JPH0428333Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、雨水の横流れ通路の側壁に開設され
た開口を通して雨水をたて樋へ導くためのたて樋
の取付構造に関する。

〔従来の技術〕

第４図に例示したように、屋根材Ａを支持する
梁材１がアルミニウム成形品によつて構成されて
いる場合、梁材１に一体に雨水の横流れ通路２を
形成することがある。このような構造はカーポー
トやサンルームやテラスなどの簡易建築物におい
て採用されている。

同図の構造によると、屋根材Ａに降った雨水が
横流れ通路２の内部に集められ、この横流れ通路
の底壁３の適所に開設した開口４からたて樋１５
を通して落下する。第４図の構造を採用したカー
ポートなどにおいては、横流れ通路２の下部に側
壁５を設ける場合がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上述のように横流れ通路２の下部に
側壁５を設けると、底壁３に雨水を落下させるた
めの開口４を開設することができなくなつたり、
或いは、たて樋１５を取り付けることができなく
なるので、横流れ通路２内の雨水を排出するため
の新たな対策を講じる必要があるが、従来、その
ための有効な対策が無かった。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
横流れ通路の下部に側壁などの構造物があつたり
して横流れ通路の底壁に雨水の落下口としての開
口を形成することができない事情がある場合で
も、上記横流れ通路にたて樋を接続することので
きるたて樋の接続構造を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案のたて樋の取
付構造は、底壁と側壁とにより形成された横流れ
通路の上記側壁に開口が開設されており、略Ｌ字
形のパルプ材の一端部にフランジが設けられてな
るエルボにおける上記フランジが、上記開口の周
囲で上記側壁に固着されてこのエルボが上記横流
れ通路の側壁の外側に突出され、さらに、エルボ
の他端部にたて樋が接続されている点に要旨を有
する。

〔作用〕

この構成であると、エルボが横流れ通路の側壁
の外側に突出されているため、そのエルボの他端
部に接続されているたて樋が横流れ通路よりも外
側に配設されることになり、エルボやたて樋が横
流れ通路の下方に配設されなくなる。また、雨水
の落下口としての開口は横流れ通路の側壁に開設
されているので、横流れ通路の底壁に雨水の落下
口としての開口を開設する必要がない。

〔実施例〕

第１図は本考案の実施例によるたて樋の接続構
造を示す一部切欠側面図、第２図は第１図の要部
を拡大した断面図である。

第１図及び第２図において、梁材１には横流れ
通路２が具備され、この横流れ通路２を形成して
いる底壁３と側壁６は上記梁材１と一体に構成さ
れている。また、梁材１の下には柱が７有り、横
流れ通路２の下には側壁５が有る。

エルボ８は、合成樹脂製Ｌ字形のパイプ材９の
一端部に一体にフランジ１０を設けると共に、パ
イプ材９の他端部に継手部１１を設けてなる。

第２図に示すように、エルボ８のフランジ１０
は複数の取付ボルト１３により複数箇所が上記側
壁６に開設された開口１２の周囲に固着されてい
る。これによりエルボ８は横流れ通路２の側壁６
の外側に突出される。図示例では、フランジ１０
と側壁６との間にパツキン１４を挟み込むことに
よつてエルボ８の取付箇所の水密性を確保してい
る。この水密性はコーキング剤を流し込むことに
よつても確保できる。また、エルボ８の継手部１
１はたて樋１５の上端部が差し込まれている。こ
のたて樋１５は横流れ通路よりも外側で上記側壁
５に沿って垂直に配設されている。

以上の構造によると、屋根材Ａに降った雨水が
横流れ通路２に集められ、この横流れ通路２から
開口１２を経てパイプ材９の内部通路１６に入っ
た後、たて樋１５を通って下方へ排出される。

上記エルボ８において、パイプ材９の曲り角度
ａは直角であつても直角より大きい角度（例えば
100度或いは110度）であつてもよいが、後者のよ
うに設定しておくと、前者よりも雨水の流れがス
ムーズになる。

また、エルボ８は、パイプ材９とフランジ１０
と継手部１１とが一体の合成樹脂成形品によつて
構成してもよいが、第３図に示すように、既存の
エルボ形継手１７の一端部を切断線x′−x′に沿っ
て切断することによつてパイプ材９を構成し、パ
イプ材の一端部にフランジ（不図示）を溶接や接
着などの適宜手段で固着してもよい。その場合に
おいて、図示した角度αとβを等しくすることに
よつて継手部１１の軸線ｘ−ｘと上記切断線x′−
x′とを平行に設定しておくと、パイプ材９の一端
部（即ち、切断された端部）に固着されたフラン
ジを横流れ通路２の垂直な側壁６に固着したとき
に、継手部１１の軸線が垂直に設定される。ま
た、切断箇所を継手部１１に近いところに設定す
れば、横流れ通路２からのたて樋１５の出幅を小
さくでき、逆に遠い所に設定すれば上記出幅を大
きくすることができる。

ところで、一般家屋などの建築物においては、
軒樋の途中に取り付けられるあんこうと通称され
る集水器とたて樋とを接続するために、曲がり角
度が90〜120度に設定された略Ｌ字形のパイプ材
よりなる継手を使用することがある。この継手は
使用頻度が高いため量産されている。本考案のエ
ルボは、この継手の一端部にフランジを固着する
ことによつても容易に構成でき、そうすることに
よつて上記エルボ８を制作するために特別に金型
を制作する必要が無くなり、それだけコストダウ
ンを達成できる。

上記実施例においては、梁材と一体になつた横
流れ通路を示したが、別体となつたものに用いて
もよく、その場合には、横流れ通路が合成樹脂製
であれば、エルボを取付ボルトで取り付け得るこ
とは勿論、接着剤で接着固着してもよい。さら
に、一般の受け金具で支持した軒樋にも同様に使
用できるものである。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案によると、底壁と側壁と
により形成された横流れ通路の上記側壁に雨水の
落下口としての開口が開設されので、横流れ通路
の底壁に開口を形成することができない事情があ
る場合でもたて樋を不都合なく取り付けることが
できるようになる。また、横流れ通路の上記側壁
に突出状に固着されたエルボによつてたて樋の位
置が横流れ通路よりも外側になるので、横流れ通
路の下方に壁などの構造物があつても、その構造
物にじやまされずにたて樋を取り付けることが可
能になる。そのため、カーポートやサンルームや
テラスなどの簡易建築物のように、梁材と一体に
横流れ通路が設けられ、その横流れ通路の下部に
側壁が設けられる場合においても、何等の不都合
を生じることなく雨水をたて樋を通して排出でき
るようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例によるたて樋の取付構
造を示す一部切欠側面図、第２図は第１図の要部
を拡大した断面図、第３図は、既存の継手の一端
部を切断することにより、エルボを構成する場合
を説明するための側面図、第４図は従来の排水手
段を示す断面図である。 ２……横流れ通路、３……底壁、６……側壁、
８……エルボ、９……パイプ材、１０……フラン
ジ、１２……開口、１５……たて樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底壁と側壁とにより形成された横流れ通路の上
   記側壁に開口が開設されており、略Ｌ字形のパイ
   プ材の一端部にフランジが設けられてなるエルボ
   における上記フランジが、上記開口の周囲で上記
   側壁に固着されてこのエルボが上記横流れ通路の
   側壁の外側に突出され、さらに、エルボの他端部
   にたて樋が接続されていることを特徴とするたて
   樋の取付構造。