JPS6344512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、家屋に連設されるサンルーム用出窓
の取付け装置に関する。

（従来の技術） サンルームは、太陽光線を多量に受けうる明る
い健康的な特別の居住空間として設けられるもの
である。従来は、サンルームを拡張すべく居住空
間をさらに加える必要性について気付かれること
がなかつた。すなわち、サンルームとは外回りが
板ガラスで面壁状に覆われているという既成概念
が支配的であつたため、出入口が設けられること
はあつても、さらに空間を付加するような出窓が
設けられるということはなかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 従来はサンルームの物珍しさもあつて、単純な
形状で充分に満足されていたのであるが、今や多
様化時代、個性化時代を迎えて、需要者の好みが
複雑化し一様ではなくなつていることから、単純
にガラス張りにされたサンルームでは飽きられる
傾向にある。

そして、サンルームは特別な居住空間ではな
く、快適な生活をおくる上において不可欠なもの
として認識されるに至つた結果、そこで寛ぎたい
という希望から、余裕のある空間であることが潜
在的に求められている。

しかし、好みやコスト面から依然として旧来の
単純な構造も需要があることは事実なので、総て
のサンルームに出窓を設けることは、販売政策上
不得策である。

本考案は、上記のような実情に鑑みてなされた
もので、旧来のサンルームに出窓を取付けること
の可能な出窓の取付け装置を得ることを目的とす
るものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案は、家屋
に連設されるサンルーム用の出窓において、上枠
骨、下枠骨および左右縦枠骨により枠組み構成さ
れる外面壁体に開口部を設け、開口部の上枠と左
右縦枠にそれぞれ板ガラス嵌殺し用嵌着溝を設
け、下枠には、板ガラス押縁部材との間で板ガラ
ス嵌殺し用嵌着溝を形成可能な中央段部を設け、
前記開口部に取り付ける出窓の天板と左右妻板
に、前記上枠と左右縦枠の前記嵌着溝をそれぞれ
封じる取付片を形成し、また皿板には前記下枠の
中央段部に掛かる取付片を形成し、さらに前記下
枠を覆う膳板を皿板に載置してなる出窓の取付け
装置を提案するものである。

（作用） サンルームを上記のように構成した場合は、開
口部に板ガラスを嵌めることもできる構造である
ため、出窓のあるサンルームと、出窓がないサン
ルームの両者の生産を兼ねることができ、しかも
板ガラスを嵌める構造として設けられた部位、す
なわち開口部の上枠および左右縦枠に設けられた
嵌着溝や、下枠の段々状の上面が、出窓を設置す
る場合その取付片や膳板によつて隠される。

（実施例） 第１図乃至第３図は一実施例を示したもので、
Ｐは単体としての外面壁体であつて、幾つかの外
面壁体Ｐをサンルームの骨組３５に組み合わせる
ことにより、サンルーム全周の外面壁が構成され
る。その場合、総ての外面壁体Ｐには出窓Ｔか板
ガラスＧのいずれかが取り付けられる。

外面壁体Ｐは、上枠骨１、下枠骨２および左右
縦枠骨３，３により枠組み構成され、高さ中間部
に開口部８を設け、開口部８の上枠４と下枠５を
左右縦枠骨３，３に架設し、上枠骨１と上枠４と
の間、および下枠５と下枠骨２との間にそれぞれ
板ガラス７，７を嵌着する。そして開口部８の左
右縦枠６，６は縦枠骨３，３によつて兼ねられて
いる。

開口部８には、出窓Ｔと板ガラスＧが選択的に
取り付けられる。そこで、一個のサンルームにお
いて、その外面壁を構成する多数の外面壁体Ｐ，
Ｐ…のうち、一枚の外面壁体Ｐに出窓Ｔを取り付
け、他の外面壁体Ｐ，Ｐ…に板ガラスＧ，Ｇ…を
取り付ける。

開口部８に板ガラスＧを取り付けるため、上枠
４と左右縦枠６，６（縦枠骨３，３）には枠内周
側面の幅中央部に板ガラスＧの嵌着溝１０，１１
を設ける。また、下枠５は、上面を室内側段部１
２ａ、中央段部１２ｂ、室外側段部１２ｃの順に
低くなる段状に形成し、中央段部１２ｂには板ガ
ラスＧの押縁部材１５を取り付けるための内外掛
止突条１３，１４を設ける。押縁部材１５は、断
面略Ｌ字形であつて、中央段部１２ｂに組み付け
ることにより、板ガラスＧの嵌着溝１２が形成さ
れる。

出窓Ｔは、天板１６、皿板１７、左右妻板１
８，１８とで枠組みされ、前端面に板ガラス２０
を嵌めて構成される。天板１６、皿板１７、左右
妻板１８，１８にはそれぞれ基端に開口部８の上
枠４、下枠５、左右縦枠６，６の室外面に接合す
る当接片２１，２２，２３を形成し、各当接片２
１，２２，２３の室内側面に取付片２４，２５，
２６を突設する。

そのうち、天板１６の取付片２４と左右妻板１
８，１８の取付片２６，２６は、開口部８の内周
面に接合するとともに、上枠４、左右縦枠６，６
の嵌着溝１０，１１を封じる位置と長さに形成さ
れ、皿板１７の取付片２５は下枠５の中央段部１
２ｂに掛かる位置と長さに形成する。これらの取
付片２４，２５，２６は、上枠４、下枠５、左右
縦枠６，６にビス止めされる。

皿板１７は、その当接片２２に下枠５の室外側
段部１２ｃに掛かる係合片２２ａを突設し、ま
た、取付片２５の先端には下枠５の室内側の掛止
突条１３に上動不能に掛かる係合部２５ａを形成
する。

さらに、天板１６、皿板１７、左右妻板１８，
１８にはそれぞれ先端に板ガラス２０の嵌着溝２
７，２８，２９を設け、そのうち、皿板１７の嵌
着溝２８を構成する起立片３０の上端に膳板３２
の端部に掛かる押止片３３を形成する。

膳板３２は、皿板１７と下枠５との両方に亙つ
て載置され、下枠５よりも室内側に一部が突出す
る長さに形成する。

なお、上記の出窓を取り付ける場合も、開口部
８に出窓Ｔを取り付けないで板ガラスＧを取り付
ける場合も、上枠骨１、下枠骨２、左右縦枠骨
３，３、上枠４、下枠５、上下板ガラス７，７は
共通の構成要素として存在している。

したがつて、出窓Ｔ付のサンルームは、その需
要量が少ない場合でも、従来部材を利用すること
ができるので安価に提供できる。

外面壁体Ｐに出窓Ｔを取り付けるときは、各取
付片２４，２５，２６を開口部８に差し込み、さ
らに下枠５においては、室外側段部１２ｃに係合
片２２ａを掛けるとともに、中央段部１２ｂに取
付片２５を掛けながら、取付片２５先端の係合部
２５ａを室内側の掛止突条１３の下に差し込むこ
とによつて、出窓Ｔを仮止めした後、その要所を
外面壁体Ｐにビス止めする。

この仮止め時における出窓Ｔの安定性について
みると、出窓Ｔの荷重の大部分は係合片２２ａと
取付片２５によつて受けられるが、取付片２５先
端の係合部２５ａが室内側掛止突条１３に上動不
能に掛かるため、室外側の掛止突条１４が支点と
なることによつて、出窓Ｔの転倒が防止され、取
付片２４，２６が開口部８に嵌まつていることも
あつて、以上の操作だけで出窓Ｔを安全に仮止め
できる。仮止めの安定性がこのように簡単に得ら
れるため、出窓Ｔの取付け作業を迅速になしう
る。

第４図は他の実施例を示したもので、この場合
は、外面壁体Ｐの下半部に開口部８を設けたもの
であり、そのため下枠骨２が開口部８の下枠５を
兼ねている。その他については前記実施例と略同
様である。

（考案の効果） 本考案は以上のように構成され、開口部に出窓
を取り付ける場合も、これを取り付けないで開口
部に板ガラスを嵌める場合も、共に共通の部材を
使用できるので、出窓付きサンルームを安価に実
施することができる。さらに、開口部に出窓を取
り付ける本考案の場合は、板ガラス取り付け用の
嵌着溝などが出窓の取付片や膳板によつて隠され
るので、外観が損なわれることもないなどの利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は一実施例を示し、第１図は
出窓の取付け状態を示す外面壁体の縦断面図、第
２図は板ガラスの取付け状態を示す外面壁体の縦
断面図、第３図はサンルームに外面壁体を取り付
けた状態を第１図のＡ−Ａ線矢視において示す断
面図、第４図は他の実施例を示す図で、第１図に
対応する断面図である。 Ｐ……外面壁体、Ｔ……出窓、Ｇ……板ガラ
ス、４……上枠、５……下枠、６……縦枠、１
０，１１，１２……嵌着溝、１２ｂ……中央段
部、１６……天板、１７……皿板、１８……妻
板、２４，２５，２６……取付片、３２……膳
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 家屋に連設されるサンルーム用の出窓におい
   て、上枠骨１、下枠骨２および左右縦枠骨３，３
   により枠組み構成される外面壁体Ｐに開口部８を
   設け、開口部８の上枠４と左右縦枠６，６にそれ
   ぞれ板ガラス嵌殺し用嵌着溝１０，１１を設け、
   下枠５には、板ガラス押縁部材１５との間で板ガ
   ラス嵌殺し用嵌着溝１２を形成可能な中央段部１
   ２ｂを設け、前記開口部８に取り付ける出窓Ｔの
   天板１６と左右妻板１８，１８に、前記上枠４と
   左右縦枠６，６の前記嵌着溝１０，１１をそれぞ
   れ封じる取付片２４，２６を形成し、また皿板１
   ７には前記下枠５の中央段部１２ｂに掛かる取付
   片２５を形成し、さらに前記下枠５を覆う膳板３
   ２を皿板１７に載置してなることを特徴とする出
   窓の取付け装置。