JPS6341757B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はペン先、特に細管式ペン先を備えた
筆記用具に関する。この筆記用具として、ペン先
（特に細管式ペン先）、ペン先を装着した円筒体、
該円筒体に後方から装着可能なインクタンク、お
よびその前端領域が該円筒体に密着している平衡
室領域を備え、この平衡室領域はその内面上に内
部平衡室を外部平衡室から仕切壁により区画形成
し、この内部平衡室はその前端部分で該円筒体の
前端領域に存在する円筒体内孔と連結した横孔に
つながり、かつその後端部分で平衡室領域の仕切
り壁を貫通した連結孔を介して、仕切り壁外面上
に存在する筒状部材でカバーされた外部平衡室に
つながつており、またこの外部平衡室の前端は外
部平衡室と円筒体との間を経て外気に連通してい
る筆記用具がある。

上記形式の公知の筆記用具（ドイツ特許第
3009100号）においては、平衡室領域はインクタ
ンクの前端に形成されており、その結果インクタ
ンクおよび平衡室領域は一括して後方から円筒体
上に差し込みないし押し込み可能とされており、
この場合外部平衡室は通常の方式で円筒体から分
離して形成されたさや部材によりカバーされ、こ
の筒状部材（さや）は先の方へ取はずし可能とさ
れており、外部平衡室は露出可能となる。

この公知の筆記用具において使用者はインクタ
ンクを新たに充てんする都度平衡室を掃除するこ
とが可能である。それはインクを充てんするため
タンクを取り出すとき平衡室がむき出しになるか
らである。またもしインクタンクがカートリツジ
として構成されている場合には上記のように平衡
室を掃除する必要はない。それはカートリツジ交
換に際し新しいカートリツジに付帯して清潔な平
衡室もまた自動的に装着されるからである。

この公知の筆記用具は上記のように平衡室の理
想的な掃除を可能とする反面、その前端に平衡室
を備えたインクタンクの製造コストは相対的に高
いという欠点を有する。

この発明は冒頭に述べた方式の筆記用具を、イ
ンクタンクの構造を簡素化して妥当なコストで製
作可能とするよう改良することを目的とする。

この目的を達成するため筆記用具はこの発明に
かかわり次の通り構成される。すなわちペン先
と、ペン先を前端に担持し内孔がインクを導く円
筒体と、該円筒体に後方から外嵌挿可能で円筒体
の外面に密着するスリーブ本体と、スリーブ本体
の後方で円筒体に後方から外嵌挿可能なインクタ
ンクとを有し、スリーブ本体の内面には内部平衡
室を形成する第１螺旋状溝が設けられ、該第１螺
旋状溝はその前端部分で円筒体の前端領域に存在
し円筒体の内孔と連結した横孔につながり、かつ
後端部分でスリーブ本体の周壁を貫通した連結孔
を介してスリーブ本体の外面に設けられ筒状部材
で覆われることにより外部平衡室を形成する第２
螺旋状溝につながり、該第２螺旋状溝が筒状部材
と円筒体との間に形成された環状スペースを介し
て外気に連通している筆記用具において、スリー
ブ本体がインクタンクと別個に設けられ、インク
タンクが開口前端部を有し、スリーブ本体の両端
部分が円筒体の前端領域に形成された後向き肩部
とインクタンクの開口前端部とにより挟圧されて
スリーブ本体が固定されたことを特徴とする。

この発明に関する筆記用具においてはインクタ
ンクと平衡室領域は上記のように分離された構成
要素であり、インクタンクは極めて簡単に製作可
能である。またインクタンクをカートリツジ型と
して形成してその内容物が消耗されたとき使い拾
て新しいカートリツジを装着することが有利にで
きる。また平衡室領域を形成する筒状部材（さ
や）自体もかなり容易に製作可能である。それは
インクタンクから分離されているので相対的に簡
単な部品で構成されているからである。

スリーブ本体（以下、スリーブと略称する）の
掃除は通常二段階の作業により実施可能である。
つまり外部平衡室をカバーしている筒状部材（さ
や）を引きはずすと、スリーブは円筒体上の元の
位置にそのままとどまつておりながら外部平衡室
はむき出しとなり、掃除可能となる。しかもスリ
ーブは筒状部材（さや）が取はずされた後、工具
を使用せずにスリーブを後方に引張り円筒体から
取はずし可能である。それは筒状部材（さや）を
取はずした後はスリーブに直接ふれることが出来
るからである。

前方から円筒体の環状空隙にさし込み可能なス
リーブ上に内部および外部平衡室が形成されてい
る筆記用具も実は既に公知である（ドイツ特許公
開第2159522号）。しかしこの公知の筆記用具にお
いてはその内部および外部平衡室は並行して連結
され、つまり平衡室の後端は内孔につながる横孔
に直接連結されており、その内面および外面に平
衡室が構成されているスリーブを取はずすには、
特殊な工具が必要で、このことは使用者は極く稀
にしか平衡室を掃除しないであろうという結果を
招くと考えられる。

本発明によれば、スリーブを合成樹脂で構成
し、その弾性変形能力を円筒体およびさや部品の
それより大きなものとすると、さや本体の後端領
域に特に良好な密着性が得られて有利である。

次にこの発明をねじ締めされたホルダを備えた
細管式ペンの一部を外観で一部を断面で示した実
施例図につき詳細説明する。

ここに示した細管式ペンは円筒体１を備え、そ
の円筒体の前端には細管式ペン先４が円筒体１の
中に嵌装された金属ソケツト３を介して保持され
ている。パイプ状の円筒体１の内孔の中には落錘
２があり、落錘２の先端にはここにはその詳細を
示していないが掃除用の針金が取り付けられてい
る。そしてその針金は細管式ペン先４の中に延び
ており、落錘２によつて軸線方向に上下に移動可
能とされている。円筒体１の反対側の後端には落
錘用のその中央に開口部を備えたストツパ５が嵌
装着されている。円筒体１の前端領域には円筒体
１の外側の円筒表面をその内孔に連結する横孔７
が設けられている。

円筒体１の上にスリーブ１５が後方から嵌装さ
れており、このスリーブはその前端領域１６で円
筒体１の後向き肩部１ａに嵌合密着している。ス
リーブ１５はまた図中１８の箇所で円筒体１の表
面に密接し、かつそこから後方に延びた部分８を
備えている。横孔７はスリーブ１５の内面と円筒
体の外面との間に形成されるらせん状の内部平衡
室１４の前端につながつている。この内部平衡室
１４の後端にはスリーブ１５の仕切壁を貫通した
連結孔１３が存在し、そこからスリーブ１５の外
表面上にらせん状に構成された外部平衡室１２が
前端に向つて延びている。この外部平衡室１２は
筒状部材（さや）９を前端方向から差し込んでそ
の外周が区画されている。部分８の後端がインク
タンク１１に当接した状態でスリーブ１５は位置
ぎめされている。その際図中１９の箇所でさや９
はスリーブ１５と密接し、また外部平衡室１２は
スリーブ１５とさや９との間の環状空隙１０を介
して大気に通連する。

インクタンク１１は円筒体１の上に後方から差
し込まれ、またホルダ６はさや９のねじ溝１７の
上にねじ締めされる。円筒体１、さや９およびイ
ンクタンク１１から成る構成体が中へずれ込むの
を防ぐため、ここには示されていないがホルダ６
の中にストツパーを設けてタンク１１を軸方向へ
移動しないよう支持可能である。

ここに示した細管式ペンにおいては、インクタ
ンク１１はインク充てんのため取はずしたりある
いはこのタンクがカートリツジとして形成されて
いる場合には交換したりするとき、ホルダ６をね
じはずしてタンクを取り出したりあるいは交換す
る方式とされている。

スリーブ１５を掃除したりあるいは交換する場
合には、ホルダ６をねじはずした状態で細管式ペ
ン先４または金属ソケツト３の所で円筒体１を支
えながら、さや９を前方に押し出して取りはずせ
ばよい。その結果外部平衡室１２はむき出しとな
りそのまま掃除可能となる。またスリーブ１５全
部を交換したりあるいは内部平衡室１４を掃除す
る場合、このペンを金属ソケツト３の所で支えな
がらスリーブ１５を特別な工具を使用せず手で後
方に引き抜き円筒体１から取はずせばよい。

新しいスリーブ１５または掃除されたスリーブ
１５を装着した後、さや９をふたたび前方からは
め込み、また充てんされたタンク１１を後方から
円筒体１の上に押し込む。その後ホルダ６をさや
９のねじ溝１７の上にねじ締めする。

以上の通り、本発明の構成によれば、簡単な構
成によつて平衡室をインクタンクと独立した部材
により構成しその着脱、掃除も容易にできるよう
にし、かつ平衡室としての機能を十分に保持でき
るようにしたものであり、またコスト低減も達成
される。

【図面の簡単な説明】

図はねじ締めされたホルダを備えたこの発明に
かかわる細管式ペンの実施例をその一部を外形で
また他の一部を断面で示すものである。 １……円筒体、３……金属ソケツト、４……ペ
ン先、６……ホルダ、９……筒状部材（さや）、
１１……インクタンク、１２……外部平衡室、１
４……内部平衡室、１５……スリーブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ペン先と、ペン先を前端に担持し内孔がイン
   クを導く円筒体と、該円筒体に後方から外嵌挿可
   能で円筒体の外面に密着するスリーブ本体と、ス
   リーブ本体の後方で円筒体に後方から外嵌挿可能
   なインクタンクとを有し、スリーブ本体の内面に
   は内部平衡室を形成する第１螺旋状溝が設けら
   れ、該第１螺旋状溝はその前端部分で円筒体の前
   端領域に存在し円筒体の内孔と連結した横孔につ
   ながり、かつ後端部分でスリーブ本体の周壁を貫
   通した連結孔を介してスリーブ本体の外面に設け
   られ筒状部材で覆われることにより外部平衡室を
   形成する第２螺旋状溝につながり、該第２螺旋状
   溝が筒状部材と円筒体との間に形成された環状ス
   ペースを介して外気に連通している筆記用具にお
   いて、スリーブ本体がインクタンクと別個に設け
   られ、インクタンクが開口前端部を有し、スリー
   ブ本体の両端部分が円筒体の前端領域に形成され
   た後向き肩部とインクタンクの開口前端部とによ
   り挟圧されてスリーブ本体が固定されたことを特
   徴とする筆記用具。 ２ スリーブ本体は連結孔の後方で円筒体の外面
   および筒状体の内面に密着する部分を有すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の筆記
   用具。 ３ スリーブ本体は合成樹脂から成り、その弾性
   変形能力は円筒体および筒状部材のそれよりも大
   きいことを特徴とする特許請求の範囲第１項また
   は第２項に記載の筆記用具。