JPS6346590Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は床板支持装置に係り、特に床板敷設
時における施工能率を向上させることが可能な床
板支持装置に関する。

近年、体育館、集合住宅等の床面を形成する場
合、その床張りを効率よく施工して工期の短縮を
図つたり、また床下に配線、配管を施す必要性及
び、階下への遮音の見地からいわゆる床板支持装
置が多く用いられている。

本考案者は第１図に示すような床板支持装置を
既に考案した。この第１図に示す床板支持装置
は、床下基礎面１に載置される支持スタンド２
と、この支持スタンドに立設される支持ボルト５
と、この支持ボルト５に螺合して床板８を支持す
る床板支承板７とを有する床板支持装置におい
て、上記スタンド２は弾性材からなる基部３と、
その上部に取付けられたボルト保持部４とからな
り、このボルト保持部４は上面に環状の突起を有
し、該突起の内方部分と、この突起に嵌着される
キヤツプ部材６により画成される収容部内に支持
ボルト基部を配置して支持ボルトを立設したもの
である。

この床板支持装置を使用して床面を形成する場
合には、先ず床板８に穿設された高さ調節用孔部
９に床板支承板７上部に形成された床板挿入部１
１を挿入し、床板支承板７を床板８にビス等によ
り固定する。その後キヤツプ部材６を挿入した支
持ボルト５を上記床板支承板７に螺合する。この
ねじ込み深さを調節することにより予め床板の概
略高さの調節を行う。次に支持ボルト５基部に支
持スタンド２のボルト保持部４を嵌合させキヤツ
プ部材６を用いて支持ボルト５と支持スタンド２
を固定する。この作業を床板の所定の箇所に行
い、すべての箇所に床板支持装置１０を取り付け
た後、床板８を半転させ床板８を床下基礎面１上
に設置する。

その後床板８の高さ調節をする場合には、高さ
調節用孔部９内においてドライバー等の回動工具
を支持ボルト５頂部に形成された切り込み１２に
嵌合させ、支持ボルト５を回動させて行う。

このような床板支持装置１０にあつては、床板
８に取り付けられた床板支承板７への支持ボルト
５の螺合は、支持ボルト５を手で持ち床板支承板
７にねじ込むことにより行われる。しかし、床板
敷設時には、床板に多数の床板支持装置を取り付
けるため、支持ボルト５を逐一手でねじ込んでい
たのでは、非能率的で煩雑であるし、ねじのかみ
合いが固い場合にはねじ込みにくく、一層非能率
的になるという問題点を有していた。

本考案はこのような問題点を解消するために、
支持ボルトの上下端に回転工具係合用の孔部を設
け、支持ボルトを上下いずれの方向からも回転工
具を使用して回転調整できるようにしたことによ
り、支持ボルトを床板に迅速に取付けられ、かつ
床板の高さ調整を容易にできるものである。

以下添付図面に示す床板支持装置の実施例に基
いて本考案を詳細に説明する。この実施例に係る
床板支持装置２０は、第２図に示すように、全体
を符号２で示す支持スタンドと、この支持スタン
ド２上に回動可能に立設される支持ボルト５と、
この支持ボルト５に高さ調節可能に取付られる床
板支承板７とからなる。

上記支持スタンド２は、第３図１に示すように
弾性材からなる略円筒状のスタンド基部３と、そ
の上部に取り付けられたボルト保持部４とから構
成される。ボルト保持部４は第３図１に示すよう
に、スタンド基部３の上面に設けた孔部３１に差
し込まれる３本の脚部４１とスカート部４２とを
下方に突出して、スタンド基部３上に固定できる
ように形成されている。またその上面には、第３
図２に示すように、外方に環状突起４３を有する
円筒部４４が設けられており、その上方からキヤ
ツプ部材６が被冠されるようになつている。

このキヤツプ部材６は第３図３に示すように中
央に支持ボルト５の軸部を挿通する孔部６１が設
けられており、上記円筒部４４に被冠させる場合
には、側壁部６２の内側に設けた突起部６３が前
記円筒部４４と係合して嵌着されるようになつて
いる。なお図中符号６４は、キヤツプ部材１６を
着脱する場合、側壁部６２が拡開し易すくするた
めの切込であり取り外す場合には、これにドライ
バー等を差し込んでこじあけることができるよう
になつている。

上記のようにして、キヤツプ部材６をボルト保
持部４の円筒部４４に被冠した状態では円筒部４
４の内方部分とキヤツプ部材６とによつて、収容
部４５が形成され、この収容部４５内に支持ボル
ト５の支持ボルト５の直径より大きな直径として
形成したボルト基部５１が収容され、軸部を前記
孔部６１から突出した状態で支持ボルト５は支持
スタンド２上に立設される。また、この支持ボル
ト５は、この収容部４５内において回動可能に形
成されている。

支持ボルト５は、第４図に示すように、その下
端面から、その軸芯に沿つて、回動工具と係合す
る断面正六角形の支持ボルト回動用の孔部５２が
穿設されている。本実施例では、孔部５２は断面
正六角形としたが、回動工具が適合するものであ
れば、断面が矩形、正三角形等の他の形状であつ
てもさしつかえない。また支持ボルト５の上端面
にも同様に回動工具と係合する孔部５３が設けら
れている。

さらに床板支承板７は、第２図に示すように、
全体が円盤状に形成され中央の螺合部７１の内面
はネジ切りされており、支持ボルト５に高さ調節
可能にネジ込まれるようになつている。

このように構成された床板支持装置を使用して
床板を敷設する場合には、第５図に示すように、
床板８に穿設された高さ調節用孔部９に床板支承
板７上面に形成された床板挿通部１１を挿入し、
床板支承板７をビス等により床板８に固定する。
そしてキヤツプ部材６を軸部に挿入した所定長さ
の支持ボルト５の孔部５２に回動工具、例えば電
動回動工具の六角ビツトを挿入し、これを作動し
て支持ボルト５を床板支承板７に床板の概略高さ
位置まで螺合させる。その後キヤツプ部材６を支
持スタンドの円筒部４４に嵌合させて支持ボルト
５に支持スタンド２を取り付ける。この作業を床
板８の所定の箇所のすべてについて行い、その後
床板８を半転させ、支持スタンド２を床下基礎面
１上に設置する。床板８の高さ調節する場合に
は、床板８に開設された高さ調節用孔部９内にお
いて六角レンチ等を支持ボルト５の先端に設けた
前記孔部５３に嵌合させ、支持ボルトを回動させ
て行う。

また第６図に示すように、支持スタンド２の中
央部に孔部３１を設けておけば、支持ボルト５を
支持スタンド２とをキヤツプ部材６で予め固着し
た状態でも、支持ボルト下端の孔部５２に回動工
具が挿入可能であるため床板支承板７に簡便に取
り付けることができるという利点を持つているも
のである。

この考案は、以上の構成を有することから、床
板基礎面の凹凸等により、あらかじめ装着された
支持ボルトでは床下基礎面から床板までの距離に
適合せず高さ調節不可能な場合においても装着さ
れた支持ボルトに代え適宜長さの支持ボルトに交
換することが可能となり、床下基礎面の状態に拘
らず、床面を一定高さに支持することができるも
のであり、その際支持ボルトの床板支承床への螺
合を電動回動工具等で迅速に行えるため、床板に
多数の床板支持装置を設置する際これを迅速に設
置することができ、ねじのかみ合いが固く手では
ねじ込みが難しい場合でも容易にねじ込むことが
でき、また前述の支持ボルトの交換も迅速に行う
ことができるため施工の能率を向上させ施工時間
の短縮を図れるものである。また本考案によれ
ば、支持ボルトと支持スタンドとはキヤツプ部材
を外すことにより分割可能であるため、床板支持
装置の保管及び輸送時において、それぞれの部材
と分割した状態で、嵩ばらず少ないスペースで保
管、輸送等を行なうことができる。更に本考案に
よれば、現場施工時において支持ボルトのみを変
更することができるから、床高さの変化にあわせ
て複数種の床板支持装置を準備する必要はなく、
異なる長さ寸法の支持ボルトのみ準備すれば足
り、コストを低減することができる。更にまた、
本考案によれば、ボルト基部を支持ボルトの直径
より大きく形成しているから床からの荷重を、安
定して支持することができるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の床板支持装置を示す断面斜視
図、第２図は本考案の一実施例に係る床板支持装
置の分解斜視図、第３図１は本考案の一実施例に
係る床板支持装置に使用される支持スタンドの斜
視図、第３図２はこの実施例に係る床板支持装置
に使用される支持ボルト及びボルト保持部の斜視
図、第３図３はこの実施例に係る床板支持装置に
使用されるキヤツプ部材を示す斜視図及び断面
図、第４図１は本考案の一実施例に係る床板支持
装置に使用される支持ボルトを示す正面図、第４
図２は本考案の一実施例に係る床板支持装置に使
用される支持ボルトの底面図、第４図３は第４図
１に示す本考案の一実施例に係る床板支持装置に
使用される支持ボルトのａ−ａ線断面図、第４図
４は第４図１に示す本考案の一実施例に係る床板
支持装置に使用される支持ボルトのｂ−ｂ線断面
図、第５図は本考案の一実施例に係る床板支持装
置の使用状態を示す断面図、第６図は本考案の他
の実施例に係る床板支持装置の使用状態を示す断
面図である。 １……床下基礎面、２……支持スタンド、３…
…基部、４……ボルト保持部、５……支持ボル
ト、６……キヤツプ部材、７……床板支承板、８
……床板、２０……床板支持装置、５２，５３…
…孔部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 床基礎面１に載置され、弾性体３を有する支
   持スタンド２と、この支持スタンド２に下端を
   支承されて回動可能に立設される支持ボルト５
   と、この支持ボルト５に螺合して取付け高さを
   調節可能に床板８を支承する床板支承板７とを
   有する床板支持装置において、上記支持ボルト
   ５の下端には上記支持ボルト５の直径より大き
   い直径を有するボルト基部５１を形成して、こ
   のボルト基部５１を上記支持スタンド２にキヤ
   ツプ部材６で回動かつ取り外し可能に取り付け
   ると共に、 支持ボルト５の上下端には軸芯に沿つて穿設
   された回転工具係合用の孔部５３，５２をそれ
   ぞれ有し、これらの孔部に適合して挿入される
   回動工具により支持ボルト５を回動し、床板支
   承板７への着脱および床板８の高さ調節を可能
   にしたことを特徴とする床板支持装置。 (2) 上記支持スタンド２は、支持ボルト５の下端
   を支承するとともに、支持ボルト５の上記孔部
   ５２に回動工具を挿入するための孔部３１を有
   することを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の床板支持装置。