると共に、戸車外枠と戸車内枠と
に相互に接する傾斜面を形成し、戸車内枠をビス
などによつて戸車外枠に対して左右方向に移動さ
せることで、前記傾斜面によつて戸車内枠を上下
動して車輪を戸車外枠に対して上下方向に移動で
きるようにした戸車装置が知られている。

考案が解決しようとする問題点 かかる戸車装置であると戸車外枠を障子戸に取
付けることによつて障子戸を建付け調整すること
ができる。

しかし、その反面ビスなどによつて戸車内枠を
左右方向、すなわち障子戸の面内方向に移動させ
る必要があるので、ビスを障子戸の面内方向に向
けて螺合取付けし、面内方向よりビスを回転操作
せねばならず、障子戸を窓枠に建込んだ状態で戸
車内枠を移動する操作が面倒となり、建付け調整
操作が面倒となる。

特に、西ドイツ国特許出願公開第2926113号に
示すように、障子戸の戸先框に上下動自在に設け
た係止部材を窓枠の竪枠側に設けた係止受部材に
係合して障子戸を引き寄せると共に、この係止部
材と下框に左右、上下移動自在に設けた戸車枠と
をリンク機構を介して連結し、係止部材を上下動
することで戸車枠を左右に移動し、これにより下
框に設けた円弧溝と戸車枠に設けたローラとによ
つて戸車枠を上下動させて障子戸を窓枠に対して
上下動させる持ち上げ式の大型引違い窓において
は、障子戸の戸先框側に係止部材とリンク機構な
どが設けてあるから、前述の様に障子戸の面内方
向よりビスを回転操作することは無理である。

問題点を解決するための手段及び作用 車輪を備えた戸車枠の両側縦板間の下方には上
面及び縦板と対向した側面に開口した透孔を有す
るブロツクを固着し、戸車枠の両側縦板間の上方
には障子の下框下面に接する戸車枠支承部材を上
下動自在に設け、前記透孔の側面への開口部分に
はネジ杆を螺合し、上面への開口部分には戸車枠
支承部材と対向するパツドを上下摺動自在に嵌挿
し、前記透孔に複数の鋼球を挿入して、ネジ杆を
操作することで戸車枠支承部材を上下動して建付
け調整できるようにしたものである。

実施例 第３図は持ち上げ式の引違い窓の一部概略正面
図であり、窓枠１の竪枠２側には係止受部材３が
固着され、下枠４に沿つて障子戸５が戸車装置６
を介して左右走行自在に建込んであると共に、戸
車装置６は車輪７を備えた戸車枠８を備え、その
戸車枠８が障子戸５の下框９に上下及び左右移動
自在に設けてあると共に、障子戸５の戸先框１０
にはハンドル１１で上下動される係止部材１２が
設けられ、この係止部材１２は前記係止受部材３
の孔（図示せず）に係合して障子戸５を引き寄せ
るようにしてあると共に、この係止部材１２と戸
車枠８とを上下動を左右動に変換するリンク機構
１３で連結してある。

前記下框９は両側縦壁９ａ，９ａを横壁９ｂで
連結して下向開口９′を長手方向に亘つて有する
もので、戸車枠８は両側縦板８ａ，８ａを所定間
隔で連結され、その両側縦板８ａ，８ａ間に左右
一対の車輪７が回転自在に支承してあり、その車
輪７が下枠４のレール４ａ上に載置していると共
に、両側縦板８ａ，８ａに形成した開口部１４間
にブロツク１５が嵌合して固着され、このブロツ
ク１５には上面１５ａと側面１５ｂとに開口する
透孔１６が穿孔してあり、この透孔１６は垂直上
部１６ａ、略く字状彎曲した中間部１６ｂ、水平
下部１６ｃより成つていると共に、垂直上部１６
ａにはパツド１７が上下動自在に嵌挿され、水平
下部１６ｃにはネジ杆１８が螺合してあり、この
ネジ杆１８とパツド１７との間には鋼球１９が複
数連続して挿入してある。

そして、ネジ杆１８と対向して下框９の縦壁９
ａには透孔２０が形成されていると共に、ブロツ
ク１５の上面１５ａにはローラ保持具２１が載置
し、そのローラ保持具２１にはローラ２２が横軸
２３で回転自在に支承されて戸車枠支承部材２６
を構成し、その横軸２３の両端部は前記両側縦板
８ａ，８ａに形成した上下方向の長孔２４内に摺
動自在に嵌合して戸車枠支承部材２６を上下動自
在としている。

前記下框９の連結壁９ｂにはカム２５が固着さ
れ、このカム２５は前記ローラ２２が接する直線
勾配面２５ａを有している。

しかして、障子戸５を閉じてハンドル１１を回
動して係止部材１２を係止受部材３に係合して障
子戸５を引き寄せると、リンク機構１３によつて
戸車枠８が右方に移動し、第２図に示すようにロ
ーラ２２がカム２５の直線勾配面２５ａの上方に
接するから、戸車枠８は下框９に対して上方に移
動して障子戸５は窓枠１に対して下方に移動す
る。

また、ハンドル１１を前述と反対方向に回動し
て係止部材１２を係止受部材３より離脱すると、
リンク機構１３によつて戸車枠８が左方に移動
し、ローラ２２がカム２５の直線勾配面２５ａの
下方に接するので、戸車枠８は下框９に対して下
方に移動し、障子戸５は窓枠１に対して上方に移
動して持ち上がつた状態でスムーズに開閉でき
る。

また、第１図に示すように下框９の縦壁９ａに
穿孔した透孔２０より回転工具、例えばドライバ
ーを挿入してネジ杆１８を締付け、弛め操作する
と鋼球１９が上方又は下方に移動してパツド１７
が上方又は下方に移動するので、ローラ保持具２
１が横軸２３を介して長孔２４に沿つて上方又は
下方に移動してローラ２２は上方又は下方に移動
する。

これにより、戸車枠８は下框９に対して下方又
は上方に移動して障子戸５を建付け調整できると
共に、ドライバーを下框９の面外方向より操作で
きるので、障子戸５を窓枠１に建込んだ状態でも
簡単に操作できて建付け調整作業が簡単となる。

特に、実施例に示すようにリンク機構１３と係
止部材１２とを取付けた持ち上げ式の引違い窓に
おいては、リンク機構１３や係止部材１２が邪魔
にならずに面外方向より操作できて建付け調整が
簡単に行なえる。

なお、以上の実施例においては戸車枠支承部材
２６を構成するローラ２２をカム２５に当接する
ようにしたが、これに限るものではなく、戸車支
承部材２６を下框９の横壁ｂ、つまり下框９の下
面に当接する部材とし、その戸車支承部材２６を
戸車枠８に上下動自在に設け、この戸車枠支承部
材２６をブロツク１５に設けたネジ杆１８と鋼球
１９とで上下に移動するパツド１７で上下に移動
するようにしても良く、この様にすれば通常の引
違い窓に戸車装置として利用できる。

考案の効果 ネジ杆１８を締付け、弛め操作することで鋼球
１９、パツド１７を介して戸車枠支承部材２６を
戸車枠８に対して上下に移動できるから、障子戸
５の下框９に取付けた状態においてネジ杆１８を
回転することで戸車枠支承部材２６によつて戸車
枠８を下框９に対して上下に移動して建付け調整
できると共に、ネジ杆１８は面外方向より操作で
きて建付け調整が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は第２図
の−線断面図、第２図は第１図の−線断
面図、第３図は持ち上げ式の引違い窓の一部概略
正面図である。 ７は車輪、８は戸車枠、９は下框、９ｂは横
壁、１５はブロツク、１５ａは上面、１５ｂは側
面、１６は透孔、１７はパツド、１８はネジ杆、
１９は鋼球。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側縦板８ａ，８ａを備えた戸車枠８の前記両
   側縦板８ａ，８ａ間に車輪７を回転自在に支承
   し、前記戸車枠８の両側縦板８ａ，８ａ間におけ
   る下方にブロツク１５を固着し、該ブロツク１５
   の上方には両側縦板８ａ，８ａ間で上下動自在で
   上面が下框９の下面に接する戸車支承部材２６を
   取付け、前記ブロツク１５には戸車枠支承部材２
   ６の下面と対向する上面１５ａと前記縦板８ａと
   対向する側面１５ｂとに開口する透孔１６を穿孔
   すると共に、この透孔１６内に鋼球１９を移動自
   在の複数挿入し、透孔１６の側面１５ｂへの開口
   部分にはネジ杆１８を螺合すると共に、透孔１６
   の上面１５ａへの開口部分には前記戸車枠支承部
   材２６の下面と当接するパツド１７を上下摺動自
   在に嵌合したことを特徴とする戸車装置。