JPS6339981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気計器等のハウジングに対して
携帯用ハンドルを回転可能、かつ、着脱自在に取
付ける装置に関するものである。

可搬式の測定器等には、大抵携帯用のハンドル
が設けられているが、その多くはハンドルを止め
ネジによつて回転可能に取付けるようにしてい
る。しかしながら、これによると機器の組立、分
解時等におけるハンドルの取付、取外しにはドラ
イバー等の工具が必要であり、不便なものであつ
た。他方、ハンドルのステムに、機器のハウジン
グ側に突設されている回転支軸に対してスライド
するスリツト孔と、このスリツト孔の上端部にお
いて上記支軸の拡径頭部よりも実質的に大きく開
口された着脱用の透孔とを設け、ハンドルを摺動
および回転可能、かつ、着脱自在に取付けること
も知られている。これによれば、ハンドルを簡単
に着脱することができるのであるが、それ故に却
つて不用意にハンドルが外れてしまうという欠点
がある。

この考案は、上記した従来の欠点に鑑みなされ
たもので、その目的は、ハンドルを機器のハウジ
ングに対して簡単に着脱することができるととも
に、通常の使用時においては不用意に外れないよ
うにした携帯用ハンドルの取付け装置を提供する
ことにある。

以下、この考案の実施例を添付図面を参照しな
がら詳細に説明する。

第１図に示されているように、この取付装置
は、測定器や通信機等に用いられるハウジング１
の側壁部に設けられた雄メンバー２と、このハウ
ジング１に適用される携帯用ハンドル３に穿設さ
れた雌メンバー４とを備えている。この実施例に
おいては、ハンドル３は左右１対のステム５，５
と、これらのステム５，５間に架設されたグリツ
プ６とを含むほぼコ字状の枠体からなり、上記雌
メンバー４はステム５の回動基端側に設けられて
いる。

雄メンバー２は、第２図および第３図に例示さ
れているように、ハウジング１の側壁部に対して
直交するように立設された円柱状の支軸７と、上
記ハウジング１の側壁部と平行になるように上記
支軸７の先端側に固設された係合板８とからな
る。この場合、係合板８と上記側壁部とで形成さ
れる間隙は、上記ステム５の板厚よりも大きくな
るように上記支軸７の高さが決められる。なお、
この実施例においては、係合板８は円板状をなし
支軸７に同心的に固設されているが、係合板８の
形状は楕円または多角形でもよく、また、支軸７
に対し偏心して取り付けられてもよい。

一方、雌メンバー４は、第４図に例示されてい
るように、上記雄メンバー２の係合板８が挿通可
能な円形の開口部９と、上記雄メンバー２の支軸
７に摺接するスリツト孔１０、およびその厚さが
上記するステム５の板厚より薄くされた弾性変形
可能な、例えば４個の舌片１１とを有している。
この実施例においては、スリツト孔１０はステム
５の長手方向に沿つて上記開口部９に連設され、
また、上記舌片１１は扇状をなし、開口部９の周
縁部からその中心方向へ延在するように設けられ
ている。なお、上記ステム５がプラスチツクなど
の熱可塑材で作られる場合には、この舌片１１は
上記開口部９と一体的に成型されることが望まし
い。

このように構成された雄メンバー２を有するハ
ウジング１と、雌メンバー４を有するハンドル３
との着脱は次のようにして行われる。まず、ハン
ドル３のステム５を左右にやや開き、雌メンバー
４の開口部９を雄メンバー２の係合板８に位置合
わせした後押しつける。係合板８は開口部９を通
つて外方へ出るが、このとき舌片１１は係合板８
に押されて一旦外方へわん曲した後、その弾性的
復元力によつて係合板８の内側に入り込み抜け止
め作用を果たす。ハンドル装着はこのようにされ
るから、上記開口部９は必ずしも係合板８より大
きくする必要はなく、同じ大きさかあるいは力を
加えれば係合板８が挿通可能なように、その寸法
公差を多少マイナスにしてもよい。ハンドル３を
外す場合はこの逆の操作となる。すなわち、係合
板８に開口部９の位置を合わせてから、両側のス
テム５をそれぞれ左右に開くようにすればよい。
なお、舌片１１の形状は必ずしも扇状である必要
はなく、例えば三角形、四角形、あるいは半円形
など適宜選ぶことができ、またその個数も図示の
４個に限定されないことは当然である。

第５図には、雌メンバー４の他の実施例が示さ
れている。同図によれば、スリツト孔１０，１０
がステム５の長手方向に沿い開口部９の両側に設
けられている。このようにすれば、機器を格納す
るような場合、例えば第６図に例示されているよ
うに、グリツプ６をハウジング１の壁面に当接さ
せることができるので、格納スペースの節約にな
り、またハンドル３の破損防止などにも役立てら
れる。

上記した実施例の説明で明らかなように、この
考案によれば、機器のハウジング側には円柱状支
軸と係合板とからなる雄メンバーが設けられ、一
方、携帯用ハンドル側には、上記係合板が挿通可
能な開口部と、この開口部に形成された薄肉の舌
片、および上記支軸に摺接するスリツト孔が開口
部に連設されてなる雌メンバーが設けられてお
り、両メンバーを介してハンドルの着脱が簡単に
できるようにされている。なお、一旦、ハンドル
が装着されると、通常の使用時または携帯時にお
いて不用意に機器本体が脱落するようなことはな
い。また、ハンドルを適宜回動あるいはスライド
させることができるので、機器の操作性を阻害す
ることなく、更に、保管スペースの節約に役立つ
という利点をも有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示した斜視図、
第２図は第１図中の雄メンバーを示した斜視図、
第３図はその側面図、第４図は第１図の雌メンバ
ーを示した斜視図、第５図はその変形実施例を示
した斜視図、第６図は第５図の雌メンバーを適用
した場合におけるハンドル位置の一形態を示した
斜視図である。 図中、１はハウジング、２は雄メンバー、３は
携帯用ハンドル、４は雌メンバー、５はステム、
７は支軸、８は係合板、９は開口部、１０はスリ
ツト孔、１１は舌片を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電気計器等のハウジングに対して携帯用ハンド
   ルを回転可能にかつ着脱自在に取り付ける装置で
   あつて、 前記ハウジングの側壁部に設けられた雄メンバ
   ーと、前記ハンドルのステム側に穿設された雌メ
   ンバーとを含み、前記雄メンバーは前記側壁部上
   にほぼ直角に立設された前記ハンドル回転のため
   の支軸と、該支軸の先端部に取付けられ、前記支
   軸の断面積より大きい面積の係合板とを有し、前
   記雌メンバーは前記係合板が挿通可能に穿設され
   た開口部と、該開口部の周縁部からその中心方向
   に延在し、前記開口部から前記係合板が挿通され
   た後は前記係合板の裏面側に位置するように弾性
   変形可能な舌片と、前記ステムの長手方向に沿つ
   て前記開口部に連設され前記支軸にスライド可能
   なスリツト孔とを有することを特徴とする携帯用
   ハンドルの取付装置。