JPS6343159Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両フロアカーペツトの対サイドシル
構造に関する。

第１図に示す車両フロアカーペツト０１のサイ
ドシル０３に対応する部分の従来の構造は単なる
立上り部０２を設けてスカツフプレート０７によ
つてサイドシル０３に沿わせたものに過ぎなかつ
た。ところが、サイドシルインナ０４にはハーネ
ス０６等を導設する凹所０５が設けられているの
で、凹所０５の開口部分を覆う立上り部カーペツ
トの当該部分は乗員の靴先や荷物等の押圧力を受
けて歪みが生じ見栄えを損うようになつたり、強
い局部衝撃でハーネス等を損傷する慮れがあつ
た。

本考案は上記従来のフロアカーペツトの両側端
部における対サイドシル構造の不具合を除くため
になされたもので、サイドシルアウタとサイドシ
ルインナとを接合して形成したサイドシルのフラ
ンジ部の同サイドシルインナ側フランジとでサイ
ドシルインナにハーネス等を導設するため形成さ
れた凹部の開口部分に対応して立上がるカーペツ
ト側端部の裏面に、上記フランジ部をＵ字状抱持
部を有する樹脂製板状のサイドトリムをしてその
抱持部の内側壁に形成したリツプを介して該抱持
部にて挟持せしめ、且つ上記凹所の開口部部分に
対向する上記サイドトリムに肉薄部を設け、上記
サイドトリム下部は上記凹部の開口部下方開口端
縁に係合された車両フロアカーペツトの対サイド
シル構造を提供する。

以下、本考案を図面に示す一実施例に基いて説
明する。

第２図において、車両のフロアパネル１の外側
に設けられたドアの戸当りサイドシル２のサイド
シルインナ３にはその上部にハーネス１５等を導
設する凹部４が車室側に向け開口して設けられて
いる。そして凹部４の上部辺はサイドシルアウタ
５の上方端部と接合されてフランジ部６を形成し
ている。フロアパネル１上に敷きつめられたフロ
アカーペツト７の外側はサイドシルインナ３、凹
部４の開口部分に沿いほぼフランジ部６に達する
立上り部８が形成され、その立上り部の裏面、す
なわちサイドシル２側に例えば塩化ビニール等か
らなる樹脂製の上部にフランジ部６を挟持するＵ
字状抱持部１０を一体形成の板状サイドトリム９
がリベツト等で固着されていて、上記立上り部８
はサイドトリム９を介して上記フランジ部６に取
付けられると共に上記凹部４の開口部分の対応面
に不規則な凹凸を形成することなく展張されてい
る。サイドトリム９の抱持部１０より下方に延び
る板状部分は凹部４の開口部分を覆う長さに延
び、その中間部に横方向に延びる肉薄部１１を設
け、またＵ字状抱持部内壁に上記装着保持のため
のリツプ１２を、さらに下部外側に係止用突起１
３を設ける。なお、サイドトリム９は弾性を有し
て比較的硬質に造成され、リツプ１２および突起
１３は比較的軟質であることが望ましい。図中、
１４はスカツフプレートであつて、サイドシル２
上面と抱持部１０とカーペツト立上り部８の上部
とを被覆保護している。

本考案は上記のように構成したから、フロアカ
ーペツト７外側の立上り部８は、該立上り部と一
体のサイドトリム９がその抱持部１０を介してサ
イドシルのフランジ部６に噛合固定されることに
よつて表面に不規則な凹凸や弛みを生ずることな
く展張される。また、サイドトリム９は抱持部１
０から下部先端に至う長さがサイドシルインナ凹
部４の開口部分を完全に覆う長さを有し、且つ比
較的硬質に造成されているので、乗員に靴先や荷
物によつて立上り部８に押圧力が加えられても、
従来のもののように局部的な歪みを生ずることな
く、また局部的な衝撃を受けてもその衝撃によつ
て凹所内のハーネス１５等を損傷するような慮れ
は全く除かれている。さらに、フランジ部６を挟
持する抱持部１０の内壁に設けるリツプ１２は樹
脂製であるのでフランジ部６が傷付けられること
はなく、ひいてはフランジ部６の錆発生を防止で
き、且つリツプ１２は軟質材とすることで装着性
とガタ音発生防止の効果が得られる。さらにま
た、サイドトリムに設けた肉薄部１１はサイドト
リム本体の若干の屈折を許すもので、サイドシル
のパネルに生起する若干の断面変化にサイドトリ
ムを追従させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両フロアカーペツトにおける従来の
対サイドシル構造の断面図、第２図は本考案の一
実施例を示すフロアカーペツトの対サイドシル構
造の断面図、第３図は第２図のサイドトリムの拡
大縦断面図である。 ２：サイドシル、３：サイドシルインナ、４：
凹部、６：フランジ部、７：フロアカーペツト、
８：立上り部、９：サイドトリム、１０：抱持
部、１１：肉薄部、１２：リツプ、１４：スカツ
フプレート、１５：ハーネス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サイドシルアウタとサイドシルインナとを接合
   して形成したサイドシルのフランジ部近傍の同サ
   イドシルインナにハーネス等を導設し且つ車室内
   に向つて開口する凹部が形成され、上記凹部を被
   覆すべく上方にフロアカーペツトの立上り部を延
   ばし、さらに同立上り部端部と上記フランジ部と
   上記サイドシル上面とをスカツフプレートにより
   被覆するようにしたものにおいて、上記凹部の開
   口部分を覆うべく上記フロアカーペツトの立上り
   部端部の裏側に上記フランジ部を挟着するＵ字状
   抱持部を一体形成した樹脂製板状サイドトリムを
   固着せしめると共に上記抱持部内壁にリツプを形
   成し、さらに上記凹部の開口部分に対向する上記
   サイドトリムに肉薄部を設け、上記抱持部のリツ
   プが上記フランジ部に噛合固定され上記板状サイ
   ドトリム下端が上記凹部の開口部分下方開口端縁
   に係合することにより上記フロアカーペツト立上
   り部を上記サイドシルに展張されるように構成し
   たことを特徴とする車両フロアカーペツトの対サ
   イドシル構造。