JPS6312826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、広口内容器内蔵の加圧注出式液体
容器、詳しくは、器体上端の広口内容器が開口し
または連通している広口給排液口を外周シールパ
ツキング部で圧着して閉じ、内容液の加圧注出を
可能とする内蓋と、この内蓋を閉じ状態に押圧す
るよう閉じられる器体上端の外蓋とを備えた広口
内容器内蔵の加圧注出式液体容器に関する。

従来技術 広口内容器は、内部洗浄が楽で容量も取り易い
等の理由で採用され、内容液の加圧注出上重要と
なる内容器の密閉は、第１図に示されているよう
に内容器Ａがなす広口給排液口Ｂ上に、大径の内
蓋Ｃがその外周のシールパツキングＤを介し圧着
するよう、図示しない外蓋で押圧してなされてい
る。そしてこのシールパツキングＤの下面に、広
口給排液口Ｂ上に弾性圧着する斜め下向きの環状
シールリツプＥを形成し、内容器Ａや内蓋Ｃ、シ
ールパツキングＤ等各部材の成形誤差や組立誤
差、あるいは大径の内蓋Ｃに作用する偏圧に起因
した、内蓋Ｃの広口給排液口Ｂへの圧着不均一や
バラツキを吸収して、内容液加圧注出時に空気洩
れしたり、器体転倒時に内容液が漏出したりしな
いようにしている。

しかし、前記シールパツキングＤは、その横断
面コ字状本体部Ｆに持つ内周環状溝Ｇを内蓋Ｃ外
周部に弾性的に嵌め合わせて装着されているだけ
であるのに、シールリツプＥは、パツキンＤ下面
の外周近くから直に斜め下向きに形成されてい
て、広口給排液口Ｂへ圧着するときに先端から基
部に向けて生じる反力Ｐを、シールパツキング本
体部ＦのシールリツプＥ突出部に対しそのまま直
に作用させることになり、前記内蓋Ｃ外周へ単に
嵌め合わせているだけの本体部Ｆが、それを支え
る内蓋Ｃ外周部の表面側へ仮想線の如くズレ動い
て内蓋Ｃ外周部表面から浮く。このためパツキン
グＤと広口給排液口Ｂとの間のシールが充分で
も、内蓋押圧を強くするほどシールすべき内容器
口部の径が大きいことと相俟つて内蓋Ｃ外周とシ
ールパツキングＤとの間で洩れが生じ易い。

目 的 この考案は、シールパツキングのシールリツプ
を改良して、前記従来のような欠点を解消し得る
広口内容器内蔵の加圧注出式液体容器を提供する
ことを目的とする。

構成・作用 この考案は、器体上端の広口内容器が開口しま
たは連通している広口給排液口を外周シールパツ
キング部で圧着して閉じ、内容液の加圧注出を可
能とする内蓋と、この内蓋を閉じ状態に押圧する
よう閉じられる器体上端の外蓋とを備えた広口内
容器内蔵の加圧注出式液体容器において、前記シ
ールパツキングの広口給排液口上に圧着する下面
に、のパツキングが被着されている内蓋外周の外
径よりも小径の立ち下がり基部を持つて斜め内向
きに突出する環状シールリツプを形成したことを
前記目的達成のための要旨としている。

立ち下がり基部を持つて斜め内向きに突出する
環状シールリツプは、その先端から立ち下がり基
部に向け生じる圧着反力を、それが立ち下がり基
部に及ぶ際シールパツキング本体部のシールリツ
プ形成部を内蓋に対し押し付ける方向に大半転向
させる。またこの転向反力のシールパツキング本
体部への作用位置を、シールリツプが突設される
内蓋外周の外径よりも内側に規制する。

実施例 第２図以下に示される実施例について説明すれ
ば、電気ポツトの場合が示され、器体１が、金属
製外装ケース２に金属製の広口内容器３を収容し
て形成されている。器体１上端に、内容液加圧ポ
ンプ４を備えた外蓋５が開閉自在なよう軸６で枢
支して設けられ、内容器３は器体１上部へ直接開
口し、器体１の広口給排液口７をなしている。内
容器３の下部外周りに、図示しない湯沸し、保温
用のヒーターおよびその制御部材が装備されてい
る。８は内容器３外周を覆う断熱材である。

内容液加圧ポンプ４は、手動ベローズポンプと
され、外蓋５の天面に臨出するポンプ押圧部材９
によつて押圧操作されるようにしている。１０は
ポンプ４およびその吸気口弁１１に兼用の復元ば
ねである。外蓋５は、その自由端部にロツクスラ
イダー１２が前後に摺動自在なよう設けられ、こ
のスライダー１２がそれに働かせたばね１３の付
勢によつて器体１側の係止部１４に弾性係合する
ことで、閉じ状態に係止される。広口給排液口７
は、着脱自在な金属板製内蓋１５によつて閉じら
れる。内蓋１５は、その外周に広口給排液口７に
気密的に圧着するシールパツキング１６が装着さ
れている。また、外蓋５のポンプ下板を兼ねる裏
板１７に開設されているポンプ吐出口１８に対し
そのシールパツキングマウス１９を介して弾性的
に圧着接続されポンプ４からの加圧空気を内容器
３内に導く給気通路２０と、加圧空気によつて押
し出されようとする内容液を外部へ導く注出路２
１とが内蓋１５に設けられている。

給気通路２０および注出路２１は、内蓋１５の
上面に当てがつてビス止め２２された合成樹脂製
のツマミ兼用ヘツド２３に形成され、注出路２１
は、内容器３内に垂下される金属管２１ａと、器
体１上端一側へ張り出す合成樹脂管２１ｂとが内
部通路２１ｃで接続され、内部通路２１ｃ途中に
転倒時止水弁２４が設けられている。シールパツ
キングマウス１９は吐出口１８に装着されて、ヘ
ツド２３上端の給気通路２０開口部に弾性圧着
し、吐出口１８と給気通路２０とを空気洩れを起
さないように接続すると共に、内蓋１５を器体１
の広口給排液口７に圧着させる。

器体１の上端は、外装ケース２上端に装着され
た合成樹脂製皿形肩部材２５がなしており、肩部
材２５の前部に、前記合成樹脂管２１ｂの下側に
沿つて器体１上部一側に突出する嘴状部２５ａを
有し、その先端底部の開口２６から合成樹脂管２
１ｂ先端の下向き注出口２７が下方に臨んでい
る。嘴状部２５ａ下面および器体１前部外面に装
着されているパイプカバー２８内に、合成樹脂製
の注液ガイド２９が、注出口２７から注出される
内容液を受け入れて下方へ案内するよう伸縮自在
に設けられている。

内蓋１５外周のシールパツキング１６は、横断
面コ字形本体部１６ａがその内周溝１６ｂを内蓋
１５外周の２重折り縁１５ａに弾性的に嵌め合わ
せて装着され、本体部１６ａの下面に、内周溝１
６ｂの外径D₁より小さな径D₂の立ち下がり基部
１６ｃを持つて斜め内向きに突出する環状シール
リツプ１６ｄが形成されている。このシールリツ
プ１６ｄが圧着される広口給排液口７の部分は、
内容器３の上端外フランジ３ａが形成しており、
外フランジ３ａは肩部材２５の底部開口縁２５ｂ
上へシールパツキング３０を介し受けられてい
る。

内蓋１５は、外蓋５が閉じられてそのシールパ
ツキングマウス１９をヘツド２３天面の給気通路
２０開口部に弾性圧着させて吐出口１８と給気通
路２０とを接続させるときの押圧で、広口給排液
口７に圧着され、内容器３を閉じ、ポンプ４によ
る内容液の加圧注出を可能にする。内蓋１５の広
口給排液口７への圧着は、内蓋１５外周に装着さ
れているシールパツキング１６のシールリツプ１
６ｄが、内容器３の外フランジ３ａ上面へ圧着す
ることによりなされる。

シールリツプ１６ｄは、その優れた弾性と、立
ち下がり基部１６ｃとの屈曲部を支点とする変形
（傾き変化）容易性とによつて、外フランジ３ａ
上面へ充分な弾性変形代をもつて部材の成形誤差
や組立て誤差、あるいは大径内蓋１５に対する偏
圧等に起因した、圧着不均一やバラツキを吸収す
る状態で圧着され、内容器外フランジ３ａ上面と
の間で空気洩れや内容液の漏出を起さない。

シールリツプ１６ｄが外フランジ３ａ上面に圧
着するときの反力Ｐは、シールリツプの立ち下が
り基部１６ｃに及んで大半がシールパツキング本
体部１６ａのシールリツプ１６ｄ突出部を内蓋１
５へ押し付ける圧着力P′に転向され、本体部１６
ａを内蓋１５外周の表側へズレ動かせる方向への
作用力が従来に比し格段に小さくなる。しかも圧
着力P′は、本体部１６ａのシールリツプ１６ｄ突
出部であつて、内蓋１５の外径より内側であるた
め、内蓋１５の広口給排液口７への圧着力は、シ
ールリツプ１６ｄの広口給排液口７への圧着力、
およびシールパツキング本体部１６ａの内蓋１５
への圧着力として作用し、内蓋１５および外蓋５
閉じ状態では、その圧着力をもつてシールパツキ
ングを広口給排液口７および内蓋１５双方によく
密着させ、その何れとの間からも空気洩れや内容
液の漏出を起させない。

外蓋５の裏板１７下面に、シールパツキングマ
ウス１９の周りで放射状に突出する複数のリブ状
突片３１が形成され、ヘツド２３天面の給気通路
２０開口部周りに形成された環状突条３２と対向
し、器体１が倒れて内容液が内蓋１５の一部に作
用する等、思わぬ大きな押し開き力が内蓋１５に
作用しても、リブ状突片３１と環状突条３２との
当接によつて、内蓋１５が広口給排液口７に対す
る適正圧着閉じ状態以上に押し戻されないように
されている。リブ状突片３１と環状突条３２との
間には、内、外蓋１５，５閉じ状態で若干の隙間
Ｓが生じるようにして、シールパツキングマウス
１９による吐出口１８および給気通路２０の適正
圧着接続状態と、内蓋１５の広口給排液口７への
適正圧着閉じ状態とに影響しないようにしてい
る。リブ状突片３１は、裏板１７の強度と剛性を
高め、外蓋５による内蓋１５の押圧が裏板１７の
弾性によつて甘くなり、内容液加圧時内蓋１５が
浮き上がるようなことを防止し得る。

もつとも、リブ状突片３１と環状突条３２と
が、前記適正圧着接続および適正圧着閉じの各状
態を得た上で当接し合うようにしても、あるいは
それら状態を妨げないよう弾性的に圧着し合うよ
うにしてもよく、それらの場合、内蓋１５を適正
圧着閉じ状態に保ち易くなる。

また、外蓋５によつて内蓋１５を適正圧着閉じ
状態にし、あるいはその状態を保持し、あるいは
その状態以上に押し戻されないように規制する押
圧部の位置は任意であり、第６図に示されるよう
な、内蓋１５の外周シールパツキング１６上に対
向しまた接する押圧部３３とすれば、シールパツ
キング本体１６ａの内蓋１５外周からの浮きをさ
らに防止し易い。

効 果 この考案によれば、器体上端の広口内容器が開
口しまたは連通している広口給排液口を外周シー
ルパツキング部で圧着して閉じ、内容液の加圧注
出を可能とする内蓋と、この内蓋を閉じ状態に押
圧するよう閉じられる器体上端の外蓋とを備えた
広口内容器内蔵の加圧注出式液体容器において、
前記シールパツキングの広口給排液口上に圧着す
る下面に、そのパツキングが被着されている内蓋
外周の外径よりも小径の立ち下がり基部を持つて
斜め内向きに突出する環状シールリツプを形成し
たから、シールリツプは、内蓋が広口給排液口に
圧着される際に、先端から立ち下がり基部からの
屈曲部に向け作用する圧着反力の大半を、立ち下
がり基部でシールパツキング本体部のシールリツ
プ突出部を、内蓋外周部に対しその外径よりも内
側で圧着させる圧着力として転向作用するように
し、内蓋押圧力を利用してシールパツキング本体
部とそれが装着される内蓋外周部との間に隙間が
生じるようなことを防止する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す一部拡大図、第２図はこ
の考案の一実施例を示す電気ポツトの一部の断面
図、第３図は要部の拡大断面図、第４図はポンプ
吐出口部の斜面図、第５図は内蓋ヘツド一部の斜
面図、第６図は変形例の一部断面図である。 ｛２……外装ケース、３……広口内容器｝１…
…器体、４……内容液加圧ポンプ、５……外蓋、
６……軸、７……広口給排液口、｛２０……給気
通路、２１……注出路、２３……ヘツド、１６…
…シールパツキング｝１５……内蓋、１６ａ……
本体部、１６ｂ……内周溝、１６ｃ……立ち下が
り基部、１６ｄ……シールリツプ、３１……リブ
状突片、３２……環状突条、３３……押圧部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 器体上端の広口内容器が開口しまたは連通し
   ている広口給排液口を外周シールパツキング部
   で圧着して閉じ、内容液の加圧注出を可能とす
   る内蓋と、この内蓋を閉じ状態に押圧するよう
   閉じられる器体上端の外蓋とを備えた広口内容
   器内蔵の加圧注出式液体容器において、 前記シールパツキングの広口給排液口上に圧
   着する下面に、そのパツキングが被着されてい
   る内蓋外周の外径よりも小径の立ち下がり基部
   を持つて斜め内向きに突出する環状シールリツ
   プを形成したことを特徴とする広口内容器内蔵
   の加圧注出式液体容器。 (2) 内蓋は、外蓋に備える内容液加圧ポンプの吐
   出口がそれに装着のシールパツキングマウスを
   介し、内容液加圧ポンプからの加圧空気を内容
   器内に導くべく備える給気通路に圧着接続する
   ことによつて、閉じ状態に押圧される実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の広口内容器内蔵の
   加圧注出式液体容器。 (3) 外蓋は、内容液加圧ポンプの吐出口と給気通
   路との接続部周りで、内蓋を広口給排液口への
   適正圧着閉じ状態より浮き上がるのを阻止する
   押圧部を有している実用新案登録請求の範囲第
   １項または第２項記載の広口内容器内蔵の加圧
   注出式液体容器。 (4) 押圧部は、外蓋下面のポンプ吐出口開口部周
   りに、放射状に突設した複数のリブ状突片とさ
   れている実用新案登録請求の範囲第３項記載の
   広口内容器内蔵の加圧注出式液体容器。 (5) リブ状突片は、内蓋の中央に付設されて給気
   通路を有しているツマミ兼用ヘツド天面の給気
   通路開口部周りに形成された環状突条に対向し
   ている実用新案登録請求の範囲第４項記載の広
   口内容器内蔵の加圧注出式液体容器。 (6) リブ状突片は環状突条との間に、内蓋がその
   給気通路へのポンプ吐出口の圧着接続により閉
   じられている状態で、若干の隙間を持つように
   されている実用新案登録請求の範囲第５項記載
   の広口内容器内蔵の加圧注出式液体容器。 (7) 押圧部は、内蓋外周のシールパツキングに対
   向しまたはそれを押圧するように設けられてい
   る実用新案登録請求の範囲第３項記載の広口内
   容器内蔵の加圧注出式液体容器。