JPS6345881Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、播種用凹部を上面に備えた多数のブ
ロツクを、縦横に並列させた状態で、かつ、底部
側で連結した状態で備えた育苗用床材に関する。

上記床材は、苗植付装置による一株分の苗切断
取出しが苗量の過不足や床土崩れの生じにくい状
態で行わせられるマツト状苗を得るために、一ブ
ロツクに一株分の育苗を行なつて、ブロツクと共
に苗植付を行なえるようにしたものである。

しかし、従来、播種用凹部をその全周にわたつ
て壁が在るように形成して、多孔質の合成樹脂や
パルプ等のブロツクを貫通させて種子の根を張る
ようにしていたため、育苗期において、根が十分
にブロツクの外部に張出さず、植付直後には、ブ
ロツクを介して肥料や水分の供給を受けることに
なり、肥料や水の供給不足のために活着不良や根
腐れ等を生じるという欠点があつた。

本考案は、上記の点に鑑み、極めて簡単改造で
もつて、育苗期において、ブロツク外に根が十分
に張出すようにすることを目的とする。

本考案の育苗用床材の特徴構成は、前記ブロツ
クの夫々に、前記凹部から横側面にわたる状態で
上方に向かつて開口した溝を形成してある事にあ
り、単に溝を付加するだけの簡単かつ合理的な改
造を施すだけで育苗時に種子の根を溝に沿つてブ
ロツク外に十分に張出させることができた。その
結果、苗植付直後における肥料、水分、空気等の
供給を十分に行え、良好な苗植付を確実に行なえ
るようになつた。

次に本考案の実施例を示す。

第１図及び第２図に示すように、多数のブロツ
ク１……を互いに切断可能な状態でその底部側を
縦横に並列連結すると共に、ブロツク１……夫々
の上面に播種用凹部２を形成して、一ブロツク１
に一株分の育苗を行なえ、苗植付の際に一ブロツ
ク１毎に切り離して苗植付作業を行なえる育苗用
床材を構成してある。

前記ブロツク１を構成するに、圧縮成形された
パルプ材を成形して、吸水性を有しながらブロツ
ク１への根張りを阻止するようにすると共に、第
２図に示すように、前記凹部２から横側面４面
夫々に亘り、しかも、底部が横側面側程低くなる
傾斜状態で上方に向かつて開口した溝３、及び、
凹部２から底面に向かつて貫通した孔４を形成
し、もつて、第３図及び第４図に示すように凹部
２に播種した適当量の種子の根が溝３に沿つてブ
ロツク１を取囲む形態で成長するように、かつ、
孔４から水分の吸収を効率良く行なえるように構
成してある。

尚、孔４は本考案を実施するにおいて必ずしも
必要なものではなく、ブロツク１を構成する材料
の吸水性の大小に応じて適宜穿設すれば良い。

また、前記ブロツク１……を並列連結するに、
単体ブロツクを破断可能なシート状の部材に接着
連結しても良く、その具体的構成は各種変更自在
であり、それらブロツク１……を構成するに、例
えば安価で、吸水性を有しない合成樹脂材料を用
いたり、あるいは尿素系樹脂や圧縮成形したワラ
等のように、苗植付後、圃場で腐蝕分解可能な材
料を用いても良い。そして、それら材料の整形加
工性に応じて前記溝３を例えば、切れ目やスリツ
ト形状に形成しても良く、それらを溝３と総称
し、その数や形状は変更自在である。

本考案は稲の他麦等の各種作物の育苗用床材に
適用可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る育苗用床材の実施例を示
し、第１図は全体平面図、第２図は要部の拡大斜
視断面図、第３図は要部の作用状態を示す断面
図、第４図は要部の作用状態を示す斜視図であ
る。 １……ブロツク、２……凹部、３……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 播種用凹部２を上面に備えた多数のブロツク１
   ……を、縦横に並列させた状態で、かつ、底部側
   で連結した状態で備えた育苗用床材であつて、前
   記ブロツク１……の夫々に、前記凹部２から横側
   面にわたる状態で上方に向かつて開口した溝３を
   形成してある事を特徴とする育苗用床材。