JPS6343097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は広版書籍に係り特に表紙の見開き版面
より大きな地図、図画等を折畳んでとじ合わせた
広版書籍に係る。

一般に地図帖や絵本などはA4版の大きさが大
きい方であり、見開きにしてもA3版の大きさで
ある。この表紙の中にＡ版全紙の大きさの地図や
図画を数枚とじ込んで造本することは不能とされ
ていた。すなわち、これはＡ版全紙ではA4版の
表紙に大きさを合わせようとすると８枚分に折畳
まなくてはならず、折畳むことによつて嵩張り、
とじ代の位置や造本後の開閉に難があるためであ
つた。

大版の地図等が一枚きりの場合では、例えば第
１図に示すように、表紙１の大きさをA3とし、
地図２の大きさをＡ全紙としたときは、地図２の
天折線２ａより下側の図中左側端部に糊代２ｂを
設けて表紙１の背折部１ａの内側に接着してい
る。従つて地図２は天折部２ａから縦方向に２つ
折りにして、横幅を四つ折りにして表紙１内に納
まるようにしている。そのため、地図２を２枚３
枚一諸にとじようとすると、第１図の状態で地図
２を数枚丁合してその糊代２ｂ部分を貼り合わせ
ることになり、これでは地図２を折畳んだり開い
たりすることが極めて困難となり、結局製本不能
であつた。

本願考案はそれらの難点を解消し、表紙より大
きな用紙を何枚でもとじ込み造本できる広版書籍
を提供することを目的としたもので、その構成
は、表紙の見開き版面より縦横ともに大版の用紙
を天折りし、側端部をその端面が喉折線から一定
の間隔離れるように小口折りし、更に喉折部で喉
折りをした折畳紙を適数枚喉折部を合わせて丁合
した状態で各喉折部には外端面から数ミリ幅の帯
状に接着剤層を形成し、該各喉折部は各々の端縁
部間に適宜間隙をあけた状態で喉折部端面に表紙
背折部内面を接着し一体に造本して成ることを特
徴としている。

上記構成により成る本考案によれば、糊代が用
紙の天折線より地の方であつてかつ喉折部外端部
であることと、折畳紙を適数枚重合した状態で喉
折部に接着剤層を帯状に形成してあること、更
に、折畳紙は適数枚丁合した状態では小口折りし
た両側端部が喉折線から離れていて、他の部分は
８枚重ねであるが喉折部は４枚重ねであるため、
各喉折部は各々の端縁部間に紙２枚分ほどの間隙
が生じていて、その間隙のある状態で表紙を接着
するものであるため、造本後において、中の広版
用紙を開閉することが極めて楽であり、枚数が多
くても少しも支障が生じない効果がある。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第３図以下本考案に係り、第３図は天折りし
た用紙の斜視図、第４図は小口折りした用紙の斜
視、第５図は折畳紙の斜視図、第６図は造本した
広版書籍地部斜視図である。

用紙３はＡ版全紙として、天３ａ、地３ｂ方向
の中間を二つ折りして天折部４を形成した。その
両側端部３ｃ，３ｃを幅の中央の喉折部５から10
mm前後離れるように間隔をおいて小口折りして小
口折部６，６を形成した。これを更に喉折部５か
ら２つ折りして喉折部５を形成して折畳紙７とし
た。この折畳紙７は喉折部５を中心として左右に
観音開らきになる。

次にこの折畳紙７を５部同じ方向に揃えて丁合
し、喉折部５を下向きとしてその下端部に接着剤
層８を形成した。この場合、５部の折畳紙７，７
…は側面から圧縮するが、喉折部５，５…の部分
は各々の喉折部５，５端縁間に用紙２枚分以上の
間隙Ａが生じている。これは小口折りした時点
で、用紙の両側端部３ｃ，３ｃが喉折部５から10
mm前後離れているためである。しかして各喉折部
端面に折山に沿つて接着剤層８を端面から小口折
部６の方に２ミリほど入るよう帯状に形成する
と、第６図中、各喉折部５，５…間の間隙Ａ，Ａ
は下端部を接着剤８で埋められる状態となる。そ
のような状態で、喉折部５，５下端に表紙９の背
折部１０内面を接着し一体に造本、形成する。

上記構成により成る本考案によれば、大版の用
紙を天折りし、小口折の段階でその両側端部３
ｃ，３ｃを喉折部５から10mmほど間隔をおいてい
るために、第６図に示すように、折畳紙７，７…
を造本のために丁合したときに各喉折部５，５…
間に間隙Ａ，Ａ…があき、その間隙Ａ，Ａ…があ
る状態で表紙９を接着することによつて、各折畳
紙７，７…は喉折部５，５…においてゆとりがあ
り、これを開き或いは閉じることが極めて容易と
なるため、用紙３に地図や絵画等を印刷して数
枚、拾数枚を一冊の本に綴じこみ造本することが
できる効果がある。

本考案は前記するように表紙と用紙の大きさを
限定するものではなく、適宜選択される。例え
ば、表紙の見開きがB5版、中綴の用紙がB4版と
いう場合第７図に示すような折畳み方をする。す
なわち、用紙１１の天折部１２は天１１ａと地１
１ｂの中間より天側に近い部分となる。また小口
折部１３は１ケ所となり、側端部１１ｃはその端
面を喉折部１４から適宜離しておく。これによつ
て、この折畳紙を適数枚丁合し喉折部１４に接着
剤層を形成して表紙１５と接着すれば第１実施例
と同じ効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の書籍の平面図、第２図は従来の
書籍の斜視図、第３図以下本考案に係り、第３図
は天折りした用紙の斜視図、第４図は小口折りし
た用紙の斜視図、第５図は折畳紙の斜視図、第６
図は広版書籍の要部斜視図、第７図は他の実施例
を示す斜視図。 ３……用紙、３ａ……天、３ｂ……地、３ｃ…
…側端部、４……天折部、５……喉折部、６……
小口折部、７……折畳紙、８……接着剤層、９…
…表紙、１０……背折部、Ａ……間隙、１１……
用紙、１１ａ……天、１１ｂ……地、１１ｃ……
側端部、１２……天折部、１３……小口折部、１
４……喉折部、１５……表紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表紙の見開き版面より縦横ともに大版の用紙を
   天折りし、側端部をその端面が喉折線から一定の
   間隔離れるように小口折りし、更に喉折部で喉折
   りした折畳紙を適数枚、喉折部を合わせて丁合し
   た状態で各喉折部には外端面に数ミリ幅の帯状に
   接着剤層を形成し、該各喉折部は各々の端縁部間
   に適宜間隙をあけた状態で喉折部端面に表紙背折
   部内面を接着し一体に造本して成ることを特徴と
   する広版書籍。