JPS6342393Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、多重構造ダイヤルの照明表示装置に
係り、特に自動車用空気調和装置のコントロール
パネルにおけるテンプダイヤルとフアンスイツチ
ダイヤルとを重合した多重構造のダイヤルを同時
に照明して表示する場合に好適な多重構造ダイヤ
ルの照明表示装置に関する。

（従来の技術） 一般に、自動車用空気調和装置におけるコント
ロールパネルには、温度制御用テンプタイヤルと
フアンの回転数を制御するフアンスイツチダイヤ
ルとを重合した二重構造のダイヤルが使用される
ことがある。

（考案が解決しようとする課題） しかし、この種の二重構造ダイヤルにあつて
は、内周側のフアンスイツチダイヤルは、外周側
のテンプダイヤルに遮蔽されるために、従来、両
ダイヤルの照明表示を同一光源によつて行なうこ
とができないという問題点を有していた。

本考案は、このような従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、多重構造ダイヤルにおい
て、同一光源の光を適宜分配し、全てのダイヤル
の指示部にて照明表示することができる多重構造
ダイヤルの照明表示装置を提供することを目的と
するものである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案は、相互に独
立して回動自在とされた複数個の軸を同軸的に設
けた多重軸を、光源からの光を伝達する平板状の
光導体の挿通孔に挿通支持すると共に、この多重
軸のそれぞれに各ダイヤルを、前記光導体と対向
するように取付けた多重構造ダイヤルの照明表示
装置において、前記各ダイヤルに透光性のある指
示部をそれぞれ形成すると共に、前記光導体中を
通る前記光の透過方向の上流側に設けられたダイ
ヤルの指示部に関連する光導体の位置にハーフミ
ラーを前記光が直角に反射するように配設し、こ
の光導体中を通る前記光の透過方向の下流側に設
けられたダイヤルの指示部に関連する光導体の位
置に全反射ミラーを前記光が直角に反射するよう
に配設し、かつ、前記各ミラーにより反射された
光を前記各ダイヤルの指示部まで導く導光部を、
前記それぞれの指示部に関連する位置に配設した
ことを特徴とする多重構造ダイヤルの照明表示装
置である。

（作用） 上述のように構成した本考案にあつては、光源
の光は、まずハーフミラーに入射し、透過するも
のと反射するものとに分配される。この反射光
は、光の透過方向の上流側に形成されたダイヤル
の裏面に照射され、ダイヤルの指示部を透過して
発光される。

一方、前記ハーフミラーを透過した光は、全反
射ミラーに入射し、下流側のダイヤルに向つて全
反射する。この反射光は、導光部を介して光の透
過方向の下流側に形成されたダイヤルの裏面に照
射され、ダイヤルの指示部を透過して発光され
る。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明
する。

第１図及び第２図は、本考案を自動車用空気調
和装置のコントロールパネルに設備されたテンプ
ダイヤルとフアンスイツチダイヤルとの二重構造
ダイヤルについての照明表示装置として適用した
場合の一実施例を示すものであり、図において、
コントロールパネルの一部を構成する。表示板Ａ
は、アクリル材等透光性ある光導体１にモード、
温度及びフアン速度等、制御するものを必要に応
じて表面に印刷したものである。又はそれらを印
刷したプレートを光導体１上に重ね合せたもので
ある。

この光導体１は、アクリル材等透光性のある合
成樹脂材料から一体成形されており、その基端に
は、光源２が対向して設けられている。この光源
２の光は、光導体１自身がその体内に形成する導
光路３を通つて全体に伝播されるようになつてい
る。

この光導体１の他端の所定の位置には、挿通孔
４が穿設されており、この挿通孔４には、回動自
在な棒形状の内軸５Ａと、この内軸５Ａの外周に
回動自在の嵌合された筒形状の外軸５Ｂとからな
る多重軸５が、挿通支持されている。

この外軸５Ｂの先端には、第２図に示すような
一端面閉塞の二重筒形状をなしたテンプダイヤル
６Ｂが、光導体１上の表面に近接して嵌合固定さ
れており、内軸５Ａの先端には、前記テンプダイ
ヤル６Ｂよりも小径の第２図に示すような一端面
閉塞の二重筒形状をなしたフアンスイツチダイヤ
ル６Ａ（下流側のダイヤル）が、前記テンプダイ
ヤル６Ｂ（上流側のダイヤル）に近接して嵌合固
定されており、これらダイヤル６Ａ，６Ｂは、多
重構造ダイヤル６を構成している。

これらのダイヤル６Ａ，６Ｂの外周辺近傍にお
ける所定位置には、それぞれ小面積を有する指示
部７Ａ，７Ｂが形成されており、これら指示部７
Ａ，７Ｂは、透光性のある材料から構成された透
光部材を透孔に植設されて成り、光を透過してそ
れ自体が発光照明するようになつている。

前記テンプダイヤル６Ｂの外周辺近傍の光導体
１上には、フアンスイツチダイヤル用目盛８Ａ
と、テンプダイヤル用目盛８Ｂとが、前記各ダイ
ヤル６Ａ，６Ｂの指示部７Ａ，７Ｂにそれぞれ対
応するように表示されており、これら各ダイヤル
用目盛８Ａ，８Ｂは、所定の調整制御範囲に対応
して円弧形状をなし、第１図に示すように、それ
ぞれ光導体１の上下部に各別に設けられている。

また、光導体１の挿通孔４に至るまでの途中の
導光路３には、ハーフミラー９Ｂが、また挿通孔
４の多年には、全反射ミラー９Ａが前記導光路３
に対し45度の傾斜角をもつてそれぞれ設けられて
いる。そして、前記ハーフミラー９Ｂは、導光路
３を伝幡する光の一部を、前記全反射ミラー９Ａ
は、同光の全部を導光路３と直角方向に屈折させ
るようになつている。これらミラー９Ａ，９Ｂ
は、第１図に示すように、前記テンプダイヤル用
目盛８Ｂおよびフアンスイツチダイヤル用目盛８
Ａにほぼ相似した円弧形状に構成され、かつ、前
記各ダイヤル６Ａ，６Ｂの指示部７Ａ，７Ｂに対
応する位置に敷設されている。

さらに、光導体１のハーフミラー９Ｂに対応す
る位置には、このハーフミラー９Ｂにて反射した
光をテンプダイヤル６Ｂの指示部７Ｂに向つて導
く導光部１０Ｂが突出形成されており、この導光
部１０Ｂは、ハーフミラー９Ｂの円弧形状とほぼ
等しい形状に形成されている。

また、テンプダイヤル６Ｂの全反射ミラー９Ａ
に対応する位置には、この全反射ミラー９Ａにて
反射した光をフアンスイツチダイヤル６Ａの指示
部７Ａに向つて導く導光部１０Ａが、透光性のあ
る材料から構成された透光部材をテンプダイヤル
６Ｂ内に植設することにより形成されており、こ
の導光部１０Ａは、全反射ミラー９Ａの円弧形状
を一部となす環形状に形成されている。

このように構成された多重構造ダイヤルの照明
表示装置の作用を説明する。

光源２の光は、光導体１が構成する導光路３を
通つてハーフミラー９Ｂに入射し、このハーフミ
ラー９Ｂで光量の半分が透過し、残りの半分が導
光路３の直角方向に反射する。この反射光は、ハ
ーフミラー９Ｂに対応して突出した導光部１０Ｂ
を透過してテンプダイヤル６Ｂの裏面に照射さ
れ、このダイヤル６Ｂに形成された指示部７Ｂに
入射した光がこの指示部７Ｂを透過する。よつ
て、この指示部７Ｂは、この透過光によつてそれ
自体照明することになる。この場合、ハーフミラ
ー９Ｂは、テンプダイヤル目盛８Ｂの表示範囲に
相応しているので、その反射光の一部、必ず指示
部７Ｂを照射して透過し、テンプダイヤル６Ｂを
回転しても照明を維持する。

一方、このハーフミラー９Ｂを透過した光は、
全反射ミラー９Ａに入射し、このミラー９Ａで導
光路３と直角に全反射する。この反射光は、全反
射ミラー９Ａに対応してテンプダイヤル６Ｂに形
成された導光部１０Ａを透過し、フアンスイツチ
ダイヤル６Ａの裏面に照射され、このフアンスイ
ツチダイヤル６Ａに形成された指示部７Ａに入射
した光がこの指示部７Ａを透過する。よつて、こ
の指示部７Ａは、この透過光によつてそれ自体照
明することになる。この場合にも、前記と同様、
フアンスイツチダイヤル６Ａを回転しても照明状
態を維持する。

なお、前記実施例では、自動車用空気調和装置
のコントロールパネルにおけるテンプダイヤとフ
アンスイツチダイヤルとの二重構造ダイヤルの照
明表示の場合について説明したが、本考案は、こ
れに限られることなく、ラジオ受信機、ステレオ
多重構造ダイヤルについての照明表示装置として
適用できる。

また、前記実施例では、二重構造ダイヤルの場
合について説明したが、本考案は、このような二
重構造に限らず、例えば、三重、四重構造ダイヤ
ルにも応用できる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、同一光源
の光をハーフミラーに入射させ透過或いは反射す
るものに適宜分配し、その反射光は、このミラー
を介して上流側のダイヤルの指示部を照明する。
一方、前記ハーフミラーを透過した光は、全反射
ミラーに入射し、下流側のダイヤルの指示部を照
明することになる。よつて、全てのダイヤルの指
示部を、同一光源の光によつて照明表示すること
ができ、その構造の簡素化が図られ、しかも夜
間、その所在位置及び種類を操作者に明確にわか
らしめることが可能となる多重構造ダイヤルの照
明表示装置を得ることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による多重構造ダイヤルの照明
表示装置の一実施例を示す正面図、第２図はその
中央縦断面図である。 １……光導体、２……光源、３……導光路、４
……挿通孔、５……多重軸、５Ａ……内軸、５Ｂ
……外軸、６Ａ……フアンスイツチダイヤル（上
流側のダイヤル）、６Ｂ……テンプダイヤル（下
流側のダイヤル）、７Ａ，７Ｂ……指示部、９Ａ
……全反射ミラー、９Ｂ……ハーフミラー、１０
Ａ，１０Ｂ……導光部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相互に独立して回動自在とされた複数個の軸５
   Ａ，５Ｂを同軸的に設けた多重軸５を、光源２か
   らの光を伝達する平板状の光導体１の挿通孔４に
   挿通支持すると共に、この多重軸５のそれぞれに
   各ダイヤル６Ａ，６Ｂを、前記光導体１と対向す
   るように取付けた多重構造ダイヤルの照明表示装
   置において、前記各ダイヤル６Ａ，６Ｂに透光性
   のある指示部７Ａ，７Ｂをそれぞれ形成すると共
   に、前記光導体１中を通る前記光の透過方向の上
   流側に設けられたダイヤル６Ｂの指示部７Ｂに関
   連する光導体１の位置にハーフミラー９Ｂを前記
   光が直角に反射するように配設し、この光導体１
   中を通る前記光の透過方向の下流側に設けられた
   ダイヤル６Ａの指示部７Ａに関連する光導体１の
   位置に全反射ミラーを前記光が直角に反射するよ
   うに配設し、かつ、前記各ミラー９Ａ，９Ｂによ
   り反射された光を前記各ダイヤル６Ａ，６Ｂの指
   示部７Ａ，７Ｂまで導く導光部１０Ａ，１０Ｂ
   を、前記それぞれの指示部７Ａ，７Ｂに関連する
   位置に配設したことを特徴とする多重構造ダイヤ
   ルの照明表示装置。