JPS633976B2 - - Google Patents

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JPS633976B2
JPS633976B2 JP58198229A JP19822983A JPS633976B2 JP S633976 B2 JPS633976 B2 JP S633976B2 JP 58198229 A JP58198229 A JP 58198229A JP 19822983 A JP19822983 A JP 19822983A JP S633976 B2 JPS633976 B2 JP S633976B2
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sheath
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antistatic
yarns
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JP58198229A
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Masuki Fujimoto
Kuniaki Hayakawa
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕 本発明は、新規なスパン調制電性織編物の製造
に適した芯・鞘型混繊交絡マルチフイラメント糸
に関する。 〔従来技術とその問題点〕 従来から、スパン糸とフイラメント糸の両者の
特徴を併せもつたスパン調フイラメント糸が数多
く提案されているが、未だその本質をついたもの
はない。その多くは、糸表面に毛羽,ループ,ケ
ン縮などを形成させ、スパン糸の毛羽に近づけて
外観や触感を似せようとするものである。 代表的な方法としてはタスラン糸がみられる
が、この技術では糸表面に無数に突出したクロー
ズドループやたるみによつて紡績糸様の毛羽感が
得られるものの、これらループ、たるみおよび交
絡によつて糸巻層からの解舒性が悪く、かつ糸の
強度が部分的に著しく低下し、製編織性が劣るば
かりか、編織物表面品位を極度に低下させる欠点
がある。風合い的には、染色仕上加工工程で熱処
理を受けると、いずれのフイラメントも均一に収
縮し、糸加工で与えたフイラメント間分散性を低
下させて、粗剛かつボリユーム感に欠ける欠点が
ある。またこの糸は、いずれのフイラメントもリ
ラツクス状態で流体乱流処理されて作られるた
め、ループ,たるみ,交絡を高次加工工程で消滅
することなく保持させるには、少なくとも15%以
上のリラツクス率が必要とされ、前記糸表面の大
きなループやたるみによつて、衣服用生地の機能
性に致命的な欠点がある。つまり、この糸を編織
物にしても、その表面にループやたるみを生じ、
これらがからみ合う、いわゆるフアスナー現象を
生ずるため、縫製時の延反や生地すべり困難、着
用時のすべり困難やほこり付着を生ずる。 また、タスラン方式以外の交絡技術にあつては
流体の糸送り作用がないことから、スパンライク
を出すためのかさ高化は単に糸の収縮差を利用す
るにすぎないため、フイラメントライクな感じを
ぬけ切れていない。一方糸に制電性を付与する為
に加工糸に使用される構成繊維の一部に金属糸炭
素繊維、或はカーボンを含む糸等の導電制繊維や
制電性繊維を使用することは知られている。然し
ながら従来公知の制電化加工糸の製造技術にあつ
ては、上記の導電もしくは制電性繊維を集束した
状態で糸の内部にとじ込めようとするものである
ため、導電又は制電性繊維は糸中で偏在し、制電
効果は半減している他、糸全体が固くなり、フイ
ラメントライクを抜け切れず、紡績糸風合を付加
した制電性マルチフイラメント糸を得ることは困
難と考えられていた。 〔発明の目的〕 本発明の主な目的は、スパン糸の特長であるふ
くらみやソフトな毛羽感を有し、かつフイラメン
ト糸の特長である均斉さや精緻感をもち、高次加
工工程での糸扱い性が良く、更に制電効果のすぐ
れた衣料用として縫製あるいは着用上問題のない
織編物を作り得る新規なスパン調フイラメント糸
を提供することにある。 〔発明の構成〕 本発明は前記目的を達成するため次に示す基本
的技術構成を有する。 即ち、2糸条以上のマルチフイラメント糸から
なる芯・鞘型の混繊交絡糸において、芯糸の熱収
縮率が鞘糸の熱収縮率に比べて乾熱180℃・5
分・自由状態で6%以上高く、かつ芯糸の緩み率
が4%以下あると共に、鞘糸の緩み率が前記芯糸
の緩み率以上でかつ9%以下であり、芯糸あるい
は鞘糸の少なくとも一方が50×108Ωcm以下の電
気比抵抗の制電性繊維マルチフイラメント糸であ
ることを特徴とする制電性紡績糸様マルチフイラ
メント糸である。 以下、本発明を詳細に説明する。 まず本発明の1つの目的である紡績糸風合をフ
イラメント糸で製造する点に関し検討するなら
ば、紡績糸の種々の特徴が個々の繊維の微細捲縮
と内層外層間のマイグレーシヨン現象に起因して
いることからマルチフイラメント糸に交絡効果と
収縮作用を与えることによつて各フイラメント間
の分散性を高めかつ微細捲縮を発生させることを
思いつき種々実験の結果全体の糸構造としては第
4,5図に示すような少くとも2種のフイラメン
ト糸からなる芯―鞘構造で交絡処理されているも
のが適していることを見出した。ここで芯糸と鞘
糸の収縮差をどの程度に設定すべきかが重要なポ
イントであり、第1図のように織物のふくらみ程
度を左右する厚さ増加率からみて、芯糸と鞘糸の
乾収差を乾熱180℃・5分・自由状態で6%以上、
望ましくは7%以上に設定することが、安定して
高いふくらみを得るために必要であることが判つ
た。 ここで、芯糸としては、鞘糸に比べて高い収縮
率であつて、さらに繊細なふくらみと柔軟な風合
いを得るためには、芯糸として熱収縮差混繊糸を
使用することが好ましい。また鞘糸も熱収縮差混
繊糸や鞘糸の個々のフイラメントが糸軸方向に高
収縮部と低収縮部を交互ランダム長に有し、かつ
芯糸に比べてマルチフイラメント糸全体としての
収縮率が低いことが望ましい。また、本発明の構
成の範囲内で上記繊維を適正に組合せて用いるこ
とにより、非常に多様性に富んだフイラメント糸
の設計が可能である。 本発明のもう一つの重要なポイントは、発明糸
を用いて製編織する場合の高次加工性がよく、編
織物の品位を高め、かつ布帛でフアスナー現象を
生じない要件を満足させる必要がある。この点で
は、例えば第2図に示すように鞘糸の緩み率をど
の程度に設定するかが重要なポイントで、織物面
に糸の表面ループやたるみを少なく、小さくする
ため、芯糸の緩み率を4%以下にすると共に鞘糸
の緩み率を芯糸の緩み率以上で9%以下、望まし
くは8%以下に設定することが必要であることが
判つた。ただし、この鞘糸の緩み率や芯糸の緩み
率は、本発明糸の混繊交絡性の強さや、トータル
の糸の強度を決める重要なフアクターでもある。
一般に2糸条のマルチフイラメント糸を同一リラ
ツクス状態で混繊交絡した糸では、構成糸の緩み
率を本発明糸の如く低くすると、製編織時の高次
加工張力ですぬけと呼ばれる現象が生じ混繊交絡
性が低下し、目的の糸質や編織物品質が得られな
い。しかし、本発明では芯・鞘構造としているた
め、製編織時の高次加工で張力を受けても、芯糸
が主として張力を受け、すぬけ現象がなく混繊交
絡性が低下することは少ないが、より混繊交絡性
を高くするために、芯糸側についても緩みを与え
ることが望ましい。ただし、この芯糸の緩み率
は、2糸条マルチフイラメント糸の混繊交絡性を
高めることが目的であり、4%以下、望ましくは
3%以下であることが好ましい。これよりも高い
緩み率をもたせると、一般の2糸条マルチフイラ
メント糸を同一リラツクス状態で混繊交絡した糸
と同様にすぬけ現象が生じやすく、かつ最も大き
な欠点である芯糸のフイラメントが緩み交絡し、
糸全体として芯糸の強力以下の低強力部が生じ、
高次加工工程で糸切れしたり、編織物の引裂強力
を低下させることになる。また同様の理由から、
芯糸は鞘糸の強度以上のマルチフイラメント糸で
あることが望ましく、芯糸繊度もトータル繊度の
20%以上、望ましくは30%以上であることが良
い。 ここで芯糸の緩み率、鞘糸の緩み率は次式で求
めた値である。 芯糸の緩み率(%)=l1−l0/l0×100 鞘糸の緩み率(%)=l2−l0/l0×100 l0:0.1g/d荷重下の糸全体の長さ(10cm)。 l1:l0の糸の混繊交絡を分解針でていねいに解
舒し、芯糸の個々のフイラメントの長さを
スケールで読み取つた平均の長さ。 l2:l0の糸の混繊交絡を分解針でていねいに解
舒し、鞘糸の個々のフイラメントの長さを
スケールで読み取つた平均の長さ。 以上詳細に説明したように、本発明の重要なポ
イントは、糸表面に突出したループやたるみ同志
がからみ合つて生ずるフアスナー現象がみられな
いで、かつ芯糸と鞘糸の熱収縮差による糸長差で
ふくらみ効果の得られる糸であるが、編織物の染
色仕上加工工程で熱処理を受けて得られる鞘糸の
たるみは、糸加工で得られるループやたるみと性
質が異なり、例えば第3図のように本発明の特許
請求の範囲内の芯糸および鞘糸の緩み率内では、
乾熱収縮率差を高く設定しても編織物でのフアス
ナー現象はほとんど問題にならないことが判つ
た。つまり、本発明の目的を達成するためには、
2糸条以上のマルチフイラメント糸の主として鞘
糸をリラツクス状態にした芯・鞘型の混繊交絡糸
とし、かつ芯糸および鞘糸の緩み率をできるだけ
低くおさえ、むしろ芯糸と鞘糸の熱収縮差で高い
糸長差が得られる構造としたものが良いことが判
明した。 次に本発明における目的の一つである糸の制電
性について述べるならば、前記した従来技術にお
ける加工糸の制電化の問題点を改良すべく鋭意検
討の結果、本発明者等は、上記した特殊スパンラ
イク風合を有する糸構造に制電性繊維を結合させ
ることによつて、従来みられた欠点を完全に解消
したすぐれた制電性マルチフイラメント糸が得ら
れたのである。つまり本発明の混繊交絡加工糸の
一部に制電性繊維を使用することにより、糸構造
内の各繊維の分散性やマイグレーシヨンが顕著で
ある結果、制電性繊維も糸中に広く分散され、そ
の為、制電効果に方向性や班がなく、均一でかつ
制電効果の大きいマルチフイラメントとなる他、
制電性繊維の集束化がないため、ソフトでしかも
かさ高性のある紡績糸様の糸を容易に製造しうる
ものである。本発明の糸を使用した織編物を服地
として着用した場合、従来のものであれば、例え
制電性繊維を使用したものであつても、ループ内
にほこりが吸着して構造的に除去しにくかつた
が、このような欠点は全くなくなかつた。第8図
は芯糸に制電性繊維を使用した織物の織糸分解糸
電気比抵抗と織物の摩擦帯電圧およびアツシユテ
ストの関係を示したものである。つまり、糸の電
気比抵抗と織物の摩擦帯電圧やほこりの付着程度
には相関性があり、布帛で制電性能を要求するに
は糸での電気比抵抗が50×108Ω・cm以下におさ
える必要がある。 本発明に使用される制電性繊維マルチフイラメ
ントとしては、従来市販されているものが全て使
用可能であるが繊維として色,硬さ,後加工との
関係から金属繊維や炭素繊維、更にはカーボンブ
ラツクを含む繊維等は使用し難い面を有するが、
合成繊維を主体にした電気比抵抗が50×108Ω・
cm以下の繊維が適当である。例えば後の染色仕上
加工での風合い調整が比較的容易なポリエステル
系繊維が好ましく利用できる。この場合、制電性
成分として例えばブロツクポリエールアミド組成
物が好適で、ブロツクポリエーテルアミド組成物
とは、有機電解質,フエノール系抗酸化剤を所定
量含有したブロツクポリエーテルアミドのことで
ある。ここでいう有機電解質とは、ドデシルベン
ゼンスルホン酸,トリデシルベンゼンスルホン
酸,ノニルベンゼンスルホン酸,ヘキサデシルス
ルホン酸,ドデシルスルホン酸などのスルホン酸
とナトリウム,カリウム,リチウムなどのアルカ
リ金属から形成されるスルホン酸のアルカリ金属
塩,ジステアリルリン酸ソーダなどのリン酸のア
ルカリ金属塩,その他有機カルボン酸のアルカリ
金属塩などがあり、なかでもドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダなどのスルホン酸の金属塩が良好
である。フエノール系抗酸化剤としては、たとえ
ば1,3,5トリメチル―2,4,6―トリ
(3,5―ジ―tert―ブチル―4―ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン,2,2′―メチレンビス(4―
メチル―6―tert―ブチルフエノール),2,6
―ジ―tert―ブチルフエノールなどのフエノール
系水酸基の隣接位置に立体障害を有する置換基の
はいつたフエノール系誘導体である。ブロツクポ
リエーテルアミドを構成するポリエーテルとはポ
リアルキレンエーテルのことであり、ポリエチレ
ンエーテル,ポリプロピレンエーテル,ポリエチ
レンプロピレンエーテルなどのエチレンオキサイ
ドおよび、または、プロピレンオキサイドの重合
生成物である。これらポリエーテルの分子量は
1000以上、好ましくは3000〜8000のものがよく、
なかでもポリエチレングリコールの使用が最も適
している。一方、ブロツクポリエーテルアミドを
構成するポリアミドはナイロン6,ナイロン8,
ナイロン12,ナイロン66,ナイロン610のような
ホモポリアミドあるいはこれら同志または他の共
重合成分を含む共重合体で、ポリアミド形成成分
の重縮合反応により生成するホモまたはコポリア
ミドである。 ブロツクポリエーテルアミド中のポリエーテル
成分対ポリアミド成分の重量比は30〜70対70〜30
が適当である。また、ブロツクポリエーテルアミ
ド組成物中の有機金属塩の比率は1〜10重量%が
好ましい。特に3〜7重量%の範囲が好ましい。
1重量%以下では制電性向上作用が不足し、10重
量%以上ではブロツクポリエーテルアミド組成物
の溶融粘度の低下による筋形成能の悪化によりか
えつて制電性が低下する。またフエノー系抗酸化
剤のブロツクポリエーテルアミド組成物中の比率
は1〜10重量%、特に3〜7重量%の範囲が好ま
しく、1重量%未満では製糸工程,布帛の染色仕
上加工工程などにおける熱酸化劣化による制電性
の悪化を十分に抑制することは困難となり、また
10重量%を越えると添加しても熱酸化抑制効果は
飽和し、それ以上の効果が認められないばかり
か、糸の強度低下を生じやすい。 本発明に用いる制電性繊維は、繊維全体に占め
るポリアルキレンエーテル成分の比率が、0.1〜
2.0重量%となるブロツクポリエーテルアミド組
成物とポリエチレンテレフタレートの混合物が好
適である。繊維全体に占めるポリアルキレンエー
テル成分の比率が0.1重量%未満では十分な制電
性が得られず、また2.0重量%を越える場合は制
電性の向上効果が飽和し、それ以上の向上は期待
できないばかりでなく、添加量上昇による製糸性
や糸特性、例えば強度低下など悪化することがあ
る。したがつて、繊維全体に占めるポリアルキレ
ンエーテル成分の比率は0.2〜1.0重量%がより好
ましい。 さらに、本発明の制電性繊維は、ブロツクポリ
エーテルアミド組成物とポリエチレンテレフタレ
ートを混合せしめてなる混合物を芯部に配し、鞘
部はポリエチレンテレフタレートである芯鞘複合
繊維構造とするとによつて、本発明糸を使用した
布帛の各工程での取扱い性や制電性の耐久性、さ
らに通常ポリエステルと同等の白度,耐熱性,耐
光性,抗フイブリル化性,苛性ソーダ処理での繊
維表面変化を少なくするなどの効果が得られる。
芯と鞘の複合比は、高速で良好な製糸性を保持
し、フイブリル化による品質の低下を抑制するた
めに、芯成分比5〜30重量%が好ましい。 次に図面によつて本発明を詳細に説明する。 第4図および第5図は、本発明で得られる加工
糸A,Cを乾熱180℃・5分・自由状態で処理し
糸かさを発現した加工糸B,Dをモデル的に示し
たものである。なお、これら第4図、第5図で
は、理解を容易にするため芯糸と鞘糸がそれぞれ
2本ずつのフイラメントだけで代表的に描かれ、
他のフイラメントは省略してある。このためこれ
らの図では芯鞘構造には見えないが、実際の糸条
は上記に代表される芯糸と鞘糸とが多数のマルチ
フイラメントとなつていることにより明瞭な芯鞘
構造を構成している。第4図の加工糸Aは、高収
縮芯糸1と低収縮鞘糸2が若干の糸長差を有しな
がら芯・鞘交絡部3で強く混繊交絡している。こ
の糸Aを乾熱処理すると、高収縮した芯糸4と鞘
糸5とで加工糸Bのように微細捲縮と高いかさ高
性が得られるのである。また、第5図の加工糸C
は、高収縮芯糸1と低収縮鞘糸6,7が若干の糸
長差を有しながら芯・鞘交絡部3で強く混繊交絡
している。ここで、低収縮鞘糸6,7は例えばあ
らかじめ不均一熱処理等によつてさらに低収縮化
された極低収縮鞘糸部7と通常低収縮糸部6とで
構成されている。 したがつて、この糸Cを乾熱処理すると、高収
縮した芯糸4と鞘糸部8および極低収縮の鞘糸部
9とで加工糸Dのように微細捲縮とより高いかさ
高性および高嵩高部Eと極高嵩高部Fが得られ
る。 本発明に用いられるマルチフイラメント糸とし
ては、鞘糸が低収縮糸,芯糸が鞘糸に比べて乾熱
180℃・5分・自由状態で6%以上高い収縮糸で
あつて、芯糸あるいは鞘糸の少なくとも一方の少
なくとも一部が50×108Ω・cm以下の電気比抵抗
の制電性繊維マルチフイラメント糸であれば特に
限定されるものではない。また、単繊維のデニー
ルが2種以上、例えば0.5〜6デニールの範囲で
変化したマルチフイラメントの組合せでも本発明
は可能であり、外観面からは、例えば円形,三
角,五葉,八葉,偏平などの繊維断面形状の異な
る繊維の組合せや染色性の異なる繊維の組合せで
も特徴をより発揮できる。 さらに、第6図は、本発明糸を得るための製造
プロセスを例示する概略図である。本発明糸を得
るには、少なくとも2糸条以上のマルチフイラメ
ント糸を鞘糸10と芯糸11として、それぞれフ
イードローラ12,13に供給する。鞘糸10は
あらかじめフイードローラ12とリラツクスロー
ラ15の間で加熱体14に接触させて熱処理し低
収縮化糸として、芯糸11とともに流体乱流処理
体16を通して混繊交絡処理後、第2リラツクス
ローラ17を通して捲取機18で巻取パツケージ
19に巻取るのである。この際フイードローラ1
3と第2リラツクスローラ17の間のリラツクス
率(緩み率)は4%以下、リラツクスローラ15
と第2リラツクスローラ17の間のリラツクス率
はほぼ9%以下、になるような条件が望ましい。 また鞘糸10のフイードローラ12とリラツク
スローラ15の間での加熱体14での熱処理条件
は、乾熱180℃・5分・自由状態での収縮率が、
同条件での芯糸11のそれに比べて6%以下にな
る条件であればよい。 また鞘糸10として、あらかじめ前記収縮率を
同条件での芯糸11のそれに比べて6%以上低い
糸を用いる場合には、加熱体14は必要はない。
さらにより高いかさ高性や紡績糸様の嵩むらを得
たい場合には、鞘糸10をフイードローラ12と
リラツクスローラ15の間でリラツクス状態と
し、加熱体14で不均一熱処理することが望まし
い。 〔発明の効果〕 本発明による糸は上記構成をとることにより、
編織物の染色加工工程で熱処理を受けると、個個
のフイラメントが微細捲縮をもち、それぞれ内層
外層にマイグレートしながら熱収縮差による糸長
差を発現し、フイラメント糸編織物でありながら
紡績糸使い編織物様のかさ高性,毛羽感,自然な
糸むら感および柔らかな触感を有する布帛とな
る。さらに、混繊交絡糸にしては糸表面のループ
やたるみが小さく少なく、糸全体の強度も高いた
め、加工糸巻層からの解舒性が良好,製編織性良
好および高次加工張力での交絡すぬけが少ないな
どの高次加工取扱い性の良好な糸であつて、かつ
編織物表面でもループやたるみが小さく少ないた
めフアスナー現象およびほこりが付着しやすいと
いう問題が解消される。また、混繊交絡糸にして
は糸全体の強度が高く、交絡糸特有の部分的に極
低強度部が生ずることがないため、高次加工工程
での糸切れ、編織物製品の引裂強力低下の心配が
解消される。 さらに、本発明では、芯・鞘型の混繊交絡糸の
芯糸と鞘糸の少なくとも一方に50×108Ω・cm以
下の電気比抵抗の制電性繊維マルチフイラメント
糸が含まれているため、前記の如く改良されたス
パン調制電フイラメント糸が提供されることであ
る。 次に実施例をあげて本発明を説明する。 実施例 1 ポリエチレングリコールにアルカリ触媒の存在
下でアクリロニトリルを反応させ、さらに水素添
加反応を行なうことにより両末端の97%以上がア
ミノ基であるポリエチレングリコールジアミン
(数平均分子量4000)を合成し、これとアジピン
酸を常法で塩反応させることによりポリエチレン
グリコールジアンモニウムアジペートの45%の水
溶液を得た。容量2m3の濃縮缶に前記45%のポリ
エチレングリコールジアンモニウムアジペート水
溶液を200Kg,85%カプロラクタム水溶液を120
Kg,45%のヘキサメチレンジアンモニユームイソ
フタレート水溶液を16Kg投入し、常圧で内温が
110℃になるまで約2時間加熱し、80%濃度に濃
縮した。つづいて容量800の重合缶に前記濃縮
液を移行し、重合缶内に25/分で窒素を流しな
がら加熱を開始して、内温が120℃になつた時点
でドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを5.2Kgと
1,3,5トリメチル―2,4,6―トリ(3,
5ジtert―ブチル4―ヒドロキシベンゼン)ベン
ゼン5.2Kgを添加し、撹拌を開始して内温が245℃
になるまで、18時間加熱し重合を完結させた。重
合終了後缶内に窒素で7Kg/cm2(G)の圧力をかけ、
約幅15cm,厚さ1.5mmのベルト状に溶融ポリマを
回転無端ベルト(長さ6m,ベルト材質:ステン
レス,裏面を水スプレーで冷却)上に押出し、冷
却後通常の方法でペレタイズした。得られたペレ
ツトの相対粘度は2.18であつた。 前記方法で製造したブロツクポリエーテルアミ
ド組成物からなるペレツトを極限粘度0.63のポリ
エチレンテレフタレートのペレツトに4.7重量%
混合したペレツトを芯成分とし、極限粘度0.63の
ポリエチレンテレフタレートを鞘成分分として、
複合紡糸装置を使用して芯対鞘複合比が重量比で
15:85であり、繊維全体に占めるポリアルキレン
エーテルの比率は0.302重量%の同心円複合糸を
紡糸引取速度1350m/minで紡糸した。得られた
未延伸糸を倍率3.15,延伸速度500m/min,ピン
温度100℃でピン延伸を行ない、75デニール,36
フイイラメントの制電性ポリエステル延伸糸(乾
熱180℃・5分・自由状態での収縮率は16.9%で、
電気比抵抗8×108Ω・cm)とした。これとは別
に通常のポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸
延伸して得られた75デニール,36フイラメントの
三角断面のいわゆるポリエステル延伸糸(乾熱
180℃・5分・自由状態での収縮率が16.2%であ
つた)とを用いて、第6図に示すような装置で加
工を実施した。 まず、通常の三角断面ポリエステル延伸糸を鞘
糸10のみに供給し、表面速度201m/minのフ
イードローラ12と表面速度200m/minのリラ
ツクスローラ15の間で0.5%のリラツクス状態
で加熱体14に接触走行させて熱処理し、流体乱
流処理体16および第2リラツクスローラ17を
使用しないで巻取機18で巻取パツケージ19に
巻取つた。ここで、あらかじめ加熱体14の温度
を6種類変更し、乾熱180℃・5分・自由状態で
の収縮率がそれぞれ14.8,11.9,10.3,9.1,6.5,
2.1の計6水準の熱処理低収縮化ポリエステル糸
とした。 次にこれら6水準のポリエステル糸を鞘糸1
0,通常の熱処理を施していない制電性ポリエス
テル糸を芯糸11として、鞘糸は表面速度
214m/minのリラツクスローラ15,芯糸は表
面速度202m/minのフイードローラ13に供給
し、表面速度200m/minの第2リラツクスロー
ラ17との間で3Kg/cm2の圧縮空気を通した流体
乱流処理体16で混繊交絡し、巻取パツケージ1
9に巻取つて表1のA〜Fの糸を得た。糸の加工
性は特に問題なかつた。得られた6水準糸の糸質
は表1に示す通りであり、この中で、C〜Fが本
発明糸、A〜Bは比較糸である。即ち、安定して
紡績糸様の高いかさ高性を得るには、芯糸と鞘糸
の乾収差を6%以上とする必要がある。また、得
られた6水準の糸をそれぞれ2本引揃えてS方向
に450T/mの撚を加え、タテ・ヨコ糸に用いて
タテ57本/in,ヨコ54本/inの密度の2/2綾織に
製織し、通常のポリエステル染色加工法で加工し
た。いずれの糸も製織準備,製織および染色加工
上特に問題になる点はなかつた。染色加工織物の
特性は、表1および第1図,第3図に示す通り
で、安定して高いかさ高性を得るには、芯糸と鞘
糸の乾収差を6%以上とする必要があり、比較糸
AおよびBからは偏平な織物しか得られなかつ
た。またC〜Fは芯糸と鞘糸の乾収差で織物のか
さが高くなつても、フアスナー現象がほとんど変
化しない特徴が認められた。また、芯糸と鞘糸の
乾収差が6.6%以上の加工糸を使用した染色加工
織物は、シルキースパン調の毛羽感,織糸の太さ
むら感,柔らかい風合いとマイールドな光沢を有
し、深みのある色合い効果が認められた。また水
準A〜Fの織物は糸加工段階で鞘糸のみ制電性繊
維の混繊交絡糸を使用しているにすぎないにもか
かわらず、摩擦帯電圧500〜1200V,アツシユテ
ストでの灰吸着も少または無で、布帛としての制
電性良好な織物であつた。 さらに、熱処理低収縮化ポリエステル糸の中
で、乾熱180℃・5分・自由状態での収縮率が9.1
%の糸を鞘糸10に、先の熱処理を施していない
制電性ポリエステル延伸糸を芯糸11として、鞘
糸はリラツクスローラ15,芯糸は表面速度
204m/minのフイードローラ13に供給し、前
記と同じ方法で加工糸を得る方法において、リラ
ツクスローラ15の表面速度を208,212,216,
218,220,222,224,228,232,236,240,244,
248m/minと13条件変更し、計13水準の加工糸
を得た。得られた糸の芯糸緩み率は1.97%,鞘糸
の緩み率がそれぞれ3.98,5.98,7.98,8.97,
9.97,10.97,11.97,13.97,15.97,17.96,19.96,
21.96,23.96%であつた。この加工糸を前記織物
と同一条件で撚糸,製織,染色加工した処いずれ
もかさ高性の高い織物であるが、第2図に示すよ
うに鞘糸の緩み率が10%以上ではフアスナー現象
が生じ、衣料用織物としては不向きな程度であつ
た。 さらに、前記加工条件で鞘糸側のリラツクスロ
ーラ15の表面速度を214m/minに固定し、芯
糸側のリラツクスローラ13の表面速度のみ、
202.2,204.3,206.3,208.2,209.3,210.7,
212.1m/minと7条件変更し加工した。得られた
加工糸は、芯糸の緩み率が1.0,2.1,3.1,4.0,
4.5,5.1,5.9%で、鞘糸の緩み率がいずれもほぼ
7.0%であつた。この加工糸をインストロン型の
強伸度試験機を用いて切断強力を測定し、その
100回測定値の平均切断強度および100回測定値中
の低強度から5回の値の平均値(加工糸の最低強
度)を求めたところ、平均切断強度はそれぞれ
4.06,4.05,4.04,3.95,3.70,3.61,3.45g/d,
加工糸の最低強度はそれぞれ3.60,3.59,3.50,
3.41,3.20,3.00,2.87g/dであつた。 ここで芯糸側に使用したポリエステルマルチフ
イラメント糸の切断強度は4.74g/d,鞘糸側に
使用した熱処理低収縮化ポリエステルマルチフイ
ラメント糸の切断強度は4.95g/dであつた。つ
まり、本発明の加工糸で、芯糸および鞘糸に使用
するマルチフイラメント糸の強度に比べて加工糸
の強度低下をできるだけ少なくおさえるために
は、第7図のように芯糸の緩み率を4%以下、望
ましくは3%以下にすることが好ましいといえ
る。
【表】 注1 加工糸のかさ発現度:加工糸を綛繰機で80
回巻きの綛にして2綛とり、乾熱180℃・5
分・自由状態で処理してバルキー化させた後、
この綛を8回折りにして、2.5cm幅のポリエス
テルテープ織物で50gの重さの荷重をかけて見
掛体積を求め、このテープ中に含まれる糸の重
さで除して単位重量(1g)当りの見掛体積
(c.c.)を求めた値。 注2 厚さ増加率:織上りの生機および染色加工
後の織物を、面積2cm2のプレツサーフート中に
はさんで10g/cm2の荷重をかけて厚さを測定
し、次式で求めた値。 厚さ増加率(%) =染色加工後の織物厚さ−生機の厚さ/生機の厚さ
×100 注3 フアスナー現象:染色加工後の織物(幅20
cm,長さ50cm)をヨコ糸に沿つて2つ折りと
し、平らでなめらかなステンレス板の間にはさ
み、さらに上側のステンレス板の重さと荷重の
重さの和が5Kgになるように荷重をのせ、1分
間放置した後荷重と上側のステンレス板を除い
て2つ折りの織物を徐々に開いて、織物の表面
に突出したループやたるみ同志がからみ合つて
いる程度、つまりフアスナー現象の程度を級判
定する。 5級:フアスナー現象がない。 4級:フアスナー現象が若干みられるが問題な
い。 3級:フアスナー現象がみられるがほとんど問
題ない。 2級:フアスナー現象がみられ、やや問題にな
る。 1級:フアスナー現象が著しく問題になる。 注4 電気比抵抗:原糸あるいは編物や織物を
0.2%のアニオン界面活性剤の弱アルカリ溶液
中で電気洗濯機を用いて2時間洗濯後,水洗,
乾燥する。ついで、該試料を編物や織物の場合
は分解して糸条とし、長さL5cm,繊度(D)1000
デニールの繊維束に引き揃えて20℃,40%RH
下で2日間調温調湿した後、振動容量型微小電
位測定装置により、印加電圧500Vで試料の抵
抗を測定し、次式により算出する。 ρ=R×D/9×155×L×d ρ:体積固有抵抗(Ω・cm) R:抵抗(Ω) d:試料密度(g/cm3) D:繊度(デニール) L:試料の長さ(cm) 注5 摩擦帯電圧:京大化研式ロータリースタテ
イツクテスター(興亜商会製)を使用し、摩擦
対称布としてあらかじめのり抜き,精練,漂白
した綿の平織カナキン3号(目付100g/m2
を用い、測定布帛および対称布とも温度20℃,
相対湿度30%の雰囲気中に一昼夜以上放置して
調湿した後、ローター回転数400rpm,較性印
加電圧100V(真空管電圧計による),前記温湿
度中で60秒間ローター回転後の摩擦帯電圧を測
定した値である。 注6 アツシユテスト:摩擦対称布としてあらか
じめのり抜き精練漂白した綿の平織カナキン3
号(100g/m2)を用い、測定布,対称布およ
びタバコの灰を温度20℃,相対湿度30%の雰囲
気中に一昼夜以上放置して調湿した後、前記温
湿度中で試験布を内径12cmの刺繍用木枠にとり
つけて対称布で15回摩擦し、底の平らなガラス
製の皿に入れられた灰から1cmの高さに刺繍枠
とともに試験布を近づけ、試験布への灰の付着
状態を級判定する。 多:静電気で灰が著しく吸着され問題にな
る。 中:静電気で灰が吸着されるがほとんど問題
ない。 少:静電気で灰が若干吸着されるが問題な
い。 無:静電気での灰吸着がない。 実施例 2 実施例1に使用した制電性ポリエステル延伸糸
の製法において、複合紡糸での芯成分側のブロツ
クポリエーテルアミド組成物からなるペレツトの
比率をかえて、繊維全体に占めるポリアルキレン
エーテルの重量混合割合が0.03〜5%まで変更す
るほかは同一条件で重合・紡糸・延伸して、75デ
ニール,36フイラメントの同心円複合制電性ポリ
エステル延伸糸20水準を得た。これら20水準の糸
は乾熱180℃・5分・自由状態での収縮率が約15
〜17%の範囲にあり、延伸糸の電気比抵抗が約2
×108〜104×108Ω・cmの範囲でポリアルキレン
エーテルの重量混合割合の高いものほど電気比抵
抗が低い糸であつた。これらのうち同一水準の糸
を芯糸および鞘糸として給糸し第6図に示すよう
な装置を使用して、それぞれ表面速度を218m/
minのフイードローラ12,表面速度204m/min
のフイードローラ13に供給実施した。 まず鞘糸はフイードローラ12と表面速度
212m/minのリラツクスローラ15の間で190
℃,30cmの熱板に接触させて熱処理し、低収縮化
した後、芯糸と共に実施例1と同じ条件の加工を
行ない加工糸20水準を得た。得られた糸の特性
は、芯糸と鞘糸の乾収差約13〜14%の範囲,芯糸
の緩み率約2%,鞘糸の緩み率約6%,加工糸の
かさ発現度約44〜45c.c./gであつた。 これら20水準の加工糸をそれぞれ2本引揃えて
S方向500T/mの撚を加え、タテ,ヨコに用い
てタテ57本/in,ヨコ54本/inの密度の2/2綾織
にし、通常のポリエステル染色加工法で加工し
た。いずれの織物もふくらみ、外観は狙い通りの
ものが得られたが、本発明の他の目的である制電
性の面では第8図に示すような結果が得られた。
つまり、糸の電気比抵抗と織物の摩擦帯電圧やほ
こり吸着程度には相関性があり、布帛に制電性能
をもたせるには、糸の電気比抵抗が50×108Ω・
cm以下におさえる必要があることがわかる。 実施例 3 実施例1の混繊交絡糸芯糸に使用した制電性ポ
リエステル延伸糸を鞘糸10に供給し芯糸11は
通常のポリエステル延伸糸75デニール,36フイラ
メントの三角断面糸(乾熱180℃・5分・自由状
態での収縮率が16.2%)を用いて、第6図に示す
ような装置でそれぞれ表面速度218m/minのフ
イードローラ12,表面速度204m/minのフイ
ードローラ13に給糸実施した。 まず、鞘糸はフイードローラ12と表面速度
212m/minのリラツクスローラ15の間で190
℃,30cmの熱板に接触させて熱処理し、低収縮化
制電性ポリエステル糸とした後、芯糸と共に実施
例2と同じ条件の加工を行なつた。 前記加工糸とは別に比較実施例として、前記加
工糸の制電性ポリエステル延伸糸として、芯鞘同
心円複合ではなく、ブロツクポリエーテルアミド
組成物からなるペレツトを極限粘度0.63のポリエ
チレンテレフタレートのペレツトに0.705重量%
混合したペレツト(繊維全体に占めるポリアルキ
レンエーテルの比率は実施例の同心円複合糸と同
一の0.302重量%)のみで溶融紡糸・延伸した75
デニール,36フイラメント丸断面糸(乾熱180
℃・5分・自由状態での収縮率が16.4%で、電気
比抵抗15×108Ω・cm)を使用し、他の条件は実
施例3と同一で実施し比較実施加工糸を得た。 これら実施例と比較実施例の加工糸を、それぞ
れ2本引揃えてS方向に450T/mの撚を加え、
タテ・ヨコ糸に用いてタテ57本/in,ヨコ54本/
inの密度の2/2綾織に制織し、この織物を連続拡
幅状リラツクス機で常法どおりリラツクス,精練
しサクシヨンドラム乾燥機で張力のかからないよ
うに注意して乾燥した後、ロングループ熱処理機
を用いてタテ,ヨコとも無緊張の状態で170℃,
2分の予備収縮処理を行なつた。次にピン式の幅
出機を用いてタテ,ヨコとも3%収縮させるよう
にオーバーフイード,幅設定し200℃,60秒のヒ
ートセツトを行ない、その後常法どおり苛性ソー
ダ水溶液を用いて吊練方式で17%の減量加工,濃
紺色に染色,仕上げセツトした。 得られた実施例および比較実施例の織物とも、
ふくらみ,柔軟性は狙い通り得られた。しかし、
制電性の面では、実施例織物が摩擦帯電圧600V
に対し、比較実施例織物は2100V、特に抗フロス
ト性の面では、実施例が4―5級,比較実施例が
1級でいずれも実施例織物が優れている。このた
め、本発明に用いる制電性繊維マルチフイラメン
ト糸として、制電性成分をフイラメント全体に均
一に混合した糸に比べて、制電性成分を個々のフ
イラメントの芯にとじこめた同心円状に複合紡糸
されたフイラメント糸を用いるのが好ましいとい
える。 注7 抗フロスト性:測定布を摩擦面が12.5cm2
円形ホルダーにセツトし、あらかじめ蒸留水で
湿潤させたガーゼで完全に湿らし、同一測定布
の摩擦対称布との間に750gの押圧荷重を掛け
た状態で85rpmの偏心回転を10分間運転摩擦
し、ホルダーセツト布を4時間以上放置乾燥し
た後、摩擦部分の単繊維のフイブリル化状態を
20倍以上の適当な拡大鏡で観察し、級判定す
る。 5級:フイブリル化が認められない。 4級:フイブリル化が若干認められるが問題な
い。 3級:フイブリル化が認められるがほとんど問
題ない。 2級:フイブリル化が認められやや問題にな
る。 1級:フイブリル化が著しく問題になる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図,第3図および第8図は本発明
糸例を含む糸特性と織物特性の関係を示す図、第
4図および第5図は本発明で得られる糸とその糸
を乾熱処理してかさを発現させた状態を示すモデ
ル図、第6図は本発明の製造プロセスを例示する
概略図、第7図は本発明糸の例を含む糸の芯糸の
緩み率と加工糸の切断強度との関係を示す図であ
る。 1……高収縮芯糸、2……低収縮鞘糸、3……
芯.鞘交絡部、4……高収縮した芯糸、5……低
収縮した鞘糸、6……通常低収縮部、7……極低
収縮部、8……通常低収縮した鞘糸部、9……極
低収縮した鞘糸部、10……鞘糸を構成するマル
チフイラメント糸、11……芯糸を構成するマル
チフイラメント糸、12……フイードローラ、1
3……フイードローラ、14……加熱体、15…
…リラツクスローラ、16……流体乱流処理体、
17……第2リラツクスローラ、18……巻取
機、19……巻取パツケージ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2糸条以上のマルチフイラメント糸からなる
    芯・鞘型の混繊交絡糸において、芯糸の熱収縮率
    が鞘糸の熱収縮率に比べて乾熱180℃・5分・自
    由状態で6%以上高く、かつ芯糸の緩み率が4%
    以下であると共に、鞘糸の緩み率が前記芯糸の緩
    み率以上でかつ9%以下であり、芯糸あるいは鞘
    糸の少なくとも一方が50×108Ω・cm以下の電気
    比抵抗の制電性繊維マルチフイラメント糸である
    ことを特徴とする制電性紡績糸様マルチフイラメ
    ント糸。 2 制電性繊維がブロツクポリエーテルアミドを
    含む合成繊維であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の制電性紡績糸様マルチフイラメ
    ント糸。 3 合成繊維がポリエステル系合成繊維であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の制電
    性紡績糸様マルチフイラメント糸。
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