JPS6343004Y2

JPS6343004Y2 -

Info

Publication number: JPS6343004Y2
Application number: JP1983129610U
Authority: JP
Priority date: 1983-08-22
Filing date: 1983-08-22
Publication date: 1988-11-10
Also published as: JPS6039442U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は主としてマシニングセンタ用自動パレ
ツト交換装置（APC）に設けられる段取ステー
シヨンに関する。

多種類の製品を効率良く生産するシステム
（FMS）が開発され、実用に供されているが、こ
のシステムにおいては、マシニングセンタ等の数
値制御工作機械が必要欠くべからざるものになつ
ている。そして、上記マシニングセンタ１には通
常、第１図と第２図に示すように自動パレツト交
換装置２と段取ステーシヨン３が付属しており、
自動パレツト交換装置２のローダ４により、ワー
ク等を搭載した自動パレツト交換装置２上のパレ
ツト５はマシニングセンタ１側に搬送されるよう
になつている。

ところで、マシニングセンタ１により、該マシ
ニングセンタ１のテーブル上に移載されたパレツ
ト５上のワークを加工している時間を利用して、
上記段取ステーシヨン３においてはワークの段取
替え作業を行なつている。その作業の一例を第３
図と第４図を参照して説明すると、まず、段取ス
テーシヨン３にワークを装着したパレツト６を自
動パレツト交換装置２から搬入する場合には、テ
レスコピツクシリンダ７を伸ばし、その前進端
で、プツシユシリンダ８を押し上げて、テレスコ
ピツクシリンダ７の先端金具９をパレツト６の端
面に固定されたフツク１０に嵌め込む。次いで、
パレツトキヤリア１１とパレツト６とを固定して
いるピン１２をフツク１３から図示しない装置に
よつて押し下げてはずす。さらに、テレスコピツ
クシリンダ７を縮めることによつてワークを装着
したパレツト６を段取ステーシヨン３上に搬入す
る。そして、段取ステーシヨン３の旋回テーブル
１４上に搬入されたパレツト６は、旋回テーブル
１４の軸１５及びローラ１６によつて、水平面上
で手動又は油圧力等によつて旋回自在に動かすこ
とができ、固定装置により旋回テーブル１４を所
定位置に割出すことができる。従つて、第５図に
示すように、パレツト６上に固定した治具１７の
各垂直面（Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ面）に取付けられたワ
ーク１８の加工寸法のチエツク、取外し、次に加
工するワーク１８の取付け等を操作員は移動しな
いで、旋回テーブル１４を回転することによつ
て、任意に行うことができる。また、ワーク１８
を取付けたパレツト６はテレスコピツクシリンダ
７によつて自動パレツト交換装置２のパレツトキ
ヤリア１１に移送される。

しかしながら、このような段取ステーシヨン３
においては、治具１７におけるワーク取付面
（Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ面）が垂直であるので、ワーク
１８を該治具１７に取付けにくく、位置決め作業
がやりにくい上に、取付位置精度が出しにくいと
いう不満があり、特に、ワーク１８が重量物であ
る場合には、極めて重労動であり、危険な作業に
なるという欠点があつた。また、ワーク１８が複
雑な形状をしている場合には、加工後の切粉除去
作業に手間がかかり、大変面倒であるという不満
があつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、ワークの取付け、取外し
を容易にかつ安全に行なうことができ、ワークを
高い精度で取付けることができる上に、切粉除去
作業を簡単に行なうことができる段取ステーシヨ
ンを提供することにある。以下、図面を参照して
本考案を具体的に説明する。

第６図ないし第１０図は本考案の一実施例を示
すもので、図中符号２０はベースであり、このベ
ース２０の上面には、一端部をピン（傾動支点）
２３によりベース２０の水平方向端部に回動自在
に支持した傾転テーブル２１が設けられている。
この傾転テーブル２１の下面に設けられた突起２
１ａはベース２０の上面に設けられたストツパ２
０ａに当接して設けられている。また、傾転テー
ブル２１とベース２０との間には、各端部が該傾
転テーブル２１とベース２０にそれぞれピン結合
された油圧シリンダ（傾動手段）２２が設けられ
ており、この油圧シリンダ２２により、傾転テー
ブル２１はその下面に設けられている突起２１ｂ
がベース２０に設けられているストツパ２０ｂに
接触するまで、ピン２３を中心にして90゜回動す
るようになつている。すなわち、傾転テーブルは
第６図に示す水平位置から第７図に示す垂直位置
の範囲で自由に起倒できるようになつている。

上記傾転テーブル２１の上面に固定された軸２
４には旋回テーブル２５が取付けられており、こ
の旋回テーブル２５は、その外周部が傾転テーブ
ル２１の上面に回転自在に取付けられたローラ２
６に支持され、上記軸２４の回りに回転するよう
になつている。そして、旋回テーブル２５の下面
には凹部２５ａが形成されており、この凹部２５
ａには、ブツシユ２７が嵌入されている。また、
傾転テーブル２１には、これに固定したピンガイ
ド２８を介して、ピン２９が傾転テーブル２１の
上面に直交する方向に摺動自在に支持されてお
り、ピンガイド２８とピン２９との間には、ピン
２９を上方に押し上げるバネ３０が設けられてい
る。なお、ブツシユ２７とピン２９等は旋回テー
ブル２５の固定手段を構成する。そして、ピンガ
イド２８の下面には旋回ロツクレバー３１が設け
られており、この旋回ロツクレバー３１を解除フ
ツク３２に掛けることによつてピン２９を下方に
移動するように構成されている。

上記旋回テーブル２５の上面には従来装置と同
様に図示しないテレスコピツクシリンダやプツシ
ユシリンダが設けられていると共に、ガイド３３
が支持枠３３ａを介して設けられており、ガイド
３３の支持枠３３ａの内側にはローラ（案内ロー
ラ）３４が回転自在に設けられている。そして、
ガイド３３には、パレツト３５のフツク３６が係
合されており、このガイド３３とローラ３４によ
り、パレツト３５は水平方向に移動自在に設けら
れている。また、フツク３６の下部の凹部３６ａ
には、ガイド３３の支持枠３３ａにピン３９を介
して回動自在に取り付けられた鉤状のロツカー３
７の一端３７ａが係合されており、ロツカー３７
の他端３７ｂに設けられたレバー３８を上下に移
動させることによつてピン３９を中心にして上記
ロツカー３７の一端３７ａが回動して上記フツク
３６の凹部３６ａに対し係脱するように構成され
ている。そして、ピン３９の一端側には該ピン３
９と支持枠３３ａとに両端部を固定したバネ４０
が設けられており、ロツカー３７は、常時バネ４
０により前記凹部３６ａに係合する位置ａ（ロツ
ク位置）に回動付勢されるように構成されてい
る。

上記パレツト３５にはワーク取付治具４１が取
付けられており、このワーク取付治具４１にはワ
ーク４２を定められた位置に高い精度で取付ける
エツジロケータ４３や、ワーク４２を固定する止
め金４４が設けられている。

次に、上記のように構成された段取ステーシヨ
ンの作用について説明する。

まず、これに先だつてレバー３８を第９図の二
点鎖線で示すごとく押下げてロツカー３７を、パ
レツト３５のフツク３６の移動通路から外方へ外
して段取ステーシヨンにパレツト３５を受け入れ
る状態にしておく。そしてパレツト３５が自動パ
レツト交換装置から段取ステーシヨンの旋回テー
ブル２５上に、ガイド３３とローラ３４に沿つて
搬入されてくると、第９図の実線で示すごとく、
レバー３８から操作力を解放することによりロツ
カー３７を解除位置ｂからロツク位置ａにバネ４
０の復元力により回動させて、パレツト３５のフ
ツク３６の凹部３６ａにロツカー３７の一端３７
ａを嵌入させてパレツト３５を旋回テーブル２５
上に固定する。次いで、油圧シリンダ２２を作動
させてピン２３を中心にして傾転テーブル２１を
第７図において時計方向に回動させる。すると、
傾転テーブル２１はその突起２１ｂがベース２０
のストツパ２０ｂに当接するまで90゜回動し、ワ
ーク取付治具４１のＥ面は水平状態になる（第７
図参照）。この状態で、止め金４４を外してワー
ク４２を取外したり、加工寸法を検査したり、あ
るいは次のワーク４２をエツジロケータ４３及び
止め金４４を使用して定められた位置に高い精度
で取付ける。この作業は、ワーク取付面が水平状
態であるので、極めて容易にかつ安全に行なうこ
とができる。また、傾転テーブル２１がベース２
０の水平方向端部において起立するので、第７図
に示すように、傾転テーブル２１上の旋回テーブ
ル２５に取付けられたパレツト３５が外方に向き
ベース２０から突出した状態になる。したがつ
て、パレツト３５の下方に空間があいて、ベース
２０自体が作業の邪魔になることがなく、作業が
やりやすくなる。また、パレツト３５の下方にベ
ース２０がないので、切粉がベース２０上に落ち
ることがなく、切粉の処理がやりやすい。なお、
ワーク４２が重量物の場合には図示しないクレー
ン装置等によつてワーク４２を吊り上げて取付
け、取外し作業を行なう。

さらに、上記旋回テーブル２５は、旋回ロツク
レバー３１を第８図の二点鎖線に示すように解除
フツク３２に掛けることによつて、旋回テーブル
２５の下面の所定の旋回割出し位置に穿設されて
いる凹部２５ａに嵌入しているピン２９を外し
て、必要な方向に回転させることができる。従つ
てワーク取付治具４１のＥ面と反対側のＦ面にワ
ーク４２を取付ける場合には、旋回ロツクレバー
３１を解除フツク３２に掛けて、第７図において
旋回テーブル２５を180゜回転させる。次いで旋回
ロツクレバー３１を解除フツク３２から外して、
ピン２９を旋回テーブル２５の凹部２５ａに嵌入
させてＦ面を上側に向け水平に固定する。そし
て、ワーク４２の取外し、取付けあるいはワーク
４２の検査等を行なう。傾転テーブル２１が起立
状態とされ旋回テーブル２５の回動によつて、例
えば第９図でパレツト３５の右側が下に、左側が
上になるようなことがあつても、ガイド３３にフ
ツク３６が係合しているため、パレツト３５が旋
回テーブル２５に対して横転して旋回テーブル２
５から離脱することはない。なお、旋回テーブル
２５の旋回操作が人力ではむずかしい場合には、
例えば第１１図のようなウオーム４５ａを取付け
たハンドル４５を回転させることによつて軸２４
に固定したウオームホイール４６を回転させる構
造等の採用により、容易に旋回させることができ
る。

上記のようにして、ワークの取付け、取外し、
検査等が済んだならば、油圧シリンダ２２を作動
させて、傾転テーブル２１を元の水平状態に戻
す。さらに、レバー３８を解除位置ｂに倒して、
ロツカー３７とパレツト３５のフツク３６との係
合を解き、テレスコピツクシリンダ、プツシユシ
リンダ等を使用してパレツト３５を自動パレツト
交換装置に移動させる。

以上説明したように、本考案は、ベース上に傾
転テーブルが起倒自在に設けられ、この傾転テー
ブル上に旋回テーブルが回転自在に設けられてい
るから、旋回テーブル上に一旦パレツトを載せさ
えすれば、載せ替えを行なうことなく、傾動方向
及び旋回方向に自由にワークの姿勢を変えること
ができる。したがつて、ワークを常に水平姿勢の
状態で着脱あるいは寸法検査等を行なうことがで
き、段取作業を安全かつ容易に行なうことができ
て、高精度のワーク取付作業が可能となる。ま
た、加工後の切粉の除去作業はワークを水平下向
きにすることによつて該切粉を床面等に落下させ
て簡単に行なうことができるので、従来の段取ス
テーシヨンに比べて極めて高能率な段取作業を行
なうことができる。

さらに、本考案においては、傾転テーブルがベ
ースの水平方向端部において起立するようになつ
ているので、起立させた状態では、旋回テーブル
上のパレツトが外方に向きベースから突出した姿
勢となる。したがつて、パレツトの下方に空間が
あいて、ベース自体が作業の邪魔になることがな
く、作業がやりやすくなる。また、パレツトの下
方にベースがない状態にできるので、切粉がベー
ス上に落ちることがなく、切粉の処理がやりやす
くなる等の効果を奏する。

その上、本考案においては、傾転テーブルと旋
回テーブルとの間に、傾転テーブルに対して旋回
テーブルを固定する固定手段が設けられ、また上
記旋回テーブルに、パレツトを移動自在に案内す
る案内ローラと、該案内ローラに沿うパレツトの
移動を自由にした状態でパレツトのフツクに係合
しパレツトの旋回テーブルに対する横転を阻止す
るガイドと、パレツトの側面に形成された凹部に
係合してパレツトの案内ローラに沿う自由移動を
阻止するロツカーとが設けられた構成とされてい
るので、傾転テーブルの傾動操作時に、荷重の偏
りから旋回テーブルが勝手に回転したり、あるい
はその自由回転によつてパレツト等を落下させる
ことがなく、安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は従来の段取ステーシヨン
を示すもので、第１図は平面図、第２図は側面
図、第３図は拡大平面図、第４図は拡大側面図、
第５図はワークの取付け状態を示す説明図、第６
図ないし第１０図は本考案の一実施例を示すもの
で、第６図は側面図、第７図は傾転テーブルを倒
した状態を示す側面図、第８図は第６図の−
線に沿う断面図、第９図は第６図の−線に沿
う断面図、第１０図は第９図の−線矢視図、
第１１図は旋回テーブルの旋回方法を示す斜視図
である。２０……ベース、２１……傾転テーブル、２３
……ピン（傾動支点）、２５……旋回テーブル、
３５……パレツト、４２……ワーク。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ベース２０上に傾転テーブル２１が、その一端
をベース２０の水平方向端部に設けられた傾動支
点２３に枢支して水平位置から垂直位置の範囲で
起倒自在に取り付けられ、上記ベース２０と傾転
テーブル２１との間には、ベース２０に対して傾
転テーブル２１を傾動させる傾動手段２２が設け
られるとともに、上記傾転テーブル２１上に旋回
テーブル２５が傾転テーブル２１上のローラ２６
に支持され、かつ軸２４で枢支されて傾転テーブ
ル２１に沿う面内で旋回自在に設けられ、また上
記傾転テーブル２１と旋回テーブル２５との間に
は、傾転テーブル２１に対して旋回テーブル２５
を固定する固定手段が設けられ、上記旋回テーブ
ル２５には、パレツト３５を移動自在に案内する
案内ローラ３４と、該案内ローラ３４に沿うパレ
ツト３５の移動を自由にした状態でパレツト３５
のフツク３６に係合しパレツト３５の旋回テーブ
ル２５に対する横転を阻止するガイド３３と、パ
レツト３５の側面に形成された凹部３６ａに係合
してパレツト３５の案内ローラ３４に沿う自由移
動を阻止するロツカー３７とが設けられたことを
特徴とする段取ステーシヨン。