JPS6341861Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、横向き突出姿勢の茎稈係止爪を上方
に移行させる引起し装置の前部に、前向き突出姿
勢の茎稈係止爪を上方に移行させる茎稈梳き上げ
装置を備えた刈取機に関する。

上記刈取機は、茎稈梳き上げ装置を設けて、引
起し装置の爪にては係止し難い、機体横方向に沿
う姿勢に倒伏した茎稈を予め梳き上げるようにす
ることによつて、倒伏茎稈をも所望通り引起しな
がら良好な刈取処理を行なえるようにしたもので
あり、本考案は、このような利点を有する刈取機
において、前記梳き上げ装置を、対象穀稈の状況
に応じた良好な梳き上げ作用を行なえるように改
良せんとするものである。

以下本考案の実施の態様を例示図に基づいて詳
述する。

第１図及び第２図に示すように、横方向適当間
隔おきに並置した３個の分草具１…の間に形成さ
れる左右一対の茎稈導入径路Ａ，Ｂ両横端部に、
ケース２ａの前壁から前方に向けて突出させた茎
稈係止爪２ｂを地面近くから後方上方に移行させ
る茎稈梳き上げ装置２を設けるとともに、これら
梳き上げ装置２の後方に、ケース３ａ，４ａから
横内側方に向けて突出させた茎稈係止爪３ｂ，４
ｂを地面近くから後方上方に移行させる左右一対
の引起し装置３，４を設け、もつて、機体進行に
伴い圃場に植えられた茎稈を前記梳き上げ装置２
にて梳き上げながら前記径路Ａ，Ｂ内に導入し、
導入された茎稈を前記引起し装置３，４にて刈取
に適した立姿勢に引起すよう構成するとともに、
引起し茎稈の株元を切断する刈刃５、刈取茎稈を
合流して後方へ搬送する装置６、搬送されてくる
茎稈をフイードチエーン７にて挾持搬送しながら
扱処理する脱穀装置８を設け、もつて、クローラ
走行装置９で前進走行しながら引起し茎稈を刈取
処理し、扱処理する作業を自動的に連続して行な
うよう構成してある。

前記梳き上げ装置２を構成するに、上部駆動ス
プロケツト９と下方遊転ローラ１０とに亘つて前
方がわ径路部分では上方に移動させる状態で巻回
されるチエーン１１に、前記爪２ｂを取付けてあ
る。

前記スプロケツト９を駆動するに、第３図に示
すように、その入力軸１２と、前記引起し装置３
を駆動するために設けた伝動軸１３にベベルギヤ
を連動された出力軸１４とを、伝動ベルト１５を
介して連動連結し、前記ベルト伝動部分をケース
１６にて覆つてある。

前記入力軸１２における入力プーリ１７の左右
一対のプーリ部材１７ａ，１７ａを、前記入力軸
１２に対してスプライン連結し、両プーリ部材１
７ａ，１７ａを接近がわに付勢するスプリング１
８，１８を設け、更に、前記伝動ベルト１５のテ
ンシヨンプーリ１９を緊張がわに弾性付勢して設
け、もつて、前記爪２ｂの上方移行速度を、それ
に作用する負荷が増大するほど自動的に増速させ
る爪移行速度変速機構を構成してある。要する
に、対象茎稈の状況に応じて、爪２ｂの上方移行
速度を自動的に変速しながら、対象茎稈を損傷さ
せること少なく梳き上げることができるようにし
てある。

尚、爪移行速度変速機構を構成するに、例え
ば、爪２ｂの負荷を検出する装置及びこの検出装
置の情変に基づいて爪変更速度を変速操作する駆
動機構を設けて行なうようにする等、種々の形態
が考えられるものであり、如何なる形態で実施し
てもよい。

又、本考案は、コンバインの他、バインダー等
の刈取機に適用できるものである。

以上要するに本考案による刈取機は、冒記構造
のものにおいて、前記梳き上げ装置２における爪
２ｂの上方移行速度を、それに作用する負荷が増
大するほど自動的に増速させる爪移行速度変速機
構を設けてあることを特徴とする。

すなわち、爪移行速度変速機構を設けて、対象
茎稈が大きく倒伏せず且つ絡みも少い状態にある
と、爪２ｂに作用する負荷が減少するに伴い、爪
２ｂの上方移行速度を自動的に遅くし、これとは
逆に、対象茎稈が大きく倒伏し且つ強く絡み合つ
ている状態にあると、爪２ｂに作用する負荷が増
大するに伴い、爪２ｂの上方移行速度を自動的に
速くするようにしてあるから、梳き上げ装置２の
爪２ｂを対象茎稈の状況に応じた速度で上方に移
行させながら、対象茎稈を極力損傷させることな
く良好に梳き上げることが可能となつた。つま
り、対象茎稈が大きく倒伏せず且つ絡みも少ない
状態にある時には、梳き上げ装置２の爪２ｂを低
速で上方へ移行ささて、このような時に高速で爪
２ｂを移行させに比して、梳き上げにより対象茎
稈を極力損傷させないようにするのであり、これ
とは逆に、対象茎稈が大きく倒伏し且つ強く絡み
合つた状態にある時には、梳き上げ装置２の爪２
ｂを高速で上方へ移行させることにより、対象茎
稈を爪移動軌跡内に突入させ難いようにして爪２
ｂにて確実に係止させないようにしながら、換言
すれば、対象茎稈を爪２ｂから離脱し易い状態で
係止させるようにしながら、高速で移行する爪２
ｂを順次対象茎稈に繰返し作用させて除々に梳き
上げるようにすることにより、このような時に、
爪２ｂを低速で移行させるようにした場合に爪２
ｂが対象茎稈を無理に梳き上げて損傷してしまう
不都合が生じるのを回避させるのである。

もつて、一層良好に使用することが可能な刈取
機を得るに至つた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取機の実施例を示し、第
１図はコンバイン前部の側面図、第２図は梳き上
げ装置装着部の平面図、第３図は伝動構造の横断
平面図である。 ２……茎稈梳き上げ装置、２ｂ……茎稈係止
爪、３……引起し装置、３ｂ……茎稈係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横向き突出姿勢の茎稈係止爪３ｂを上方に移行
   させる引起し装置３の前部に、前向き突出姿勢の
   茎稈係止爪２ｂを上方に移行させる茎稈梳き上げ
   装置２を備えた刈取機であつて、前記梳き上げ装
   置２における爪２ｂの上方移行速度を、それに作
   用する負荷が増大するほど自動的に増速させる爪
   移行速度変速機構を設けてあることを特徴とする
   刈取機。