JPS6343307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば集合住宅の廊下やバルコニー
等の片持床スラブの鼻先側に設置されるドレンの
改良技術に関するものである。

従来の代表的なドレンを第１図に示す。このも
のは、排水管２０を接続するための筒体２１の上
部に、排水溝２２の巾よりも大径のフランジ状受
水皿２３を連設したドレン本体２４と、該ドレン
本体２４の排水口２５を蓋する孔付き蓋体２６と
から構成されるもので、該ドレンＡを片持状の床
スラブＢの鼻先側に設置するに、該床スラブＢの
鼻先には手摺り２７が立設される関係上、上記の
ドレンＡは、前記筒体２１を排水溝２２に対して
手摺り２７とは反対側に偏らせて設置されるのが
通例である。

さて、かかるドレンを床スラブＢの鼻先側に設
置するに、第２図に示すように、床スラブＢを作
製するための底型枠２８の上面にスペーサー筒２
９を取付けると共に、該スペーサー筒２９にドレ
ン本体２４を止着し、そして排水溝成型用の型枠
３０をドレン本体２４上に偏らせて配置すると共
に、残りのドレン本体２４上に集水溝部Ｃを作製
するためのドレン用型枠３１を設け、かかる状態
でコンクリートＤを現場打ちし、所定の養生後に
型枠２８，３０，３１を撤去すると共に、埋設し
たドレン本体２４に孔付き蓋体２６を取付けて、
設置を完了（第１図の状態）するものである。

ところで、前記型枠２８，３０，３１の撤去後
において、型枠設置面が何れもモルタルによつて
仕上げ処理されるものであるが、特にドレン型枠
相当部が狭いことから、該部をコテ仕上げする作
業が困難であり、しかも、型枠３１の位置ずれに
より仕上りの見栄えが悪くなることがあつた。

本考案は、かかる実情に鑑みて成されたもので
あつて、ドレン部に対する仕上げ処理を不要にす
ると共に、全体の施工性の向上を図ることを目的
としている。

以下、本考案の実施例を第３図以降の図面に基
いて説明すると、第３図は片持床スラブ１の鼻先
側にドレン２を設置した状態の断面を示し、前記
ドレン２は前記床スラブ１に埋設される排水管接
続用のドレン本体３と、該ドレン本体３に対して
ビス４止めされる多数の排水孔ａ…付き蓋体５と
から成る。尚、ドレン本体及び蓋体は鋳鉄又は樹
脂製である。

さて、ドレン本体３は、第４図乃至第９図、及
び、第１０図乃至第１４図に示すように、排水管
６を接続するための筒体７と、該筒体７の上部の
大径排水口７ａに導水するフランジ状の受水皿８
と、この受水皿８上に、筒体７の排水口７ａに沿
つて略半円状に立設され且つ第１５図ロに示すよ
うに両端に排水溝成型用型枠１７の側端面に当接
する縦端面９ｂを有すると共に外周面を上拡がり
に傾斜させて半コーン状とした堰壁９と、該堰壁
９に連なる状態の半円状の小堰壁１０とから構成
され、かつ、前記堰壁９の下部側並びに小堰壁１
０の夫々には、それら９，１０よりも外方の受水
皿８部分で受けられた漏水を前記筒体７に導く小
孔ｂ…と切欠ｃ…が形成され、更に、堰壁９の上
部には、蓋体５の受け部９ａと、前記蓋体止着用
ビス４を螺合するための盲ビス孔ｄが設けられて
いる。

上記のドレン本体３を床スラブ成型用の底型枠
１１にセツトするに、第１５図イに示すように、
先ず、前記筒体７の大径筒部７Ａよりもやや小径
のスペーサー筒１２と、該スペーサー筒１２並び
に大径筒部７Ａの夫々に嵌まり込む木型１３，１
４、及び、大径の前記木型１４に穿設した中心孔
ｅに挿通する長大の木ネジ１５を用意する。

次に、同図ロに示すように、小径の木型１３を
排水管６の取付け中心に一致させて、これを床ス
ラブ底型枠１１上に釘止めすると共に、該木型１
３にスペーサー筒１２を外嵌合し、このスペーサ
ー筒１２の上端に、ドレン本体３の環状凹部ｆを
嵌め込む状態でドレン本体３を載置する。

そして、前記大径の木型１４を大径筒部７Ａに
嵌め込み、該木型１４の中心孔ｅに木ネジ１５を
挿通させて、これを下部の小径木型１３、並びに
必要に応じて底型枠１１にねじ込むのである。

以上をもつて、ドレン本体３並びにスペーサー
筒１２のセツトを完了するのであり、そして次
に、排水溝１６を成型するための型枠１７を前記
小堰壁１０上に当接させてセツトし、該型枠１７
とドレン本体３まわりにコンクリート１８を現場
打ちして床スラブ１を作製するのであるが、前記
堰壁９を略半円状にしてその両端に、排水溝成型
用型枠１７の側端面に当接する縦端面９ｂを形成
してあるので、該堰壁９が従来のドレン型枠３１
に相当するものとなり、而して、モルタルの仕上
げ処理が不要な集水溝部１９を作製できるのであ
る。

さて次に、前記排水孔ａ付き蓋体５は、前記堰
壁９の受け部９ａに載置される上面部分５ａと、
受水皿８に載置される下面部分５ｂと、これら両
部分５ａ，５ｂにわたりかつ堰壁９の内面に当接
する斜面部分５ｃとから成り、各面部分５ａ，５
ｂ，５ｃに長孔や円弧孔等の排水孔ａ…が設けら
れたものであるが、第１６図に示すように、堰壁
９との間に隙間を形成する状態の半コーン状の部
分５ｄを、上面部分５ａと斜面部分５ｃの端縁に
連設して、椀状の蓋体５に構成するも良く、その
形状は不問である。

以上説明したように、本考案によるドレンは、
ドレン本体が、排水管接続用筒体と、その上部に
外側へ向けて連設されたフランジ状の受水皿と、
該受水皿の上に、排水口の周囲に沿つて略半円状
に立設され且つ両端に排水溝成型用型枠の側端面
に当接する縦端面を有する堰壁とを備えているこ
とを特徴とするものである。

即ち、ドレン型枠として機能する堰壁を受水皿
に連設することによつて、従来のように、ドレン
型枠を別途用意してこれを所定箇所に設置すると
いつた手間が全く不要になり、しかも、ドレン本
体を設置した状態で集水溝部が形成されるもので
あるから、該部に対するモルタル仕上げの処理も
不要であり、従来のようなドレン型枠の位置ずれ
による手直しも不要で、ドレン部の仕上りが美麗
なものとなり、全体として、単純な形状の堰壁を
付加するだけの簡単な改良によつて、ドレン部に
対する仕上げ処理が不要で、しかも全体の施工性
の向上も図れるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のドレンの断面図、第２図は同
じく従来例のドレンの設置説明図である。第３図
以降は本考案の実施例を示し、第３図は片持床ス
ラブの縦断面図、第４図はドレンの縦断面図であ
る。第５図乃至第９図はドレンにスペーサー筒を
セツトした状態を示し、第５図は正面図、第６図
は左側面図、第７図は右側面図、第８図は平面
図、第９図は底面図である。第１０図乃至第１４
図はスペーサー筒をセツトしない状態のドレンを
示し、第１０図は正面図、第１１図は左側面図、
第１２図は右側面図、第１３図は平面図、第１４
図は底面図である。第１５図イ，ロはドレン設置
説明図、第１６図は排水孔付き蓋体の別実施例を
示す縦断面図である。 ３……ドレン本体、５……孔付き蓋体、６……
排水管、７……筒体、７ａ……排水口、８……受
水皿、９……堰壁、１７……排水溝成型用型枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排水管を接続するためのドレン本体と、該ドレ
   ン本体の排水口を蓋する孔付き蓋体とから成るド
   レンであつて、前記ドレン本体が、排水管接続用
   筒体と、その上部に外側へ向けて連設されたフラ
   ンジ状の受水皿と、該受水皿の上に、排水口の周
   囲に沿つて略半円状に立設され且つ両端に排水溝
   成型用型枠の側端面に当接する縦端面を有する堰
   壁とを備えていることを特徴とするドレン。