JPS6341467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、じようご内に挿し込まれる軒樋端部
の水切金具に関するものである。

第１図及び第２図は、じようご内における軒樋
端部の従来の水切加工方法を示したものであつ
て、まず、第１図の如く、軒樋１の底部先端に切
込み２，２…を入れておき、この軒樋１端部を第
２図の如くじようご３内に挿し込んだ後、前記切
込み２部を下向きに折り曲げ、この折り曲げ部に
よつて、軒樋端部１の水切りを行なうとともに、
軒樋１が抜けるのを防止するようにしている。し
かしながら、かかる水切加工では、一般に、上記
軒樋１は、塩化ビニール等の合成樹脂で成形され
るが、このような合成樹脂は冬期に硬くなり、折
曲げの際頻繁に折損し、或いは前記切込み２の深
さが区々で、そのため、第３図の如く、軒樋１が
一方にずれると、この切込み２部分から、水が上
記軒樋１用の挿込み口４より外部に漏れるという
欠点があつた。

このような点を解消する手段として、実公昭49
−2571号公報には、じようご内に挿入される軒樋
端部に、軒樋とは別体とした水切金具を嵌合装着
する構成が開示されている。しかしながら、この
公報記載の水切金具は、排水が流れる軒樋底部の
上下両側から挟み込むようになつている。従つ
て、軒樋底面に段を生じることとなつて、軒樋を
伝つて流れてきた排水が上記の段によつて妨げら
れ、排水性能が低下するという難点がある。ま
た、前記の水切金具は軒樋へ接着されるようにな
つているが、施工時に接着し忘れたり、接着が不
充分な場合、前記の段に作用する流水の圧力によ
り、水切金具が外れてじようご内に落下し、その
排出口を塞ぐ虞れがある。

この考案は、このような問題点に鑑みて、排水
性能を低下させることなく、しかも、前記のよう
な現場施工の巧拙にかかわらず、常に一定した水
切構造を得ることのできる軒樋用の水切金具を提
供することを目的とするものである。 そして、
かかる目的を達成するため、この考案は、じよう
ご内に挿入される軒樋端部に装着される水切金具
であつて、軒樋端部の底部及び両側壁部外側面に
接合される取付けプレートを有するとともに、排
水が流れる上記軒樋の底部から間隔をおいた前記
両側壁部において、上記取付けプレートから内方
へ突出した後、その取付けプレートとの間に軒樋
用の嵌合スリツトを形成した状態で屈曲する支持
片と、同じく取付けプレート先端より下向きに屈
曲した雨水案内用の舌片とを有していることを特
徴とするものである。

以下、この考案の構成を図示の実施例に基づい
て説明すると、第４図及び第５図は、この考案の
水切金具の構造を示しており、図において１１
は、軒樋１の底部１ａの幅と略同一幅の底面部１
７と、同じくその底面部１７の両端より上方に傾
斜状に立ち上げられた側面部１６，１６とからな
る取付けプレートを示している。これらの底面部
１７及び側面部１６は、軒樋１の底部１ａ及び側
壁部１ｂの外側面に接合されるものであるが、側
面部１６，１６には、第７図のように、軒樋１の
底部１ａより間隔ｌをおけた位置において、支持
片１２，１２が形成されている。これらの支持片
１２，１２は、側面部１６の内側面より内方へ直
角に突出した後、その取付けプレート１１との間
に嵌合スリツト１３，１３を形成するよう、側面
部１６，１６と平行に屈曲した概略Ｌ字形に形成
されている。また、底面部１７の先端部分には、
下向きに屈曲された雨水案内用の舌片１５を形成
している。

上記取付けプレート１１は、前記スリツト１
３，１３を、第５図の如く、軒樋１両側壁部１
ｂ，１ｂの先端へ嵌合させて取り付けるものであ
り、その際、この取付けプレート１１は、接着剤
によつて軒樋１に接着される。従つて、軒樋１の
底部１ａに沿つて流れてきた雨水は、その底部１
ａの先端から取付けプレート１１先端の舌片１５
により案内されて、前記従来と同様にじようご内
に排出されることになる。その際、支持片１２，
１２は、底部１ａよりも間隔をおいて側壁部１
ｂ，１ｂ部分にのみ嵌合されているので、その雨
水がこれらの支持片１２と干渉することがない。

第６図及び第７図は、この考案の他の実施例で
あり、この実施例では、取付けプレート１１より
屈曲して形成される舌片１５をやや傾斜状とする
とともに、取付けプレート１１の左右両端に形成
される側面板１６，１６を、この舌片１５中間部
まで張出させて、該舌片１５へ連接されている。
また、この考案の金具は、金属板或いは合成樹脂
の一体成形等によつて形成されている。

以上の如く、本考案によれば、取付けプレート
を軒樋端部へ接合して必要により接着するのみで
完全な水切施工ができ、従つて、従来の如く折曲
げ部分が折れたり、切込み溝が深すぎて雨水が漏
れるといつた欠点が解消されるとともに、このよ
うに取付けプレートを軒樋へ取り付けるのみでよ
いから、現場施工の巧拙にかかわらず、常に一定
品質の水切施工を行なうことができるという効果
が得られる。特に、この考案の水切金具では、軒
樋底部よりも間隔をおいた側壁部において、その
軒樋側壁部に嵌合されるスリツトを形成するよう
な支持片を設けることから、その支持片が雨水の
流れる軒樋底部よりも高い位置にあり、通常の排
水状態では、この支持片と雨水が干渉することが
なく良好な排水性を維持することができ、また、
仮に取付けプレートを軒樋へ接着するのを忘れた
ような場合であつても、その排水の流れによつて
取付けプレートが脱落し、じようご内へ落下して
その排出口を塞ぐという危険性が少ないという利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の水切施工の方法を示す軒樋端
部の斜視図、第２図は、同じく軒樋取付け状態を
示すじようご部分の縦断面図、第３図は、同じく
平面図、第４図は、本考案の水切金具の斜視図、
第５図は、同じく軒樋端部への取付け状態を示す
縦断面図、第６図は、本考案の他の実施例を示す
水切金具の斜視図、第７図は、同じく軒樋端部へ
の取付け状態を示す縦断面図である。 １……軒樋、１ａ……軒樋底部、１ｂ……軒樋
側壁部、１１……取付けプレート、１２……支持
片、１３……嵌合スリツト、１５……舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. じようご内に挿入される軒樋端部に装着される
   水切金具であつて、軒樋端部の底部及び両側壁部
   外側面に接合される取付けプレートを有するとと
   もに、排水が流れる上記軒樋の底部から間隔をお
   いた前記両側壁部において、上記取付けプレート
   から内方へ突出した後、その取付けプレートとの
   間に軒樋用の嵌合スリツトを形成した状態で屈曲
   する支持片と、同じく取付けプレート先端より下
   向きに屈曲した雨水案内用の舌片とを有している
   ことを特徴とする軒樋用水切金具。