JPS6341239Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車に設けられたリトラクタブ
ルヘツドランプに関し、さらに詳しくは、ヘツド
ランプ本体の車体内への格納状態においても、パ
ツシング動作が行なえるリトラクタブルヘツドラ
ンプに係る。

リトラクタブルヘツドランプは、光を投射する
ヘツドランプ本体が車体内へ格納自在に設けら
れ、格納時にヘツドランプ本体を覆うカバーが設
けられて構成されている（実公昭55−54577号公
報参照）。

しかしながら、従来のリトラクタブルヘツドラ
ンプにあつては、ヘツドランプ本体が格納時に不
透明なカバーで覆われており、昼間走行時にパツ
シング操作を行なうには、いちいちヘツドランプ
本体を車体から突出させなければならなかつたた
め、ヘツドランプ本体を一旦突出させてからパツ
シングライトを点燈させるまでのタイムロスがあ
り、パツシング動作を迅速に行なわせることがで
きなかつた。また、突出されたヘツドランプ本体
によつて、自動車走行中の空気抵抗が増大すると
いう問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、車外に露出された状態から回
動されることにより車体内へ格納自在とされるヘ
ツドランプ本体を設け、該格納時に前記ヘツドラ
ンプ本体を覆うと共に車両前後方向に対して傾斜
するカバーを設け、且つ、前記格納状態での点灯
時に前記カバーに向けて光が出射されるように前
記ヘツドランプ本体の向きを設定したリトラクタ
ブルヘツドランプにおいて、前記カバーを、透明
体に形成されたカバー本体と、このカバー本体か
ら車体内に突設され、格納時にヘツドランプ本体
の光をカバー本体を介して車両前方へ反射させる
反射体とから形成したリトラクタブルヘツドラン
プとすることにより、上記問題点を解決すること
を目的としている。

以下、この考案を、一実施例を示す第１図に基
づいて説明する。

まず構成を説明すると、リトラクタブルヘツド
ランプ１は、ヘツドランプ本体２およびカバー３
で構成されている。

このヘツドランプ本体２は、連結部材４を介し
てモータ５に連結され、このモータ５の駆動によ
り、図中二点鎖線に示す車外への露出状態から回
動させられて車体パネル６内（車体内）に格納自
在とされている。そして、このヘツドランプ本体
２とリンク機構７によつて連動するカバー３と
が、ヒンジ８を介して車体パネル６に取り付けら
れている。

カバー３は、車体パネル６に略同一平面となる
カバー本体３ａと、このカバー本体３ａから車体
内のヘツドランプ本体２側へ突出する複数枚のリ
ブ３ｂとが、ポリカーボネートあるいはアクリル
樹脂等で一体成形され、透明体とされている。こ
のリブ３ｂの下面側に反射膜３ｃが蒸着されて、
格納時にヘツドランプ本体２の光を車両前方Ｆへ
反射させる反射体３ｄが形成されている。

このような、リトラクタブルヘツドランプ１に
パツシング動作をさせるパツシングライトスイツ
チは、モータ５と接続されておらず、ヘツドラン
プ本体２とだけ接続されている。また、ヘツドラ
ンプ点燈スイツチは、従来と同様に、モータ５お
よびヘツドランプ本体２と接続されている。

次に作用を説明する。自動車の昼間走行時に
は、ヘツドランプ本体２を車体パネル６内に格納
し、カバー３で覆つて、空気抵抗を小さくしてい
る。このような走行状態において、追越などで前
車の注意を喚起するためにパツシング操作を行な
う必要が生じたときに、パツシングライトスイツ
チをONにする。そうすると、ヘツドランプ本体
２は、突出させられることなくそのままの位置で
点燈させられて光Ａがカバー３の反射体３ｄで反
射され、透明体のカバー本体３ａを透過して車両
前方Ｆへ照射され、パツシング動作が行なわれ
る。

一方、夜間走行するのに、ヘツドランプ点燈ス
イツチをONすると、モータ５が作動して、ヘツ
ドランプ本体２およびカバー３が図中２点鎖線で
示すような位置まで移動させられるとともに、ヘ
ツドランプ本体２が点燈させられ、車両前方Ｆが
照らされる。

なお、カバー３のカバー本体３ａと反射体３ｄ
とを、別部材で形成し、反射体３ｄをカバー本体
３ａに取り付けてカバー３を形成することもでき
る。例えば、鏡面を有するアルミ板あるいはステ
ンレス板等を反射体３ｄとすることができる。

以上説明してきたように、この考案によれば、
車外に露出された状態から回動されることにより
車体内へ格納自在とされるヘツドランプ本体を設
け、該格納時に前記ヘツドランプ本体を覆うと共
に車両前後方向に対して傾斜するカバーを設け、
且つ、前記格納状態での点灯時に前記カバーに向
けて光が出射されるように前記ヘツドランプ本体
の向きを設定したリトラクタブルヘツドランプに
おいて、前記カバーを、透明体に形成されたカバ
ー本体と、このカバー本体から突設され、格納時
にヘツドランプ本体の光をカバー本体を介して車
両前方へ反射させる反射体とから形成したリトラ
クタブルヘツドランプとしたため、パツシングラ
イトを点燈させるまでのタイムロスがなく、パツ
シング動作を迅速に行なうことができる。また、
ヘツドランプ本体を車体パネル外へ突出させるこ
となく、パツシング動作が行なえるので、空気抵
抗を増大させず燃費の向上等車両性能の向上が図
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るリトラクタ
ブルヘツドランプを示す断面概略説明図である。 １……リトラクタブルヘツドランプ、２……ヘ
ツドランプ本体、３……カバー、３ａ……カバー
本体、３ｄ……反射体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車外に露出された状態から回動されることによ
   り車体内へ格納自在とされるヘツドランプ本体を
   設け、該格納時に前記ヘツドランプ本体を覆うと
   共に車両前後方向に対して傾斜するカバーを設
   け、且つ、前記格納状態での点灯時に前記カバー
   に向けて光が出射されるように前記ヘツドランプ
   本体の向きを設定したリトラクタブルヘツドラン
   プにおいて、 前記カバーは、透明体に形成されたカバー本体
   と、該カバー本体から車体内に向けて突設され、
   格納時に前記ヘツドランプ本体の光を前記カバー
   本体を介して車両前方へ反射させる反射体とから
   なることを特徴とするリトラクタブルヘツドラン
   プ。