JPS6344059Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〈考案の技術分野〉 この考案は、健康の増進に貢献する健康枕の改
良に関する。 〈従来の技術〉 近年、磁力線が肩こりの解消，血行増進，疲労
回復等に有効であることが認められ、この効能を
利用して睡眠中に健康の増進をはかる目的の各種
器具が提案されている。例えばこの考案の考案者
は以前、人体の肩部や首部が当たる枕本体の側縁
部に複数個の永久磁石を配設した構造の健康枕を
提案した（実公昭57−24356号）。 〈考案が解決しようとする問題点〉 ところがこの種健康枕において、枕本体が従前
の直方形状である場合には、各永久磁石が首部や
肩部にピタリと当たらないため、人体に対する磁
力線の作用が弱く、磁力線による効果が望めない
という問題がある。 この問題に関して、考案者は永久磁石と人体と
の間隔が、磁力線による治療効果に及ぼす影響を
明らかにするため、第６図に示す方法で磁束密度
の測定実験を行つた。同図は、直径17mm，厚さ２
mmの平面形状が円形であつて、中央部に厚さ８mm
の肉厚部を有する永久磁石７のサンプルを示して
おり、このサンプル10個につき永久磁石７の中心
部から垂直方向に１mmごとの磁束密度をガウスメ
ーターで測定するものである。下表はその測定結
果を示しており、Ａは永久磁石７からの距離を
〔mm〕で示し、Ｂはこの測定に用いられた10個の
サンプル番号を示している。また測定された磁束
密度の単位は〔ガウス〕である。

【表】

【表】 上表に示すとおり、いずれのサンプルにおいて
も、永久磁石７から５mm離れると磁束密度は０mm
における磁束密度の約25％となり、10mm離れた場
合には０mmにおける磁束密度の約10％に減少して
いる。このように永久磁石７からわずかに離れて
も、この磁束密度が大幅に減少することは、この
実験の結果より明らかである。したがつて永久磁
石が人体にピタリとフイツトしない従来の健康枕
においては、永久磁石による人体への磁力線の効
果は殆ど期待できないことになる。 しかも従来の健康枕は、睡眠中に移動し易いた
め、確実な磁気治療効果が得られないだけでな
く、後頭部をを持ち上げるような格好で頭部を支
えるため、首部が前側へ屈曲して圧迫される状態
となり、安眠効果や健康増進効果の妨げとなるな
どの問題があつた。 そこでこの考案は、、各永久磁石が人体にピタ
リと当たり且つ睡眠中に枕の移動が完全に阻止さ
れ、しかも頭部が自然体で支持される構造の新規
な健康枕を提供し、もつて安眠効果、健康増進効
果および磁気治療効果の向上をはかることを目的
とする。 〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、この考案の健康枕で
は、クツシヨン芯材の外周をクツシヨン材で包ん
で枕本体となしその全体をカバーで覆つている。
前記クツシヨン芯材は、肉厚が一定で上面が平坦
な平坦部と、平坦部の前部側上面を全幅にわたり
上方へ突出させた突面形状の突出部とを備えて、
平坦部の長さを突出部の長さのほぼ２倍に設定
し、前記突出部の位置に対応する枕本体の前端面
は人体の首部ないし肩部の形状に沿う曲面に形成
すると共に、突出部から平坦部に対応する枕本体
の上面は人体の首部ないし後頭部の形状に沿う曲
面を形成している。そしてこの枕本体の表面に
は、平坦部の上面と突出部の上面および前端面と
に対応する位置にそれぞれ複数個の永久磁石を配
設している。 〈作用〉 この考案の枕に頭を載せると、枕本体が人体に
沿うので、永久磁石が人体の首部や肩部等に正し
くフイツトして、永久磁石と人体との間隔が狭ま
り、磁力線が人体に強く作用する。また突出部の
位置で枕本体はちようど首部の凹曲面に嵌まるか
ら、睡眠中の枕の動きが阻止され、確実な磁気治
療効果を得ることができ、しかも頭部を自然体で
支えるので、首部を無理に屈曲して圧迫すること
がなく、有効な健康増進効果と安眠効果を実現す
る。 〈実施例〉 第１図および第４図は、この考案に係る健康枕
を示すもので、クツシヨン芯材２、タイル状陶器
板３および、クツシヨン材４より成る枕本体１上
の表面に複数個の永久磁石６を配設すると共に、
枕本体１の全体を、布製のカバー５で覆つてあ
る。 前記クツシヨン芯材２はウレタンフオーム等を
もつて形成され、肉厚が一定で上面が平坦な平坦
部２１と、この平坦部２１の前部側に連続形成さ
れた突面形状の突出部２２とを含むものである。
この突出部２２は上面を全幅にわたり上方へ突出
させたもので、この突出部２２の長さに対し前記
平坦部２１の長さはほぼ２倍に設定してある。こ
のクツシヨン芯材２はクツシヨン材４で包まれて
おり、平坦部２１から突出部２２に至るなだらか
な曲面が人体の後頭部ないし首部の形状に適合
し、また突出部２２の前端面の曲面が人体の首部
または肩部の形状に適合する。 クツシヨン芯材２における平坦部２１の上面に
は、複数枚（この実施例では３枚）のタイル状陶
器板３が横一列に配設してあり、これら陶器板３
をもつて頭部を冷却すべく機能させる。 クツシヨン材４は、上記クツシヨン芯材２およ
び陶器板３を包んでおり、半硬質のポリウレタン
フオーム等をもつて形成されると共に、表面に多
数の突起部４１および溝部４２を交互に有する波
型凹凸面４０を具備している。この上面側の波型
凹凸面４０は、頭部に対する接地面を少なくして
頭部の血行を良好となすと共に頭部と枕との間に
空間を形成して頭部の放熱作用を促す役目を果た
し、一方下面側の波型凹凸面４０は、布団上で枕
が移動するのを阻止する滑り止めとしての作用を
果たす。 上記波型凹凸面４０には、第３図および第４図
に示す如く、人体の後頭部が対応位置する平坦部
２１の上面部、首部が位置する突出部２２の上面
部および、肩部が位置する突出部２２の前面部
に、それぞれ板状の永久磁石６が溝部４２に嵌め
込むように複数個接着固定されている。この実施
例では、粉末材を圧縮成形した後焼結し、着磁し
たフエライト等の永久磁石が用いてある。 しかして、この考案にかかる枕上に頭部を載せ
る場合、第５図に示す如く、後頭部Ａはクツシヨ
ン芯材２の平坦部２１の上方に、また首部Ｂは突
出部２２の上方に、さらに肩部Ｃは突出部２２の
前側にそれぞれ位置すると共に、突出部２２の位
置で枕本体１がちようど首部Ｂの凹曲面に嵌まる
形となる。かくて枕本体１は、人体の後頭部、首
部および肩部に沿つてピタリと当たるため、各部
に対応位置する永久磁石６の磁力線が人体に強く
作用して、コリ等の症状を軽快させる。この場
合、枕本体１の下面側の波型凹凸面４０が荷重で
適度に圧縮され且つ圧縮状態で突起部４１が敷布
団の上面へ食い込み、さらにこれに加えてクツシ
ヨン芯材２の突出部２２の位置で枕本体１が首部
に嵌まり込むため、枕の移動が完全に阻止され、
睡眠中、磁力線が人体に確実に作用し、所望の磁
気治療効果を得ることができる。しかも枕本体１
は突出部２２および平坦部２１の位置で、後頭部
および首部を自然体に近い状態で支えるから、首
部が無理に圧迫されることがなく、所望の磁気治
療効果と安眠効果を得ることができる。 〈考案の効果〉 この考案は上記の如く、クツシヨン芯材に平坦
部と、平坦部の前部側の上面を全幅にわたつて上
方へ突出させた突面形状の突出部とを形成して平
坦部を突出部のほぼ２倍の長さに設定し、前記突
出部位置に対応する枕本体の前端面は人体の首部
ないし肩部の形状に沿う曲面に、また突出部から
平坦部の位置に対応する枕本体の上面は人体の首
部ないし後頭部の形状に沿う曲面に、それぞれ形
成すると共に、枕本体の表面には、平坦部の上面
と突出部の上面および前端面とに対応する位置に
複数の永久磁石を配設したから、各永久磁石が人
体にピタリと当たりかつ睡眠中に枕の移動が完全
に阻止されるから、磁気治療効果の向上をはかる
ことができる。しかも頭部が自然体に近い状態で
支えられるから、安眠効果や健康増進効果を実現
できる等、考案目的を達成した顕著な効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は枕本体の一部を破断した斜面図、第２
図は枕の縦断面図、第３図は枕本体の平面図、第
４図は枕本体の正面図、第５図は枕の使用状況を
示す側面図、第６図は磁束密度の測定状況を示す
説明図である。 １…枕本体、２…クツシヨン芯材、４…クツシ
ヨン材、５…カバー、６…永久磁石、２２…突出
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 クツシヨン芯材２の外周をクツシヨン材４で包
   んで形成された枕本体１の全体をカバー５で覆つ
   た健康枕であつて、 前記クツシヨン芯材２は、肉厚が一定で上面が
   平坦な平坦部２１と、平坦部２１の前部側の上面
   を全幅にわたつて上方へ突出させた突曲面状の突
   出部２２とを備えて、平坦部２１の長さを突出部
   ２２の長さのほぼ２倍に設定し、前記突出部２２
   の位置に対応する枕本体１の前端面は人体の首部
   ないし肩部の形状に沿う曲面に形成すると共に、
   突出部２２から平坦部２１の位置に対応する枕本
   体１の上面は人体の首部ないし後頭部の形状に沿
   う曲面に形成しており、この枕本体１の表面に
   は、平坦部２１の上面と突出部２２の上面および
   前面とに対応する位置にそれぞれ複数個の永久磁
   石６を配設して成る健康枕。