JPH041095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は液体、粉体のような流動物のための注
出容器、詳しくは開閉が簡単に行なえ且つ完全に
密閉することができる口部を具えた注出容器に関
するものである。

［従来の技術］ 流動物を収容した注出容器として例えば実公昭
47−21161号に示された口部を有するものが知ら
れている。

かかる注出容器の口部は容器体にねじ結合した
ふたを締め込んだとき、中ぶたの頂壁に形成した
一定距離だけ移動する周囲に注出口を設けてなる
弁体が容器本体の口部に具えられた流出口を有す
る弁座に接して流出口を閉じ、ふたを緩め更に外
したときに中ぶたに設けたばね部材の弾力によつ
て中ぶたが開方向へ押されて摺動して流出口が開
くものである。

従つて、ふたを容器口部に着脱するだけで中ぶ
たを移動し、自動的に容器を密閉し或いは開くこ
とができ取扱いが便利なものである。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、前記従来の注出容器はふたがねじ込
み式であるため片手で操作することが困難で取扱
いにくいとともに、ふたを完全に締込まないと完
全密閉することができず、締込みが不充分である
と外気が侵入して内容物を変質させまた内容物が
洩れ出すという不都合があり、また、反対に必要
以上に強い力で締込むと開くのが困難になる欠点
ある。更に、中ぶたが容器本体に摺動可能に取付
けられており、中ぶたと容器本体との間に隙間が
生じるため洩れを防止するためには中ぶたと容器
本体との嵌合関係を密にする必要があり、製造時
の寸法管理がきわめて厄介であるという問題もあ
る。

本考案は斯る点に鑑みてなされたものであつ
て、簡単な操作でふたの開閉操作をすることがで
きて取扱いがきわめて便利であるとともに完全密
閉が可能で且つ製造も容易な注出容器を提供する
ことを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案では注出容器を、容器体の頂面が円弧面
に形成されているとともに上方へ突出した弁体お
よびその周囲に形成された流出路を有するくぼみ
が前記円弧面に設けられ、注出口およびこの注出
口を囲んで前記円弧面よりも上方へ突出した突起
を中心部に有し弾性材料で作られた中栓部材がそ
の周縁部に形成された環状の係止突条を前記くぼ
みの外側に形成された環状の係止溝に嵌装固定す
ることによつて前記くぼみを覆つて取付けられて
いるとともに、前記円弧面を摺動する円弧面を下
面に有するふたが前記容器体に回動可能に取付け
られており、前記ふたを前記中栓部材に重ねたと
き前記突起が押され中栓部材が変形して前記注出
口を前記弁体に密に嵌装させ、前記ふたを回動し
て前記中栓部材を開放したとき自身の弾性力で前
記中栓部材が復元して前記注出口と前記弁体との
間に隙間を作るようにした構成としたことによつ
て、前記問題点を解決するための手段とした。

［作用］ ふたを中栓部材に重ねたときその突起が押され
ることによつて中栓部材が変形し、注出口がふた
および弁体により塞がれて密閉される。ふたを回
動すると中栓部材は露出して自身の弾性力で復元
注出口は開放されて容器体の内容物を注出するこ
とができる。そして、中栓部材の注出口が弁体に
自身の弾性力で密着することにより内容物を密閉
し、また、周縁部での環状の係止突起と係止溝と
の嵌め合いおよびふたと突起上端縁との圧接が密
閉を助けるのである。

［実施例］ 本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
平面正方形の容器体１の頂端に外側周面に環状の
係合突条２を有する突出口縁３に囲まれた開口部
４が形成され、内側周面に環状の係合溝６を有す
る中裾壁７を具えたカバー体５が係合突条２と係
合溝６とが互いに嵌め合い係合することによつ容
器体１の頂端に固着されている。カバー体５は容
器体１の外形と同一外形の外裾壁８と、頂面を形
成する円弧面９と、この円弧面９の中央に形成さ
れたくぼみ１０を有し、くぼみ１０の底壁１１は
中心に上方へ突出した丸軸状の弁体１２およびそ
の周医に形成した複数の流出路１３を有し、底壁
１１の外周の内裾壁１４は突出口縁３に密に嵌装
している。

前記円弧面９と同じ円弧面１８に頂面が形成さ
れている中栓部材１７は内側周面に環状の係止突
条１９を有する周壁２０と筒状の注出口２１とを
具え、中心の注出口２１は上方へ突出した環状の
突起２２および下方へ突出した環状の突起２２の
上端縁に囲まれており、カバー体５のくぼみ１０
の外側に形成した環状の係止溝１５に係止突条１
９が嵌装することによりくぼみ１０を覆つてカバ
ー体５に固定されている。

更に、前記二つの円弧面９，１８と同一の円弧
面２５を下面に有するふた２４の両側端の脚片２
６がカバー体５の側壁１６に突設したピン２７に
回動可能に取付けられている。

このような構成の本実施例において、第１，２
図はふた２４が中栓部材１７と重なつて突起２２
を押し中栓部材１７を変形させてくぼみ１０に押
し込んだ状態を示し、弁体１２の先端円錐部１２
ａに注出口２１の下端円錐部２１ａが密に嵌装す
るとともに突起２２の上端縁にふた２４が圧接密
着している。

ふた２４を回動してカバー体５の円弧面９に重
ね中栓部材１７を開放すると自身の弾性力で復元
し、注出口２１と弁体１２との間に隙間ができる
ので、容器体１の内容物を流出路１３、くぼみ１
０、注出口２１を経て注出することができる（第
３，４図）。

第５図は本考案の異なる実施例を示すものであ
つて、カバー体を内カバー体２９と外カバー体３
０とに分割させ、内カバー体２９は前記実施例と
同じくくぼみ１０、底壁１１、弁体１２、流出路
１３、内裾壁１４および中裾壁７を有していて容
器体１の突出口縁３に嵌装固定されているととも
に中栓部材１７を固定している。外カバー体３０
は円弧面９の中央に突起２２を突出させた開口３
１を有するとともに下方へ延びる裾壁３２を有
し、この裾壁３２と中裾壁７との環状の係合溝３
３と係合突条３４とが互いに嵌まることによつて
内カバー体２９に固定されている。

この実施例においても円弧面９を摺動する円弧
面２５を有するふた２４を回動することによつて
注出口２１が開閉される。

中栓部材１７は弾力性に富み変形したとき復元
性を有するゴムまたは合成樹脂で作られており、
復元性を助けるために戻しばね２８が底壁１１と
の間に装入されているが、この戻しばね２８は省
いてもよい。また、カバー体５を容器体１と一体
品に形成してもよいことは勿論である。

［考案の効果］ 本考案によると、容器体の頂面を円弧面に形成
し、この円弧面に沿つてふたを回動することによ
つて弾性材料で作られている中栓部材を変形また
は復元させ、変形したとき弁体とふたとによつて
注出口を塞ぐようにしたので、ふたを単に回動し
て頂面に沿つて摺動するだけの簡単な操作でふた
の開閉が行われ、従つて、不完全に閉じ或いは開
くのが困難なほどに強固に閉じるという不都合が
ないとともに開放したふたが内容物を注出する際
の邪魔になることもない。そして、中栓部材の注
出口は上方の突起がふたに押されて変形すること
によつて弁体に自身の弾性力で密に嵌装して内容
物を密閉し、且つその際に中栓部材が周縁部で環
状の係止突条と係止溝との嵌め合いで容器体に固
定されているとともにふたに突起の上端縁が圧接
することとによつて密閉を助けるので、中栓部材
のもつ弾性力を利用した簡単な機構で完全密閉を
計ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の一部切截した正面
図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線に沿う断面図、第
３図はふたを開いた状態の縦断面部分図、第４図
はその平面図、第５図は本考案の異なる実施例の
縦断面部分図である。 １……容器体、５……カバー体、９……円弧
面、１０……くぼみ、１２……弁体、１３……流
出路、１７……中栓部材、２１……注出口、２２
……突起、２４……ふた、２５……円弧面、２７
……ピン、２９……内カバー体、３０……外カバ
ー体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器体の頂面が円弧面に形成されているととも
   に上方へ突出した弁体およびその周囲に形成され
   た流出路を有するくぼみが前記円弧面に設けら
   れ、注出口およびこの注出口を囲んで前記円弧面
   よりも上方へ突出した突起を中心部に有し弾性部
   材で作られた中栓部材がその周縁部に形成された
   環状の係止突条を前記くぼみの外側に形成された
   環状の係止溝に嵌装固定することによつて前記く
   ぼみを覆つて取付けられているとともに、前記円
   弧面を摺動する円弧面を下面に有するふたが前記
   容器体に回動可能に取付けられており、前記ふた
   を前記中栓部材に重ねたとき前記突起が押され中
   栓部材が変形して前記注出口を前記弁体に密に嵌
   装させ、前記ふたを回動して前記中栓部材を開放
   したとき自身の弾性力で前記中栓部材が復元して
   前記注出口と前記弁体との間に隙間を作るように
   構成されていることを特徴とする注出容器。