JPS6346051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、広口内容器内蔵の加圧注出式液体
容器、詳しくは、器体上端を覆う外蓋に内容液加
圧ポンプを備え、器体上端の広口給排液口に外周
パツキン部で載置されてそれを閉じる内蓋に、内
容液加圧ポンプの吐出口が弾性的に圧着接続され
る内容器内への給気通路を有している広口内容器
内蔵の加圧注出式液体容器に関する。

従来技術 この種の液体容器における内蓋は、大径である
にもかかわらず、内容液加圧ポンプの吐出口と給
気通路との弾性圧着接続部である極く小さな一点
部の押圧により、広口給排液口を閉じている。こ
のため、内蓋周りの一部に片寄つて作用する押し
開き作用には耐え難い。そこで内蓋による密閉が
確実であるよう、内蓋外周に給排液口に接する内
向きシールリツプを持つたパツキングを装着する
ことが行われている（実開昭57−121233号公報）。

ところで前記のような広口給排液口のパツキン
グが当接する内蓋受載幅は、大型化防止のため極
力小さくされているうえに、内蓋装着の容易さか
ら給排液口上に充分な位置的余裕をもつて装着さ
れることが多い。

このため第１図から第３図に示す参考例のよう
に、中蓋２８の外周パツキング部３６を外蓋５の
押圧部４３で直接押圧するようにしたとしても、
パツキング部３６の内向きシールリツプ３６ａが
給排液口７に対し偏心して充分に役目を果たさな
いと云つた問題が生じる。

目 的 この考案は、上記のような問題がなく、内蓋の
広口給排液口への適正な圧着接続を、その外周パ
ツキング作用を充分に生かして保つことができる
広口内容器内蔵の加圧注出式液体容器を提供する
ことを目的とする。

構成・作用 この考案は、器体上端を覆う外蓋に内容液加圧
ポンプを備え、器体上端の広口給排液口に外周パ
ツキン部で載置されてそれを閉じる内蓋に、内容
液加圧ポンプの吐出口が弾性的に圧着接続される
内容器内への給気通路を有している広口内容器内
蔵の加圧注出式液体容器において、外蓋に、ポン
プ吐出口と給気通路の所定弾性圧着接続時に内蓋
の外周パツキン部を直接押圧して外周パツキン部
の下面内向きシールリツプを広口給排液口への適
正圧着状態に保つ押圧部を設け、かつ外蓋にそれ
が閉じられるとき内蓋を中心位置にガイドする位
置決めガイドを設けたことを特徴としている。

本考案はそのような構成上、外蓋が閉められる
ときその位置決めガイドが内蓋に働き、内蓋を中
心位置に自動的に位置合せすることができる。そ
して外蓋が閉じ切られると、その押圧部が内蓋の
外周パツキング部を直接押圧してその下面の内向
きのシールリツプを給排液口に前記適正位置で圧
着させることができ、給排液口を内蓋の外周パツ
キング部のシールリツプを介し確実に閉じること
ができる。しかも外蓋とそれにより押圧する内蓋
との間には内蓋の外周パツキング部が介在して若
干の弾性作用をなすので、外蓋、内蓋双方の成形
誤差や組立て誤差があつてもそれを吸収しながら
外蓋側のポンプ吐出口と内蓋側の給気通路との弾
性的な圧着接続状態を過不足ない適正な状態にす
ることができる。

実施例 本考案の実施例は第４図から第８図に示すが、
先ず要部以外の構成部分（外蓋裏板２９部分の構
造以外は共通である。）について第１図から第３
図に示す参考例に基き説明すれば、図に電気ポツ
トの場合が示され、器体１が、金属製外装ケース
２に金属製の広口内容器３を収容して形成され、
器体１上端に、内容液加圧ポンプ４を備えた外蓋
５が開閉自在なよう軸６で枢支して設けられ、内
容器３は器体１上部へ直接開口して、器体１の広
口給排液口７をなしている。内容器３の下部外周
に湯沸しおよび保温用の各ヒータ８が巻着され、
このヒータ巻着部の少し上にサーモスタツト９
が、また底部下面に温度ヒユーズ１０がそれぞれ
装着されている。外装ケース２の下端には合成樹
脂製底盤１１が当てがわれ、内容器３底部下面に
固着された取付金具１２に点検蓋１７を介しビス
止め１３されている。取付金具１２は前記温度ヒ
ユーズ１０を内容器３との間に保持すると共に、
各電気部品結線用のターミナル１４をビス止め１
５している。底盤１１の後部にマグネツト式電源
接続口１６が、前部に湯沸し、保温の各表示窓が
設けられており、その内側にはそれぞれの表示ラ
ンプが配置されている。１９は内容器３外周を覆
う断熱材、２０は電源コード２１のマグネツト式
プラグである。１８は点検蓋１７と底盤１１との
回り止めリブである。

内容液加圧ポンプ４は、手動ベローズポンプと
され、外蓋５の天面に露出するポンプ押圧部材２
２によつて押圧操作されるようにしている。２３
はポンプ４およびその吸気口弁２４に兼用の復元
ばねである。外蓋５は、その自由端部にロツクレ
バー２５が軸２６により枢支して設けられ、ロツ
クレバー２５が器体１側の係止部２７に弾性係合
することによつて閉じ状態に係止される。広口給
排液口７は、着脱自在な金属板製内蓋２８によつ
て閉じられ、内蓋２８に、ポンプ４の下板を兼ね
る外蓋裏板２９に開設されている吐出口３０とパ
ツキングマウス３１を介し弾性的に圧着接続され
てポンプ４からの加圧空気を内容器３内に導く給
気通路３２と、加圧空気によつて押し出されよう
とする内容液を外部へ導く注出路３３とを備え
る。給気通路３２および注出路３３は、内蓋２８
の上面に当てがつてビス止め３４された合成樹脂
製のツマミ兼用ヘツド３５に形成され、注出路３
３は、内容器３内に垂下される金属管３３ａと、
器体１上端一側へ張り出す合成樹脂管３３ｂとが
内部通路３３ｃで接続され、内部通路３３ｃ途中
に転倒時止水弁３６が設けられている。パツキン
グマウス３１は吐出口３０に装着されて、ヘツド
３５上端の給気通路３２開口部に弾性圧着し、吐
出口３０と給気通路３２とを空気洩れを起さない
ように接続すると共に、内蓋２８を器体１の広口
給排液口７に圧着させる。内蓋２８はその外周に
シールパツキング３６が装着され、前記広口給排
液口７への圧着による気密性を高めている。

器体１の上端は、外装ケース２上端に装着され
た合成樹脂製の肩部材３７がなしており、肩部材
３７の前部に、前記合成樹脂管３３ｂの下側に沿
つて器体１上部一側へ突出する嘴状部３７ａを有
し、その先端底部の開口３８から合成樹脂管３３
ｂ先端の下向き注出口３９が下方に臨んでいる。
嘴状部３７ａおよびそれに一体のパイプカバー３
７ｂに囲まれて、外装ケース２との間に係着され
た合成樹脂製注液ガイド４０が、注出口３９から
注出される内容液を受け入れて下方へ案内するよ
うに設けられている。４１はロツクレバー２５に
働かせたばねである。

内蓋２８および外蓋５相互間に、ポンプ吐出口
３０と給気通路３２の所定弾性圧着接続時その圧
着接続部の周りの位置で、互いに近接ないしは当
接して内蓋２８の広口給排液口７への適正圧着状
態を保つ状態保持弾性対向部４２，４３が設けら
れている。内蓋２８側の対向部４２は、内蓋２８
外周に装着されたシールパツキング３６がなす弾
性シール縁上面部とされており、このシールパツ
キング３６の下面には広口給排液口７に直接圧着
する内向きシールリツプ３６ａが形成されてい
る。これに対し、外蓋５側の対向部４３は、内蓋
２８側の対向部４２に当接するよう内蓋２８下面
に突設した下向き突部とされている。外蓋５側の
対向部４３は、ポンプ４の下板を兼用する合成樹
脂製裏板２９の外周部に形成され、それ自体弾性
を有しないが、弾性シール縁がなす内蓋２８側の
対向部４２の弾性によつて、その対向部４２との
間で弾性対向部として作用し、互いの当接によつ
て内蓋２８が器体１転倒時に流出しようとする内
容液の偏圧を受ける等で、内外両蓋２８，５閉じ
状態のまま押し開かれようとするのを防止する一
方、前記相互の当接が部材の成形や組立寸法誤差
上過度になつても、内蓋２８側の対向部４２の弾
性がそれを吸収するので、吐出口３０および給気
通路３２間の適正な弾性圧着接続状態を損わな
い。

この吐出口３０および給気通路３２間の弾性圧
着接続と、状態保持弾性対向部４２，４３の当接
による内蓋２８押し開き防止とが、共に充分にな
されるためには、第２図に示される如く、吐出口
３０および給気通路３２の当接開始時、各対向部
４２，４３間にはまだ隙間Ｓを持つようにされる
ことが望ましい。こうすると、外蓋５を閉じた際
のパツキングマウス３１の変形量が、各対向部４
２，４３の外蓋５閉鎖完了時における当接には影
響なく充分な変形量が得られ、吐出口３０および
給気通路３２間の弾性圧着接続を充分なものにし
易い。

もつとも、対向部４２，４３は、外蓋５閉鎖完
了時互いに近接しているだけで当接しないように
しておいても、内蓋２８が広口給排液口７に対す
る適正圧着状態以上に押し開かれる前に当接し合
つてその押し開きを阻止するようにすることがで
き、この場合は前記好ましい条件を当然満足して
いることになる。

本考案の一実施例は第７図に示すように、第１
図から第３図に示す参考例は、第１図の実施例に
おいて、外蓋５の裏板２９に、内蓋２８のヘツド
３５頂部周りに適当な遊びを持つて対向する補助
状態保持対向部６１を凹陥部状に形成している。
この対向部６１は、外蓋５が閉じられる際にヘツ
ド３５と係合して、内蓋２８を捕捉し横振れを阻
止するので、内蓋２８と広口給排液口７間に可成
り大きな遊びを持たせて、内蓋２８の着脱を容易
なようにしても、内向きシールリツプ３６ａが充
分に役目を果たして内蓋２８が広口給排液口７に
対し偏心状態に圧着され、シールパツキング３６
の異常変形や空気漏れ、液漏れと云つた不都合を
解消し得る。

内蓋２８の偏心防止は、仮想線で示されるよう
に、外蓋５側の状態保持弾性対向部４３に、内蓋
２８の凹陥部２８ａ内周との補助対向部６２を設
けても行える。

また、裏板２９の下面にはヘツド３５の天面に
隙間を持つて対向する補助対向部６３も形成さ
れ、内蓋２８が、内外蓋２８，５の状態保持弾性
対向部４２，４３、および吐出口３０と給気通路
３２との弾性圧着接続によつても抗し切れずに、
広口給排液口７に対する適正圧着状態がまさに解
かれようとするまでに至つたとき初めて当接し合
い、内蓋２８が押し開かれるのを最終的に阻止す
るようにしている。

第５図に示される実施例は、外蓋５の周壁５１
下縁に、内蓋２８側の対向部４２と近接ないしは
当接する外蓋５側の対向部４３を形成したものに
おいて、第４図の実施例の補助対向部６２，６３
を設けた場合を示している。

第６図に示される他の実施例は、補助対向部６
２，６３を寄せ合せ形成している。

上記実施例における外蓋５側の対向部４３は、
合成樹脂管３３ｂに対する逃げ４３ａを一部に有
する環状突部に形成されているが、円周方向に配
設される局部的な突部とされてもよいし、内蓋２
８側の対向部４２を第７図のような局部的突部と
してもよく、これらの場合、各対向部４２，４３
間当接時の弾性作用を高め得る。

対向部４２，４３間当接の弾性作用を高めるに
は、第８図に示されるように、対向部４２，４３
の双方を弾性材で形成してもよい。この場合、対
向部４３を裏板２９の取付孔４５に対し弾性的に
着脱されるようにしてあると、組立てに便利であ
るし、対向部４３を取替えて対向部４２，４３の
当接度を調節することもできる。

効 果 この考案によれば、本考案によれば、外蓋に、
ポンプ吐出口と給気通路の所定弾性圧着接続時に
内蓋の外周パツキン部を直接押圧して外周パツキ
ン部の下面内向きシールリツプを広口給排液口へ
の適正圧着状態に保つ押圧部を設け、かつ外蓋に
それが閉じられるとき内蓋を中心位置にガイドす
る位置決めガイドを設けたから、外蓋が閉められ
るときその位置決めガイドの働きにより、内蓋を
中心位置に自動的に位置合せし、内蓋を給排液口
に単に載せておいて外蓋を閉めるだけで内蓋を適
正位置に位置させることができる。

また外蓋が閉じ切られると、その押圧部が内蓋
の外周パツキング部を直接押圧してその下面の内
向きのシールリツプを給排液口に前記適正位置で
圧着させることができ、給排液口を内蓋の外周パ
ツキング部下面のシールリツプを介し確実に閉じ
ることができる。しかも外蓋とそれにより押圧す
る内蓋との間には内蓋の外周パツキング部が介在
して若干の弾性作用をなすので、外蓋、内蓋双方
の成形誤差や組立て誤差があつてもそれを吸収し
ながら外蓋側のポンプ吐出口と内蓋側の給気通路
との弾性的な圧着接続状態を過不足ない適正な状
態にすることができる。

したがつて、内蓋の広口給排液口への適正な圧
着接続を、その外周パツキング作用を充分に生か
して保つことができる広口内容器内蔵の加圧注出
式液体容器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は参考例を示す電気ポツトの縦断面図、
第２図はその外蓋閉じ完了直前の状態を示す一部
の断面図、第３図はその外蓋閉じ完了状態の一部
拡大断面図、第４図、第５図は本考案の一実施例
を示す一部断面図、第６図は他の実施例を示す一
部断面図、第７図、第８図はそれぞれ外蓋閉じ状
態の変形例を示す一部断面図である。 ｛２……外装ケース、３……内容器、｝１……
器体、４……内容液加圧ポンプ、５……外蓋、７
……広口給排液口、２８……内蓋、３０……吐出
口、３１……パツキングマウス、３２……給気通
路、３３……注出路、３５……ヘツド、３６……
外周パツキング部、３６ａ……内向きシールリツ
プ、４３……押圧部、２９……裏板、５１……周
壁、６１，６２……位置決めガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 器体上端を覆う外蓋に、内容液加圧ポンプを備
   え、器体上端の広口給排液口に外周パツキン部で
   載置されてそれを閉じる内蓋に、内容液加圧ポン
   プの吐出口が弾性的に圧着接続される内容器内へ
   の給気通路を有している広口内容器内蔵の加圧注
   出式液体容器において、 外蓋に、ポンプ吐出口と給気通路の所定弾性圧
   着接続時に内蓋の外周パツキン部を直接押圧して
   外周パツキン部の下面内向きシールリツプを広口
   給排液口への適正圧着状態に保つ押圧部を設け、
   かつ外蓋にそれが閉じられるとき内蓋を中心位置
   にガイドする位置決めガイドを設けたことを特徴
   とする広口内容器内蔵の加圧注出式液体容器。